第十三篇 平和メッセージ
第一節 宇宙の根本と真の血統
天一国経典「天聖経」目次
第一節 宇宙の根本と真の血統
1 皆様も、祈祷を通して神秘的な境地に入り、この宇宙の中心は何かと尋ねてみてください。「父子関係」という答えを聞くようになるでしょう。父母と子女の関係以上に、重要で貴いものはないのです。これが、この宇宙を創造された神様と人間の根本的関係だからです。
宇宙の中心は父子関係
2 父子の関係がもっている特性とは何でしょうか。真の愛と真の生命と真の血統の関係です。真の父母の真の愛が前提とならなければ、私たちの真の生命が存在することはできません。すなわち、神様のみ前に人間は、絶対的な真の愛の相対として創造されたということです。そこは、正に神様が父となり、人間は息子、娘となる軸が立てられる所なのです。もし、それよりもっと高く貴い所があれば、人間の欲望は、またそれを追求するでしょう。しかし、そのような所はありません。全知全能であられる神様が、最高の所は御自身のために隠しておいて、御自身の子女であり、愛の絶対相対者であるアダムとエバは二番目に良い所に立てて創造した、ということは想像もできません。
3 私たちの永遠の真の父母であられる神様は、一〇〇パーセント御自身のすべてを投入して人間を創造され、同位権、同参権、同居権、相続権を賦与されました。神様のすべての属性を下さったのです。神様がいかに絶対者だとしても、独りでは幸福になることができません。「うれしい」という言葉や「幸福だ」という言葉は、独りでは成立しない言葉です。必ず相対的関係を備えた所で成立するのです。
声楽家として一生を生きてきた人が、もし無人島に置き去りにされ、独りで喉が張り裂けるほど歌を歌ったとすれば、幸福を感じるでしょうか。自存される神様も、喜び、幸福であるためには、必ず愛を分かち合う相対が必要なのです。そうだとすれば、絶対者であられる神様に喜びをお返しすべき相対者としての人間は、どのような姿でなければならないのでしょうか。神様が「息子よ、娘よ」と呼ぶことができ、御自身と同格の位置に立て、共に創造の偉業を完成することができ、天地万物をすべて相続させられる子女は、どのような姿でなければならないのでしょうか。
4 神様が、創造の理想的出発点をどこに置かれたのか、お分かりでしょうか。「相対のために存在する」という原則に御自身の理想的出発点を置かれたのです。言い換えると、神様が願われた相対のために真の愛を実践することが、神様が創造のみ業を始められた核心だったのです。したがって、神様の子女である人間の責任は、何よりもまず神様に似ることです。孝子、忠臣、聖人、聖子の家庭の道理を果たす真の愛の化身になりなさいということです。神様の深い心情の内的事情を知って、アダムとエバの堕落以来、数千、数万年、苦痛の中で生きてこられた神様の恨を解いてさしあげなければならないのです。
5 全能の神様が、苦痛の場から抜け出すことができず、歴史の背後で受難の道を甘んじて耐えてこられたのは、神様が愚かで能力がないからではありません。堕落によって失ってしまったアダムとエバの本然の位置、すなわち完成した「後のアダム」の顕現を待たなければならない、復帰摂理にまつわる言うに言えない事情があったからです。いかに全権をもった神様でも、自ら永遠の基準の上に立てた天理原則を無視することはできなかったのです。
それでは、アダムとエバの堕落以来、歴史を通して神様にとって最も胸痛い恨として残されてきたものが何であるか、御存じでしょうか。それは、天の血統権を失ってしまい、兄弟権と所有権まで失ってしまった事件です。生命とも取り替えることのできない、この血統を失ってしまいました。真の生命と真の愛の実を結ぶことができなかったというのです。
血統の重要性
6 生命より貴く、愛よりも重要なものが血統です。生命と愛が合わさって創造されるものが血統です。これらのうち、生命がなくてもできず、愛がなくても血統は創造されません。愛、生命、血統のうち、その実りが血統なのです。神様の血統の中には、真の愛の種が入っていて、真の生命の体が生きています。したがって、この血統と連結されれば、神様が理想とされた理想の人間、すなわち人格を完成することも可能であり、理想家庭も生まれ、さらには、神様の祖国である理想の国家も出現するのです。平和理想世界王国は、このように絶対「性」の関係を通して創建されるのです。
7 血統の重要性は、いくら強調してもしすぎることはないことを、皆様も肝に銘じなければなりません。血統がなければ、生命はもちろん、愛も離れてしまいます。血統が残ってこそ、愛した自分の伝統が残され、血統が存続してこそ、父母の息遣いが継続していくのです。言い換えれば、父母に愛の実、生命の実、血統の実、そしてすべての喜びの実を提供する最初で最後の必要十分条件は、真の血統であることをはっきりと知らなければなりません。
ところが、生命とも取り替えることができない、この血統を失ってしまいました。真の生命と真の愛の実を結べなかったのです。地球星に広がっている六十五億の人類が、天とは何の関係もない、サタンの実に転落してしまったのです。神様は、畑に蒔いた種が秋を迎えて豊かに実れば、それを収穫しようと考えていました。それがエデンの園でした。アダムとエバ、二人の息子、娘を育てて真の愛を花咲かせ、真の生命を花咲かせ、真の血統を花咲かせた所で、永遠の愛、永遠の生命、永遠の血統の主人と家庭、そして神様の平和理想世界王国を収穫しようとしたことが、神様の人間創造の理想だったのです。
8 父子の関係こそ、あらゆる関係の中で最高、最上の関係です。神様の血統を伝授し、永存させる唯一の道は、正に父母と子女の血統関係しかないという事実を、はっきりと知らなければなりません。しかし、その場に現れたのは、偽りの愛、偽りの生命、偽りの血統でした。神様の愛と生命と血統が、愛の怨讐である姦夫サタンの所有権のもとに落ちてしまったのです。天地が真っ暗な地獄に変わってしまい、神様までも姿を隠される、そのような凄絶な世界になってしまったという事実を、人間は今まで知らずに生きてきました。
9 怨讐の血統が生命線であるかのように錯覚し、そこに命を懸けて生きている群像こそが、今日、堕落の末裔となった人類の悲しい姿なのです。それで、この世界を地上地獄と呼ぶのです。このような悲惨な姿を見つめられる神様は、どれほど胸を痛めたことでしょうか。本来、神様は、エデンの園にアダムとエバを創造されたのち、彼らを御自身の祝福のもとで結婚させ、天の所有権までも完全に伝授してあげようとされたのです。宇宙万象の所有権を、アダムとエバに相続してあげようとされたという意味です。
10 堕落によって、血統権、長子権、所有権がサタンの手に落ちてしまったのです。愛する子女に相続してあげるために、一生の間、汗を流して集めた財産を、一晩のうちに、強盗にそっくりそのまま奪われてしまった父母の立場になってしまったというのです。このように、サタンに血統権を奪われ、子女を失ってしまい、すべての国と世界の所有権まで渡してしまった神様の、悲しく無念な心情を知る人がいませんでした。したがって、血統権と長子権、そして所有権を再び取り戻す道は、サタンを自然屈伏させる道しかありません。サタンを自然屈伏させる秘法とは何でしょうか。怨讐を自分の子女よりもっと愛する真の愛の力によってのみ、可能になるのです。
11 人類の真の父と真の母を喜んで迎え、楽しむことができるひと日を送り、ひと月を送り、一年、十年、あるいは一生を送ることができる、そのような時間をおもちになった神様だったのかというのです。一年はおろか、たったの一時間でも、そのような人に出会うことができなかった神様の苦痛を、誰が慰労してあげられたでしょうか。数千、数万年を経ながらも、なぜ神様と人間の間には、到底縮めることのできない距離が生じ、父母と子女の関係も結べない悲惨な関係になったのかを知る人がいなかったのです。
真の父母様の顕現
12 人類は、誰彼を問わず、例外なくサタンの血統を受けて生まれたサタンの子女たちです。皆様自身のことを一度考えてみてください。日常生活の中でも、時々刻々、あらゆることにおいて善と悪が、皆様の内部で主導権の争奪戦を展開しているではないですか。
13 アダム家庭で始まったカインとアベルの闘争歴史は、人類歴史をそのまま戦争と葛藤の歴史にしてしまいました。小さくは人間個々人の心と体の葛藤から、大きくは国家と国家が、さらには全世界が物本主義と神本主義に分かれ、対立、闘争をしてきました。極度の利己的個人主義は、きょうも私たちの生活を脅かしています。人類の希望であり、未来を約束された若者たちを、フリーセックスと麻薬の奴隷に転落させています。物質万能主義に陥った先進国は、自国の利益にばかり目がくらみ、一日に数万人ずつ飢えて死んでいくかわいそうな生命から顔を背けています。
14 誰が、この数千年にわたるカインとアベルの歴史的な葛藤を解いてくれるのでしょうか。世界平和を掲げて出発した国連に、それができると思いますか。国連は、過去六十年をかけて努力してきましたが、世界平和は今もなお、はるか彼方です。これは、体と心のカイン・アベル関係も解決できない人間の努力だけでは不可能なことです。今こそ、天命に従って出発したアベル的平和理想世界王国の創建が必要な時です。
15 神様は、このような悲劇を、すべてきれいに清算してくれる一人の人を待ち望んできましたが、この地上にふさわしい相手と国家が現れませんでした。もし、そのような人がある国に現れて、真の父母の位置に立つことさえできていたならば、神様は、夢に現れてでも、ヘリコプターで太陽を運び、月を移して、空中で喜びの稲妻を走らせ、歓喜の雷をとどろかせたいと思われたでしょう。このような意味で、人類歴史上初めて、失ってしまったアダムの位置を探し立て、真の愛の主人の位置を確保し、神様から人類の真の父母としての印を押されて顕現した先生が、今日、皆様と同時代圏に生き、同じ空気を呼吸しているということは、正に奇跡の中の奇跡にほかなりません。
天倫の宿命的関係
16 私たちが世の中を生きていってみれば、たくさんの縁と関係が、必然的に私たちの人生に影響を及ぼすようになることを発見します。ところが、大部分の関係は、人間の恣意による選択権の中で結ばれるようになります。皆様が置かれた環境や条件の中で、必要によって結ばれる関係だというのです。このような関係は、後天的な関係であり、人間の努力いかんによって、いつでも変えたり、なくしたりできる人倫的次元の関係にすぎません。しかし、生まれる時から天が賦与してくださった天倫は、私たちの選択権の外にある源焦的な関係であり、宿命的な関係です。なぜなら、血縁だからです。父母や兄弟を、嫌いだからといって替えたり、選挙で選んだりすることができないのも、それが血縁的関係だからです。一度、金氏の家門の子女として生まれれば、永遠に金氏の家門の血統をもって生きるようになるのです。
17 今も人類が、罪悪の落とし穴から抜け出すことができずにいる理由とは何でしょうか。最初からサタンの偽りの血統を受けて生まれたからです。摂理的なみ旨と目的に対して天が授けてくださった本然的で原理的な血縁ではなく、人間の失敗によって引き起こされた後天的で非原理的な関係だという意味です。言い換えれば、たとえ堕落して父母を失ってしまった孤児の立場になったとしても、天が下さった父母と子女の根本関係がなくなることはないのですが、堕落して無知に陥り、植物人間のようになってしまった人間は、父母が厳然として生きていらっしゃるにもかかわらず、それに気づくことができずに生きる、盲目の人生を送るようになってしまったのです。したがって、堕落の血統を所有している人間は、誰彼を問わず、例外なく血統転換を経て再び生まれなければなりません。なぜなら、その道だけが、神様が下さった創造本然の血縁に還元する唯一の道だからです。
真の血統復帰
18 人類は今、これまで執拗に苦しめられてきたサタンの偽りの血統を果敢に断ち切り、真の父母様の真の血統の根に接ぎ木されなければなりません。これ以上、野生のオリーブの木として人生を終える愚を犯してはならないというのです。それは、野生のオリーブの木では、千年を生きても、野生のオリーブの種しか生産できないという悪循環が続くからです。
それでは、どうしたら私たちは、野生のオリーブの木の立場から抜け出す道を探すことができるのでしょうか。天の真の血統をもってこられた真の父母様を通して祝福結婚を受けることが、正に真のオリーブの木に接ぎ木される恩賜なのです。血統を変えなければ、種を変えることはできないからです。祝福は、重生、復活、永生の三段階を経るようになっています。
19 真の父母様から祝福結婚を受けて理想家庭を築き、罪のない純粋な真の種を受ける最善の道は、交叉祝福結婚です。人種、文化、国境、宗教の壁を越え、神様のもとに人類一家族をつくる大役事(働き)です。神様の目には、皮膚の色の達いがありません。神様の目には、国境が存在しません。神様の目には、宗教と文化の壁が見えません。これらすべてが、数万年の間、人類の偽りの父母として君臨してきた悪魔、サタンのまやかしにほかなりません。
20 最も呪わしく、夢にも見たくない怨讐の家庭と、祝福結婚を通して一つの家族になったと考えてみてください。恨みの思いに凝り固まっていた父母たちの血統は消え去り、新しい強力な真の愛の血統が創造されるのです。両家の子女たちが夫婦となり、互いに愛し合い、幸福な家庭を築いて暮らすことを呪う父母がどこにいるでしょうか。いくら憎い怨讐の娘であったとしても、自分の息子の愛を受ける嫁となり、水晶のように清らかで澄んだ真の天の孫と孫娘を抱かせてくれるとしたら、喜びの笑顔を見せない祖父や祖母がどこにいるでしょうか。
白人と黒人が、東洋と西洋が、ユダヤ教とイスラームが、さらには五色人種(あらゆる人種)が一つの家族になって暮らせる道は、交叉祝福結婚の道をおいて、ほかに方法があるでしょうか。私たちが命を懸けてでも、真の父母様から祝福結婚を受け、天の伝統である理想家庭を探し立てなければならない根本理由が、ここにあるのです。
21 人類は今、先生の教えである「真の愛、真の生命、真の血統の平和思想」を受け入れなければ、生きていけない窮地に立っています。皆様の善の先祖たちが総動員され、後天開闢時代の天的な権勢が押し寄せてくれば、いくら強大に見える国家や民族でも、天地の運勢に順応するほかなくなるでしょう。
天の密使
22 きょうお伝えした神様のメッセージを通して、多くのことを学び、悟ったことと思います。
しかし、いまだに方向感覚を喪失したまま漂流している人類は、いついかなる時よりも、天に代わる皆様の助けを必要としています。
今や皆様は、新たな覚悟と決意で天命に従って立ち上がる天の密使とならなければなりません。
23 神様の子女として創造されたアダムとエバが、堕落によって失ってしまったものとは何であると言ったでしょうか。第一に、神様が下さった血統権を喪失してしまいました。血統は、父母が子女だけに与える特権の中の特権です。しかし、堕落によって彼らは、サタンの偽りの血統を受けて、サタンの子女に転落してしまいました。
したがって、今日の全人類は、誰彼を問わず、例外なくサタンの血統を引き継いで生きている堕落の末裔だという事実を、はっきりと悟らなければなりません。神様は、御自身全体を一〇〇パーセント投入して絶対信仰、絶対愛、絶対服従の基準でアダムとエバを創造され、彼らの愛と生命の種として血統を下さったのです。したがって、今の皆様の位置は以前と違います。真の父母様が許諾された聖酒式を通して血統転換をし、再祝福を受け、真の家庭を探し立てる道が大きく開かれました。
24 第二には、人類の最初の家庭であるアダムの家庭で、兄のカインが弟のアベルの命を奪うことによって兄弟権を失ってしまいました。天が下さった家庭での本然の秩序であり、祝福である兄弟間の愛と和合の人生が、妬みと恨みの怨讐関係に落ちてしまったのです。
したがって人類は今、先生が主導してきた世界的次元の交叉祝福結婚を通して血統復帰を完成し、より天の側であるアベルが主体格である兄の位置に立って、本然の秩序を確立しなければならないのです。
25 神様が太初に人間を創造され、願われた創造本然の平和理想世界創建が、皆様の目前で、今実現されつつあることを忘れないでください。これが正に奇跡でなくて何でしょうか。世界の至る所に、交叉祝福結婚を受けた家庭が天の真の愛の根を下ろしています。新しい天の血統が実を結んでいます。この美しい地球星を本然のエデンの園に育て、人類は今から永遠の平和と幸福を謳歌し、子々孫々、天一国のハレルヤを心ゆくまで叫ぶようになる日が近づいています。
第二節 神様のモデル的理想家庭
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第二節 神様のモデル的理想家庭
1 神様は、アダムとエバを創造し、人類の最初の先祖として立てられました。御自身のすべてを一〇〇パーセント投入され、愛と生命、そして御自身の血統が連結した息子、娘として立てられたのです。父子の関係こそ、あらゆる関係の中で最高、最上の関係だからです。神様の血統を伝授し、永存させる唯一の道は、正に父母と子女の血統関係しかないというのです。
しかし、生命より貴く重要なこの父母と子女の関係が、アダムとエバの堕落によって切れてしまいました。承遠のひとり子として立てた御自身の分身が、怨讐サタンと血縁的関係を結ぶことによって、サタンの子女となって離れていきました。
その現実を目の当たりにした神様の胸には、歴史的な恨が血の塊のように固まったのです。歴史上、誰も理解できず、誰も解くことができなかった、無念極まりない悲しい恨として残ってしまいました。
2 アダムとエバを中心として、御自身の血統を永遠に伝授する真の家庭を立てようとされた神様の創造理想は、このように一代目で挫折してしまいました。したがって、神様の恨を解いてさしあげる唯一の道は、正にサタンの血統と関係のない、真の家庭を探し立てることです。ここに、私たち全員が神様の創造理想である真の家庭を立てなければならない理由があるのです。
アダムとエバを創造された神様の目的
3 旧約聖書の創世記第一章二十七節を見れば、「神は自分のかたちに人を創造された。すなわち、神のかたちに創造し、男と女とに創造された」というみ言があります。この節を帰納的に推理してみれば、神様は、一人の男性と一人の女性を合わせた方である、という結論が出ます。このような神様が、独りでいるのは良くないと思われ、御自身の対象として創造したのが被造世界でした。すなわち、宇宙の万象は形状的な対象の位置に、そしてその中心には、実体的な対象として人間を創造されたのです。このように、神様の実体対象として創造した最初の男性格代表がアダムであり、女性格代表がエバです。神様がこのように一男一女に分立して人間を創造されたことには目的があります。
4 第一に、二性性相の中和的主体として自存される無形の神様が、実体世界に相対するためには体が必要でした。男性の体だけでなく女性の体だけでもない、アダムとエバ、二人の体をまとって、実体世界と自由自在に往来し、作用するためだったというのです。体をまとっていない無形の神様では、有形実体世界に相対するのに限界があるからです。
したがって、アダムとエバが、心の中に神様をお迎えし、一体になって完成した上で、結婚して子女を生んで家庭を築いたならば、アダムとエバは外的で横的な実体の真の父母になり、神様は、内的で縦的な実体の真の父母になったでしょう。このようになっていれば、アダムとエバは、内外両面で立体的に一〇〇パーセント神様に似た立場に立つようになったのです。このように、神様に完全に似たアダムとエバが人類の真の父母になれば、彼らの姿を通して、人類は、日常生活の中で神様の実体を実感して生きるようになっていたでしょう。
5 第二には、愛の完成のためです。アダムとエバが完成して、完全一体を成し遂げた愛の実体になれば、そこに神様が臨在して人類の真の愛の父母になろうとされたのです。神様の形状的な実体の父母の立場に立つアダムとエバは、実体の子女を繁殖することによって、理想家庭と理想世界を成し遂げたでしょう。そのようになれば、人間を通して霊界と地上界が連結されます。このように、神様は、霊界と地上界を連結することを目的として人間を創造された、という結論を下すことができます。
6 神様は、真の愛を中心としてアダムとエバに臨在されることによって、人類の真の父母、実体の父母としていらっしゃり、アダムとエバが地上の生涯を終えて霊界に行けば、そこでもアダムとエバの形状で、彼らの体を使って真の父母の姿で顕現されるようになるのです。しかし、アダムとエバの堕落によって、この神様の夢は挫折してしまったのです。
7 神様が必要なのは、お金でも、知識でも、権力でもありません。神様は、絶対者であられ、全知全能であられる方なので、そのようなものは必要ない方です。いくら現代科学が目覚ましい発展を重ねても、それはすべて神様の創造圏内で新しい諸事実を発見していく過程にすぎません。膨大な宇宙は、人間の思考と科学が及ばない秩序の中で、法度に従って運行しています。このように、神様は、絶対的科学者でもいらっしゃるのです。
神様の創造理想
8 人間の創造を通した神様の理想は何だったのでしょうか。それは、正に四位基台を成し遂げることです。ここでいう四位基台とは、神様を中心として、アダムとエバが神様の愛の圏内から離れようにも離れられない、完全一体の境地を意味します。神様と一体を成し遂げることはもちろん、彼らが互いに一つになって理想的な夫婦を形成し、理想的な子女を繁殖することによって成し遂げるようになる、神様中心の家庭的基台をいうのです。このように、家庭的四位基台が完成すれば、これが正に神様の願われた創造理想家庭になるのです。
9 一般的に家庭とは、結局、父母と子女、そして夫婦の結合によって形成された一つの束のようなものですが、この束の中心は、神様の愛でなければなりません。ここで、夫は天を代表し、妻は地を代表するようになります。したがって、夫婦は二人ですが、彼らが横的に一つになるとき、天と地が統一された立場に立つようになります。神様の愛を中心として夫婦が一つになれば、天宙が統一される道が開かれるのです。
10 神様が被造世界を創造されたのは、究極的には喜びを享受しようとされたところにあります。絶対者であられる神蝶も、独りでは喜びを感じることはできないので、愛を与え合うことのできる対象が必要だったのです。喜びは学ぶものではなく、相対を通して感じるものだからです。言い換えると、神様は、人間と万物が神様の愛を中心として一つになり、和気あいあいとした愛の世界をつくるのを見て、喜びを感じるためにこの世界を創造されたのです。
このように、神様の愛の理想を完成するには、人間が絶対的に必要だったのです。そのような観点から、絶対価値は絶対的相対から創出されるという話も理解できるでしょう。その基盤の上で、人間が神様の愛を中心として真の夫婦の関係を結び、真の愛の家庭と氏族、民族、国家、そして世界をつくるのを見て喜びを感じるために、この被造世界を創造されたのが神様だというのです。
11 神様は父どして、人間は子女として、縦的な軸を形成するようになっていたのが人間の創造です。もし、この軸が完全に連結されていたならば、すなわち人間と神様の間に真の愛で一体になった関係さえ結ばれていたならば、宇宙のいかなる力も引き離せない、絶対不可分の関係ができていたのです。神様の本然の愛に結ばれ、その愛を味わった人が、どうして再び分かれることができるでしょうか。
蜜蜂は、長い冬を越えて春を迎えると、新鮮な蜜を味わうようになります。夢中で花の蜜を吸っている蜜蜂のしっぽをピンセットで引っ張ってみてください。しっぽが抜けて体から離れても、蜜から口を離さない蜜蜂を見ることができるでしょう。皆様はどうでしょうか。皆様が本当に神様の真の愛の味を知るようになれば、たとえ遠くに離れても、また戻ってきて、その真の愛にしがみつこうとするのです。このように、神様と連結させてくれる縦的な真の愛の力は、生命の力よりもっと大きいということです。
三代が調和して暮らす家庭
12 私たちが遠く離れた家族を慕うのは、そこに、「ために生きる愛」があるからです。父母の愛、兄弟姉妹の愛、妻子と隣人、親戚の愛が、一つ一つ宿っている所です。このすべての関係と縁が、「ために生きる愛」によって結ばれていて、そのすべてを抱きたいと思う、そのような温かい所です。そこに、解放された自らとして堂々と帰り、胸いっぱいに自然を抱き、家族や親戚を愛しながら歓喜の歌を歌うことが、家族のもとを離れた旅人の郷愁の思いであり希望でしょう。
故郷を追われ、本郷との心情の根を失ってしまい、家族に会いたいと思っても帰ることができず、永遠の孤独の敗亡者として独り流浪しながら生き、地獄に行くしかなかった身の上が、正に堕落の末裔である人類だったというのです。しかし、人類は今、後天開闢時代を迎え、このような足かせの沼から解放され、夢にも忘れることのなかった故郷を訪れ、家族に出会える道が開かれました。人類にとって、これほど大きな祝福の日が、またとあるでしょうか。アダムとエバが堕落によって失ってしまった本然の家庭を、私たちが再び探し立て得る天運の時が到来したのです。
13 皆様が失ってしまった本然の家族を訪ねていく時は、アダム完成の位置で、イエス様完成の位置で、そして再臨主を代表する完成した位置で行かなければなりません。その家庭には、神様が臨在されるでしょう。祖父母、父母、子女が、共に和合して暮らす三世代の家族になるでしょう。祖父を歴史的な先祖の根として侍って暮らさなければなりません。
14 「ために生きる人生」の典型的モデルは、神様のような家庭です。父母と子女は愛と尊敬で、夫婦は相互信頼と愛を土台として、兄弟姉妹はお互いに信じて助け合いながら、一つになって暮らす家族の姿が、正にモデル的理想家庭なのです。真の愛の根に、真の愛の幹が生じて、真の愛の実を結ばせる、真の家庭を取り戻さなければならないという意味です。そのような家庭には、歴史の根が生きており、天国の根が張っているということです。地上天国の根が張っている所が、そのような家庭です。
永遠に継続する神様の王権の根も、ここに定着するのです。過去と現在と未来の根が、それぞれ祖父母、父母、孫と孫娘に代表され、過去の根である祖父母は霊界を代表し、現在の根である父母は現在の世界を代表する王宮であり、未来の根である孫と孫娘は、王子、王女として二つの世界、すなわち霊界と肉界を代表する平和の宮殿を建てて暮らすのです。このように、祖父母、父母、孫と孫娘を中心として、三代が一つの家庭で、永存される神様に侍って暮らす天一国家庭を探し立てることが、氏族的メシヤの責任であり、平和大使の使命であり、神様の願いであることを知らなければなりません。
15 人類が一つの家族となり、お互いに心の壁を崩し、天宙的次元で国家間の国境までも除去しようという共生共栄共義社会の実現運動も、このように一つの家庭から始まるのです。したがって、私たちが真の家庭を探し立てることは、この地において天宙平和王国創建を早める摂理的召命である、ということを肝に銘じなければなりません。
16 神様がどこかに外出しても、懐かしく思って再び訪ねてくる、そのような家庭を皆さんは探し立てなければなりません。父母が子女の家を訪ねるように、喜びの心で気楽に訪ねてこられる家庭を準備しなさいということです。それが、正に神様に侍って暮らす生活です。そのような家庭では、神様が良心のような縦的な主体になり、皆様の心は、その縦的な主体に従って、自分自身の縦的主体の立場に立って心と体を統一するのです。そこでは、父母の愛、夫婦の愛、子女の愛、兄弟の愛、このように四大愛圏、すなわち四大心情圏が完成するのです。このような家庭になれば、上下、前後、左右が一つに連結された球形運動を継続するようになり、したがって、永存する神様のモデル的理想家庭と理想国家と平和理想王国になるのです。
17 もし全世界が真の家庭で満ちれば、そこには弁護士も、検事も、さらには判事も必要がなく、天道と天法が治める世の中になるでしょう。皆様も一度考えてみてください。誰が皆様の善し悪しを一番よく知っていますか。皆様の祖父母であり、皆様の父母であり、皆様の夫と妻、皆様の子女たちです。家庭の中で解決できないことがあるでしょうか。父母と子女が、夫と妻が、兄と弟がお互いに「ために生きる人生」の模範を見せるとき、許し難い過ちがどこにあり、罪を犯す隙間がどこにあるでしょうか。天理と天道が治める世界は、ありのままの世界です。遮るもののない真理と道理の世界です。影が生じない絶対価値による正午定着の世界です。したがって、私たちが真の家庭を探し立てることは、この地において天宙平和王国の創建を早める摂理的召命である、ということを肝に銘じなければなりません。
第三節 絶対「性」と交叉祝福結婚
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第三節 絶対「性」と交叉祝福結婚
1 皆様は、神様が人間を創造した究極約な目的とは、どこにあると思いますか。真の愛を中心とした理想家庭の完成を通して、喜びを感じることでした。それでは、理想家庭とはどのような姿なのでしょうか。神様が創造された最初の人間は、男性格の代表モデルのアダムと、女性格の代表モデルのエバでした。そうだとすれば、彼らが真の愛の見本となる人格者と主人になる道とは、どのような道だったのでしょうか。一言で言えば、神様を父として侍って生きていきながら、父母と子女の関係を確保する絶対平和モデル理想家庭です。神様と一つの家族を形成し、永遠に喜びを感じて生きる道だという意味です。
2 神様は、絶対平和モデル理想家庭を成し遂げるためにアダムとエバを創造し、人類の最初の先祖として立てられました。御自身のすべてを完全投入され、真の愛と真の生命と真の血統が連結した天宙の総合実体であり、霊界と肉界の媒介体であるとともに万物の主管主である息子、娘として立てられたのです。
3 アダムとエバが神様の王子、王女になれば、神様と父子の関係になり、神様のすべてを相続することができるようになります。このような子女が、真の愛を中心として夫婦一体を完成すれば、神様に侍って暮らす家庭になり、その家庭は、平和と理想の基地になるのです。一組の男性と女性が一体になり、完全な神様の相対として、神様の理想的な愛を完成する基地だというのです。言い換えれば、真の愛を中心として、神様は人間を無限の価値をもつ存在として完成させることによって、神様も真の愛を完成し、永遠の理想の愛が宿る創造理想世界を完成するようになるのです。
絶対「性」
4 アダムとエバがモデル平和理想家庭を形成するには、絶対必要条件があります。絶対者であられる神様が、絶対的基準の上で絶対的価値を賦与するために、御自身の子女として創造した人間は、天道が求める絶対基準の道を行かなければなりません。絶対者であられる神様を父母として侍るために、行かなければならない宿命的路程の人生が必要だということです。言い換えれば、人間が神様に似る者となって完成し、絶対者の息子、娘と呼ばれる人格者の姿を確保するには、天が定めた絶対的基準の道を歩まなければならないという意味です。その中で最も重要なものが、正に絶対「性」の基準です。
5 第一には、結婚式の時まで守るべき絶対「性」、すなわち絶対純潔の基準です。人間は、誰もが生まれてから成長過程を経ていくようになります。父母の愛と保護のもと、比較的安全で無難な幼少年時代を経たのち、周囲のすべての人たちはもちろん、万物万象と共に新しい次元の関係を結び、新しく躍動的な人生を出発する青少年期に入っていきます。外的に成人になるだけでなく、内的に人格完成を通じた絶対人間の道に入っていく瞬間です。
ここで、人間なら誰でも例外なく守るべき絶対必要条件が正に純潔です。人間にとって純潔が絶対「性」のモデルであり必要条件なのは、神様が、創造理想を成し遂げるために御自身の子女に与えられた宿命的責任であり、義務であり、天道だからです。それが、正に絶対「性」を完成する道です。
6 神様が人間始祖のアダムとエバを創造して与えてくださった、唯一の戒めは何だったでしょうか。天が許諾する時までは、お互いの「性」を絶対的基準で守りなさいという戒めであり、祝福でした。善悪の実を取って食べれば必ず死に、取って食べずに天の戒めを守れば、人格完成はもちろん、創造主であられる神様と同等な共同創迭主の隊列に立つようになり、さらには万物を主管し、永遠で理想的な幸稿を謳歌する宇宙の主人になるという聖書のみ言は、正にこの点を踏まえて語ったことです。
婚前純潔を守り、真の子女として天の祝福のもとで結婚して真の夫婦となり、真の子女を生んで真の父母になりなさいという祝福だったのです。これは、神様の創造原則である絶対「性」を離れてなされるものではないという事実を、確認させてくれる内容です。すなわち、神様のこの戒めの中には、人間が歴史を通して神様の子女として個性を完成し、万物の主管主の位置に立つためには、神様の創造理想である絶対「性」のモデルを相続しなければならないという、深い意味が隠されていたのです。
7 第二の基準は、夫婦間において、生命よりも貴く守るべき絶対「性」のモデル、すなわち絶対貞節の天法です。夫婦は、天が定めてくださった永遠の伴侶として子女を生むことによって、真の愛、真の生命、真の血統を創造する共同創造主の、絶対、唯一、不変、永遠性の本源地なのです。独りでは、千年を生きても子女を生むことができないというのが天理だからです。婚前純潔を守り、純粋な天の夫婦として結ばれた人たちが、どうして天道を外れて浮気をすることができるでしょうか。動物とは異なり、神様が人間を御自身の子女として創造された、そのみ旨を知ったなら、それは想像もできない創造主に対する背信と背逆であり、自ら破滅の墓を掘る道です。人間が堕落した結果としてもたらされた、創造理想圏外の結果です。
8 絶対「性」は、天が人間に賦与された最高の祝福です。絶対「性」の基準を固守しなければ、人格完成、すなわち完成人間の道を行くことが不可能だからです。さらには、神様も人格神、実体神の位置を立てるためには、完成した人間を通して真の家庭的絶対「性」の基盤を確保しなければならないからです。絶対者であられる神様が、私たちの人生を直接主管され、私たちと同居し、共に楽しまれるためには、御自身の対象であり、子女として創造した人間が、神様のように絶対「性」の基準で完成した家庭の姿を備えなければならないという意味です。絶対「性」を中心とする家庭の枠の中でこそ、祖父母、父母、子女、孫と孫娘、このような三代圏を含む本然の理想的な「性」の関係が創出されるのです。この基台の上でこそ、神様の永生はもちろん、人間の永生も可能になることをはっきりと知らなければなりません。
9 絶対「性」を中心とするアダムとエバが、神様のみ旨のとおりに個人完成、すなわち人格完成を成し遂げ、神様の祝福の中で夫婦関係を結び、神様と完全一体を成し遂げていたならば、神様が彼らの中に臨在できる関係が成立していたでしょう。さらには、彼らの子女にも、神様と直接的に父子の関係を結ぶことができる愛の基準が連結されていたでしょう。言い換えれば、完成したアダムとエバの絶対「性」を中心とする結婚は、神様御自身の結婚になっていたのです。神様であると同時にアダムであり、神様であると同時にエバになるのです。そうしてアダムとエバが神様の体になることによって、神様が彼らの心の位置に安着され、共に有形、無形、二つの世界で、絶対「性」を中心とする人類の真の父母になっていたでしょう。
交叉祝福結婚の目的
10 人間はなぜ結婚しなければならないのでしょうか。主人の位置を求めるためです。男性も女性も、独りでは片方の人間にしかなりません。神様の創造がそのようになっています。それで、神様は、愛の器官である生殖器の主人を互いに取り替えておいたのです。妻の生殖器の主人は夫であり、夫の生殖器の主人は妻だというのです。
互いに、「ために生きる愛」を中心としてこそ、相手の主人の位置に立てるのです。このような主人の位置を確保するために、人間は結婚をするのです。
11 主人の位置を求めて何をしようというのでしょうか。その位置で神様の愛を占領しようというのです。神様は、三大愛の主体であられます。天宙の主人として、真の愛の師、真の愛の主人、真の愛の父母であられるのです。これが正に、真の三大主体思想です。このようなすべての教えと真理が、真のモデル的家庭の生活を中心として創出されるのであり、これを拡大すれば、社会と国家、そして世界と天宙までも、モデル的理想家庭による平和王国に変えることができるのです。
12 今、皆様の位置は、以前とは違います。真の父母様が許諾された聖酒式を通して血統転換をし、再祝福を受け、真の家庭を探し立て得る道が大きく開かれました。血統転換をして人類を再び神様の子女として探し立てる最上の方法は、交叉祝福結婚です。人種、文化、国境、宗教の壁を越え、すなわちすべての怨讐関係の輪を断ち切り、新しい次元の天的血統を創造する革命的役事です。神様が、この現象世界を摂理されるために、実体をまとって顕現された平和の王、真の父母を通して再創造される神聖な血統転換の儀式です。
13 生命より貴く、愛よりも大切なものが血統です。生命と愛が一つになって創造されるものが血統なのです。このうち、生命がなくても、愛がなくても血統は創造されません。愛と生命と血統のうち、その結実は血統だということです。神様の血統の中には真の愛の種が入っていて、真の生命の体が生きているのです。
14 皆様も一度胸に手を置いて静かに考えてみてください。今日、私たちが身を置いているこの戦争と反目の世の中を、何かほかの方法で救うことができるでしょうか。怨讐の家門、さらには怨讐の国とも、交叉祝福結婚を通して、憎みたくても憎めない一つの家族になること以上に確実な方法がどこにあるでしょうか。さらには、交叉祝福結婚こそ、この地に平和理想世界を実現する究極的方法であり手段であることを、はっきりと教えてあげなければなりません。そして、皆様の家門と氏族、そしてこの韓民族が、みな共に交叉祝福結婚の神聖な隊列に進み出なければなりません。
真の愛の人生
15 真の愛の本体であられる神様に似る最善の道が、真の愛の実践を通して真の愛の人格者になり、真の愛の主人になる道です。その道こそが、私たちも真の父母になれる道なのです。
16 皆様の人生は、真の愛に夢中になって生きる人生でなければなりません。アダムとエバ以上に、イエス様以上に、神様を愛する人生を生きなければなりません。徹底した真の愛の実践を通して、体と心を完全に統一し、真の愛の相対圏を探し立てなければなりません。言い換えれば、この地で真の家庭を完成させ、真の父母、真の夫婦、真の子女、このように少なくとも三代が共に真の愛を中心とする人生を生きてから入っていくべき所が天国です。
17 真の愛とは、どのような愛でしょうか。絶対的神様の真の愛の本質は、受けようという愛ではなく、人のために、全体のために先に与え、「ために生きよう」とする愛です。与えても、与えたということすら記憶せず、絶えず与える愛です。喜んで与える愛です。母親が赤ちゃんを胸に抱いてお乳を飲ませる、そこに喜びと愛の心情があり、子女が父母に孝行して喜びを感じる、そのような犠牲的な愛です。神様の人類創造は、何の見返りも期待せず、条件も付けずに与える、絶対、唯一、不変、永遠の愛による創造であったというのです。
18 真の愛は、公益性をもつ無形の秩序や平和や幸福の根源です。真の愛は、宇宙の源泉であり、宇宙の中心、宇宙の主人を生み出してくれる愛です。真の愛は、神様の根であり、意志と力の象徴でもあります。したがって、真の愛で結ばれると、永遠に一緒にいてもただうれしく、宇宙はもちろん、神様までも引っ張ればついてくるのです。堕落の末裔である人間がつくった国境の壁、人種の壁、さらには宗教の壁までも、永遠に終わらせる力をもっていることが、真の愛の価値です。したがって、天国に入るために絶対に必要な条件が、正に「ために生きる人生」、すなわち真の愛の人生なのです。
19 神様の真の愛の主流属性は、絶対、唯一、不変、永遠なので、誰でもこの真の愛を率先して実践するとき、神様と同居して共に楽しむことができ、同参権、相続権までも享受するようになるのです。このように、天国に入る絶対必要条件である「ために生きる人生」、すなわち真の愛の人生とは、平和理想のモデルとなる新しい家庭で、神様を中心として平和に暮らす人生なのです。
第一節 霊界と天国
天一国経典「天聖経」目次
第一節 霊界と天国
1 万有の創造主であられる神様は、全人類の真の父母です。ある特定の宗教や特定の人種、あるいは特定の地域の人々だけのためにいらっしゃる、制限された概念の父母ではありません。その名称を「ヤハウェ」と言ってもよく、「アッラー」、あるいは何かほかの名前でもよいのです。重要なことは、神様は、確実に存在され、万人の真の父母として、今も生きて創造のみ業を継続していらっしゃるという事実です。御自身が太初に立てられた天理原則に従って宇宙万象を経綸され、歴史を摂理しておられるのです。
実存する霊界
2 人間には、心と体があり、心の上位には霊人体があり、その霊人体が入っていって暮らす霊界にはもちろん、肉身が暮らしている現実世界のどこにでも神様がいらっしゃいます。そして、人間は、真の愛を通して神様と完全に一つになるとき、完全な人になるのです。このような観点から、完全な人とは、たとえ小さな個体の姿であったとしても、全体歴史を代表した存在であり、また未来のすべての関係を代表した存在なので、天宙的な価値を備えているのです。
3 私たちが本当に人間の天宙的な価値を知れば、生きていくにおいて、心を先に立てて従っていく人生を生きていかなければならないことが明確になるでしょう。それで皆様の良心は、皆様のすべての言行はもちろん、考えまでも感知し、知っているのです。師よりも先に知り、父母よりも先に知り、神様よりも先に知るのです。したがって、永遠の師である良心の命令に絶対服従して生きさえすれば、皆様の永生は絶対に保障されるのです。神様の創造がそのようになっています。
4 人間の構造を見てみると、神様は、本来人間を二重構造で創造されたことが分かります。有形世界である現象世界の縮小体として肉身を創造され、無形世界の代表であり、主人として立てるために霊人体を創造されました。したがって、人間は、地上界で百年くらい生きて肉身の働きが終われば、自然に、そして自動的に無形世界である霊界に入っていくようになっているのです。このように霊界は、肉身を土台として生きている私たちの目では見ることができないだけであって、自動的で必然的な地上生活の延長なのです。神様が創造してくださった、人間の永遠の本郷です。
5 霊界は、厳然として存在します。妄想の世界でもなく、想像の世界でもありません。これは、人間の選択権の外にあるのです。良いからといって行き、嫌だからといって行かなくてもよい、そのような世界ではありません。神様が永遠不変の方であられるように、御自身が創造された霊界も永遠不変なのです。私たちが地上界で、肉身をもって現象世界と様々な関係を結んで暮らすのと同じように、霊界でも人間は、霊人体をもって霊界のすべての現象と密接な関係を維持して生きていかなければならない宿命的な存在なのです。
霊人体と肉身の関係
6 人間の霊人体と肉身の関係について見てみるとき、より重要なのは、肉身ではなく霊人体です。肉身は百年くらい生きて死を迎えますが、霊人体は、時間と空間を超越して永生します。いくら地上界で良い服を着て、良い物を食べ、裕福に暮らす人も、結局、死を迎えるようになるのではないですか。
したがって、皆様の人生は、霊的な基準と肉的な基準をよく調和させ、霊肉が一つになった完成実体を形成してから逝かなければなりません。現象世界であり有限世界である地上界の人生で、肉身を土台として霊人体を完成させなければならない宿命的な責任があるということです。しかし、霊人体の完成が自動的にやって来るのではありません。必ず真の愛の実践を通して、体と心が完全一体になった人生の土台の上で、初めて完熟した霊人体が結果として実っていくのです。
7 秋になって、倉庫に入っていくよく熟した果物になるためには、春と夏という過程を経ながら、自然界が提供してくれる栄養素と、主人の細やかな世話が絶対に必要です。無精で見識のない主人に出遭った果樹園の果物は、様々な疾病と悪天候に悩まされ、熟すこともできないまま落果したり、虫に食われた果物として分類されたりしてしまうでしょう。果物は果物ですが、すべて同じ果物ではありません。すべての果物が市場に出して売れる完成品になることはできないのです。
8 木の上で完熟した果物は、自動的に主人の倉庫に入っていきます。同じように、人間の霊人体は、木と同じ立場にある地上界の人生で完成してこそ、自動的に無形世界である霊界の天国に入っていくのです。言い換えれば、人間は、肉身をもって暮らす地上界の人生で、完熟した人生、すなわちこの地に天国を形成し、楽しく暮らしてから逝ってこそ、自動的に天上天国に入城するようになるのです。
9 地上界で暮らす間、皆様の一挙手一投足は、天の公法を基準として、一つ残らず皆様の霊人体に記録されます。したがって、霊界に入っていく皆様の姿は、肉界での人生を一〇〇パーセント収録した霊人体の姿です。よく熟した善の人生だったのか、虫に食われ腐った悪の人生だったのかは、皆様の霊人体に赤裸々に現れるのです。神様が皆様の審判主ではなく、皆様自らが自分の審判官になるということです。
このような途方もなく恐ろしい天理を知れば、どうしてあえて地上界の人生を、あらゆるサタンの誘惑に陥り、利己的で快楽ばかりを追い求める背徳の人生で終えることができるでしょうか。皆様の霊人体に傷を負わせ、傷跡をつけることは、命を懸けて慎まなければなりません。天国行きと地獄行きが、きょうこの時間、皆様の考えと言行によって決定されるという事実を、はっきりと肝に銘じてください。
10 霊人体自体が真の愛の人生を主導し、実践できるのではありません。皆様の霊人体は、必ず体と心の円滑な授受作用によって展開する肉身の人生を土台とした、真の愛の人生を通してこそ成長し、完熟し、完成するのです。ところが、皆様の中で外なる人と内なる人が絶えず葛藤し、争っていることを否定できないでしょう。いつまでこの争いを続けるのですか。十年ですか。百年ですか。宇宙のすべての存在には、厳然とした秩序があります。神様は、私たち人間を、そのように不完全な状態で創造されたのではないというのです。外なる人である肉身の誘惑を果敢に振り切り、内なる人である良心の道に従って絶対「性」を完成し、人生の勝利を達成することが、人間である皆様の義務であり、責任だということを知らなければなりません。このような人生を生きる人には、天運が共にあり、霊人体を完成することもできるのです。
天国はどのような所か
11 皆様、天国はどのような所で、地獄はどのような所だと思いますか。どのような人たちが入っていく所が天国でしょうか。間違いなく存在するとすれば、そこはどこにあるのですか。天の向こう側の銀河系の外ですか。でなければ、人間の想像力の所産ですか。人間ならば、誰でも一度は自問し、苦悶してみたことがある内容でしょう。
12 天国はどのような所だと思いますか。一言で言えば、天国とは、神様の真の愛が満ちあふれ、真の愛が軸となって立てられた世界です。真の愛がすべての環境圏の形となり内容となっている世界です。人生の始まりと終わりが真の愛で一貫している世界です。誰もが真の愛によって生まれ、真の愛の中で生き、真の愛の懐に抱かれ、真の愛の軌道に沿って次の世界の霊界に移っていく人生を生きる人たちの世界です。
したがって、その世界には、反目や嫉妬があり得ず、お互いがお互いのために生き合うことが自然な世界です。お金や名誉、あるいは権力が治める、そのような世界ではありません。一人の成功が全体を代表する成功になり、一人の喜びが全体のための喜びになり、一人が喜べば全体が共に喜ぶ、そのような世界なのです。
13 天国は、真の愛の究気でいっぱいに満ちている世界です。真の愛を呼吸して暮らす世界です。いつでもどこでも生命が躍動する世界です。すべての構成員が、真の神様の血縁として関係を結んでいる世界です。全世界が私たちの体の細胞のように、不可分の関係で結ばれている所です。天国は、神様の本質的な愛である真の愛だけが治める世界です。したがって、神様も、真の愛のために存在されるのです。
人間堕落の結果
14 今日、私たちが身を置いている現在の世界を見てください。極度の利己主義の罠にかかり、物質万能を叫び、価値観を喪失したまま、享楽と腐敗の沼にはまり込んでいます。アルコール中毒者がはびこり、麻薬中毒やフリーセックスでも満足せず、今では近親相姦という獣にも劣る蛮行を勝手気ままに行っても、堂々と顔を上げて生きているのです。そして、女王格の女性、祖母格の女性、母格の女性、妻格の女性、娘格の女性、このようにすべての段階の女性たちを蹂躙しながらも世の中を闊歩するという、「人面獣心」の人たちが氾濫する世の中になってしまいました。そのうえ、夫婦同士で、お互いの夫と妻を取り替えて楽しむスワッピングが猛威を振るう世の中になってしまいました。このような振る舞いこそ、人倫道徳破壊の極致であり、堕落行為の断末魔的姿にほかなりません。神様の創造理想世界の完成は、夢にも見ることができない地上地獄になってしまいました。
15 人間のすべての問題は、私たちの始祖、アダムとエバの堕落にその根を置いています。長成期完成級にいたアダムとエバが、サタンの誘惑によって堕落してしまいました。時でない時に、性的に堕落してしまったのです。このように、男女間の不倫な性的結合が正に堕落になったので、数千、数万年を経てきながらも、人類がいまだにその堕落の血統権を抜け出すことができないまま、考えるだけでもおぞましい蛮行を継続しているのです。それは、神様の胸に釘を打ち込む逆賊行為です。
16 人間は、男性も女性も独りでは片方の人間にすぎません。神様の創造がそのようになっています。それで神様は、愛の器官である生殖器の主人を、お互いに取り替えておいたのです。妻の生殖器の主人は夫であり、夫の生殖器の主人は妻だというのです。したがって、お互いにために生きる真の愛を中心として一つになってこそ、相対の主人の位置に立つことができるのです。言い換えれば、人間は、誰彼を問わず、結婚を通して主人の位置を確保するときに、片方の人間ではない、完全な人間になるのです。
17 人間の生殖器は、限りなく神聖な所です。生命の種を植える生命の王宮であり、愛の花を咲かせる愛の王宮であり、血統の実を結ぶ血統の王宮です。この絶対生殖器を中心として、絶対血統、絶対愛、絶対生命が創出されます。絶対和合、絶対統一、絶対解放、絶対安息が展開するのです。
18 生殖器の主人の位置を求めて何をしようというのですか。その位置で神様の愛を占領しようというのです。神様は、三大愛の主体であられます。天宙の主人として、真の愛の師、真の愛の主人、真の愛の父母であられます。これが正に、真の三大主体思想です。
このようなすべての教えと真理が、真のモデル的理想家庭の人生を中心として創出されるのであり、これを拡大すれば、社会と国家、そして世界と天宙までも、モデル的理想家庭の平和王国に変えることができるのです。
19 堕落することによって、最初のアダムは、本然の真の血統を失ってしまいました。したがって、本然の夫婦になることができず、本然の家庭をつくることができませんでした。真の師、真の父母、真の王になるべきだったアダムは、サタンの血統を受け継いだ偽りの師、偽りの父母、偽りの王に転落してしまったのです。
20 イエス様も、この地に降臨した目的が、ほかのところにあったのではなかったのです。第二アダムとして来られたイエス様が、もし十字架で命を失ってさえいなければ、イエス様も堕落とは関係のない本然の天の血統をもって最初のアダムの失敗を復帰し、人類の救世主として真の家庭を立て、人類の本郷である平和理想世界王国、すなわち地上天国をこの地上に創建していたでしょう。
しかし、来られた主を理解し、侍ることができなかった弟子たちとユダヤ教の指導者たち、そしてイスラエルの国家指導者たちの不信が、イエス様の生涯を無念で悲惨な姿で終わらせてしまったのです。一つの血統も残せないまま、突然逝かなければならなかったイエス様の恨に満ちた心情を知る人が、どこにいましたか。二千年間キリスト教の歴史が流れてきましたが、イエス様の悲しい事情を想像だけでもしてみたキリスト教徒がいたでしょうか。再臨の約束だけを残したまま、跡形もなく、突然旅立たれたイエス様、その方の肉身は、既に土になってから久しいのですが、天がイエス様を通して成し遂げようとされたそのみ旨は、今、歴史の終末期を迎え、天の印を受けて顕現された真の父母様を通して完成しつつあります。
天国はまず家庭から
21 今ではもう罪悪の蕩減復帰時代である先天時代が過ぎ去り、天法によって治める法治時代、すなわち後天開闢の時代が到来しました。真の父母様から祝福結婚を受けて血統転換を完成し、正午定着の人生、すなわち影のない人生を営みさえすれば、皆様は自動的に天国に入っていける、恩賜圏の時代に入ってきているのです。まずこの地上界で真の家庭を立て、天国生活をしてから人生を終えれば、そのまま天上の天国に連結され、永生を享受するようになるのです。したがって皆様は、今から家庭という枠組みの中で、神様を一番上の父母として侍り、全員が子女となり、共に暮らし、共に楽しむ血縁的生活によって、完成した父子関係を形成しなければなりません。神様と真の愛の相対圏を形成して暮らしなさいということです。
22 宇宙最古の祖父とは誰でしょうか。人類の始祖アダムとエバも、神様を父と呼びます。だとすれば、彼らの子女たちは、神様を祖父と呼ばなければならないのでしょうか。しかし、彼らも父と呼ぶのです。なぜでしょうか。縦的な中心である神様の立場から見れば、すべての愛の相対は平等です。神様の愛を横的に広げて繁殖させ、生産されるその相対は、時空を超越し、誰彼を問わず平等の価値をもつようになります。すなわち、完成した愛の価値は平等だということです。
23 天国は、先に地上界でつくられなければなりません。有形世界の天国が無形世界の天国を形成する前提条件になるということです。したがって天国は、銀河系の向こう側に隠れている空間の世界でもなく、人間の頭脳の中だけに存在する想像力の産物でもありません。皆様の真の愛の人生を通して、初めて創造される実体的な地上天国のことをいうのです。その基盤の上で肉界を抜け出れば、自動的に無形実体の天上天国に入っていくようになっています。地上界で天国生活をしてから逝ってこそ、天上でも天国生活ができるようになる、ということです。
24 木の上でよく熟した果実であってこそ、倉庫の中でも最上の収穫品として分類されます。皆様の人生が、木の上で虫に食われた果実のような地獄行きの人生になってはいけない理由が、正にここにあります。結局、天国と地獄は、皆様が地上での人生を通して、自ら決定するということを忘れてはいけません。
第二節 天一国の民の人生
天一国経典「天聖経」目次
第二節 天一国の民の人生
1 古今東西、老若男女を問わず、共通の夢があるとすれば、果たしてそれは何でしょうか。誰もが一様に願い、待ち望んできたものは「平和理想世界の具現」でしょう。しかし、人類歴史上ただの一度も天が喜ぶ恒久的平和を実現できなかったことが、歴史的な恨として残されてきました。何が間違ったために、このようになったのでしょうか。一言で言えば、人間が神様の創造理想を知らないという無知に陥ったからです。数千、数万年待っても、無知からは完成を期待することができません。
人類の願い
2 全知全能であられる神様の子女として創造された人間が、なぜそのように無知の状態に落ちてしまったのでしょうか。人類の先祖アダムとエバが、偽りの父母であるサタンに従って堕落の道へと陥ってしまったからです。この事件こそ、人類歴史上、最初の悲劇であり、最も恨めしく、悲しい恥辱になってしまったのです。したがって、遠大な創造理想をもって造った、御自身の子女であり真の愛の絶対的相対である人間を、捨てることができない神様は、長久の歴史の中で、悲壮で凄絶な恨の心情を抱えて忍耐してこられました。神様は、誰も知ることのできない歴史の裏道で、牢獄生活に耐えてこられた人類の永遠の真の父母であられるのです。
3 神様の創造は実に奥妙です。御自身の子女であり愛の対象として創造した人間の完成と幸福のために、森羅万象を先に創造され、環境を準備されました。神様の創造物の中で傑作の一つである花について、一度考えてみてください。何げなくぽつんと野原に咲いている名もない花に至るまで、花には明らかに創造主の意志と目的が隠されていることを、簡単に発見することができます。花としての生を表現し、完成していく姿は、実に驚異的だと言わざるを得ません。
4 花は、万物の霊長である人間もまねできないほど、美しい色相と陰陽の調和を顕示しています。そして、絢爛な色相に魅了されて寄ってくる蜂や蝶たちの心をとりこにしてしまう、万能の香りも発しています。さらには、あまりにも強くてまぶしく、見つめることも大変な太陽の光を包み込み、生命を創造して守ってくれる自然の光に変え、和合と平和の光を発散しています。行ったり来たりしながら一生懸命に自分の種を繁殖してくれる蜂や蝶たちのためには、甘い蜜を提供することで報いるという道理も忘れていません。
5 神様の創造の神秘性は、私たちが言葉ですべてを描写できないほど、実に無限の境地です。したがって、人類最高の画家が描いた絵だとしても、生きた一輪の野性の花と比較することができません。取るに足らないたった一輪の花を創造するにおいても、このように万物万象と調和し、共生、共栄できる道を開いておかれた創造主、神様であられるのです。ましてや、御自身の子女であり、永遠の愛の相対者であり、相続者として創造した人間はどうでしょうか。
6 千万種類の花が満開になっても、厳然たる創造の原則のもとでそれぞれが個性真理体としての立場を守り、調和した大自然を形成して共生、共栄している、その道理に従う姿を見て、人間も調和と平和、そして自由と幸福を求めて永生しなさいという天の祝福と恩寵が、私たちと共にあるのです。言い換えれば、人間は、誰もが天が賦与された個性体としての人生の姿と特性があります。すなわち、人間は誰もが個性真理体としての特権を受けて生まれるのです。老若男女、地位の高低を問わず、人間は、誰もが自分だけの固有で個性のある人生路程を歩まなければならない宿命的存在だという意味です。
個性真理体としての人間の価値
7 皆様、六十五億の人類の中に、皆様と一〇〇パーセント同じ人を探し出すことができますか。もう一度考えてみてください。皆様と同じ個性を所有した人がいると思いますか。同じ日、同じ時間に生まれ、同時に死ぬ双子だとしても、彼らの人生が同一でしょうか。世界最高の美男子でも、最高に不器量な男性がもっている真理体としての独特な個性をもつことはできないのです。知恵の王であられる神様は、正分合作用の変化と発展を通し、今も永遠の個性真理体の創造を継続していらっしゃいます。神様の創造原理がそのようになっているのです。
8 ここから私たちは、人間の、人間としての絶対価値的基準を発見します。花と蝶の相対的関係と調和のように、人間同士も、お互いにために生きる真の愛を分かち合って生きるようになっているのです。
このような真の愛の人生の中で、調和した主体と対象の関係を花咲かせるとき、人間としての絶対価値の基準が設定されるという意味です。
9 花と蝶が相互に主体と対象の関係を設定し、授受作用を通して存在し繁栄していくように、人間と万物、人間と人間、人間と天の間にも、厳然とした創造原理的な関係が予期され、予定されているのです。
森羅万象の個性真理体が調和と統一の中で成し遂げた総合体である大自然は、人間に対して絶対対象の位置に立ち、主体である人間の絶対価値を実体化させる絶対的役割を果たすようになります。
10 人間は、人間たちの間においても、家庭という基本枠の中で三代圏を形成して暮らしながら、上下、左右、前後の縦的・横的関係を学び、身につけるようになります。一人一人が全員、個性真理体としての絶対価値を実体化する主体と対象の関係による授受作用を通し、和合と愛の人生を追求するようになるという意味です。
11 人間と神様はどうでしょうか。創造主として、絶対、唯一、不変、永遠の属性をもっていらっしゃる神様も、御自身が立てた創造原理圏内で被造万物と授受作用を継続しながら、主体的立場に立っていらっしゃるのです。いくら絶対者だとしても、対象と与え合う授受の関係を離れては、喜びを感じることができないからです。
12 人類の最初の先祖であるアダムとエバが、もし堕落せずに、創造原理に従って人間完成、すなわち人格完成を成し遂げていたならば、人類は、絶対価値的存在の位置に立ち、上には神様を主体として迎えて絶対服従し、下には自然界の万物を対象として、永遠の平和王国を享受するようになっていたでしょう。地上界だけでなく、霊界でも永遠の天国市民として生きるようになっていたのです。
天一国の民の道
13 天の国の国民の皆様!きょうこの貴く恵まれた勝利と栄光の日、二〇〇六年六月十三日を期して、私は、天宙平和の王として全天上天下に、天一国の国民ならば誰もが知って実践躬行すべき天道的次元の基本義務と使命を宣布しようと思います。
14 一番目に、皆様は今から、縦的真の父母であられる神様の真の子女として、皆様の家庭で三代圏を形成して暮らし、四大心情圏を完成して、神様を永遠の縦的な軸として侍って暮らさなければなりません。さらには、横的真の父母であられる天宙平和の王を永遠の横的軸として敬い、天一国の市民として絶対服従の人生を率先垂範することを肝に銘じなければなりません。ために生きる人生、すなわち真の愛の実践を皆様の人生の標準として立て、真の家庭を築いて子々孫々、天の血統を完全に保全し伝授できる、罪のない純粋な真の子女たちを養育しなければなりません。
15 二番目に、どのような境遇でも皆様の心と体を一つに統一して暮らさなければなりません。私も、いち早く天の道を決心しながら、「宇宙主管を願う前に自己主管を完成せよ!」という標語を掲げ、悲壮な覚悟で出発しました。天は既に、皆様がこの目的を達成する道案内として良心を下さいました。良心は、皆様の師よりも先に、皆様に関して隅から隅まで知っています。皆様の一挙手一投足はもちろん、考えまでもすべて見通しているのです。また良心は、皆様の父母よりも皆様に関して先に知っています。さらには、皆様の良心は、神様よりも皆様をよく知っています。したがって、皆様の人生の中で良心を神様の代わりの位置に立て、影のない正午定着の人生で絶対服従の道を行けば、皆様は間違いなく心と体の共鳴圏を形成し、統一を完成するでしょう。
16 三番目に、天一国の国民の皆様、霊界は既に統一が終わりました。問題は、肉身をもって暮らす六十五億の地上界の人類です。罪悪と戦乱の塗炭の中で苦しむ彼らもみな、皆様の兄弟姉妹たちです。彼らを正しく教育し、天一国の国民に還元させる使命が皆様にあるのです。人類は、誰もが例外なく堕落の後裔だということを認知し、真の父母様から祝福結婚を受け、血統転換をしなければならないという事実を、はっきりと悟るように教育する使命が皆様にあるというのです。同時に、三千億の霊人たちまで完全に天の血統に復帰されるその日まで、交叉祝福結婚の恩賜を通して、真のオリーブの木に接ぎ木する役事を継続してあげなければならないのです。
17 四番目に、皆様の一生は、母親の腹中で十ヶ月、地上界で空気を呼吸しながら約百年、そして永遠の天上世界で永生するように創造されました。皆様が生まれて、正常で健康な人生を営むには、腹中での準備が絶対に必要であるように、皆様の地上生活は、次の段階である霊界の人生のために、徹底して準備する人生でなければならないのです。言い換えれば、皆様は、いつ、どこで、何をしても、霊界の先祖たちが皆様と共にいることを忘れず、霊界と歩調を合わせて暮らす人生でなければなりません。精誠と祈りで霊界と交わって暮らす、地上で完成した霊界人になりなさいということです。
18 五番目に、天一国を営み、治めるには、民の力が絶対的必要要件だということです。今皆様は、先天時代の残滓(ざんし)である利己的個人主義の仮面を未練なく脱ぎ捨てなければなりません。天から所有権転換を受けるためには、皆様のすべての所有権を一旦天に奉献し、所有権還元式を通して再び受けるという手続きを経なければならないという意味です。さらには、天一国の国民は、誰もが人類の福祉と平和のための基金を募金する活動に参与するようになります。しかし、税金の形式ではなく献金として、収入の十分の三をまず先に国家に捧げて暮らす模範を見せなければなりません。強制ではなく、自発的に喜んで天に捧げる心情の奉献でなければならないという意味です。
19 六番目に、愛する天一国市民の皆様!後天開闢の時代は、人間の堕落によって失ってしまった創造本然の理想世界を再び探し立てる時代です。神様が創造してくださった宇宙万象、すなわち自然環境も、人間の人生を豊かなものにするためには絶対必要な条件です。人間と自然は、愛の主体と管理の対象として、互いに調和する中で共鳴圏を形成して暮らすようになっています。自然を破壊し、環境を汚染する行為を、これ以上放置、容認してはいけません。環境を保護し、愛することのできる知恵深い天一国市民になってください。自然に帰って、解放と釈放の人生を楽しんでください。
自然を愛することは、すなわち人間を愛することであり、さらには神様を愛することです。皆様の人生が自然と共鳴圏を形成して生きるようになるとき、その中で人格完成の花を咲かせるようになるでしょう。その中で、真の心情文化と芸術世界の花が咲き、創造本性を中心として、神様と人間、そして万物が一つに調和して暮らす創造本然のエデンの園になるでしょう。このような真の愛の人生を実践する天一国の国民に、どうして天が大いなる福を下さらないことがあるでしょうか。永遠に福楽を享受して暮らすようになるでしょう。
20 七番目に、天一国の市民として入籍した福多き貴い国民の皆様!天地開闢の後天時代は、明らかに天と真の父母様が開門してくださいました。しかし、この福多き栄光の時代を花咲かせ、実を結ばせることは、今皆様の手にかかっています。アベル国連の立場を定立していく「天宙平和連合」の旗のもと、「平和王国警察」と「平和王国軍」の二重的使命を果たす天の密使になってください。天が下さった祝福家庭と、この恵まれた地球星を、皆様でなければ誰が育て、守るのでしょうか。億兆蒼生の平和の王、神様を真の父母として侍って暮らす真の王子、王女になってください。天宙平和の王に侍り、真の孝子、忠臣、聖人、聖子の家庭の道理を果たし、太平聖代の平和王国を創建しましよう。
真の父母を求めてこられた神様
21 真の父母と共に平和を愛する天一国市民の皆様!きょうは誠に貴く喜ばしい日です。私たちは、共に歴史的で摂理的なこの日を心ゆくまで慶祝し、私たちの永遠の真の父母であられる神様に、尊敬と栄光、そして限りない賛美をお捧げしましょう。霊界の数千億の人類も、この祝福の一日を祝賀するために再臨し、この場を共にする厳粛な瞬間です。
22 神様が、万宇宙を創造されたあと、この上なく待ち望まれ、願ってこられた日が、正にこの日です。御自身の子女として創造したアダムとエバが、天の血統を汚し、暗闇の中に隠れてしまったその日以降、神様は、言い表すことのできない苦痛と悲哀の中で数千、数万年を耐え、待ち続けてこられました。御自身が万王の王として即位し、失ってしまった子女たちと万物を再び抱き、千年、万年、太平聖代の平和王国を享受して暮らすことができるその日を、首を長くして待ち望んでこられたのです。
23 神様は、創造の摂理を始める以前から万王の王であられました。しかし、被造万物の創造以降は、実体をまとわれ、愛の対象圏であるこの現象世界を治める実体の万王の王として顕現する天道が残されていたのです。それで、神様は、真の愛を中心として、御自身の代身者であり相続者である地上実体世界の真の父母を求めてこられました。
24 今日、私たち夫婦が、畏れ多くも天から印を受け、神様の実体として立ち、「万王の王戴冠式と金婚式」を執り行うこととなり、誠に喜ばしく思いながらも、天のみ前には申し訳なく思う心を抑えることができません。いまだに六十五憶の人類を完全に天のみ前に復帰してお捧げできないまま、私の年が既に九十歳に至りました。
新しい天法時代
25 天を真に愛する天一国市民の皆様!時が切迫しています。天はもうこれ以上、私たちをお待ちになりません。御自身の実体として役事する地上の真の父母を通して新しい天法を立て、万王の王の権限をもって、この地球星を復帰する真の愛の革命を促進化するでしょう。したがって、人類と万物万象を探し立てて治める、新しい天法の概要を、きょうこの厳粛な場を通して満天上天下に宣布する次第です。
26 第一に、三〇〇〇年に向かって歩んでいるこの時代は、後天開闢の時代です。後天開闢の時代とは、神様がこれ以上、蕩減復帰原理に束縛されず、万王の王の権限によって霊界と肉界を治める新しい時代です。環太平洋圏が中心軸となり、この地球星を再び原状に戻す摂理の逃避城時代です。全人類は、これから新しい天道と天法の時代の枠から抜け出すことができなくなるでしょう。したがって、皆様の一挙手一投足は、水晶のように清く澄んだ人生にならなければなりません。
27 第二に、神様を縦的な絶対軸として、絶対「性」の価値を天の憲法として全人類に教育する教育革命を完遂しなければなりません。この道だけが人類に善の真の血統を伝授してあげることができ、神様の真の家庭理想を完成する道です。純潔、純血、純愛が今後真の人類の教育理念になるでしょう。
28 第三に、地球星を幾重にも取り巻くあらゆるサタンの垣根や城壁の囲いをきれいに焼き払い、政党、宗教、人種、文化、そして国家間の和合と平和を探し立てるには、新しい分封王たちと平和大使と父母国連を先頭に立てなければなりません。カイン格の国連の位置にある既存の国連とアベル国連が一つになり、新しい次元の真の父母国連、すなわち真の平和世界国連を中心として、戦争、疾病、飢餓など、サタン側の世界のすべての悪の問題を解決していくのです。天の神様が共にあり、真の父母が共にあるので、人類は選択の余地なく必ずこの道に進むようになります。個人の利己主義はもちろん、集団の利己主義までもきれいに洗い清め、これ以上サタン的な選挙が必要のない、良心と道理に従う世界を創建していくのです。
29 第四に、堕落人間の血統を清めてあげ、真の家庭を立て、平和王国を実現する最高最善の方法は、交叉祝福結婚しかありません。和解と平和も、血統を通して訪れるのです。黒人と白人、東洋と西洋、仏教とキリスト教、ユダヤ教とイスラームが、お互いに交叉し、交体(個人ではなく、全体が交叉すること)しながら、真の父母様が立てた祝福結婚の伝統を受け継いでいけば、この世界は自動的に神様の祖国と本郷を探し立てる一つの家族圏になるのです。「神様のもとの一つの家族」の理想天国が実現されるのです。銃と大砲を溶かしてすきを作り、鎌を作る新しい平和の世の中が開かれるのです。
30 第五に、神様は、人間を御自身の愛の対象として創造されました。同様に、御自身の子女である人間のためには、その対象格として自然環境を準備してくださいました。山川草木が欠如した空虚な砂漠に、御自身の子女たちを捨てておく神様ではないのです。したがって、人類は、神様のように自然を保護し、愛してあげる義務があります。一輪の野生の花に出会っても、深い心情の対話を交わし、共鳴圏を形成する本然の人性を開発して暮らしなさいというのです。この道が人間回復の近道になります。
31 天に選ばれた貴賓の皆様!きょう、皆様は、誠に貴い天福を受けられました。万王の王が経綸する摂理的歴史の出征式に参加していらっしゃいます。歴史的な大転換期の渦を直接目撃していらっしゃいます。縦的万王の王であられる神様の実体として万有を統治する横的万王の王、真の父母様の戴冠式と金婚式、そして自叙伝出版祝賀式に招待されました。これ以上に貴く、歴史的な瞬間が、いつまた訪れるでしょうか。天宙の数千億を超える皆様の先祖たちと子孫たちも、この時間、喜びと歓喜に満ちあふれ、地軸が揺さぶられるほど歓呼の声を上げ、踊りながら暮らしていらっしゃるでしょう。どうか心の目を開け、この奇跡のような歴史的な瞬間を皆様の霊魂に刻印してください。皆様の生涯にいつまた、きょうのような祝福と栄光の日を見ることができるでしょうか。きょう私がお伝えするこの天のみ言を、今後皆様の生涯の指針としてくださることを願います。
32 今人類は、新しい天理と新しい天道が直接地上界を治める、新しい摂理時代圏に踏み込んでいます。神様の新しい本性的心情基準を相続しなければ、誰一人として新しい天国に入ることができない、新しい摂理時代である第四次本然のアダム圏時代なのです。きょうこの新時代の摂理的な真の父母様の戴冠式と金婚式、そして自叙伝出版と協会創立五十五周年記念式の行事を通して、皆様の生活の中でカインとアベルを徹底的に区別して新しいアベル圏に統合し、善を中心に立てて、旧約、新約、成約の三時代圏と私たちの家庭の三代圏を復帰する、知恵深い新しい天一国市民の家庭になることを願います。新しい真の祖父母、真の父母、真の孫と孫娘が、共に手を取り合って新しい天国に入る、本性の新しい真の家庭を築いて暮らしてほしいという念願を込めたみ言です。これが正に、きょう私たちが共に慶祝する新しい「真の平和世界真の父母国連世界安着大会」の意義だということを、再三肝に銘じてくださるよう願います。
第三節 摂理的観点から見た三大主体思想
天一国経典「天聖経」目次
第三節 摂理的観点から見た三大主体思想
1 皆様、今日の世界を観察してみてください。世界のどこで、真に人類の将来を案じ、超宗教超国家的次元で、人類の和合と平和のために「殺身成仁」(自己の命を投げ打って仁道のために尽くすこと)する指導者を探し出すことができますか。人類は今、父母を失った孤児であり、師に従わない不良児であり、主人を失った僕の境遇になって、一寸先も見ることができない青盲(目はあいているが、実際には物が見えない眼病のこと)の人に転落しています。
2 世界には今、二百以上の国家がありますが、国家間の関係を見ても、すべて自国の利益にのみ目がくらみ、直接、間接的に熾烈な戦争を継続しているではないですか。人類の福祉と平和のための崇高な志を立てて出帆した国際連合も、やはり今やその限界点にぶつかり、戦争と飢餓、疾病などの世界的危機に直面しても、万策尽きて傍観することに明け暮れる、有名無実の機構になりつつあるではないですか。
人間は、自らを「万物の霊長」という位置に立てて歴史をつくり出してきました。恐るべき殺戮戦と天災地変を経てきましたが、人類は今も生存し、繁殖を繰り返し、漠然とではありますが、より明るく幸福な世界を追求しています。それでは、なぜ人類は、いまだに罪悪と疾病の泥沼から抜け出すことができないのでしょうか。
三大主体思想
3 人類が直面している悲劇的な現実を打開し、神様のもとに太平聖代の人類一家族をつくる摂理的召命を完遂するため、私は、去る二〇〇六年六月十三日、「平和の王入宮・戴冠式」を期して、天一国の市民であれば、誰もが知って実践躬行しなければならない天道的次元の基本義務と使命を宣布しました。それとともに、きょうは、「摂理的観点から見た三大主体思想」に関する内容のみ言をお伝えしようと思います。人類の未来を導いてくれる重要な教えとして下さった天の祝福です。どうか心の門を開いてこのみ言を受け入れ、皆様の永生を準備してくださることを願います。
4 人間には、太初に創造されるとき、神様から賦与された三大基本主体思想があることを知らなければなりません。その一つは、真の父母にならなければならないという思想です。神様は、人間を子女として創造されました。したがって、人間は、神様から受け継いだ原理的自律成長圏を経て、自ら人格を完成して真の子女の位置を確保し、真の夫婦を形成して子女を繁殖させることによって、真の父母の位置にまで行くようになっていたのです。創造とともに賦与された真の愛を実践躬行し、人間完成を成し遂げなければならないという意味です。
しかし、今日の世界は、人倫道徳が手のほどこしようもないほど崩れています。父母と子女間の天倫が地に落ち、夫婦間の貞節は既に旧世代の産物として捨てられ、兄弟間の友愛も、今や利己的個人主義の沼に埋もれ、見いだすこともできない世の中になりつつあります。したがって、人間は、何よりもまず真の愛に基づく真の家庭を築かなければなりません。真の父母を中心として三代圏を形成し、真の愛でひと所で調和して暮らす家庭を完成しなければならないという意味です。
5 二番目は、真の師にならなければならないという思想です。たとえサタンの影響圏から抜け出せないでいる今日の世界であっても、人間は、一生を送りながら、どのような形態であれ、教える人と学ぶ人の関係の中で生きていくようになるのです。まず、家庭において、父母を通して学ぶようになります。師の中の最初で最高の師は、皆様の父母です。真の師の位置で、真の子女を育てなければならない最初の責任が父母にあるということです。このように、真の父母から真の善の家庭教育を受けて成長した子女は、自動的に学校教育に連結されます。
学校教育は、一段階発展した制度圏内での教育です。しかし、学校という枠の中でも、師は、真の父母の心情をもち、すべての学生を真の子女として育て教育する責任があります。横的な学問教育も、縦的な人性教育に基づいて展開しなければならないという意味です。したがって、師はまず、真の父母の心情を所有した師にならなければなりません。
6 三番目は、真の主人にならなければならないという思想です。元来、万有の真の主人は、宇宙を創造された神様であられます。そして、神様の創造は、絶対信仰、絶対愛、絶対服従の基準で達成された完全投入の結実です。ここから私たちは、真の主人になる知恵を学ぶようになります。その知恵とは、真の愛を絶対基準で投入するという秘訣のことを意味しています。このように、真の主人になる前提条件も、真の父母の心情を所有することです。
三大主体思想の有機的関係
7 三大主体思想は、相互絶対不可分の有機的関係をもっています。真の父母、真の師、真の主人、そのすべてが主体的位置に立つこともでき、対象的位置に立つこともできるからです。
言い換えれば、真の父母の位置だけを確保しても、そこには真の師、真の主人の位置が生じ、真の師の位置に行けば、そこには真の父母、真の主人が共にあり、真の主人の位置だけを確保しても、皆様は真の父母、真の師に会うようになるという意味です。それは、人間が元来、神様の完全な三大主体思想を相続して生まれてきたからです。
したがって、皆様が、このような三大主体思想を完成した人格者になろうとすれば、神様のようにならなければなりません。神様のような心をもたなければならず、神様が万有を愛されるのと同じような絶対基準で人間を愛し、万物を愛することができる神人愛一体の境地まで行かなければならないのです。そのような境地には、真の父母、真の師、真の主人がすべて同じ場所で出会うのです。
8 世の中は、様々な組織体と、それに関係するものとの調和の中で運行されています。複雑で多様なこの世で、真の主人にならなければならないという思想は、人間と人間の関係はもちろん、人間と万物の関係にも適用される思想です。問題は、どのような人間に対して、「真の主人である」と言うことができるのかということです。
より他のために配慮して献身、奉仕するために生きる人生、すなわち真の愛の人生を実践躬行する人が真の主人になるのです。真の愛をもって万物を愛し、保護、育成する人が、万物に対しても真の主人になるのです。このように、真の主人は、その地位や位置によって立てられるのではなく、その人の人格と愛によって立てられるのです。父母の心情ですべての職員たちを愛し配慮する社長は、その会社の真の主人になるのであり、父母が子女を育て大切にするように、民を愛し、民と苦楽を共にできる大統領こそ、その国の真の主人になるのです。
良心は真の父母、真の師、真の主人
9 皆様、神様の創造は、実に神秘で奥深さにあふれています。人間を、御自身の子女として創造され、万物の霊長として立てられた神様は、人間に良心という、最高、最善の贈り物を下さいました。
人間が地上界で一生を航海するのに必要な羅針盤として下賜されたものが、良心という特別な贈り物です。よく人生百年と言いますが、人間は誰彼を問わず、生まれて死ぬ瞬間まで、良心の作用圏を抜け出すことはできません。
そして、良心の作用の中で、最高、最上の機能が正に、真の父母、真の師、真の主人の役割を果たす機能です。言い換えれば、良心は、私たちが生まれたときから真の父母、真の師、真の主人の位置で私たちの生を指導し、教育する、神様の代身者だということです。私たちの一挙手一投足を、一時も逃すことなく導き、監視する責任をもっていることが良心の機能だということです。
10 良心は、私たちのすべての言行はもちろん、考えまでも父母よりも先に知り、師よりも先に知り、神様よりも先に知るのです。神様が、人間の人生を指導し監視する本源的な機能を、良心に伝授してくださったからです。ところが、水晶のように清く透明でなければならない人間の良心に堕落性の垢がつき、今まで様々な罪悪と疾病の中で、本来の機能をすべて発揮できずにいるのです。したがって、サタン主管圏のこの邪悪の世界から一日でも早く解放、釈放を受けたいと泣き叫ぶ良心の声を聞くことができる皆様にならなければなりません。
11 堕落した私たち人間の力では、良心の機能を本然の位置に戻せる道はありません。天との縦的な関係が垂直になることができずにいるからです。六十五億の人類すべてが、自分なりの角度をつくり、それが正統であり最高のものであると錯覚して生きているのです。絶対的基準を形成して測定できる最短距離の垂直の角度が出てくるまでは、救援を受けられる道を誰も探し出せないのです。
12 愛する世界の指導者の皆様、歴史上、いまだかつてなかった位置で、人類をサタンの束縛から救い、天国へと導いてくれる鍵をもって来られる方が、正に今、皆様の前に立っているレバレンド・ムーンです。私が願ったとしても、決して探し出せる位置ではありません。天が印を与え、人類の救世主、メシヤ、再臨主、真の父母として立てられる位置です。サタンの影響圏外にある絶対解放、釈放の位置なのです。六十五億に分かれている人類を、九〇度の垂直の道に再び連結させてくれる真の父母、真の師、真の主人の道、すなわち良心を主人として侍って生きる真理の人生を、直接実践して見せてくださる方が、正にレバレンド・ムーンだということです。
13 数千億を超える絶対善霊になった霊界の人類も、この事実を異口同音に証しています。イエス様をはじめとする四大聖人はもちろん、共産主義者たちを含むすべての思想家や哲学者までも、この驚くべき現実を前に感謝の涙を流しています。霊界に行っている彼らまでも、真の父母の祝福の恩賜を通さなければ、救援を受ける道がないからです。
14 皆様、人類は、今や真の父母、レバレンド・ムーンの教えを受け入れ、交叉祝福結婚を通して「神様のもとの人類一家族」を実現する天命を果たす時を迎えました。人種、文化、宗教、国家を超越して、人類を一つにし、戦争と葛藤のない創造理想世界、すなわち地上天国と天上天国を創建することができる道は、全人類が神様のもとで一つの家族になること以外にあるでしょうか。皆様が知らない間に、真の父母様は、既に人類はもちろん、神様までも解放、釈放する後天開闢の時代を宣布し、世界の至る所で革命の炎を燃やしています。真の父母、真の師、真の主人にならなければならない真理の革命です。
15 皆様、二〇〇七世界文化体育大典の基本精神も、人類を一つの家族にする聖業の完成にあります。宗教者、文化人、体育人など、すべての人たちに、「天宙平和神文明開闢時代」を花咲かせる使命があることを忘れないでください。特に、すべての宗教家たちが、この神聖な真の愛による革命の隊列の先鋒隊になるべきだということを、肝に銘じてくださるようにお願いします。レバレンド・ムーンは、既にすべての準備を完了しました。
16 皆様は今や、真の父母を信じて従いさえすればよいのです。良心の羅針盤に従い、真の父母、真の師、真の主人の位置を確保し、永生を保障する真の愛の人生を実践躬行してください。皆様の門出に天運が共にあり、皆様の祝福を受けた善の先祖たちも、皆様の活動に積極的に協力するでしょう。勇気をもって前進的発展を促進してください。すべての皆様が、三大主体思想による「太平聖代平和王国時代の到来」に億万歳を叫ぶことができる、真の家庭理想を完成することを祝願いたします。
第一節 真の父母様の生涯と業績
天一国経典「天聖経」目次
第一節 真の父母様の生涯と業績
1 皆様、振り返ってみれば、実に夢のような私の生涯です。多感な夢に胸膨らませていた十六歳の年に天からの召命を受け、世俗の夢をすべて諦めて、天命に従って出発した私の人生でした。決して平坦な道ではありませんでした。ひたすら、前だけを見つめながら歩いてきた八十年以上の人生でした。私のためにあらゆる犠牲に耐え、言葉では言い尽くせない受難の道を歩いてこられた愛する父母や兄弟が、切なる思いですがりつく、その手さえも振り払わなければ歩むことのできなかった宿命的な生涯でした。
2 この地上に六十五億の人類が生きていますが、その誰一人として理解できない険しい道のりでした。これまで六度の獄苦を経験しながらも、最後まで摂理の鍵を放さずに生きてきた人生でした。このように歩んできたのは、数千、数万年を待ちながら訪ねてこられた神様の、恨で固められた悲壮で痛ましい心情を、あまりにもよく知り尽くした私だったからです。あらゆる存在の根源であられ、宇宙万象の創造主であられる神様の恨を解いてさしあげなければ、人生には何の価値もないという事実をはっきりと知るようになったからです。
真の父母様の生涯
3 真の父母の使命を完遂すべき先生の生涯もまた、言い表せない苦難と迫害で綴られた恨の生涯でした。第一アダムと第二アダムが失敗したすべてを蕩減復帰し、完成しなければならない第三アダムである真の父母の使命は、救世主、メシヤ、再臨主の使命はもちろん、すべての宗主たちの使命までも総合的に完遂しなければならない人生なのです。
4 神様の宇宙創造がそうであったように、少しの誤差も許容できない人類再創造の大革命的役事でした。誰一人として相談すらできない孤独な路程でした。神様までも顧みられず、徹底して独りで訪ねていかなければならない茨の荒野路程でした。幾度も反復される生死の岐路で血を吐きながらも、天との約束を成し遂げるため、再び立ち上がらなければならなかった不死鳥の人生でした。
5 かつて日本留学時代に地下で独立運動を行ったとして、また解放直後、共産治下の平壌で天のみ旨を伝播したとして、自由国家として誕生した李承晩政権下でも、さらには、民主主義の世界的な代表国であると誇るアメリカにおいてさえも獄中の苦労を経験するなど、一生に六度も無実の獄中闘争を経なければならなかった先生の波瀾万丈な人生を、誰か理解する人がいたでしょうか。かわいそうな神様のために、そして死亡圏で苦しむ堕落した人類を救ってあげるために、歯を食いしばって耐えて生きてきた悲惨な生涯でした。今でも誰かが、私のこのような心情の内情をかいま見、一言だけでも投げ掛けたなら、私の涙は滝のようになるでしょう。
6 世の中では、一般的に八十八歳の老齢になれば、一生のすべてのことを整理し、静かに次の世界に入っていく準備をする時だといいます。しかし、先生の人生は、今からが始まりです。個人的に人生に対する未練が多く残っているからではありません。いまだに堕落圏を抜け出せないまま、苦しんでいる人類を救ってあげなければならない、真の父母としての召命的使命が残っているからです。
7 今は後天開闢の時代、すなわち秋の収穫の時が来ました。私は、今年も皆様を先導し、人類復帰の天宙的革命を遂行していくでしょう。躊躇しないでください!私の手を握って天命に従い、与えられた召命的責任を完遂しましょう!一日に数十万人もの私たちの兄弟姉妹たちが、救いの手を待ちながらむなしく死んでいく現実から、どうして顔を背けることができますか。
真の家庭の三代圏の勝利
8 私と共に韓総裁は、二〇〇五年九月十二日、アメリカのニューヨークで「天宙平和連合」を創設した直後、その創設メッセージを宣布し、世界百二十カ国の巡回を完了しました。この真の父母様の勝利的基盤を受け継ぎ、韓総裁は、今年(ニ〇〇六年)の春から再び二次として、世界百八十カ国でみ言宣布大会を開催し、真の子女たちを直接み言宣布に同参(一緒に参加すること)させることによって、真の家庭の二代が共に勝利する、実に驚くべき快挙を成し遂げました。この勝利は、天宙的次元でカイン圏の子女とアベル圏の子女を一つに結び、真の父母様に奉献する摂理的所有権まで転換する勝利でした。
9 この勝利的基台の上に、去る六月十三日には、ついに天と地が一つになり、神様と天地人真の父母様が安着される天正宮博物館入宮式と、天地人真の父母様の天宙平和の王戴冠式が挙行されました。実に、歴史上空前絶後の大勝利でした。その日は、歴史の背後で数千、数万年の間涙を流され、独りで恨の摂理路程を歩んでこられた神様が解放、釈放され、天宙の王であり主人として、永遠に安着される日でした。
10 天正宮博物館に入城された神様と真の父母様の勝利は、今、世界六十五億の人類を天の眷属に還元させてかき抱く、恩赦の大長征へと続きました。二〇〇六年八月三十一日、私が韓国で最初のテープを切り、三回目の出発となるみ言と祝福の世界巡回が、真の父母と真の子女たちはもちろん、真の孫と孫娘まで帯同し、真の家庭の三代圏が全世界四十カ国を巡回し、祝福を施す大長征において、堂々と勝利を勝ち取って帰国したのです。今回の世界巡回が特別なのは、真の父母の家庭の三代圏が動員されたという点です。
11 「天宙平和連合」の創設以降、先生は、三代圏祝福理想の完成を通して、み言と祝福によって全人類を「神様のもとの一つの家庭」にしようと、私と韓鶴子総裁、さらに直系の子女たちと孫と孫娘、三代圏が進み出る世界巡回を完了しました。さらには、アメリカのキリスト教の代表百二十人、宗教圏の代表者千二百人、さらに一万二千人の平和大使たちに、国家代表として世界百九十カ国以上を巡回させ、真の父母様のみ言と祝福行事を行うことによって、神様を中心とする神文明世界を成し遂げていくにおいて、真の家庭の価値を人類と天宙の普遍的価値として定着するようにしたのです。
12 毎日、真理と祝福で一カ国ずつを復帰していく天宙平和王国軍の進軍でした。各国の十二カ所の主要都市で同時多発的にみ言を宣布し祝福を与える、人類最大の慶事でした。歴史上、いかなる聖人も夢見ることができなかった、真の家庭の三代が総動員されたという事実は、人類歴史に永遠に記録され、永遠に称賛される奇跡であり、天の解放的勝利です。
13 きょう(二〇〇六年十月十四日)は、私にとっても、また一つの忘れることのできない歴史的な勝利の一日でもあります。
解放直後から北朝鮮の共産治下で天のみ言を伝播している途中で興南監獄に投獄された私が、二年八ヶ月間の獄苦を経ている中、国連軍によってついに自由の身になった勝利と解放の日なのです。
一九五〇年十月十四日、その日は、天が奇跡を起こさざるを得なかった、実に危険千万の一日でした。人類の真の父母として印を受けた私が公開処刑を受ける日だったので、天がどうして顔を背けることができたでしょうか。このような途方もない摂理的背景を含むきょうという日を、私は、神様の保護のもとで、人類の真の父母として、天には尊敬と栄光を、地の上には祝福と愛を施す歴史的な勝利の一日として宣布するのです。
14 今、一年を超えた「天宙平和連合」を、私たち全員が力を合わせてアベル国連の位置に立てる使命が私たちにあることを忘れないでください。新しい天宙平和機構として発展させていくことはもちろん、サタン圏を代表するカイン格の既存の国連を改革し、国連内に世界的宗教指導者たちで構成された上院格の平和議会を創設し、既存の安全保障理事会と同等の位置にある、神様の保護を受けた議決機関として立てなければならないというのが天の命令です。
既存の国連代表部のように、自国の権益ばかりを代弁する代表ではなく、超国家的で超天宙的な次元で、心から人類の福祉と平和のために働く平和議会を創設しなければならないという意味です。このような神様の創造理想的目的と趣旨をもって出発した「天宙平和連合」の出現は、決して一人の人間の知恵から出てきた結果ではありません。天が、新千年を迎えた人類に下さった最高、最大の祝福です。したがって、「蒙古斑同族連合」も、今から天が賦与した崇高な志を成就していく「天宙平和連合」の伴侶として、その役割を果たすことを願います。
真の父母様の業績
15 平和を愛する世界の指導者の皆様、私は、実に形容し難い受難の路程を克服して勝利し、今日この位置にまで来ました。決して個人の栄達と慰安のための人生ではありませんでした。天の印を受け、天のみ旨がどこにあるかをはっきりと知った私だったために、生死が行き交う茨の道でも、人類救援という天命を抱いて身もだえする、不死鳥の人生を貫いてきました。そして、アメリカをはじめとする世界の宗教界、学界、政界、および各界各層の指導者たちから、私は次の八つの分野でチャンピオンという摂理的完成者としての呼称を受けるようになりました。
16 一番目に、先生は神様を最もよく知るチャンピオンです。これまで神様は、全知全能の方であられ、被造万物の世界とは絶対的な主従関係にあり、尊い栄光の玉座にいらっしゃる方であると考えられてきました。しかし、事実は正反対です。私は、摂理的使命を出発しながら、神様と人間の関係が父母と子女の関係だということを知り、最初のアダムをサタンによって失ってしまったのち、神様は、悲しみと嘆息と恨の神様になられたことを悟りました。私は、生涯を通して、その神様の恨を解いてさしあげ、神様の心情を解放、釈放してさしあげようと、全力を尽くしてきました。そして、ついに二〇〇一年一月十三日、「神様王権即位式」を奉献してさしあげることによって、神様の栄光と権威の玉座を取り戻してさしあげたのです。
17 二番目に、先生はサタンを最もよく知るチャンピオンです。これまで人類は、人間を堕落させ、すべての悪行を主導する悪魔サタンの正体が何かを知りませんでした。私は、摂理を出発した草創期に、十四年以上の間、血のにじむ霊的な祈祷生活を通して、天上世界のあらゆる秘密を深く調べていく中で、すべての悪の根源であるサタンの正体が何であり、さらには、サタンの戦略と戦術が何かを知るようになりました。堕落によって血統を汚してきたことがサタンの作戦だったので、私は、天の側に本然の血統を探し立てようと全力を尽くしてきたのであり、この天の戦法が世界的に広く知られた交叉合同祝福結婚運動なのです。
18 三番目に、先生は人間を最もよく知るチャンピオンです。人間は、どこから来て、どのように生き、どこに行くのか、堕落した人間はなぜ心と体が争い葛藤しているのか、生と死の意味は何か、本当に死後の世界が存在するのか、存在するとすれば地上生活はどのようにするべきか、などに対する多くの疑問は、先生が明らかにした創造原理で詳しく説明しています。人間の人生は、腹中から地上生活を経て、永遠の死後の世界にまで連結されているのです。先生は、人を見ればその人の運命を見抜く直感力があります。そのため、世界の大勢の若者たちの配偶者を結び合わせてきました。
19 四番目に、先生は霊界を最もよく知るチャンピオンです。死後の世界である霊界は、地上生活の延長として、すべての人間が自然に行く世界として実在する世界です。したがって、祝福を受けて原罪を清算したのち、霊人体を完成して肉身を脱ぐ人たちには、死ではなく聖和(ソンファ)という神聖な儀式を通して、永生する天の国に行く道を歓送し、祝賀するのです。歴史時代に生まれては逝った数多くの聖賢、烈士たちが、今霊界に実在しており、真の父母様から祝福を受けて絶対善霊となり、神様の地上摂理を手伝っているという事実を知らなければなりません。地上生活の一瞬一瞬は、そのまま天上に記録され、後日、霊界に行く日に、地上生活の審判材料になるのです。したがって、すべての人間は、より大きなもののために犠牲になることを喜ぶ、真の愛の人生を実践しなければなりません。
20 五番目に、先生はイエス様を最もよく知るチャンピオンです。神様の息子であり、救世主、メシヤとして来られたイエス様が、準備されていたユダヤ教団と当時の宗教界の指導者たちから反対され、最後に十字架で処刑されたことは、人類歴史において、最も悲劇的な事件です。イエス様は、第二のアダムとして、神様を中心とする理想家庭のモデルを成就し、全人類を接ぎ木してあげなければなりませんでした。ローマを経て西欧文明の基礎となり、大西洋と太平洋文明圏の中心核を形成しているキリスト教は、再び来られる再臨主のための新婦的基盤であることを理解しなければなりません。キリスト教徒たちは、神様のみ旨を繰り広げることもできずに十字架に追われたイエス様の、悲しい心情世界を理解しなければなりません。私の教えを通して、イエス様の使命と十字架による救援の限界、そして再び来なければならない理由などが明確にされています。
21 六番目に、先生は聖書および各宗教の経典の核心内容を最もよく知るチャンピオンです。聖書を中心とする各教団の主要な経典は、人間始祖の堕落によって無知に陥った人間たちを、再び神様のみ前に帰す道が暗示されている秘密の啓示書です。したがって、重大な内容が比喩と象徴で描写されているのです。比喩と象徴は、天から来るメシヤによってのみ明確にされます。したがって、旧約の律法の核心内容を明確に教えてくださった方がイエス様であり、先生の教えを通して、新旧約の聖書全体に流れる神様の救援摂理に関する天の秘密が、明確に表されているのです。
聖書は、神様の創造理想と堕落、そして復帰の道が隠された秘密の啓示書です。先生が明らかにした原理は、各種の経典で疑問視されているすべてのことに対する答えが、明快に示されています。
22 七番目に、先生は人類歴史を最もよく知るチャンピオンです。歴史は、漠然と反復する単純な循環史観ではありません。明確な方向と目的をもって流れています。人類歴史は、本然の創造理想を回復していく蕩減復帰摂理歴史であり、救援摂理歴史です。歴史の始源と方向を明確に知っている私は、このような摂理的観点から、一九八五年、ソビエト連邦の最盛期に、スイスのジュネーブでの国際学術会議を通して、共産主義の終焉を預言するなど、唯物史観の終末を予見したのです。
これからは、各国家と宗教がそれぞれの垣根を崩す時です。そうして、お一人の神様のもとの一つの家族となる時代が急速に到来するでしょう。歴史の主管者は、神様であられます。今後、天運の到来により、歴史の軸が、アベル国連を中心に、天一国を創建するための超宗教、超国家の世界へと急速に前進するでしょう。
23 八番目に、先生は真の家庭の価値を最もよく知るチャンピオンです。神様の創造理想は、神様を中心とする真の家庭をつくることです。アダム家庭が成し遂げられなかった真の家庭の理想を取り戻し、地上天国と天上天国の基盤を構築するのです。私が主導してきた祝福運動は、単純な結婚儀式ではなく、原罪を清算し、本然の真の血統によって天に接ぎ木する神聖な行事なのです。真の家庭は、真の愛、真の生命、真の血統の根源です。本然の真の理想家庭を通して、真の国、真の世界、真の天国が建設されます。家庭における真の父母を中心とする四大心情圏と三大王権の基礎が天一国の土台になるのです。
24 以上のように、レバレンド・ムーンは八つの分野のチャンピオンとして世界に広く知られてきたのであり、これは、天の助けにより、全人類が協助しなければならない勝利の標的として残されているのです。
真の父母の勝利的伝統の相続
25 二十一世紀に入った今日の人類は、実に歴史的な大転換期に置かれています。永遠の世界平和を定着させられるのか、あるいは、二十世紀まで反復してきた暗鬱な戦争と対決の歴史を再び繰り返すのか、これを決定せざるを得ない時点に来ています。
皆様も御存じのように、人類は、二十世紀に入って本格化した植民地争奪戦と、第一次、第二次世界大戦を経験しました。そして、神様の祖国光復の摂理的次元で国連軍が動員され、世界の十六カ国が参戦した韓半鳥での聖戦、また東西冷戦など、絶えず繰り返されてきた戦争と反目の時代を経なければなりませんでした。
26 私は、生涯の全過程を神様の平和理想世界王国の具現のために捧げてきました。さらに私は、第二次世界大戦が終わると同時に創設された国際連合が、永遠の世界平和実現のために、神様のみ旨に従うことのできる名実ともの平和の機構になることを切に祈祷してきました。
しかし、一九四五年に創設された国連に、世界平和のために貢献した素晴らしい業績がないわけではありませんが、創設六十周年を超えた今日の姿は、その本来の創設目的を遂行するにおいて、深刻な困難に直面していることを、自他共に認めています。加盟国が二百カ国に迫っていますが、自国の権益ばかりを代弁し、主張する国連代表部の姿は、世界紛争の解決と世界平和の具現に対する創設当時からの限界を露呈しています。
27 私は、二〇〇五年九月十二日に、ついに神様の摂理史を花咲かせる「天宙平和連合(UPF)」の創設を満天下に宣布しました。「天宙平和連合」は、今から後天開闢時代のアベル国連の役割を果たすでしょう。カイン格の既存の国連の刷新とともに、世界各地において、私の教えである「天父主義」、すなわち真の愛と真の家庭主義を伝授されて奔走している数百万の平和大使たちを動員し、「神様のもとの人類一家族」の天命を必ず完遂しなければなりません。
祖国光復の主役
28 きょう、この意義深い場を共にしてくださった貴賓の皆様は、私がお伝えするこのメッセージを心の奥深くに刻んでください。天上の数千億にのぼる祝福を受けた皆様の善の先祖の家庭も、この時間、地上に再臨し、皆様と共にこのメッセージを受けています。彼らも、子孫である皆様を通して地上で完成し、真の父母、真の師、真の主人の位置にまで出ていくことができなければならないからです。
それだけでなく、彼らは、万王の王であられる真の父母様と一心一体となり、堕落前の本然の姿で、その方の命令に絶対基準で従い、同参して侍る人生を通し、地上天国と天上天国の創建に総動員されなければなりません。このように霊肉界が共に生き、呼吸し、苦楽を共にしているという事実を、忘れないようにお願いします。
29 私が、皆様にもう一つ特別にお願いしたいことは、真の父母様のみ言集六百巻以上の中から要約、抜粋した「平和メッセージ」のみ言を、覚えるように耽読(たんどく)し、人生の指標とするということです。そのようにすれば、神様が先頭に立ち、霊肉界が一つになって皆様を保護し、助け、神様が願われた平和理想世界を成し遂げて、永遠の解放、釈放を享受して暮らすようになるでしょう。
30 皆様は今、後天開闢時代の摂理を主導するアベル国連の「平和軍」と「平和警察」としての使命を果たす歴史的な家庭を探し立てなければなりません。人類の福祉と世界平和のために、崇高な献身の道を歩んだ皆様の人生を、歴史は決して忘れないでしょう。「平和軍」と「平和警察」は、私が創設し、今世界的規模で発展させていっています。アベル国連の旗を掲げ、「平和軍」と「平和警察」の先鋒に立つ家庭を、皆様のような英雄たちでなければ、誰が探し立てるというのでしょうか。
31 世界の各地から集まってこられた指導者の皆様、摂理の結実期であり、神様の祖国光復をこの地、大韓民国でまず完成、完結しなければならない切迫した時点に立った今日、皆様は何をされますか。先天時代と後天開闢時代が交叉しながら引き起こされる、極度の利己主義と排他主義の壁に閉じ込められ、自己の平安と出世ばかりを追い求めて人生を終える愚かな人になりますか。好むと好まざるとにかかわらず、皆様は既に天から召命を受けました。二〇〇七年九月、私が天と地に宣布して出帆させたアベル国連の輝く旗が皆様を導くでしょう。一方では、カイン格である既存の国連の改革をすみやかに完成し、また一方では、世界のすべての国の政治、経済、文化、教育など、すべての分野において、神様の創造理想である「神心情圏」を軸として広がっている、アベル国連の神文明圏革命を完成しなければならない天命を受けたということです。
32 韓国も例外ではありません。「天宙平和連合」と「天一国」の双合七八禧年の天運の時に、すべての壁と垣根が溶け落ちてしまうでしょう。サタン世界で万難を克服して勝利した天宙平和の王、天地人真の父母様のその勝利的伝統を受け継ぎ、「神心情圏」時代の主人になってください。今や神様の祖国光復は、私たちの手で成し遂げなければいけません。今、皆様が身を置く民主主義は、真の家庭と真の父母主義の時代、すなわち神文明心情圏時代を求めていく過渡期的な兄弟主義であることを忘れずに、敢然と民主主義の峠を越え、革命的な飛躍を成し遂げてください!
33 世界百九十四カ国が参与しているアベル国連の舞台で、大韓民国が祖国の役割を果たすことができるようにするために、皆様全員が、今後行われる大統領選挙と国会議員選挙、そして郡守、市長、道知事などの地方自治団体長選挙はもちろん、各種の大臣選任にも積極的に参加し、必ずや最後の時を勝利しなければなりません。今や皆様の目的は、すべての国家の既存政党を一つに結び、皆様の分捧王たちを中心として、この地球星に本当の祖国光復を成就することです。天のみ前に宣布して始めた日韓海底トンネルとベーリング海峡トンネル・プロジェクトも、真の父母様と祖国光復のみ旨を完成させる主人の位置で、必ずや成功させなければなりません。
34 アベル格である天一国とアベル国連、そしてカイン格であるアメリカと既存の国連を一つに結び、天宙的次元の水平を探し立て、万王の王になられた神様を軸とし、平和の王になられた真の父母様と皆様の分捧王、そして皆様が一心一体となり、堕落のなかった本然のエデンの園、すなわち祖国創建を完成しなければなりません。
重生完成、復活完成、永生完成
35 皆様!神様は、誠に奥妙に摂理をされます。誰も想像できなかった大型ヘリコプター事故において、天は霊界を動員し、真の父母である私たち夫婦の身には、サタンも手を出すことができないように措置されたのです。人間の目にはとても神秘的な奇跡の中の奇跡に見えるでしょう。しかしこれは、ヘリコプター事故の歴史上、かつてない不可思議な事故として記録されています。
二〇一三年一月十三日を祖国光復完成の日として公表し、昼夜なく心血を注いでいる私を、天がどうして見捨てることができるでしょうか。御自身の実体として地上界でこの聖業を成して遂げていく先生に、神様が共にいらっしゃらなければ、誰が摂理を完成し、人類を再び神様の懐へと取り戻すことができるでしょうか。神様の大いなる恩賜を受けて、このように皆様の前に再び立つことができるようになった私たち夫婦は、誠に感慨無量です。
36 人類の真の父母として天の印を受けた私たち夫婦は、堕落の血統として生まれ、父母のいない孤児として数千、数万年をさまよっている人類を救い、一緒に連れて帰ってきなさいという天の至上命令を受けました。これから四年余りが残っている二〇一三年度に向かう最後の段階として、双合七八(サンハプチルパル)禧年(ヒニョン)(すべてのものが元の位置に戻る、喜びの年)を宣布し、霊肉界の万邦に総進軍命令を下したこの時点に、このような不意のヘリコプター事故にあったのです。しかし、天はこの事故を通して、いま一度、無知蒙昧な人類に、天が生きて役事していらっしゃることをはっきりと見せてくださったのです。今や皆様は、私と手を取り合って爆発的な真の愛と真の家庭の革命を遂行し、全人類を祝福家庭化しなければならない切迫した時点にいることを、一時も忘れてはいけません。
37 皆様、堕落によってアダムとエバは、霊肉すべてをサタンに差し出してしまいました。しかし、イエス様は、十字架の苦難を通して、肉身は失ってしまいましたが、四十日の復活期間を勝利して霊的復活を完成され、人類に霊的救援の道を開いていかれました。このような次元から見るとき、今回のヘリコプター事故は、実に途方もない摂理的意味をもっています。サタンの最後の総攻勢の中でも、真の父母様は、霊肉共に完全実体勝利を勝ち取られたのです。摂理歴史の中で失ってしまった真の家庭の三代圏を、一滴の血も流すことなくそっくりそのまま復帰、安着させたのです。
38 夢にも忘れることができないその日、二〇〇八年七月十九日、ヘリコプター事故の当日には重生完成を、それから二十日目に当たる「七・八節」を迎えた八月七日には復活完成を、そして八月二十七日には、事故から四十日目を勝利で締めくくりながら、永生完成の日を宣布しました。神様を中心にお迎えし、摂理の最終的理想圏である新天新地を開き、永遠の解放、釈放を謳歌する永生の新しい日を宣布したのです。
39 今、皆様の前には、新しい時代、新しい国を約束する二〇一三年一月十三日のその日が近づいてきています。真の父母様の真の愛は、平和統一祖国光復の父母国連を通して天一国を実現するでしょう。神様の血統と完全祝福を保全し、本来の真の神様を万有の父母として侍り、永遠の禧年を享受して暮らしていける平和の実体天国、すなわち天一国のその日に向かって、私たち全員で総進軍しましょう!
第二節 神様の摂理史観
天一国経典「天聖経」目次
第二節 神様の摂理史観
1 皆様、宇宙に散在する森羅万象も、その大小に関係なく、すべて一つの根から始まりました。堕落によってすべての関係が断絶され、人間が無知に陥ったために簡単に感知することができないだけであって、万物はもちろん、太陽までもその基準と形態の中で真の父母、真の家庭に侍って共鳴圏を形成し、ために生きる人生、すなわち、真の愛と真の血統権の世界で暮らしたいと思うのです。その世界こそ、死のない場所であり、教育が必要なく、始まりも終わりも必要ない所です。電気学でいう負荷のかからない水平の位置で、万物も人間と共に神様だけを中心として暮らす道理に従う世界、すなわち善の王国を形成し、永遠に太平聖代を享受しながら暮らしたいと思う、そのような世界です。
天宙平和の王戴冠式
2 皆様はきょう、歴史上あとにも先にもない驚天動地の摂理歴史的大事件の現場に立っていらっしゃいます。天宙平和の王が、ついに栄光の即位をされる日です。
皆様の目には見えませんが、今、皆様一人一人の頭上には、数千、数万人の善の祝福家庭の先祖たちが臨み、共にこの荘厳な瞬間を慶祝しているという事実を忘れないでください。天地万物も喜び、共に叫ぶハレルヤの賛美が、全天宙いっぱいに響き渡っています。
皆様が本当にこの日の価値を知れば、到底このようにじっと座ってばかりいることはできないでしょう。全地球星(ぼし)を回り、喜びと歓喜と称賛の声を限りなく叫ぱずにはいられないでしょう。
3 皆様、二〇〇一年一月十三日は何の日だったか御存じですか。天が何よりも待ち望まれ、願ってこられた「神様王権即位式」の日でした。人類の真の父母としての印を押されて出発した先生が、名状し難い受難と茨の蕩減復帰路程をついに勝利し、完成した基盤の上で奉献した人類最大、最高の慶事でした。数万年の間、嘆息と恨で綴られた生を父母の心情で摂理してこられた神様に、ついに解放と釈放の日を奉献した日でした。神様を縦的な真の父母であり天宙の大王としてお迎えし、天国の旗を高々と翻し、新しい天の王権の出帆を天上天下に宣布した、実に摂理的な日でした。
4 それから三年、台風のように吹きつける天運の鍵を握り、一日を千年のように走って勝利した真の父母様の基台の上に、天はついに。二〇〇四年五月五日、「双合十勝日」を宣布しました。長き恨の歳月を過ごした先天時代を閉じ、この地に新天新地を創建できる後天開闢の時代を開いてくださったのです。この地球星を天のみ前に実体的に還元させるための歴史的大革命の出発でした。
5 真の父母と全人類が一つになって血と汗と涙で開拓した勝利の土台の上に、私は、去る二〇〇三年、エルサレムにおいてキリスト教、ユダヤ教、イスラームの推戴を受け、イエス様を万王の王として天上天下に宣布しました。それとともに、二〇〇四年には、私がアメリカと韓国の国会で平和の王として推戴されました。そして、二〇〇六年六月には、ついに「天宙平和の王戴冠式」を挙行するようになったのです。
6 きょう皆様は、実体的な「天宙平和の王の戴冠式」に参席し、天一国の国民として入籍できるという、実に途方もない天恩を受けています。数千、数万に及ぶ皆様の先祖たちも、この日の恩賜ゆえに、永遠に皆様に感謝するでしょう。
7 聖書を見れば、「まず神の国と神の義を求めよ!」とあります。きょう皆様は、ついに後天開闢時代の実体的主権となる「神の国」、すなわち天一国が創建される奇跡の中の奇跡を目撃していらっしゃいます。実に天は奥妙に役事されます。新千年の元旦に、既に天一国の地平を開いてくださっていたのです。しかし、皆様の生前に、このように夢のような天宙平和の王の即位の日が訪れるとは、誰が想像したでしょうか。
分捧王中心の摂理時代
8 人類は既に新しい時代圏である後天開闢の時代に入っています。平和の王として即位した私の命を受け、世界各地に派遣された分捧王たちを中心として天が役事され、この地に新天新地、すなわち天一国を完成させる時代です。
9 イエス様の前に洗礼ヨハネが責任を果たしていたならば、ユダヤ教とイスラエルの反対にあって十字架の道に追い立てられるイエス様にはならなかったはずです。洗礼ヨハネと共に、イエス様はイスラエル民族を導き、天が数千年にわたって準備してきたローマを平定し、治めることができるようになっていたはずです。そのような基盤さえ確保していたならば、イエス様は世界へ通じるローマの道を通して、世界全域に分捧王たちを派遣していたでしょう。彼らは平和の王となられたイエス様の代身者であり、天のみ旨を伝授された相続者としての分捧王の役割を果たし、この地球星に、国境がなく、垣根のない解放、釈放の平和王国、すなわち天一国を創建していたでしょう。
10 人類は、サタンの計略から脱け出すことができないまま、再び二千年間の蕩減復帰の道を歩んできた事実を、私たちはよく知っています。洗礼ヨハネ一人の失敗が、このように途方もない結果をもたらしたのです。天の摂理は、決して中断されても、放棄されてもいけないというのが天理です。ついにこの地、大韓民国が天の選択を受け、摂理を完成させる祖国となりました。真の父母様がこの地の精気を受けてお生まれになったからです。
11 私は、世界各国に分捧王たちを封ずる手続きを躍動的に進行させています。彼らは決して、洗礼ヨハネのような失敗を、二度と繰り返せない時代圏に入ってきています。十字架の道を歩まれ、忽然と去られたイエス様の時とは異なり、平和の王として天の印を受けた私は、必ずやこの地球星に神様の祖国光復を完成させなければならないからです。天が共にいらっしゃり、平和の王が中心軸として立ち、世界の津々浦々に派遣された子女たちと分捧王たちを導き、永遠の平和が定着する本然の理想天国を創建するのです。
人類歴史の発展過程
12 国際連合の創設趣旨に従い、世界平和を守るという崇高な志を抱き、朝鮮戦争において多大なる犠牲を払った国連軍と、アメリカをはじめとする十六カ国の参戦国に、み旨を中心として七千万の韓民族に代わり深甚なる感謝の心情をお伝えします。人類を罪悪から救い、御自身の創造理想を完成しようとされる神様の摂理的観点から見れば、朝鮮戦争は、単純な一国の戦争ではありませんでした。神様の摂理を完結するにおいて、決定的な役割を果たした歴史的な聖戦だったのです。私と韓半島を中心として繰り広げられた神様の深い摂理的内容を、ここで一つ一つすべて説明することはできません。したがって、きょうは、私が最近宣布した環太平洋を中心とする摂理的内容を皆様に紹介しようと思います。
13 人類歴史の発展史を深く観察してみれば、歴史の背後で、絶えず役事される天の意志と息遣いを、はっきりと感じるようになります。世界の四大河川地域を中心として第一歩を踏み出した人類の文明史を、一度振り返ってみてください。ナイル川を中心とするエジプト文明、チグリス・ユーフラテス川を中心とするメソポタミア文明、インダス川を中心とするインダス文明、黄河を中心とする黄河文明、これらを私たちはよく知っています。
14 その後、人類の文明史は、地中海圏に上陸し、ギリシャ半島のギリシャ、イタリア半島のローマのような、地中海の半島文化として、花を咲かせるようになります。歴史は、再び発展を繰り返しながらヨーロッパ大陸文明として定着するかと思われましたが、この大陸文化も、再び大西洋圏のイギリスで島嶼文明の花を咲かせる土台になります。しかし、四海を平定し、「その地に日が沈むことはない」と叫び、気勢を揚げていた大英帝国も、再びその華麗な文化のバトンをアメリカ大陸に譲り渡した事実を、私たちは歴史の中に目撃することができます。
このように、アメリカ大陸に着陸した人類の文明史は、ついにキリスト教に根をおく民主主義の甲冑をまとい、宗教の自由と人権平等の旗印を掲げて闘い、第一、第二、第三次世界大戦を勝利することによって、無神論的悪主権の代名詞だった共産主義がひざまずくようになります。しかし、人類文明史の発展がここで終わるのではなく、またアメリカが偉大であるがゆえに、達成された結果でもありません。摂理的プログラムに合わせ、天はアメリカという国を第二イスラエルとして選び立て、中心宗教であるキリスト教を通してアメリカの国民を育て、訓練させ、この結実段階の摂理を成し遂げてきたのです。
15 皆様、問題は今からです。地球星を一周回ってきた人類文明史の発展は、ついに太平洋圏に到着しました。今や人類歴史は、環太平洋圏を中心として完成、完結すべき摂理的時点に到達したのです。この摂理的プログラムは、もはやいかなる力も妨げることができません。悪主権下で勝ち負けを繰り返していた先天時代の蕩減路程は、飛躍する環太平洋時代の足首をつかむことはできないのです。天が禧年を宣布された特別なみ旨が、正にここにあります。
神文明圏の構築
16 環太平洋時代の到来が意味するところは、実に大きなものです。人類のメシヤとして来られたイエス様が、み旨を成し遂げていたならば、世界はどのような姿に変わっていたと思いますか。イエス様は、全人類を救うために来られた救世主、メシヤだったのであって、地中海東方の片隅に位置するイスラエルだけを救うために来られた方ではなかったのです。
その当時、人類文化は、既に地中海の中心であるローマを拠点として、四海を掌握し、治める準備ができていました。したがって、天は、イエス様がローマを教化して統治し、その強大なローマの力を借りて、世界人類を新しい神文明圏へと救ってあげることを期待していたのです。しかし、歴史は、あまりにも悲惨な十字架の惨刑で終わったイエス様の最期を記録しています。
17 神様は、数千年準備した基台の上に、ようやく御自身のひとり子であるイエス様をこの地に送られ、労心焦思(心を痛め気をもむこと)、一挙手一投足を見守っておられましたが、その神様の心情は、どのようなものだったでしょうか。人類の始祖として造ったアダムとエバが、堕落によってエデンの園から離れていった時よりも、もっと大きな凄絶で惨絶な、恨が骨身にしみる悲劇になってしまったのです。それから二千年、神様は、歴史の裏道で、人間には到底想像もできない受難の路程を歩まれたのですが、その過程を通して準備された第二イスラエル圏の国がアメリカです。キリスト教国として、新教と旧教が適切に配置されているアメリカは、旧教と新教を一日も早く和合・統一させ、イエス様の時代に成し遂げることができなかった、二十一世紀のローマの役割を完遂する使命を担っているのです。
18 六十五億の人類の和合と統一を開拓し、この地に平和理想世界を創建するにおいて、牽引車の役割を果たすべき摂理的次元の責任が、アメリカという国に背負わされています。これは、単に先生の言葉ではありません。天が、今日のアメリカに下された天命です。そうだとすれば、私たちは、どのように旧教と新教を一つにすることができるのでしょうか。神様は、既にその答えを、人類の真の父母として顕現された先生を通して送ってくださいました。それこそ神様の創造理想を完成する神文明圏の構築です。それは、真の愛の人生を実践躬行し、霊界の実相をはっきりと知り、モデル的理想家庭である真の家庭を探し立てなければならないという、天からの至上命令です
環太平洋圏を中心とした人類の未来
19 皆様、この地球星に現存する六十五億の人類の中で、五十億に近い人たちが、皆様の隣人であり、親戚である環太平洋圏の兄弟姉妹です。言い換えれば、私たち人類全員が根を同じくする蒙古斑同族圏の同族です。神様の平和理想を中心として、私たちが祝福を受けて一つの血統で団結すれば、できないことがどこにあるでしょうか。人類の未来は今、私たちの手にかかっているのです。
20 天の摂理は今、アメリカ大陸を経てイギリスと同じ立場である日本列島において島嶼文明の花を咲かせ、人類の救世主であり、再臨のメシヤとして顕現された真の父母の祖国、韓半島で結実すべき宿命的瞬間を迎えています。韓半島は、イエス様当時のローマと同じ立場に立ち、全世界の問題を解決しなければならない超宗教圏と超政治圏の紛争地域とみなされています。地政学的な次元から見ても、韓半島は今、世界平和を定着させることに、最も先鋭な対立地域として浮き彫りになっています。
21 人類文化が、韓半島を中心とする太平洋圏において、結実しなければならないというのは、神様の蕩減復帰原理のためです。朝鮮戦争の時には、有り難くも、アメリカを中心とする国連軍が動員されましたが、神様が願われる祖国と故郷を取り戻さなければならないみ旨を成し遂げることができず、途中下車することによって、物質の奪い合い、人の奪い合い、有神論と無神論の対立など、世界的次元の葛藤と紛争は、冷戦という名で継続してきました。
このように、蕩減復帰するという目的が不明確になっていたため、今では私が創設した「天宙平和連合」の名で、祝福を受けた天の女性たちを中心として、より平和を愛し、奉仕し、犠牲になる「平和軍」と「平和警察」を再編成して教育し、先頭に立てました。これらは、神様を中心とする世界平和を具現する平和前衛隊として、神様の願いである平和理想世界を創建するようになるでしょう。
22 皆様は、よく知らないと思いますが、韓半島の核問題解決のために、現在進行している六カ国協議の背後を舵取りし、民主主義諸国と共産主義諸国を和解させ、その解決策を提示しているのも、先生が伝えた新しい天父主義の平和と和合の原則だという驚くべき事実を明らかにしたいと思います。
この切迫した時点において、アメリカと国連の役割は、果たして何でしょうか。環太平洋圏の中心に位置しているアメリカのノーフォークとハワイは、大西洋と太平洋はもちろん、五大洋を代表しています。そのハワイとノーフォークは、東洋と西洋を結ぶ架け橋であり、南と北を連結する鎖です。韓半島は、アメリカ大陸を背負い、太平洋圏のすべての島嶼国を糾合し、環太平洋圏を保護する祖国になるのです。重ねて申し上げますが、それは正に、人類の未来が韓国と日本、そしてアメリカを中心とする環太平洋圏の保全にかかっているからです。
23 このような天のみ旨をよく知っていた私は、去る一九七〇年代から三十三年間、生涯の黄金期を、このアメリカを中心として世界平和のために精誠を尽くしました。そして、一九九一年には、冷戦時代に終止符を打つため、北朝鮮の全日成主席(当時)と会談に臨む深刻な瞬間にも、まずハワイに寄って精誠を捧げました。それを勝利した土台の上に、私は、再び韓国に戻り、神様の祖国と故郷を定着させる摂理を完成させつつあります。
特に今年(二〇〇七年)は、摂理的禧年を迎え、再びアメリカを訪れることになり、その最初の経由地としてハワイに行くことになりました。
24 皆様、昨今の世界情勢を冷徹に分析してみてください。共産主義の仮而を脱いだといいますが、今も中国やロシアのような周辺の好戦的な強大国は、虎視眈々と力のない小さな島嶼国をねらっています。
どの国家でも、小さな島嶼国としては、単独でこの強大国の政治、経済、軍事的攻勢にはかなわないでしょう。彼らがその気になれば、一日でも無血占領を敢行できる力をもっているのです。
25 環太平洋圏に安定と平和が定着するとき、人類の平和も保障されるでしょう。怒濤のごとく押し寄せてくる周辺の強大国の途方もない津波を、単独では阻止することができません。環太平洋圏のすべての島嶼国が一つに団結し、神様が願う神文明圏の祖国を創建しなければならない時が来ました。
赤道を中心におき、南北に散在している太平洋圏の小さな島嶼国はもちろん、日本、台湾、フィリピン、インドネシア、ソロモン諸島、オーストラリア、ニュージーランドなど、すべての国家が、一つの国のように連合圏を広げ、人類の平和と安定を保障する環太平洋文明圏を守らなければなりません。日ごとに激しくなっていく環境破壊と戦争から、人類の未来の命綱であり生命線である海洋圏を保護して生かし、未来の平和のために本然の資源を守るべき責任が皆様にあるという意味です。
26 これまで八十年以上の間、私は初志を貫徹し、天の命に従って神様の創造理想である地上天国と天上天国、すなわち平和世界を築くために尽力してきました。地球星の津々浦々を数十回も巡りながら天のメッセージを広く伝えてきました。特別に二十一世紀に入る中で私は、天が人類に賜った最後の祝福であり警告である環太平洋圏を中心とする天の摂理的方向と人類の未来についてのメッセージを説き明かしてきたのです。
平和世界を具現するには、ほかの方法があるわけではありません。人類の真の父母であられる神様の命に従い、世界を抱いてアベル国連を設立し、救援摂理を躍動的に推進、実践している私の教えに従わない限り、人類の未来は希望があリません。天がこの時代に私たちに下さった最後通牒のごときこのメッセージを胸深く刻印し、今後、皆様の人生の指標としてくださることを願うものです。
第三節 天一国時代の摂理
天一国経典「天聖経」目次
第三節 天一国時代の摂理
1 二十一世紀に入った今日の人類は、実に歴史的な大転換期に置かれています。永遠の世界平和を定着させることができるのか、あるいは二十世紀まで反復してきた暗鬱な戦争と対決の歴史を再び繰り返すのか、これを決定せざるを得ない時点に来ています。皆様も御存じのように、私は、二十世紀に入って本格化した植民地争奪戦と、第一次、第二次世界大戦、韓半島での六・二五動乱、東西冷戦など、絶えず繰り返されてきた戦争と反目の時代を通し、生涯の全過程を神様の平和理想世界王国具現のために捧げてきました。その過程において私は、第二次世界大戦が終わって創設された国際連合が、永遠の世界平和を実現するため、神様のみ旨を受け入れることができる平和機構となるよう切に祈ってきました。
2 一九四五年に創設された国連に、世界平和のために貢献した素晴らしい業績がないわけではありませんが、創設六十周年を超えた今日の姿は、その本来の創設目的を遂行するにおいて、深刻な困難に直面していることを、自他共に認めています。加盟国が二百カ国に追っていますが、自国の権益ばかりを代弁し、主張する国連代表部の姿は、世界紛争の解決と世界平和の具現において、創設当時からの限界を露呈しています。
「天宙平和連合」の出現
3 人類は今まで、歴史を通して、絶えず人間を中心とする平和運動のみを展開してきました。その良い例が民主と共産の対決です。個人の権益と自由をどれくらいより認定し保障するか、その程度の差だけであって、民主主義も共産主義も、すべて父母を失った子女たちがカインとアベルに分かれて争う、兄弟間の紛争の範疇を抜け出すことができませんでした。不完全な人間ばかりを中心として展開する平和運動は、歴史的に常にその限界にぶつかり、挫折してしまったのです。世界平和実現の華やかな夢を抱いて出発した国際連合が、今日その生まれながらにしてもつ限界点にぶつかり、人類にこれ以上希望を与えることができずにいるのも、正にこのような理由のためです。
一言で言えば、天が直接運行し、歴史を摂理できる時を迎えられなかったということです。
4 神様の永遠の創造理想である平和理想世界を実現するために、カイン格である既存の国連を更新するとともに、新しい次元で平和理想世界王国の機能を発揮できる天宙的次元のアベル格の国連の姿が、正に「天宙平和連合」です。今、皆様と共に誕生した「天宙平和連合」は、神様の勝利であり、真の父母様の血と汗と涙の結実であり、皆様の希望であり願いです。カイン的な既存の国連の前に、天一国を代表するアベル的王国の使命を果たすようになるでしょう。
5 「天宙平和連合」は、既存の国連のアベル的位置に立ち、民族的で国粋的な国連代表部の角逐の場となるのではなく、汎世界的で超世界的な天宙的次元で、人類の平和と福祉のために崇高な革命を遂行していくでしょう。外的で形式的なスローガンに縛られる国連ではなく、より根本的で実質的な次元で、真に人類のためのメシヤ的使命を果たすようになるでしょう。
そのような目的のもとに、私は、既に二〇〇五年の十月二十日、「天宙平和連合」の創設メッセージを世界百二十カ国に伝播する世界巡回路程の中、ウクライナにおいて「世界平和王国警察」と「世界平和王国軍」の創設を満天下に宣布しました。この組織は、今から私たちの体の赤血球と白血球のような役割を果たし、世界の至る所で天の血統に接ぎ木され、新しい出発をした祝福家庭を保護し、一方では、神様が下さったエデンの園、すなわちこの美しく有り難い地球星を守り、保護し、育てあげる警備隊の役割を果たすようになるでしょう。
6 この地球星を神様が願われる理想天国にするため、五大洋六大州を連結し、巡回しながら疾走できる「世界平和超高速道路」建設の一環としてベーリング海峡にトンネルを通す、世界最大のプロジェクトを進めています。世界平和具現の崇高な志を抱いて出発した国際連合が、有名無実な機構に転落した現実を無視することができず、私は国連の刷新を推進しています。それと並行して、「新しいぶどう酒は新しい皮袋に入れるべきだ」という考えから、私は、人類を天宙平和神文明開闢時代へと導く新しい「平和国連」、すなわちアベル国連(「天宙平和連合」)を創設し、世界百二十カ国以上の国々から支持を受けています。
7 世界人口の七四パーセントを占めている蒙古斑同族は、世界で最も大きい単一同族体です。五十億に近いこれらの人々を糾合し、この地球星に真の愛の台風を起こさなければなりません。皆様と先生は、同じ韓半島で生まれ、同じ文化圏を享有しています。皆様は、私の教えである真の愛、真の生命、真の血統を通じた真の家庭完成の真理を伝播し、教育する平和大使であり、天の密使です。平和大便になった皆様は、今から天の真理をもって、死の道も恐れない預言者的な信念と誇りで奔走しなければなりません。天の密使になって奔走する皆様の永生は、天が必ず責任をもってくださるでしょう。
8 私たち全員が共有している蒙古斑は、単純にモンゴリアンを表示するために生じた生理的な斑点ではありません。後天開闢の時代が訪れる時、真の父母様を中心として全人類を糾合し、統一する求心点とするために、いち早く天が下さった東夷(とうい)族の証票です。さらには、蒙古斑同族の中心軸の位置に立っている韓民族は、六十五億の人類の先頭に立ち、真の父母様の伝統を伝授する代身者としての使命を果たさなければならない選民です。
9 皆様は、「天宙平和連合」の崇高な志に従い、天のために、そして人類のために、誇らしい「平和王国警察」と「平和王国軍」の隊列に進み出なければなりません。二百八十の姓を超える韓国のすべての姓氏たちは、自らの姓氏と宗親の壁を越えて一つになり、天がこの時代に選び立てた選民としての位置を立てなければなりません。これが正に、倍達(ぺだる)民族(韓民族の別称)である韓民族の宗親代表指導者の皆様に下された天命であることを肝に銘じてくださるように願います。
10 皆様は、後天開闢時代を導いていく世界百二十万の平和大使を代表する指導者の位置に立っていらっしゃいます。今後、人類の平和と幸福に責任をもち、「平和王国警察」と「平和王国軍」の使命を完遂しなければならない天の密使なので、四大聖人はもちろん、数十、数百代にわたる皆様の先祖たちまでが総動員され、皆様の一挙手一投足を見守っています。したがって、皆様の使命は、今、火を見るよりも明らかになりました。まずは、皆様の宗親たちと知人たちに、後天開闢の時代、すなわち天一国創建の時が来たことを周知させなければなりません。天がこの時代に、真の父母様を中心として全世界的次元で展開していらっしゃる摂理的内容を、教育する責任が皆様にあるということです。
人類平和のためのプロジエクト
11 人種、国境、宗教の壁を越え、このように数十、数百のNGO(非政府機構)と各国の大使、そして宗教指導者が一堂に会し、「お一人の神様のもとの一つの家族」の夢を実現するため、真の愛の革命の隊列に参加された皆様の姿を拝見でき、感慨無量です。
12 私は、生涯、神様の真の愛を実践するために生きる人生の道理を教えてきました。これは、個人だけでなく、家庭と社会、国家、このようにすべての次元で適用されなければならない基本原理です。
13 世界の指導者の皆様、私は、きょう貴い神様の摂理歴史的完成の場をお借りして、もう一度、神様と人類の摂理的最後の目的である平和天国創建のために、そして、神様の祖国と本郷の創設のために、実に摂理的で革命的な新プロジェクトを宣布しようと思います。
14 歴史的に、サタンによって東と西、南と北に分けられ、地理的には、北アメリカ大陸とロシア大陸を分けるベーリング海峡に橋梁を建設し、海底トンネルを通そうというのです。そうして、アフリカの喜望峰からチリのサンティアゴまで、イギリスのロンドンからアメリカのニューヨークまで、自動車で全世界を巡回しながら疾走できる「世界平和超高速道路」を連結する「ワールド・ピース・キング・ブリッジ・アンド・トンネル」を完成し、世界を解放、釈放する一日生活圏にしようというのです。これ以上の分断と分裂は容認できないというのが天の警告です。全世界を一日生活圏で結び、サタンがつくった人種、文化、宗教、国家の壁を崩し、神様が何よりも願ってこられた平和理想世界王国を、この地球星に創建しようというのです。
15 アメリカとロシアが一つになり、ヨーロッパ大陸、中国、インド、日本、ブラジルなど、世界のすべての国家、そしてすべての宗教が一つになり、共に力を合わせ、この歴史的なプロジェクトを成功させなければなりません。この事業の成功こそ、人類にとって、これ以上戦争と分断が必要ない平和理想世界王国を創建するにおいて、決定的な役割を果たすでしょう。
16 皆様、このような途方もないプロジェクトを完成できるのかと、疑問をもつ人もいるでしょう。しかし、神様のみ旨がある所には、必ず道があります。二十一世紀の現代科学技術は、今、ベーリング海峡にトンネルを通す程度のことは問題にならない水準にまで発展しています。工事費用も問題になりません。世界が戦争という名のもとに費やしているお金がいくらでしょうか。人類は今、歴史と後代の前に、実に恐るべき罪を犯していることを自覚すべき時です。
17 一つの例を挙げましょう。アメリカが過去四年余りの間、イラク戦争につぎ込んだ戦費がどのくらいになるか御存じですか。約四十兆円(四千億ドル)に迫っています。それだけの予算があれば、ベーリング海峡プロジェクトを完成しても余ります。なぜ私たちが、互いに殺し合う戦争に、このように途方もないお金をつぎ込む愚かな蛮行を続けなければならないのでしょうか。聖書のイザヤ書第二章四節に「彼らはそのつるぎを打ちかえて、すきとし、そのやりを打ちかえて、かまとし」とあるように、今はその教えのとおりにしなければならない時です。人類はもうこれ以上、戦争のための戦争に子女たちの命を犠牲にし、天文学的なお金を費やす悪業を繰り返してはなりません。世界のすべての国家の力を総動員し、大宇宙の主人である神様が願われる平和理想世界王国創建に、総邁進すべき時が来たのです。
歴史の中の摂理的結実
18 私たちは、二〇〇九年一月一日と十五日、三十一日の三回にわたって歴史的な「万王の王神様の新しい解放圏と戴冠式および金婚式」を挙行しました。特に一月三十一日には、東洋圏を代表した韓国の天正宮博物館と西洋圏を代表したアメリカ・ニューヨークの二カ所で、同じ日に歴史上空前絶後の摂理的行事を天に奉献するという記録を打ち立てました。
19 二〇〇九年四月以降の時は、私たち夫婦が聖婚式を挙げて五十回目になる時です。独裁に対して抵抗、拒否して叫ぶ、若い学生たちの絶叫が韓半島に響き渡った一九六〇年陰暦三月十六日、私たち夫婦は、聖婚式を通して天から印を受け、人類の真の父母、真の師、真の王の険しい復帰摂理路程を出発したのです。それから五十年、神様を完全に解放、釈放してさしあげ、万王の王としてお迎えするまで、私たち夫婦が歩んできた蕩減復帰摂理の路程のすべてを、どうして筆舌によって説明できるでしょうか。はるかのちに歴史家たちが証明し、記録することになるでしょう。
20 皆様はよく御存じではないと思いますが、真の父母様の戴冠式と金婚式のもつ摂理的意味は実に途方もないものです。人間始祖の堕落によって神様の真の血統がなくなり、サタンの偽りの血統が人類歴史を支配してきたという事実は、皆様も原理を学んで御存じでいらっしゃると思います。血統が入れ替わった人類の歴史は、結果的に肉界はもちろん霊界までも、徹底して善悪のカインとアベルの相克的対立闘争の関係でもつれてしまったではないですか。このような悲惨な歴史に対して、誰一人としてその解決法を見いだすことができないまま、今まで放置された状態で歴史は流れてきたのです。
21 これからは時代が変わります。真の父母様の戴冠式と金婚式を契機として、カイン・アベルの完全一体圏の門が開かれつつあるのです。神様の本性的心情を相続して共有する完成、完結の段階、すなわち堕落の痕跡すらない原状の人間へと復帰される恩賜圏に進入する新しい時代なのです。「○」と「x」の原理的次元から考えてみても、それは、「○」の立場であられる神様の善主権が、「x」の立場であるサタンの悪主権を痕跡も残さず、丸ごと包容して消化する時代圏を意味するのです。もうこれ以上、実体の神様として役事なさる真の父母様と無形の神様を区別する必要のない地上天国と天上天国が、実体的に皆様の目の前に広がる新しい時代圏が開かれつつあるのです。
22 このような特別な意義をもっているこの時、私たちは、去る四月二十一日からの十三日間、私たち夫婦の戴冠式と金婚式を慶祝し、今後人類の平和の祭典としてオリンピックを凌駕するであろう「圓球ピースカップ・カイン・アベル天宙連合大会」を盛大に開催しました。特に今回の第一回大会は、真の父母様の招請によって、万事を後回しにして駆けつけてきたブラジルのソロカバ・サッカーチームが、大きな役割を果たしてくれました。二〇〇八年度ブラジル・サンパウロ地域のFAカップ優勝チームであるソロカバ・チームは、今回短い期間でしたが、韓国、日本、北朝鮮、そして中国を代表する四カ国のチームと競技を行い、南米サッカーの神髄を教え、見せてくれる立派な競技を繰り広げました。皆様、ソロカバ・チームのために激励の拍手を送ってくださいませんか。
23 皆様は、今や祝福結婚と結実の時代を迎えています。神様の創造理想である地上天国、すなわち平和王国が皆様の目の前で創建されつつあります。真の父母として、八十年以上の生涯を、血と汗と涙で綴られた一本道として、ただ天の道だけを歩んできた私の人生が、今では六十五億人類のための勝利的結実を収めているのです。霊界でも、四大聖人はもちろん、数千、数万の聖賢たちと皆様の善の先祖たちが地上界に降りてきています。皆様の一挙手一投足を見守り、天道に背く人を罰して、多くの人の戒めとされるでしょう。
後天開闢時代の宣布
24 天一国七年が始まると同時に、神様と人類が、数千年の歴史上、ただの一度も経験できなかった摂理的次元の禧年を宣布しました。天がこの年を大きく祝福されたのです。数千、数万年の歴史を通して神様の胸を苦しめ、人類を束縛の沼から抜け出せないようにしていたサタン主管権、すなわち悪主権の先天時代がついに終わり、この年を頂点として、今から人類は、神様を中心にお迎えし、新しい善主権の時代である後天開闢の時代を大きく開いていけるようになったのです。このような途方もない天の摂理が、皆様の知らない間に進行しているのであり、今では、世界百八十五カ国で、私の教えを相続し、天がこの時代に下さった特命を遂行するために、昼夜を分かたず奔走している平和大使たちの数が、数百万になっています。
25 皆様、サタンの秘密を暴いたレバレンド・ムーンの人生は、言葉では表すことのできない迫害と苦難、すなわち恨の生涯とならざるを得ませんでした。しかし、今では万難に打ち勝ち、勝利して、天の権勢が現れる「後天開闢時代」を宣布しました。その基盤の上に、世界人口の七八パーセントを超える宗教圏と国家圏を糾合し、新しい世界的次元のアベル圏を立てつつあります。併せて、新しい世界的次元のカイン圏を確立するために、全世界の人口の七四パーセントを占めている蒙古斑同族圏を糾合しつつあります。
26 今や超世界的次元で、この二つのアベル圏とカイン圏が一つになり、アベル王国の立場で出帆した「天宙平和連合」と一体にならなければなりません。そして、この地に平和理想世界王国を創建するために、超宗教超国家的な次元で、すべての国境と垣根を撤廃しなければなりません。そうして、全人類が本然の創造理想世界に入ることができ、アダムとエバの堕落によって失ってしまった本然の所有権までも探し立てる宿命的責任があるという事実を、いま一度、皆様に想起していただきたいのです。
27 皆様、しかし今では、時が変わりました。過去八十年以上の歳月を捧げ、ただ天の道だけを歩んで勝利した先生の勝利的基台の上に、ついに後天開闢の時代が宣布されました。罪悪と束縛の沼で苦しんでいた人類を解放、釈放させ、自由と幸福の世界である創造本然の理想世界を創建する天運の時が、私たちと共にあるのです。
28 天が先生に人類の真の父母としての印を押され、新時代を開いてくださったことには、いくつかの明確な理由があります。第一に、ために生きる人生、すなわち真の愛の人生の価値を実践して勝利し、人類に伝授してあげたその勝利的基台のためです。人間は、誰もがために生きるように生まれました。しかし、堕落による無知のために、正反対の道である利己的個人主義に陥ってしまったのです。歴史上、初めてこのような天の秘密を明らかにし、人類を教育してきた先生の波瀾万丈の人生を、神様はよく御存じでいらっしゃいます。
29 第二に、私は、一生を捧げて万難を克服し、勝利的基台を立てたのであり、真の愛の実践教育を通して、神様と人間が父子の関係を再び回復し、定立できるすべての条件を充足させたのです。愛の怨讐である姦夫サタンの子女となり、偽りの愛、偽りの生命、偽りの血統の奴隷になって生きていた人類に、真の愛の根源であられる神様の真の血統に再び復活重生される道を開いてあげました。真の愛の人生を通して個人完成を実現し、真の家庭、真の氏族、真の民族、真の国家、真の世界を立てる道を完全に開いてあげたのです。
後天開闢時代の私たちの使命
30 皆様、天地開闢の後天時代は、明らかに天と真の父母様が開門してくださいました。しかし、この福多き栄光の時代を花咲かせ、実を結ばせることは、今皆様の手にかかっています。後天時代は、真の父母様から受けた祝福結婚を通して、アダムが堕落によって失ってしまった真の血統を取り戻さなければならない時代だと言いました。個人、家庭、氏族、民族、国家、このように五段階を経て祝福摂理を完成すべき時代だというのです。
31 皆様は、今、摂理的四次アダム心情圏の時代である解放、釈放時代、すなわち後天開闢の時代に入っています。後天開闢時代は、蕩減復帰で染まっていた旧約、新約、成約時代までの先天時代を勝利した、影のない正午定着時代であり、アダムの堕落以前の本然の理想世界を創建していく時代です。それだけでなく、後天開闢時代は、平和の王、真の父母を中心として、霊界と肉界が一体圏を形成した全体、全般、全権、全能の真の愛の心情圏の時代、すなわち天宙平和統一国の時代を意味するのです。
32 人類は、真の父母様が許諾された聖酒式を通して、血統転換して新しく祝福を受け、真の家庭を探し立てることのできる道が大きく開かれました。交叉祝福結婚を通して絶対「性」の人生を完成することこそ、この地に平和理想世界を実現する究極的方法であり、手段であることを、はっきりと教えてあげることが皆様の召命的使命です。さらには、皆様は、今から概念的で意識的な次元を越え、真の父母様の実体的代身者であり相続者となった召命的責任を果たさなければなりません。
33 歴史上、空前絶後のこの後天開闢の貴い時代を、肉身を土台とする五感にばかり頼って暮らしている皆様には、直接感知できないことが本当に残念に思います。一日も早く霊的な五感を開き、天の摂理が今この時代にどのように成し遂げられていっているのかを、はっきりと認知して生きていける皆様になることを願います。皆様の立場から見れば代価なく受けたこの天運の時ですが、絶対的基準で設定した摂理的プログラムは、ただ皆様を待ってくれるばかりではないという点を肝に銘じてください。
34 倍達民族の精神を保全し、白衣民族の気概を守ってきたこの韓民族の平和大使の代表でいらっしゃる皆様は、今、一つに団結すべき時が来ました。これ以上無駄にする時間はありません。金氏ならどうで、朴氏ならどうだというのですか。慶尚道と全羅道が一つになれない理由がどこにあるのですか。民団と朝鮮総連も、みな同じ韓半島に根を置いています。韓国と北朝鮮はどうですか。みな同じ一つの血統を分かち合った兄弟姉妹の関係ではないですか。私たちは、白衣民族の子孫であり、「弘益人間」(広く人間世界に利益を与えること)の崇高な志を立てて準備された天孫であり、後天開闢時代に平和王国創建の先鋒に立てるために、天が選び立てた選民の血族であることを肝に銘じるべき時です。
平和理想世界王国時代の到来
35 今、有史以来、最も恵まれた貴い時代に生きています。歴史の中で、誕生しては逝った数千億に達する皆様の先祖たちが、霊界で何よりも待ち望んだ後天開闢の時代、すなわち「平和理想世界王国時代」の出帆を宣布いたします。四大聖人たちはもちろん、数千億の善の先祖たちが総再臨し、皆様を天の道へと導いています。悪の人たちが裕福に暮らすような、不条理で腐敗した世界が幅を利かせる、そのような時代はもう過ぎ去っていくのです。
36 私たち全員の究極的な目標は、神様を中心にお迎えして生きる「神の国と神の義」を探し立てることです。「神の国」とは、どのような国でしょうか。三代が調和し、お互いに信じ、尊敬し、頼り、愛で一つになって暮らす真の理想家庭の姿と同じ平和理想王国を意味するのです。すなわち、人類が今までユートピアとして願ってきた神様主権の国が、正に「神の国」だというのです。
37 「神の義」とは何に対して語られたみ言ですか。天道と天理を意味するのです。あらゆる権謀術数が支配しているこの邪悪な世界を、天的な真の愛の権勢によって審判し、正義と真理に基づく解放、釈放の、真の愛と平和の理想世界を創建せよという至上命令です。人類は、どのみち一つの家族になります。現代科学の目覚ましい発展も、一つの地球村家族を編成していくことを大きく後押ししています。白人と黒人が、東洋と西洋が、みな一つの家族として交わって調和を形成し、美しい平和理想王国をこの地球星に創建するようになります。
38 人類が一つの家族となり、お互いに心の壁を崩し、天宙的次元で国家間の国境までも除去しようという共生共栄共義社会の実現運動も、このように一つの家庭から始まるのです。したがって、私たちが真の家庭を探し立てることは、この地において天宙平和王国創建を早める摂理的召命であることを肝に銘じなければなりません。
39 世界の火薬庫と言われる中東でも、先生の平和思想の影響を受け、ユダヤ教、キリスト教、イスラームが、新しい次元の平和的対話を行っています。東西間の冷戦に終止符を打つ決定的役割を果たしたのも、先生の「統一思想」でした。私の祖国、韓半島統一のための実質的な背後での作業も、今、先生の主導のもとで急速に進行しています。しかし、私は決してここで満足することはできません。天命を受けて出発した私の生涯です。天から印を受け、人類の真の父母として顕現した私が天と交わした約束は、必ず成し遂げなければなりません。この地球星に毒きのこのように君臨してきたあらゆる国境と壁を完全に撤廃し、万人が共に手を取って暮らせる平和理想世界王国を創建しなければなりません。
40 天の印を受け、人類の真の父母として、また万人の平和の王として顕現した先生は、天との約束を必ずや果たすでしょう。したがって、真の父母であられる平和の王をお迎えし、この地上に永遠の「平和理想世界王国」を創建する主役たちが、正にきょうこの席にお集まりになった皆様だという点を、肝に銘じてくださるようお願いします。
アベル国連の旗を掲げて、全世界の不条理と悪を神様の真の愛で一掃しましょう。誇らしい「天宙平和連合」の「平和王国警察」と「平和王国軍」になり、世界中の祝福家庭を守り、祝福の地、この地球星を守る警備隊の役割を完遂いたしましょう。億兆蒼生の平和の王であられる神様を真の父母としてお迎えして暮らす、真の王子、王女になってください。真の孝子、忠臣、聖人、聖子の家庭の道理を果たし、太平聖代の平和王国を創建しましよう。
第一節 創造的三段階
天一国経典「天聖経」目次
第一節 創造的三段階
1 私がきょう皆様に宣布するみ言は、真の父母様の生涯におけるすべての復帰摂理歴史の最終終結と完成を宣布するためのものです。そのために行われたのが、今回の真の父母様の巡回路程であることを知らなければなりません。真の父母様が歩んでいかれた道は、歴史的な標本となる伝統であるがゆえに、皆様の生涯もその道を手本として歩まなければならず、真の父母様が完成されたみ旨を相続し、完結させることを誓い、実践する家庭になることを宣布するのです。
2 私は去る三月十六日、第五十二回の聖婚記念日を迎え、罪悪と蕩減の先天時代を終了し、真の愛に回帰して新天新地を形成していく後天時代を宣布しました。今回の巡回路程を通して後天時代の生活が展開されることを、皆様は心に刻まなければなりません。真の父母様の血族である天上世界と地上世界のすべての祝福の子女たちは、無形の神様と有形の神様、夜の神様と昼の神様、イエス様の先祖からその理想の国、真の父母の先祖からその理想の国を完結するためのこの全体的、最終的な宣布であることを心に刻まなければなりません。
3 真の父母様の生涯路程は、私の自叙伝を通して皆様にすべて公開され、皆様に伝えられています。今回の「天地人真の父母定着実体み言宣布天宙大会」が完結されるまで、皆様は全員、真の父母の代身者、相続者となられ、お父様がこの地上で生きていらっしゃる間、勝利の覇権を立てるため、必勝の生涯を記録した自叙伝と実績、そして下さったみ言、これらのすべてのものを相続し、皆様の生涯も、真の父母と同じように必ずや勝利されることをお願いする次第です。
4 皆様は、真の父母様がそうだったように、皆様の周囲のすべての親族と一族にとって天上の架け橋となり、一族を天の国に案内する縦的なはしごにならなければなりません。このような真の父母の宣布を受けて心に刻み、実践することを誓ってくださるように願います。アーヂュ。第四十四回「真の神の日」の訓読のみ言と「神様王権即位式」のみ言を添付し、先生の全体生涯路程を中心とする教材、教本を代表した全体のみ言を続けてお伝えします。
5 本大会に参席してくださった尊敬する世界各国の指導者、そして内外貴賓の皆様!公私共にお忙しいにもかかわらず、きょう、この摂理的な「天地人真の父母定着実体み言宣布天宙大会」に参席してくださったことに、私たち真の父母と真の家庭、大韓民国、祝福を受けた天宙(霊界と肉界)の食口の名により歓迎し、感謝いたします。
昨年、世界百二十数カ回の最高指導者たち数千人が、私たち夫婦の金婚式と戴冠式、そして新しい国連ビルでの聖利祝祭行事に出席してくださり、満場の盛況を呈するようになりました。もう一度、大韓民国の全国民と全人類の名により、感謝を申し上げる次第です。
6 私は既に昨年、満九十歳の誕生日を迎え、百歳に向かう忙しい摂理の一歩を踏み出しています。世俗的な観点から見れば、平均寿命の基準をはるかに超えて長寿を保っています。また、私たち夫婦は、金婚の年を迎え、このように世界的規模の祝賀宴も開いています。摂理的な観点から見れば、昨年は、単純に金婚の年だけではなく「禧年」でした。私たち夫婦が一生の間、世界平和のために創設し、運営してきた世界的な規模の組織と機構も数百に及んでいます。宗教、社会、文化、体育、教育、言論など、多くの分野に天文学的な投資を行い、人類救援と平和増進のため、それらを成功裏に発展させています。
7 ここまで来れば、「一人の人間として、万人の祝福の中で自らの人生を振り返り、満足して余生を楽しむ資格がある」とたたえるでしょう。「あらゆる重荷をすべて下ろして、もう思い残すことなく天と共に『人生九十年の成功』を誇って暮らしなさい」と言うでしょう。しかし、私たち夫婦の生涯は、世俗的な目で見るそのような次元の人生ではありません。人類の縦的真の父母であられる神様の印を受け、実体の真の父母の使命を完遂しなければならない私たち夫婦は今、実体の天一国完成までの最後の二年を残し、いつの時よりも深刻な日々を生きています。
8 九十年の人生を捧げて生きてきた私の生涯は、ただただ天宙の真の父母であられる神様を解放してさしあげ、父母の位置を取り戻してさしあげ、死亡圏であえいでいる人類を救い、神様の懐にお返しすることでした。このみ旨のため、私は独り万難を貫いて勝利し、父母を失った孤児の身の上に転落した無知蒙昧な人類を導き、この世界の救援の道を歩んできました。人類始祖の堕落によって偽りの血統を伝授された人間は、誰もがサタンの束縛から抜け出すことができないまま、今も暗闇の中をさまよっているではないですか。六十五億の人類を導き、地上天国創建の道を歩んでいく私たち夫婦の人生が、どうして深刻でないことがあるでしょうか。
9 皆様!神様は、人間を御自身の子女として創造されました。絶対、唯一、不変、永遠の本体であられる夜と昼の神様が、御自身の愛を魂として吹き込んで創造した人間始祖が堕落しなかったならば、神様のような基準まで霊人体が完成し、絶対信仰、絶対愛、絶対服従の道理を果たして、永生するようになっていたでしょう。しかし、不幸にも人類は、堕落の末裔となって生きています。したがって人間は、誰彼を問わず、真の父母様を通じた重生、復活、永生の三段階の祝福を経て生まれてこそ、完成した人生を送ることができるようになるのです。言い換えれば、重生は個人的基準の生まれ変わりであり、復活は家庭と国家的基準の生まれ変わりであり、永生は世界的基準で全人類が共に完成し、平和の王、真の父母様をお迎えして地上天国と天上天国を創建し、神様の祖国で永生することを意味します。
10 霊界で暮らしている皆様の先祖たちも、無形で臨在される神様の実体として万生万事を実体主管される真の父母様の時代を迎えて、既に地上に再臨していますが、彼らも、重生、復活、永生の三段階の祝福を経て、真の父母様の本体論教育、すなわち絶対「性」の教育を経てこそ本然の聖和圏に進んでいき、地上で天一国市民の資格を確保できるようになるのです。私たち個々人の人生を見れば、三段階の人生であることを知ることができます。人間は誰もが、まず神様の恩寵と祝福を受けた真の家庭を通して、真の父母の愛によって新しい生命が育まれ、十ヶ月という長くて短い期間を母の胎中で過ごすようになります。意識水準がどの程度であれ、私たちは、例外なく胎中の十ヶ月の期間を経て生まれてきました。炊飯器の釜の中より狭い空間であっても、その中で私たちの人生は、宇宙空間よりもっと大きな規模の第一段階の人生を経験するようになります。
11 第二段階である地上の人生としての誕生はどうでしょうか。未知の世界に向かう幼い胎児の身もだえする姿を、私たちがどのように筆舌で描写できるでしょうか。より大きく広い世界、腹中世界では想像もできない新しい次元の世界に向かって出発する新しい生命の産声は、「百年の大計」を約束する新しい時間と空間の祝福であり歓喜です。
今日、すべての皆様は、この第二段階での人生を祝福されて生きています。十ヶ月という時間が百年に延びただけで、私たちには行くべき道がまだ残っていることを忘れないでください。胎中での意識基準はすべて忘れて、より高い意識と、より広い空間で心ゆくまで人生を楽しんでいると思うかもしれませんが、皆様には永生に向かう最後の段階がまだ残っているのです。
12 第三段階は、正に私たちが完成し、入っていって暮らす永生の世界、すなわち霊界です。堕落の後裔である人間としては、想像もできない未知の世界です。時空を超越して暮らす世界です。腹中の胎児が地上界を想像できなかったように、地上界で空気を呼吸して生きる肉身をもった人間は、霊人体として生まれ、真の愛を呼吸して生きる霊界での人生を容易には理解できないでしょう。
皆様!死に直面すれば、人間は不安で震えるようになります。恐怖を感じるようになります。それは、死が何を意味するのかが分からないからです。不幸にも人類歴史が六千年の期間を経てきながらも、誰一人として、この死に対する真実を明確に教えてくれた人がいませんでした。しかし今、歴史の終末期になり、人類の真の父母が、初めてその天の秘密を明らかにしてくださったのです。
13 「死」という単語は神聖な言葉です。悲しみと苦痛の代名詞ではありません。それで、真の父母様がその単語を「聖和」という言葉に換えて発表しました。地上界の人生を花咲かせ、実を結び、その実を抱いて歓喜と勝利の世界に入る時が霊界入門の瞬間です。喜ぶべき瞬間です。心ゆくまで祝賀し、送り出してあげるべき時です。悲しみの涙ではなく、喜びの涙を流してあげるべき時です。聖和礼式とは、このように神聖で崇高な天の儀式です。神様の懐に入って侍り、永生を楽しむために行く第一歩なのです。新婦が嫁いでいくその瞬間より、もっと胸躍らせて興奮すべき時です。このように貴い永生の門を開いてあげるために、私は、昨年(二〇一〇年)の三月十八日、ニューヨークの国連本部で、最近永眠した世界的な平和指導者たちに聖和礼式を施してあげました。
14 指導者の皆様!その方たちの生涯がたとえ利他主義と博愛主義に立脚した偉大な人生だったとしても、人類始祖の堕落によって神様との父子の関係が断絶した現在の世界では、真の父母様の祝福結婚と聖和祝福なくしては、永生のその世界は保証されないことを肝に銘じなければなりません。
15 今この時代は、天が「天暦」を宣布した時代です。深刻な時代です。六十五億の人類の永生に責任をもつ「天印」をもって来られた人類の真の父母様の教えに従わなければ。生きる道がない時が来ました。皆様全員が真の父母様の名を満天下に宣べ伝え、誇り、たたえるべき時です。真の父母様が出現した韓民族の伝統と精神を藤敬して受け継ぎ、天の伝統を定立して国連と六十五億の人類が一つになり、世界平和を定着させる時が来たのです。皆様は、「天暦」の出発とともに、貴い天国の民の理念を伝授する旗を高く掲げ、神様の解放と人類の救援を祝賀する聖なる礼式が、正に聖和祝福式だということを忘れないでください。
16 真の愛を根として家庭理想を完成し、神様と人間が、そして天上の霊界と地上の肉界が完全に統一された太平聖代の世の中を開いていかなければなりません。万国に光り輝かせる祝福と聖和の鍵を下さり、天一国の伝統を立てるようにしてくださった神様と真の父母様に、大いなる感謝を申し上げなければなりません。
このような貴い生命を、ただ同然に私たちに恩寵として与えてくださった神様と天地人真の父母様に、私たち全員で感謝の拍手をお送りしましよう。
第二節 神様のもとの一つの家族
天一国経典「天聖経」目次
第二節 神様のもとの一つの家族
1 貴賓の皆様!今日の人類が行くべき道はどこにあるのでしょうか。今も世界の至る所で戦争と疾病、飢餓、そして自然災害によって無辜(むこ)の人命が、毎年数千万人ずつ犠牲になっています。宗教、政治、教育、文化、思想など、どの分野を見渡してみても、個人はもちろん、集団にまで極度の利己主義的な我執の沼にはまり、徹底して門を閉じ、鍵を掛けています。疎通のない不通の世界に転落してしまったのです。結局、人類の諸般の問題は、真の父母である私たち夫婦が天から受け、一生の間、主唱して教育してきた神様のもとの一つの家族思想、すなわち真の愛の教えによって解決されなければなりません。この思想こそが人類に平和と幸福の道を探し出してくれる唯一の道だからです。
2 皆様、今日、私たちが生きているこの時代は、歴史的な大天宙的革命期です。歴史を変え、霊界と地上界を一つにして、神様が太初から願ってこられた理想天国をこの地上に創建しなければならない大天宙的革命期です。これ以上、延期したり延長したりする時間はありません。天は既に、二〇一三年一月十三日を「基元節」として宣布しました。実体的天一国の始発であり、起源となる日が正にその日なのです。二年も残っていません。
3 人類は今、天の命令に謙虚な姿勢で従順にならなければならない時です。平和の王であられる神様の実体として地上界で摂理を経綸していらっしゃる真の父母様の導きに従い、残った二年間を全力投球、死生決断をしなければならない宿命的な時が、今日の私たちの前に近づいてきたのです。霊界のすべての善霊たちも総動員され、皆様よりも一歩先に再臨して奔走しています。
韓民族の使命
4 皆様!億劫(一劫の億倍、極めて長い時間のこと)の時間と精誠を注ぎ、御自身の子女として創造した人間が、堕落によってサタンの血統を受け、暗闇の中に隠れてしまったその瞬間から、神様が受けられたその苦痛がどれほど大きいか御存じですか。骨がきしみ、身が震える凄絶な苦痛の中で数千、数万年を耐え、待ち続けてこられた皆様の父が、どれほど長く険難な蕩減のトンネルを経てこられたか、考えてみましたか。このようなかわいそうな父のために、一瞬でも涙を流してみたことがあるのかということです。
5 皆様、神様は、数千年間、静かに韓民族を育て、準備させてきました。二〇〇〇年前、御自身のひとり子、イエス・キリストをこの地に送られ、彼を通して人類を再び救援しようとされた歴史を皆様もよく御存じでしょう。しかし、あまりにも悲惨な結果に終わってしまいました。イエス様をメシヤとして受け入れ、絶対信仰と絶対愛、絶対服従の道を行かなければならなかったユダヤ教の指導者たちとイスラエル民族が、かえって彼を十字架の道に追いやってしまったのです。
イエス様は、「すべてが終った」(ヨハネ一九・三〇)という霊的救援の一言を静かに残して忽然と逝かれました。イエス様の再臨は、悲しくも二〇〇〇年間の準備を経て、ついにはるか遠いこの韓半島で実を結ぶようになったのです。
6 韓民族は、昔から神様を先祖の中の最高、最上の先祖としてあがめ敬って生きてきた天孫民族です。ただおひとりであられる万人の先祖、その方を「ひとりのお方」、すなわち「ハナニム」と呼び、主人(夜と昼の創造主)として侍ってきたのであり、したがって、すべての数の根源も「ハナ(一)、トゥル(二)」から始まったのです。このような「ハナニム」を原初の先祖として侍ってきた民族なので、韓民族の精神と伝統の中には、共生共栄共義の精神を迎えた霊人体として生き、存続してきたのです。五〇〇〇年を超える歴史を守ってきながらも、他の国や民族を侵略したり略奪したりしない「弘益人間(ホンイクインガン)」の血脈が通っている選民です。さらに、韓国の歴史の中には、人間の人生の根本徳目となる孝と忠と烈の魂が息づいています。
7 花のような乙女の年頃に自らの身を海に投げ出し、年老いた父の目が見えるようにした孝女、沈清(シムチョン)の真の孝こそ、父母に侍って暮らす韓国人の孝の基準です。夫との約束を天のように敬い、命を差し出すところまでいった春香(チュニャン)の哀切な愛と志操は、すべての韓国女性たちの人生の見本になっています。
自らを捨てた王と指導者たちの前でも、白衣従軍として命を懸け、国家と民族を救った李舜臣将軍の不撓不屈の忠誠こそ、韓民族の誇りであり気概です。このような崇高な伝統は、偶然に歴史上に現れた単なる事件ではありません。天がこの民族を準備し、その伝統の上にメシヤを立てるための基台摂理だったのです。そして、ついにこの韓半島の精気を受けて、人類の真の父母であり万王の王であられる方が、天の印(いん)を受けて顕現されるようになったのです。
人類の行く道
8 尊敬する貴賓の皆様!今、人類の行く道は明確になりました。天が真の父母様を通して明らかにしてくださった「Dデー」を前にして、何を躊躇することがあるでしょうか。既に六百日余りしか残っていません。皆様の忙しい壮途には、天の祝福が共にあるでしょう。
人類歴史の流れを摂理史的な目で見てみると、時代の変遷は大きく三段階に大別されます。一番目は「物情時代」、すなわち物本主義的な物質優先時代です。そして二番目には、「人情時代」、すなわち人間の知識と天の公平な感情を前に立てて世界を支配してきた人間中心主義時代です。しかし、このような時代は過渡的時代です。人間が堕落性を脱ぎ捨てて本然の姿を取り戻し、神様を父として侍り、統一された一つの家族を形成して慕らす時代に入っていくうえで、経なければならない過程的な時代なのです。
祝福結婚を通して内外両面で聖別された基台の上に絶対的な基準を立て、ために生きる人生の道を行く最後の段階の時代が「天情時代」です。すなわち、おひとりの神様の心情に回帰する天一国の時代を開いていく時が、今日の私たちが生きている、正にこの時代であることを徹底して肝に銘じてくださるよう願います。
9 実体的天一国時代が広がれば、この地上に「霊連世協会」が中心軸の位置に立ち、万有を治めるようになるでしょう。霊界と肉界を連結して実質的な統一を完成し、天理と天道によって摂理を経綸するようになるという意味です。この地で世俗的な次元の選挙をこれ以上見ることができなくなり、交叉祝福結婚を通して人類は一つの家族となり、太平聖代を享受しながら平和と幸福の真の愛を享受するようになるでしょう。そのような日が、もう私たちの目前に迫ってきているのです。
10 その日を迎える準備の一環として、私は二〇一〇年二月十四日に「天麿」の出発を満天下に宣布しました。既存の陽暦と陰暦は、今やカインとアベルの立場に立ち、新たに摂理を記録して明示する「天暦」を補助する役割をするようになるでしょう。
今から皆様は、真の父母様の教えを骨に刻みつけて実践する人生を生きなければなりません。選択の余地がありません。今から準備しなければ、間違いなく落伍者になるからです。七千メートルを超えるヒマラヤ山脈を往来し、越冬する姉羽鶴の勇気と気概を私たちも学ばなければなりません。
人類のための遺言
11 真の父母様は、既に人類のための遺言を準備し、残しました。一生に六度、七度の生死を行き来する獄苦を経ながらも勝利し、準備した遣言書です。永遠の人類の教材、教本として八種類の本を残しました。冊数としては一千冊に近い分量です。『文鮮明先生御言選集』、『原理講論』、『天聖経』、『家庭盟誓』、『平和神経』、『天国を開く門 真の家庭』、『平和の主人、血統の主人』、『世界経典」、このように八種類の書籍です。この教本は、皆様が霊界に入っていっても読み、学ばなければならない本です。決して人間の頭脳から出てきた言葉や教えではありません。天がかわいそうな人類を救援するために下さった天道を教える教材、教本だからです。
12 皆様は、今からまず皆様の家庭から、上記に列挙した教材、教本を中心として訓読会の伝統を立てなければなりません。一つの家族の三代が新しい一日を始めるときに、まず天のみ言を訓読し、新しい心で訓読の人生を実践する伝統を立てなさいというのです。霊界と肉界が同時に真の父母様に侍り、同じ天道のみ言を毎日訓読する世の中をつくろうということです。このようになれば、いくらサタンが皆様の血統に乗じて蠢動(しゅんどう)するとしても、訓読会の伝統の前では立つ場がなくなるのです。正午定着的基準で影のない人生を生きていく、そのような家庭に神様の祝福を下さらないとすれば、誰に下さるというのでしょうか。このような天の家庭がこの地に満ちるとき、この地球星は自動的に「神様のもとの一つの家族」のみ旨が完成した地上天国と天上天国になるでしょう。
13 私の一生を率直にそのまま収めて公開した自叙伝が二〇〇九年に出版されました。私はこの本を通して、人類のための天のみ旨がどこにあり、子女である私たち人間が歩むべき道がどこにあるかを詳しく示しています。私の人生は、「初不得三(チョブドクサム)(精進すれば必ず成功するという意味)」と、「七顚八起(チルチョンパルギ)(七転び八起きのこと)」の典型的な人生でした。この本もまた、訓読教本、教材に引けを取らない、実証的次元で真の真理の人生を見せてくれる教本だと自信をもって皆様に勧める次第です。天命に従って九十年の生涯を歩んできた私の人生を加減なく収めたこの真の愛の記録をもう一度精読され、大いなる悟りを得てくださることを願います。
14 正午定着の人生は、影をつくらない人生だと言いました。私たち全員が発光体になって光を与える人生を生きれば、影が生じる隙間がありません。受ける人は、借りをつくる人です。皆様は、その借りを返すために、これから、かわいそうな貧しい人の涙を拭ってあげ、暗い所を明るくしてあげる永遠の真の愛の発光体となる人生を生きるように願います。
第三節 天地人真の父母時代の宣布
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第三節 天地人真の父母時代の宣布
1 皆様!二〇一〇年天暦五月八日午前二時二十分と五月十五日午前三時二十五分、このように両日にかけてアメリカのラスベガスにおいて、神様を中心とした天地人真の父母様の特別宣布が行われました。
ここでいう三時二十五分の三数は「初不得三」の三時代を代表するものでもあり、旧約、新約、成約の三時代を象徴する数です。そして、二十五分の二十五数は百の四分の一を象徴します。既に真の父母様御夫妻は、最終一体を成し遂げ、完成、完結、完了の基準で、全体、全般、全権、全能の時代を奉献宣布されたのです。
2 アレクサンダー・ヘイグ元アメリカ国務長官の聖和式を契機として、重生、復活の聖和式を生涯路程の中で完了するための第一、第二、第三イスラエルの勝利式を、韓国に移譲することを宣布しました。したがって、これから神様の祖国と故郷は韓国になります。韓国を神様の祖国として発表することで、「天地人真の父母定着実体み言宣布天宙大会」も韓国において完成するようになります。それが七月七日(七・八節)に宣布され、これをもって天宙のすべての境界線が撤廃されます。したがって、自主的神様を中心として、天地が昼夜もなく、神様の統治のもとに天地人真の父母様の支援を受けて永遠に存続するようになります。
天のメッセージ
3 貴賓の皆様!このような深刻で貴い時代を迎えて、皆様の人生にもこれから革命的で天宙的な変化が訪れるでしょう。そのような意味において、天が下さるきょうのメッセージをもう一度要約してみようと思います。第一に、全祝福家庭は、まず家庭の中で神様を中心にお迎えし、父母と子女が完全に一つになる訓読教育を毎日実践しなければなりません。原理教育、真の父母様が下さった教材、教本の教育、真の父母様の自叙伝の教育、そして原理本体論の絶対「性」の教育を徹底的に行うべきだということです。
4 第二に、天は既に重生と復活の聖和権の恩賜を家庭単位まで許諾されました。これは、父母と子女の完全一体を必要条件としています。絶対父母と絶対子女の基準を立てて、絶対家庭を自然に築きなさいということです。第三に、真の父母様の血と汗がにじむ苦難の恩賜により、人類は既に蕩減復帰時代圏を抜け出したというのです。したがって私たちは、真の父母様の御在世時に天が臨在できる家庭、氏族、民族、国家、世界まで、地獄圏を解放させる責任があることを忘れてはならないのです。蕩減復帰時代が終わったとすれば、何の時代が到来するのでしょうか。神様と真の父母様を中心とした勝利圏の太平聖代だけが永遠に続くようになるでしょう。
5 第四に、私たちは、既に神様の直接主管圏時代に進入しているという点です。皆様、天が宣布した「Dデー」が既に二年も残っていないと申し上げました。霊界の親族までも地上に再臨させて原理本体論教育を受けるようにして、一家庭で八代まで苦楽を共にしながら、共に暮らす天宙安息圏の時代に入ったという事実を肝に銘じ、また肝に銘じてくださるようお願いします。アーヂュ!
6 霊肉界の先生であり教祖であるレバレンド・ムーンが、一生を通して功を立てながら、最終的な結蹄を出すために、宗教世界と地上世界、霊界と肉界、カイン・アベル世界において努力した、その総論的結論をお話しいたします。これまでの歴史過程には、このような内容が出てくることができませんでした。
初めて、真の父母様の一生を通して、摂理の総体的覇権的勝利権と神様の解放、釈放世界の勝利権、そして最終的結末を締めくくる生涯の勝利権を立て、その基台の上で、後天時代を完成、完結、完了するために、神様の祖国である韓国を代表するソウル大会を始発として、アメリカのワシントン・ニューヨーク大会を経てきょうの大会まで来ました。
今回、「天地人真の父母定着実体み言宣布天宙大会」であるワシントン・ニューヨーク大会とフーバーダム・ラスベガス大会、そして神様の祖国と故郷となる韓国でのソウル大会では、摂理の最終的な完成、完結、完了を意味する真の父母様の宣布が行われるのです。この使命は、真の父母様が決定した、一年八ヶ月後のDデーまでに完了しなければなりません。そして、真の父母様が誕生した韓国が神様の祖国と故郷として完成、完結、完了するのです。
摂理的結実期の勝利者になろう
7 今の時は、神様が摂理を完結させ、最終段階の収穫をする時です。国連を中心とした活動も、今や本格的に軌道に乗っています。そして、私たち夫婦が創設した「世界平和女性連合」が国連の本来の創設目的と願いに一致する活動を展開してきた実績が認められ、国連に登載された三千四百余りのNGO(非政府機構)グループのうち、最上のグループである第一領域に属し、女性の人権と子女たちの貧困問題と教育問題解決のための活動に、卓越した実績を収めています。既に何度か受賞もしました。また、最近では、共産主義者たちによって私の手を離れたワシントン・タイムズも、再び戻ってきました。これが奇跡でなくて何を奇跡と言うのでしょうか。カイン圏の黒白の最高中心要員たちが一つになり、ワシントン・タイムズ理事会を中心として連合体制をとり、神様の祖国と故郷のみ旨を広げ、神様の主権の国を保護していくでしょう。
8 既に真の父母様を中心として世界が回っています。歴史的な怨讐だった韓国と日本、日本とアメリカ、アメリカとロシアのような国々も、ルーシェルから受けた堕落の血統を根絶して、新しい天の血統を伝授されるために交叉祝福結婚に汎国家的な次元で参加するようになるでしょう。私が満天下に宣布して推進中である日韓海底トンネル・プロジェクトとベーリング海峡トンネル事業も、世界的な次元で宗教人たちが先頭に立ち、解放された神様をお迎えして完成するでしょう。
9 この世から、神様の実存を否定する無神論の思想、すなわち、共産主義をなくし、神様が本来理想とされた万民が和合して通じ合う世界を形成していくでしょう。万人が平等であり、万国が兄弟国になって、「神様のもとに一つの家族」の世界が皆様の目の前で展開されています。皆様全員が、この歴史的で摂理的な革命の隊列において、必ずや勝利者になってください。天地人真の父母様を通して賜る天運が皆様と共にあるでしょう。皆様と皆様の家庭、そして皆様の国家の上に天の祝福が共にあることを真の父母様の名によって祝祷いたします。ありがとうございました。