11.天地人真の父母勝利解放完成時代開門継承成就大会記念の辞
11.天地人真の父母勝利解放完成時代開門継承成就大会記念の辞
1.アジアと世界を救う真の愛運動
1.アジアと世界を救う真の愛運動
日付:一九九一年九月十七日
場所:日本、千葉、東京ベイNKホール
行事:第一回「アジア平和女性連合」日本東京大会(真のお母様)
尊敬する大会委員長、「アジア平和女性連合」の会員の皆様、来賓の皆様、そして日本全国各地から集まってこられた女性指導者の皆様。今日の歴史的な大変化のただ中にあって、これまでわずか五年足らずの間に、「アジア平和女性連合」がこれほどの成長を遂げ、かくも立派な大会を開催することになり、衷心よりお祝いを申し上げます。
皆様の国、日本は、終戦の廃墟の中から立ち上がり、「現代の奇跡」と呼ばれるほどに、わずか四十年で世界一の経済大国を建設し、世界の人々の羨望の的となっています。さらに幸いに思うのは、このような驚くべき産業発展を遂げながらも、日本は東洋に受け継がれてきた伝統的価値を失うまいと努めながら、家庭と社会教育の問題に多大な関心と努力を傾けてきたことです。このような立派な成功の背後には、誰よりも女性の皆様が、細やかで犠牲的な母として、また献身的な主婦として、家庭を健全に育て守ってこられたことが、その大きな基礎となっていることを、私もやはり女性の一人として、誇りに感じています。
「アジア平和女性連合」の指導者の皆様。世界は今、歴史的な大転換期を迎えております。一九一七年のロシア革命以来、七十年近くにわたって、世界の半分以上を席巻しながら数億人もの人々の血を流し、全人類を恐怖と戦慄のるつぼに追い込んできた共産主義の宗主国ソ連が、ついにその赤い旗を降ろし、歴史の彼方へと消え去ることになりました。
これは取りも直さず、神様を否定する無神論の世界観が敗亡したことを意味し、葛藤と闘争と憎悪の哲学が、その限界を露呈し、共産党による一党独裁体制がその破滅を宣言したものです。しかし、このような共産主義の滅亡は、私たちに一つの重要な事実を悟らせてくれます。それはすなわち、共産主義の滅亡は、決して自由民主世界の勝利を意味してはいないという点です。経済的平等を主張して出発した共産主義が、かえって経済的な破綻によってその終焉を告げたように、自由の理想を唱えて立ち上がった自由民主世界もまた、その自由というものの陰で、性道徳の紊乱や暴力、麻薬中毒など、激しい価値観の混乱による社会的破綻を迎えているのです。
戦後四十数年にわたる冷戦時代は、結局のところ、左右双方が敗者となって勝者なしのゲームの幕を下ろすことになったのです。今こそ共産主義世界だけでなく、自由民主世界も新たに救済されるべきときであることを悟らせてくれているのです。
このように、西洋を出発地とした資本主義と共産主義は、いずれもそれ自体が物質的価値に基礎をおいているため、精神と肉体を兼ね備えている人間の真の欲望を満たすことができず、その限界があらわにならざるを得なかったのです。そのため、今日の世界においては、精神的価値を強調してきた東洋社会の中心的役割が、絶対的に必要な時代になりました。歴史的にも、アジア大陸は世界の精神文明の産室となってきましたが、ついに今や東洋が精神的な主体として、世界史的使命を果たす時が来ているのです。今の時代が「アジア太平洋時代」と呼ばれるのもその意味であり、これは実に、「もう一つの歴史的大転換期」と呼ばれるようになるのです。
尊敬する女性指導者の皆様。過去半世紀にわたり、日本が産業を発展させ経済的に豊かになりながらも、日本社会がその歴史的価値を立派に守ることができたのは、女性たちが自発的に、献身的、犠牲的に家庭を守ってきたからであると私は思っております。事実、歴史的価値の中で最も重要なものは、家庭を中心とした価値観であると思います。
昔の諺に「家和万事成」という言葉があります。これはすなわち、家庭こそが平和の根本であるという意味です。
そして、このような家庭を築く上で最も重要な要素が真の愛です。真の愛とは、愛の中でも神様を中心とした絶対愛のことをいいます。すなわち、愛せないものまでも愛するのが真の愛なので、真の愛によれば怨讐までも愛さざるを得なくなるのです。さらに相手のために生命までも捧げる犠牲的な愛が真の愛です。そのため、真の愛のもとでは、個人はもちろん、社会や国家間の対立や葛藤さえも完全に超越し、溶かされて、真の平和が成就するのです。
この真の愛は、創造と繁殖と発展の原動力となります。つまり、すべてのものは投入すれば消耗し、終わってしまいますが、真の愛は投入すればするほど大きくなり、さらに増加して返ってくるのです。そのため、このような真の愛の中でのみ「永生」という言葉が可能となり、真の愛を実践する家庭と社会は永遠に滅びることなく発展するのです。
このような点から見ますと、私の夫である文鮮明牧師が教えてきた「ために生きる」という言葉は、平和な世界を建設する基本的な指針となるものです。このような真の愛の起源は、神様にあります。そして神様は、このような真の愛を実現するために人間を創造されたのです。
神様は、人間を創造されるとき、なぜ男性と女性が互いに相対となるように造られたのでしょうか。それは真の愛ゆえにそのようにされたのです。真の愛の中で、夫は妻と、妻は夫と愛を分かち合うようにするためにです。夫と妻がこのように互いに横的な愛を分かち合うことによって、夫と妻の根源であられる神様の愛を所有するようになるのです。
すなわち、横的な男性と女性の愛によって、人間は縦的な神様と愛で結ばれるようになるのです。言い換えると男性と女性が結婚するのは、真の愛を中心に互いの世界を横的に占有するためであり、縦的には神様の愛を占有するためなのです。真の愛には相続権があるので、創造主と被造物が自分の所有となります。人間の欲望は、ここにおいて達成されるのです。
このような点から、女性は男性がいなければ神様の愛と出会うことができず、男性は女性がいなければ神様の愛を所有できないのです。そのため、男性と女性は、神様の愛を所有するという立場において、互いに平等な価値をもつことになり、一体になった夫婦が神様の真の愛のパートナーになると同時に、創造主と人間は、真の愛を中心として平等の価値をもつようになるのです。
このようにして、神様によって最初に造られた男性と女性が真の愛を成就すれば、彼らは真の父母となり、神様の愛を実現する始発点となるはずでした。しかし、不幸にも、人類は、神様の代身として真の愛の実体となるべき真の父母を失ってしまったので、このような真の父母の理想を再び回復し、真の愛を中心とした真の家庭と社会、国家、世界を実現する起源をつくらなければならなくなったのです。
ですから、これからの世界は、単に地理的に近くなる地球村時代ではなく、真の愛を中心としてつながる地球家族時代を迎えなければならないのです。文鮮明牧師は、この真の愛の絶対的な道を知るがゆえに、数多くの迫害と苦難を受けながらも、自分のためではなく、神様と人類のために生きてきたのであり、その結果、今日のこの世界的な統一教会の基盤を築いたのです。
のみならず、このように世界的な仕事をしてきた文牧師の妻として、私自身も、この真の愛を中心とした勝利の縁があるので、夫の痛みを骨身に深く刻みつつ家族全体と分かち合うことができたのであり、いかなる困難にぶつかったとしても、孤独な立場である夫のことを思いながら、表情に出さず、笑顔を失わないように努力してきたのです。
そのようにして、女性としての真の幸福を、父母の愛、夫婦の愛、子女の愛の中に見いだそうと、ために生きる生活を続けているうちに、自然と私の生涯の目標が、真の愛を中心として、きょうはきのう以上にために生きて感謝し、またあすはきょう以上にために生きて感謝しながら、一層努力する人生になったのです。また私が今日、立派に成長した十三人の子女の母親として、その役割をうまく果たし得たのも、やはりこのような真の愛を中心として私の家庭が一つになれたからだと思います。どの家庭でも神様が臨在されれば、父母も子女もみな、神様の愛と生命と希望を共に分かち合うことができるからです。
尊敬する「アジア平和女性連合」の指導者の皆様。来たる二〇〇〇年代は、米ソ両国の対立時代でも、多国による混乱の時代でもなく、神様の真の愛を中心とした神様の世界にならなければなりません。経済力や軍事力による世界支配の論理が存在していた弱肉強食の時代は過ぎ去り、今や神様の真の愛を教える「神主義」に基づいて、東と西、南と北、そしてすベての文化と人種と思想が一つに溶け合い、一つの世界をつくらなければなりません。
「神主義」は今、アジアから出発して、アジア太平洋文明圏を建設しなければなりません。「神主義」を中心としたアジアは、これ以上の反目や葛藤、闘争があってはなりません。自分のためよりも、全体のために生きようとする真の愛の実践によって、アジア人自らが世界平和を成就する見本を示さなければなりません。
世界から富の祝福を受けた日本の行くべき道は、今や世界のために生きる「真の愛の精神」を土台として、世界の痛みを自分の痛みとし、世界の問題を自分の問題として、世界のために犠牲となり、奉仕することによって、世界平和建設の主役にならなければなりません。
既に文鮮明牧師は、今年の八月二十七日と二十八日に、韓国のソウルで「世界平和宗教連合」と「世界平和連合」を結成しました。地球上の諸宗教は、唯一の神様を中心として全人類を結集させ、真の愛をもって結束させる使命をもっているにもかかわらず、歴史の流れとともに数百、数千に分かれてしまい、かえって宗教相互間の葛藤や闘争はおろか、真の神様を指向する人類の信仰の道までも、混乱に陥れてきたのが現実です。
宗教の名のもとに無実の人々を罪ある者と決めつけ、神様の名を借りて血を流す戦争を数多く経験してきた歴史的事実を直視したとき、このような宗教が一つにならなければ、人類の心の世界は一つになれないばかりか、地上の平和世界ははるか遠くに追いやられてしまうしかありません。このような点から見て、今年、世界の宗教が連合する機構が結成されたことは、正に歴史的な壮挙と言わざるを得ません。
また過去、第一次世界大戦時には国際連盟、第二次世界大戦時には国際連合が、それぞれ戦後の問題を解決するために設立されましたが、今日、第三次世界大戦と言える、過去四十数年間の冷戦時代が残してきた数多くの深刻な問題を解決するには、全く力不足であるというのが実情です。
人種や文化の葛藤の解決、貧富の格差の解消や自然保護、そして真の倫理的価値観の確立などが、現代の人類が世界的次元で新たに取り組んでいかなければならない課題です。このような観点から、「世界平和連合」という新しい国際機構が、真の愛と「神主義」という新しい理念を中心として設立されたことは、実に時宜にかなったことだと言わざるを得ません。
さらに一歩進んで、人間の心と体を代表するこの「世界平和宗教連合」と「世界平和連合」が共に、世界平和という共通の目標に向かって一致した方向を取り、互いに協力し合うことのできる相互基盤が築かれたという事実は、既に世界平和の建設が目前に迫っていることを示すものです。また、文鮮明牧師は、世界平和のための重要な環境的条件を、既に準備したのです。
尊敬する日本の女性代表の皆様。これから皆様がアジアと世界のために与えようとする真の愛の実践者となるならば、きょうのこの歴史的な大転換の時点は、日本はもちろんのことアジアが世界へと飛躍できる重要な出発点となるでしょう。
皆様がアジアの母、世界の母として生活舞台の幅を広げ、次元を高めて、新しいアジア、新しい世界建設の先頭に立ってくださることを切に願うものです。これこそが、誰も避けることのできない、歴史が今日の私たちに与えた宿命的課題なのです。
アジアが神様の真の愛を中心として正しく立つとき、アジアの未来は無限に明るくなります。さらに、この世界に永遠の平和の秩序が定着する希望の未来が約束されるのです。新しいアジアの平和と世界の未来のために、より一層の努力をしてくださることを切にお願いいたします。ありがとうございました。
2.世界女性時代の到来
2.世界女性時代の到来
日付:一九九二年四月十日
場所:韓国、ソウル、オリンピックE/span>メーンスタジアム
行事:「世界平和女性連合」創設大会および「アジア平和女性連合」ソウル大会
韓鶴子総裁、満場の「アジア平和女性連合」の会員の皆様、そして各国から参席された代表の皆様。私はきょうのこの大会が今後、韓国の女性史はもちろん、全世界の女性史において重大な意味を記す偉大な集会となることを信じて疑いません。
なぜなら、今日まで歴史を発展させ導いていく主体的な力量は男性によって発揮されてきましたが、きょうのこの大会が「世界女性時代の到来」を宣布する世界的転換の契機となるからです。
私は、今日まで男性が主導してきた世界の実情を一言で言うと、闘争と罪悪の歴史であると結論を下さざるを得ません。ですから人類は、このような罪悪と闘争の世界から解放される、善と平和が満ちあふれる幸福な世界を夢見てきたのではないでしょうか。
人類を子女として造られた創造主の神様がいらっしゃるならば、人類が今日まで数千年間戦争と罪悪の中で、どうにもなすすべがなく苦しんできたその現場を見つめながら、人類を救援する方策を講じずにはおられませんでした。それがすなわち、宗教による人類救援の摂理です。
私は宗教指導者として、宗教による神様の救援摂理だけが人類に残された最後のただ一つの希望であることを説いてきました。有史以来今日まで、数多くの偉人や英雄たちが身命を賭して努力してきましたが、戦争と罪悪の世界は一度も根本的に変化したことがありませんでした。すなわち、政治的や経済的な方法によってはこの罪悪世界を変える道はないのです。
それは今日、世界的な強大国であり先進国だと自負する国々の現実を見れば、あまりにも明白な事実です。道徳の退廃は、人類の未来を脅かしています。不倫と退廃は、家庭の存立基台までも破壊してしまいました。経済的な富に比例して、道義の退廃と性道徳の乱れ、麻薬の拡散は深刻な事態に至っています。人類は、今やこの性的退廃という持病のような一番の罪悪からいかにして逃れるかという問題に直面しています。このような退廃の沼から人類を救援する道は、政治や経済、軍事力によっては不可能なのです。
女性連合の会員の皆様、そして各国の代表の皆様。今から七十二年前、私が生まれた一九二〇年の頃、韓国は日帝の植民地下にありました。そのとき私は、強大国に蹂躙される弱小民族の苦痛と悲しみがいかなるものかを骨身にしみて体験しました。青少年時代だったその当時の私は、この悲惨な戦争と罪悪の世界を救援する道とは何であるかを深刻に悩まざるを得ませんでした。結論は、政治や軍事、または経済力による救援は表面的、一時的なものにすぎず、宗教による救援だけが根本的な道であることを悟ったのです。
なぜなら、宗教を通じた神様の救援摂理は、悪のサタン勢力が奪っていったすベての所有権を、反対を受けながら取り戻す戦略だからです。悪の勢力は善を打ちながら滅んでいき、善は打たれながら悪を自然屈伏させるというのが、宗教による解決方法なのです。そのようにして私は、十代の青少年時代以降、今日まで六十年以上の間、ただ一つの道である宗教的真理の悟りと教え、その実践運動に全生涯を捧げてきました。今や私の解き明かした真理の大系である「統一原理」は、全世界百六十ヵ国以上に広がっており、その中には共産国家だったソ連や東ヨーロッパはもちろん、北朝鮮の地にも急速に伝播されているばかりでなく、イスラーム圏である中東地域にも多くの信徒が生まれつつあります。
今まで韓国をはじめ、いくつかの国で統一教会が多くの迫害と苦難を受けてきました。しかし、統一教会は今や、地球星のどこにおいても、誰も抜き取ることのできない確固不動の根を下ろしました。
満場の女性連合会員の皆様。神様がこの罪悪世界を救援される根本的な手段であるすベての宗教では、メシヤ、すなわち救世主を待ち望む思想がその中心に入っています。
キリスト教ではイエス様の再臨を信奉し、仏教では弥勒仏の顕現を期待し、儒教やイスラームでも、その教団の教主が再来して罪悪と闘争の世界を審判し、全人類が願う善の理想世界、すなわち天国を実現するようになると預言しています。すなわち、すべての宗教が、その教主の再臨によってのみ、この罪悪の世界が救援されると教えているのです。これがすなわちメシヤ思想です。ですから、すべての宗教的教えの根本を統一し、全宗教人たちが待ち望むメシヤ、弥勒仏、真人、正道令などの役割を果たすことのできる真理の指導者、真の愛の指導者でなければ、この世の中を救援できないのです。
その指導者は、人類の始祖が堕落することで罪悪と闘争の世界になったその原因を明らかにするでしょう。あらゆる罪悪の根本の根である原罪を解明することによって、人間を罪悪から解放する真理を究明するでしょう。人類の始祖アダムとエバは、自分らの犯した原罪によって偽りの父母になったため、再臨されるメシヤは人類の善の始祖として、全人類を新しく生み直す真の父母として来られるようになるのです。真の父母は、空中で雲に乗つて再臨されるのではなく、今日この時代、私たちが生きているこの地上に、韓国人として来られ、平和の統一世界を主導されるようになるのです。
私は過ぎ去った七十年の生涯にわたり、数多くの迫害を受けてきながらも、屈することなく、このような教えを全世界で実践してきました。このように見ると私の妻である韓鶴子総裁は、私と共にこの苦難の道を歩んできた全世界の女性の代表者であると言わざるを得ません。私が、天のみ旨に従い正義の道を歩む間、不義の勢力から迫害を受け、投獄される辛苦を共に味わいながら、私の妻は良心的で正義感のある女性たちによる新しい平和運動を起こす決意をしたのです。それが正にきょうのこの大会として結実したのです。
民主と共産に分断された韓半島は、世界の中心地であり、私は、南北統一こそが世界平和統一の鍵になることを知り、今日まで世界の至る所で、この課業のために全身全霊を傾けてきました。昨年(一九九一年)の十一月、私が北朝鮮を訪問して金日成主席と会談をしたのもこのためでした。今や世界のすべての宗教が統一される日も遠くありません。韓半島における南北統一の日も遠くないのです。
私の妻が総裁を務める「アジア平和女性連合」のソウル大会に世界七十ヵ国以上の女性代表が列席する中で、きょう「世界平和女性連合」を創設する趣旨もここにあるのです。大韓民国が神様の救援摂理の中心国家であり、その祖国だからです。あらゆる宗教を見ると、女性が男性よりも多くの精誠を尽くし、数的にも男性を圧倒しています。聖書には、来られる再臨のメシヤを新郎として迎えるために、新婦の準備をすることがキリスト教信者の真の信仰であると記録されています。このみ言は、すべての宗教は来られるメシヤの前に、女性、すなわち新婦の使命を果たすために準備されたという意味でもあります。
今やメシヤとして来られる真の父母の前に、今まで男性たちが主導してきた戦争と暴力、抑圧と搾取、犯罪の世界を終結させ、平和と愛、そして自由があふれる理想世界を実現する真の働き手が、正にこの時代の女性たちなのです。今まで正義と善を打って反対し迫害してきた悪の勢力が、これ以上横行できないようにすることも、女性たちの使命です。きょう、この場に列席した十五万人の韓国の女性たちは、韓鶴子総裁を尊敬し、「世界平和女性連合」の基本理念である「頭翼思想」と「神主義」で武装し、訪ねてくる世界の女性たちを教育できる指導者にならなければなりません。
人類の真の父母となられるメシヤが再臨するこの時代、韓国と北朝鮮が愛と真理で統一されるこの時代、世界のすベての宗教が一つになる正にこの時代、全人類が人種と理念を超越して、平和の新世界を創造するために召命された皆様に、神様は無限の祝福を与えてくださるでしょう。「アジア平和女性連合」ときょう創設される「世界平和女性連合」の前途に、神様の偉大な祝福と栄光があることを祈りつつ、これで私の激励の辞を終わりたいと思います。どうもありがとうございました。
2.世界女性時代の到来
2.世界女性時代の到来
日付:一九九二年四月十日
場所:韓国、ソウル、オリンピックE/span>メーンスタジアム
行事:「世界平和女性連合」創設大会および「アジア平和女性連合」ソウル大会
韓鶴子総裁、満場の「アジア平和女性連合」の会員の皆様、そして各国から参席された代表の皆様。私はきょうのこの大会が今後、韓国の女性史はもちろん、全世界の女性史において重大な意味を記す偉大な集会となることを信じて疑いません。
なぜなら、今日まで歴史を発展させ導いていく主体的な力量は男性によって発揮されてきましたが、きょうのこの大会が「世界女性時代の到来」を宣布する世界的転換の契機となるからです。
私は、今日まで男性が主導してきた世界の実情を一言で言うと、闘争と罪悪の歴史であると結論を下さざるを得ません。ですから人類は、このような罪悪と闘争の世界から解放される、善と平和が満ちあふれる幸福な世界を夢見てきたのではないでしょうか。
人類を子女として造られた創造主の神様がいらっしゃるならば、人類が今日まで数千年間戦争と罪悪の中で、どうにもなすすべがなく苦しんできたその現場を見つめながら、人類を救援する方策を講じずにはおられませんでした。それがすなわち、宗教による人類救援の摂理です。
私は宗教指導者として、宗教による神様の救援摂理だけが人類に残された最後のただ一つの希望であることを説いてきました。有史以来今日まで、数多くの偉人や英雄たちが身命を賭して努力してきましたが、戦争と罪悪の世界は一度も根本的に変化したことがありませんでした。すなわち、政治的や経済的な方法によってはこの罪悪世界を変える道はないのです。
それは今日、世界的な強大国であり先進国だと自負する国々の現実を見れば、あまりにも明白な事実です。道徳の退廃は、人類の未来を脅かしています。不倫と退廃は、家庭の存立基台までも破壊してしまいました。経済的な富に比例して、道義の退廃と性道徳の乱れ、麻薬の拡散は深刻な事態に至っています。人類は、今やこの性的退廃という持病のような一番の罪悪からいかにして逃れるかという問題に直面しています。このような退廃の沼から人類を救援する道は、政治や経済、軍事力によっては不可能なのです。
女性連合の会員の皆様、そして各国の代表の皆様。今から七十二年前、私が生まれた一九二〇年の頃、韓国は日帝の植民地下にありました。そのとき私は、強大国に蹂躙される弱小民族の苦痛と悲しみがいかなるものかを骨身にしみて体験しました。青少年時代だったその当時の私は、この悲惨な戦争と罪悪の世界を救援する道とは何であるかを深刻に悩まざるを得ませんでした。結論は、政治や軍事、または経済力による救援は表面的、一時的なものにすぎず、宗教による救援だけが根本的な道であることを悟ったのです。
なぜなら、宗教を通じた神様の救援摂理は、悪のサタン勢力が奪っていったすベての所有権を、反対を受けながら取り戻す戦略だからです。悪の勢力は善を打ちながら滅んでいき、善は打たれながら悪を自然屈伏させるというのが、宗教による解決方法なのです。そのようにして私は、十代の青少年時代以降、今日まで六十年以上の間、ただ一つの道である宗教的真理の悟りと教え、その実践運動に全生涯を捧げてきました。今や私の解き明かした真理の大系である「統一原理」は、全世界百六十ヵ国以上に広がっており、その中には共産国家だったソ連や東ヨーロッパはもちろん、北朝鮮の地にも急速に伝播されているばかりでなく、イスラーム圏である中東地域にも多くの信徒が生まれつつあります。
今まで韓国をはじめ、いくつかの国で統一教会が多くの迫害と苦難を受けてきました。しかし、統一教会は今や、地球星のどこにおいても、誰も抜き取ることのできない確固不動の根を下ろしました。
満場の女性連合会員の皆様。神様がこの罪悪世界を救援される根本的な手段であるすベての宗教では、メシヤ、すなわち救世主を待ち望む思想がその中心に入っています。
キリスト教ではイエス様の再臨を信奉し、仏教では弥勒仏の顕現を期待し、儒教やイスラームでも、その教団の教主が再来して罪悪と闘争の世界を審判し、全人類が願う善の理想世界、すなわち天国を実現するようになると預言しています。すなわち、すべての宗教が、その教主の再臨によってのみ、この罪悪の世界が救援されると教えているのです。これがすなわちメシヤ思想です。ですから、すべての宗教的教えの根本を統一し、全宗教人たちが待ち望むメシヤ、弥勒仏、真人、正道令などの役割を果たすことのできる真理の指導者、真の愛の指導者でなければ、この世の中を救援できないのです。
その指導者は、人類の始祖が堕落することで罪悪と闘争の世界になったその原因を明らかにするでしょう。あらゆる罪悪の根本の根である原罪を解明することによって、人間を罪悪から解放する真理を究明するでしょう。人類の始祖アダムとエバは、自分らの犯した原罪によって偽りの父母になったため、再臨されるメシヤは人類の善の始祖として、全人類を新しく生み直す真の父母として来られるようになるのです。真の父母は、空中で雲に乗つて再臨されるのではなく、今日この時代、私たちが生きているこの地上に、韓国人として来られ、平和の統一世界を主導されるようになるのです。
私は過ぎ去った七十年の生涯にわたり、数多くの迫害を受けてきながらも、屈することなく、このような教えを全世界で実践してきました。このように見ると私の妻である韓鶴子総裁は、私と共にこの苦難の道を歩んできた全世界の女性の代表者であると言わざるを得ません。私が、天のみ旨に従い正義の道を歩む間、不義の勢力から迫害を受け、投獄される辛苦を共に味わいながら、私の妻は良心的で正義感のある女性たちによる新しい平和運動を起こす決意をしたのです。それが正にきょうのこの大会として結実したのです。
民主と共産に分断された韓半島は、世界の中心地であり、私は、南北統一こそが世界平和統一の鍵になることを知り、今日まで世界の至る所で、この課業のために全身全霊を傾けてきました。昨年(一九九一年)の十一月、私が北朝鮮を訪問して金日成主席と会談をしたのもこのためでした。今や世界のすべての宗教が統一される日も遠くありません。韓半島における南北統一の日も遠くないのです。
私の妻が総裁を務める「アジア平和女性連合」のソウル大会に世界七十ヵ国以上の女性代表が列席する中で、きょう「世界平和女性連合」を創設する趣旨もここにあるのです。大韓民国が神様の救援摂理の中心国家であり、その祖国だからです。あらゆる宗教を見ると、女性が男性よりも多くの精誠を尽くし、数的にも男性を圧倒しています。聖書には、来られる再臨のメシヤを新郎として迎えるために、新婦の準備をすることがキリスト教信者の真の信仰であると記録されています。このみ言は、すべての宗教は来られるメシヤの前に、女性、すなわち新婦の使命を果たすために準備されたという意味でもあります。
今やメシヤとして来られる真の父母の前に、今まで男性たちが主導してきた戦争と暴力、抑圧と搾取、犯罪の世界を終結させ、平和と愛、そして自由があふれる理想世界を実現する真の働き手が、正にこの時代の女性たちなのです。今まで正義と善を打って反対し迫害してきた悪の勢力が、これ以上横行できないようにすることも、女性たちの使命です。きょう、この場に列席した十五万人の韓国の女性たちは、韓鶴子総裁を尊敬し、「世界平和女性連合」の基本理念である「頭翼思想」と「神主義」で武装し、訪ねてくる世界の女性たちを教育できる指導者にならなければなりません。
人類の真の父母となられるメシヤが再臨するこの時代、韓国と北朝鮮が愛と真理で統一されるこの時代、世界のすベての宗教が一つになる正にこの時代、全人類が人種と理念を超越して、平和の新世界を創造するために召命された皆様に、神様は無限の祝福を与えてくださるでしょう。「アジア平和女性連合」ときょう創設される「世界平和女性連合」の前途に、神様の偉大な祝福と栄光があることを祈りつつ、これで私の激励の辞を終わりたいと思います。どうもありがとうございました。
3.世界の統一と人類の責任
3.世界の統一と人類の責任
日付:一九九二年四月十日
場所:韓国、ソウル、オリンピックE/span>メーンスタジアム
行事:「世界平和女性連合」創設大会および「アジア平和女性連合」ソウル大会(真のお母様)
貴賓の皆様、世界各国から韓国を訪ねてこられた「世界平和女性連合」七十数ヵ国の代表の皆様、各界の女性指導者ならびに満場の会員の皆様。きょう私は、「世界平和女性連合」創設および「アジア平和女性連合」ソウル大会に、このように満場の盛況を呈してくださることによって、平和世界実現のための女性連合の決意を高め、その壮途を祝福してくださる皆様に心からの感謝を捧げます。
女性たちが中心となって、このように多くの女性が一堂に会するのは初めてのことだと思います。この日を契機として、世界の女性たちが、その高貴な本然の役割を自覚し、平和と幸福と自由のあふれる理想世界を創建する道が開かれることを確信しながら、「世界の統一と人類の責任」と題してお話ししたいと思います。
昨年(一九九一年)の十一月三十日、私は、夫の文鮮明総裁と共に北朝鮮を訪問しました。一週間、北朝鮮に滞在しながら、金日成主席をはじめとする各界の指導者たちに会い、様々な場所を見て回りました。一般には知られていませんが、夜を明かしながら祖国統一のために精誠を尽くし、また天運と現実の世界を合わせるために血のにじむ努力をする夫を、私はこれまで間近で見守ってきました。
考えてみてください!今回の北朝鮮訪問は命を懸けた冒険といえないでしょうか。皆様もよく御存じのように、文総裁は共産主義者たちの最も嫌う宗教創始者であると同時に、世界一の勝共指導者です。北朝鮮は思想的にどれほど統制された所でしょうか。北朝鮮の指導者たちは文総裁を一番の怨讐と定め、全世界に悪意に満ちた数々の宣伝をしてきたではありませんか。そのような地に、文総裁は神様だけを頼りに入っていき、最高指導者に天命を説き、「『主体思想』では統一できない。『神主義』で統一しよう」と提議したのです。
私たちの北朝鮮訪問は、共同投資や事業を目的としたものではありませんでした。何らかの計略を抱いて行ったわけでもありません。故郷訪問や親戚との再会が目的ではありませんでした。摂理のみ旨に従って、心から与え、尽くしたいと思う神様の心、真の愛を抱き、天命を証して諭し、北朝鮮の指導者たちの心の扉を開き、真の統一への突破口を開くためでした。
夫は、北朝鮮に滞在する間、最高の国賓としての礼遇を受けましたが、一晩たりとも楽に休むことはできませんでした。切なる祈祷で天運を連結し、神様のみ前に統一のための条件を立てながら夜を明かしました。韓半島の統一は、政治協議や経済交流だけでは成し遂げられません。天運と共に神様の真の愛によってのみ、統一は成し遂げられるのです。統一は神様の摂理と直結しており、また世界の統一を成し遂げるための必須段階だからです。
世界各国からお集まりになった女性連合会員の皆様。私はこの歴史的な場で、儀礼的な挨拶をしようとは思いません。過去と現在、そして未来の意味を歴史の前に宣布するお話を語ろうと思います。きょう、私が宣布するメッセージは、周辺でよく耳にするありきたりな内容ではありません。今日の女性たちが必ず知らなければならない天の秘密を明かす内容です。
今日、現世は病み、死に向かううめき声で満ちており、このような環境は、過去はもちろん、未来においても、そうならざるを得ないというのが歴史的事実です。それは、人類始祖の失楽園が原因です。すなわち、私たちの始祖が重病にかかったという意味であり、宗教的な用語を借りるならば「堕落した」ということです。このように堕落によって病にかかり、人類歴史は病魔とサタンを中心として出発したのです。
神様が願われた創造理想に相反する悪の主人サタンと悪の子女になったアダムとエバが結婚し、悪の先祖として出発したことは、人類歴史の悲運でした。こうして人類はサタンの愛、サタンの生命、サタンの血統を受け継がざるを得なくなったのです。
本来夫婦が合徳(和合)できる愛の器官は、真の愛の本宮であり、真の生命の本宮であり、真の血統の本宮でした。愛は、夫婦の生命を激しく動かし、その夫婦が一体化して愛で合徳することによって、血統を継ぐ子女を繁殖するようになっています。生命の中心は愛であり、血統は、夫婦の愛と生命によってつながるのです。愛と生命と血統を連結しなければ、歴史はつながりません。堕落以降、人類は、サタンの愛、サタンの生命、サタンの血統権の捕虜になっているのです。
アダムとエバは、偽りの愛、偽りの生命、偽りの血統を青少年期に蒔いたので、終わりの日である終末の時代が来ると、青少年の淪落問題が全世界的に起こるようになるのです。今が正にそのときです。
サタンは堕落した愛の条件を中心として、神様の本然の真の愛の世界を永遠に滅ぼす舞踏場をつくりました。サタンは、性解放、青少年の倫理と麻薬問題などによって家庭破綻と伝統の打破を計り、現世を地上地獄にしてしまいました。したがって、真の男性、真の女性、真の兄弟、真の夫婦、真の父母、真の社会、真の国家、真の世界は、夢にも考えることができなくなったのです。
人類は、サタンという存在ゆえに、このような罪悪の世界をつくるようになったことをはっきりと知り、その根源と堕落の起源を明らかにしなければなりません。人類は、サタンとアダムとエバが三位一体になったことを暴露し、創造理想である神様とアダムとエバの三位一体を回復しなければならないことを悟らなければなりません。
この世界的な難題の解決のためには、サタンが犯した罪と人類始祖が犯した罪の根本をはっきりと知って、彼らを讒訴する証言者が必要です。神様とサタンは、堕落に対する内容を知っていましたが、アダムは未成年者だったのでよく分かりませんでした。しかし、終わりの日に、復帰されたアダム完成者が来れば、これをはっきりと明かすようになるでしょう。そのお方は歴史的なサタンの罪状を明らかにし、サタンを追放できる時代をもたらすでしょう。そのとき、初めて人類は希望と平和、幸福と自由の転換時代を迎えるようになるのです。
人類は、偽りの父母であるサタンを中心とした偽りの愛と偽りの生命と偽りの血統を清算するために、接ぎ木の方法を通して、野生のオリーブの木を真のオリーブの木に戻さなければなりません。すなわち、人類は、神様と真の父母様に接ぎ木され、真の愛と真の生命と真の血統を取り戻し、地上天国と天上天国を実現しなければならないのです。これが、救援摂理、復帰摂理、再創造摂理の目的となるのです。
このように真の父母の顕現は、途方もない歴史的な重大事件なのです。真の父母様は、人類歴史の終結であり、結実体であり、また人類文化の完成であり、宗教歴史と哲学史の勝利なのです。それでは、真の父母の顕現に先立ち、蕩減復帰と再創造路程が必然的なものなので、その路程がどれほどつらい大変な歴史路程だったかを詳しく見ることにしましょう。
それを知るようになれば、私たちの責任がどれほど重要であるかが分かるからです。聖書に立脚した歴史路程は、命には命、目には目、歯には歯で蕩減される路程でした。堕落の責任は、サタンを中心として、エバから始まり、アダムに移りました。すなわち、偽りの生命の種を受けたエバの立場からすれば、神様に代わってサタンが父の位置でエバと一体となって、アダムを生んだ立場となり堕落がなされました。
こうしてエバは、天使長とアダムを各々父と息子のような立場に立てて堕落したので、蕩減復帰路程で探し立てられた神様のみ旨にかなう血統を受け継いでいこうとしなければなりません。聖書を研究してみると、私たちには到底理解できない摂理歴史が秘められていることが分かります。エバは本来、天の父とその息子であるアダムと一体にならなければならない立場でしたが、堕落して逆に天使長と一体化して、次にアダムをも堕落させて、彼をサタンの立場に立ててしまいました。
これを逆に蕩減復帰するために、たとえ堕落したとはいえ、永遠性をもって創造された原理的な基準のあるアダムの家庭から摂理をされました。したがって、サタンがエバを奪った最初の愛の象徴であるカインをサタン側に立て、本来エバの夫となる立場にあったアダムとの二番目の愛の象徴として生まれたアベルを天の側に立て、善悪闘争の歴史を通して根本的な蕩減復帰路程を展開してきたのです。
サタンの占有する長子権を天の側の次子権が復帰して占有しようとするので、次子を祝福してあげなければならない歴史が現れるようになるのです。例えば、カインとアベルが同時に供え物を捧げたときも、神様はカインの供え物は受けず、アベルの供え物だけを受けられましたが、その理由は正に、次子が天の側に立っていたからでした。カインが自分の供え物を、アベルを通して捧げていたなら、神様、アダム、天使長の本来の秩序を形成して復帰することができたはずでしたが、カインがアベルの命を奪うことにより、天はセツを立てて摂理を継承させました。
このように、カインとアベルが別々に生まれた兄弟としてみ旨を成就できなかったので、母の腹中にまで戻っていく歴史が展開するのです。双子であるエサウとヤコブの兄弟が母リベカの腹中で闘うので、リベカが不思議に思って神様に尋ねると、「二つの国民があなたの胎内にあり、E兄は弟に仕えるであろう」(創世記二五E/span>二三)とおっしゃいました。そのときからリベカは次子として生まれたヤコブに、より関心をもつようになったのです。先に生まれたエサウから、次子のヤコブを通して長子権を蕩減復帰させるために、リベカはエバの立場に立って責任を果たさなければならなかったのです。
出エジプトのとき、イスラエルを中心としてエジプトの長子を打ったことも、ヤコブがヨセフの息子マナセとエフライムの手を交差して祝福したことも、長子権と次子権を入れ替えるための、天の隠されたみ旨があったからなのです。エバが、父である神様とその息子であるアダムをだまして堕落したので、リベカは反対に天の側に立って、父イサクとその息子エサウをだまし、ヤコブが祝福を成就できるように母子協助したのです。ですから、ヤコブは長子権を取り戻し、母子協助の基盤の上に勝利したイスラエル選民を出発させることができたのであり、天の側の長子権、次子権を条件的に得て、勝利的選民編成を成し遂げることができたのです。
しかし、ヤコブが長子権を獲得したのは四十歳以降のことだったので、依然として四十歳以前の圏内は、サタンから勝利したという条件を探し立てることができませんでした。したがって、歴史は再び、ユダの嫁タマルを通して腹中で分別の勝利を得るために、もともと弟であるはずだったペレズが、腹中において双子の兄ゼラを押しのけ、先に兄として生まれたのです。このように押しのけて出てきたという意味でペレズと名づけられたのです。
有史以来、母の腹中に植えつけられたサタンの血統を神側に復帰し、腹中で長子権と次子権を天の側が取り戻し、本然の血統権を探し立てるようになり、その基盤の上にユダ支派を通してメシヤ誕生の基盤を築くことができるようになったのです。
タマルという女性もまた、エバの立場を清算するために舅と息子を否定する立場をとり、蕩減条件を立てました。タマルによる胎中聖別によって、真の血統がサタンの讒訴なしに天の子女として懐胎、出産できる蕩減条件が確立したのです。腹中勝利を収めたこの基準は、続いてイスラエル民族とユダヤ教の子孫たちへと引き継がれ、真の父母であるメシヤを送ることができるときを待たなければなりませんでした。なぜならば、サタン側では既に世界的国家が立てられていたので、イスラエル民族もこれに相応する国家的版図を形成したのちにメシヤを送り、世界の国々を蕩減するためでした。
神様が約二千年間待ち続けて、国家基準の上でエバのような立場の女性を再び探し立てて摂理されたのが、マリヤを通した摂理です。リベカやタマルはアダム再創造過程において召命を受けた重要な革命的女性でした。アダムとエバが約婚段階にあったように、約婚段階にあったマリヤも、死を覚悟して絶対的に神様と一体となり、父子を欺いた立場で蕩減復帰歴史を完遂した烈女でした。そうして懐胎したイエス様に対してサタンは、マリヤの腹中にいるときから血統的にいかなる讒訴もできませんでした。
このように勝利した女性の体から生まれたイエス様は、神様だけが取ることのできる初愛の実となり、有史以来初のひとり子として誕生したのです。このような血統聖別の過程を通して生まれた聖者はイエス様しかいないので、イエス様を聖者の中の聖者と呼ぶのです。したがって、キリスト教文化圏は世界的に大きく拡張し、神様は第二次世界大戦の勝利とともに、キリスト教文化圏を通して世界統一のみ旨を果たそうとされたのです。
第二次世界大戦を摂理的に見ると、堕落によってサタン側のカインと神側のアベルに分かれました。神側の世界国家次元で結実したエバ国家である島国イギリスと、そこから生まれた次子権のアベル国家であるアメリカ、長子権のカイン国家であるフランスが連合国を形成し、アメリカは世界の連合国を代表した位置に立つようになりました。これに対抗して、サタン側のエバ国家である日本、サタン側のアダム国家であるドイツ、そしてサタン側の天使長国家であるイタリアが枢軸国を形成しました。神様は天の側である連合国が枢軸国と対決し、サタン側に完全勝利した基盤の上に統一世界を探し立てようとされました。
ここで、神様の真の愛をたずさえて来たアダムである真の父母が中心となり、偽りの父母の種を受けた人類を一度に清算し、真の父母の本源的真の愛、真の生命、真の血統を連結して、新しい真の人間の種を継承することを、神様は願われました。しかし、来られる真の父母は、キリスト教から反対を受けることによって荒野へと追い出され、結果的にイスラエルの四千年の歴史を通して築いた蕩減の道を再び失ったことになり、真の父母は一代で四十年再蕩減路程を通して完結しなければならなかったのです。
来られる再臨主は第三次アダムとして来られる方であり、天界の真理をもって来られ、サタン側の個人、家庭、国家、世界路程によって蕩減し、アダムの失敗とイエス様が成し得なかった使命を完全蕩減復帰することによって、統一世界を創建するのです。このように第三次アダムは、第一のアダムが家庭基準で堕落したことを国家基準で蕩減復帰し、さらには世界全体を蕩減復帰して勝利しなければなりません。
統一教会の創始者である文鮮明牧師とその妻である私は、真の父母の立場で、歴史的なサタン側の讒訴条件をすベて背負い、子女たちの解放のために、神様と一体となって苦難の世界的蕩減の道を歩んできました。真の父母は、イエス様とは反対に、ゴルゴタの峠を生きて越えなければならない歴史的召命を担い、運命的な開拓者の道を歩まなければなりませんでした。
アベル的なユダヤ教とカイン的なイスラエル国家が一つとなってイエス様をお迎えしていれば、世界版図は、イエス様を中心として統一圏として結ばれていたはずであり、その基盤の上にイスラエルは、イエス様の真の愛を中心として接ぎ木され、新たに生まれた世界的長子権国家となっていたはずでした。
ところが、その当時、選民圏を誇っていたイスラエルは、メシヤとして来られたイエス様を中心として全世界を救おうとされた神様のみ旨を知ることができなかったのです。彼らは、「メシヤが来れば、全世界がイスラエル王国をあがめ、そこに仕えるようになる」ということだけを信じたのであって、「神様のみ旨は、個人や家庭、国家の救援のみに限られたものではなく、世界復帰にある」ことを悟ることができませんでした。今日のキリスト教も同じ立場に立っています。
神様は、イエス様が三十年余りの生涯をかけて心血を注ぎ、成就できなかった国家復帰の使命を、二十世紀に入り、キリスト教の中心国になったアメリカを第二のイスラエル圏として立てて完成しようとされたのです。また、第一イスラエル圏であるイスラエルとユダヤ教が失敗したことを蕩減するために、再臨のときには、第二イスラエル圏のアメリカとキリスト教がカインとアベルの立場に立って、世界的な蕩減復帰の版図を造成し、統一を完遂しなければならない使命があるのです。
イエス様が十字架にかかって亡くなることにより、イエス様の時代に完遂しなければならなかった使命が成就されなかったことは言うまでもなく、イスラエルの国まで失ってしまいました。したがって、キリスト教は、霊的に国家の形態を追求しながら、その命脈をつないでくる歴史を形成しました。ですから、再臨のときにはイスラエルの失敗を再蕩減しなければならないので、再臨のメシヤとして来られる方は、世界的レベルで勝利しなければならないのです。イエス様が十字架にかかって亡くなられるとき、共に十字架にかかった右の強盗と左の強盗、そして凶悪な強盗バラバは、地上のイスラエルが失敗することによって生まれた三つの類型です。
再臨のときには、右の強盗の立場にはキリスト教圏、左の強盗の立場にはサタン側の共産主義世界、バラバの立場にはイスラーム圏、このように三つの類型として分かれます。今や再臨されるイエス様は、責任をもって左翼と右翼を一つの方向に結び、バラバ圏であるイスラーム圏まで合わせて蕩減復帰し、一つの方向に収拾しなければならないのです。その方はこれまで地獄に向かって走ってきた人類の方向を一八〇度転換させ、天国に向かうように収拾しなければならない重大な使命をもっているのです。
このように、人類の真の父母としての資格をもって来られる再臨のイエス様は、神様が勝利された基盤を世界的な版図として再整備するために、全霊界を収拾して、地上の先進諸国を、キリスト教を中心として再編成しようと絶えず努力してこられました。特にキリスト教を中心とした、イギリス、アメリカ、フランスが真の父母に反対したので、天は統一教会をキリスト教の代わりに準備させました。
そうして、統一教会は、世界的サタン圏である共産主義はもちろん、キリスト教諸国を含めた全世界をも反対する試練の峠を越えさせ、サタン側を天の側が取り戻して歓迎する立場に立たせなければなりません。そうやって韓国と日本とドイツが真の父母に仕えることのできる世界的国家として現れるようになりました。神様は再びこれらの国家を中心として蕩減の役事(働き)を展開してくることができたのです。
真の父母がなす世界摂理から見ると、韓国はアダム国家、日本はエバ国家、アメリカはアベル国家、そしてドイツはカイン国家として立てられました。日本と韓国は怨讐関係であり、アメリカと日本も互いに怨讐の関係であり、アメリカにとってはドイツも怨讐国でした。
真の父母は、この摂理的四大中心国家を協力させ、第二次世界大戦後にキリスト教を中心としてアメリカが果たすことのできなかった責任を、再び成し遂げるための二十一年の蕩減路程を直接歩まれました。その路程に成功することによって、勝利圏を探し立てたのです。今や、個人、家庭、国家、世界、そして天宙的なゴルゴタを勝利的に越えてきた真の父母の宗教である統一教会は、アメリカに新しい方向を提示してあげ、また希望を失ったキリスト教に新しい希望を植えつけてあげ、さらには、共産圏はもちろん、イスラーム圏まで収拾してきました。また韓半島では、二十世紀において、ヤコブとエサウとが南北の形で対決する、すなわち真の父母と偽りの父母格である金日成主席との対決において、真の父母は、真の愛によって勝利的父母権を蕩減復帰しました。
これをもって、韓国を歴史的勝利を成し遂げた第三イスラエル圏として立てられ、新しい統一世界の選民国家とするのです。今や第三イスラエルである韓国は、統一世界、平和世界を願う真の父母とその子女がみ旨を成し遂げる基地となり、地上天国と天上天国の基盤を構築する中心となるのです。
第二次世界大戦後、韓国、日本、アメリカ、ドイツが大きく復興したのも、摂理歴史の視点から見るとき、韓国はアダム国家、日本はエバ国家、アメリカはアベル国家、ドイツはカイン国家の位置に立つことによって、神様の祝福を受けたためであることを知らなければなりません。
本来エデンの園でアダムとエバが天使長と共に堕落し、蒔かれた種が世界的結実として現れるときが来たので、アダム国家である韓国を中心として、エバ国家である日本と三大天使長国家であるアメリカ、中国、ソ連が権益の争奪戦を繰り広げている所が、正にこの韓半島なのです。しかし、神様の御加護により、韓国を中心として日本、アメリカ、中国、ソ連が共に連合し、イエス様が当時、果たすことのできなかったアジア諸国の統一を世界的次元で復帰すべきみ旨が成し遂げられつつあるのです。
アジア太平洋文明圏時代が到来するのも、真の父母を中心としてイエス様が成し遂げようとされた霊肉ともの世界実体圏を、アジアで完成しようとするところにみ旨があるのです。言い換えれば、今日アジア諸国は真の父母様を中心として統一世界を成し遂げなければならないということです。今や、世界史的勝利の伝統を立てた真の父と、歴史的な女性の代表として勝利した世界的女性の代表である真の母に侍り、真の男性像はもちろん、真の母、真の妻、真の娘の理想像を確立しなければなりません。
私たちは、新しい家庭から新しい社会、国家、世界へと新たに出発する起源を迎え、真の父母の伝統を引き継ぎ、勝利を収める先覚者にならなければなりません。男性たちを正しく導き、アダムとエバを滅ぼした恨を歴史的に解かなければならない使命が、私たち女性にはあるのです。
愛する女性会員の皆様。きょうの大会は「アジア平和女性連合」が母体となって「世界平和女性連合」が創設される意義深い大会です。会員の皆様は、到来した女性時代とともに、夫を抱き、子女を正しく養育する真の愛の模範的な実践運動を全世界的に展開しなければなりません。そうして、夫と子女たちの積極的な支持を得て、「世界平和家庭連合」へと発展しなければなりません。「世界平和女性連合」の運動は、女性だけのための運動ではありません。
まず、夫と子女のために生きる真の愛の運動として、理想的な家庭を結実させなければなりません。このようにして築かれた理想的な家庭が集まり、理想的な国家、理想的な世界を築くようになるのです。「世界平和女性連合」が「世界平和家庭連合」へと発展しなければならない理由がここにあります。そして世界平和の具現のために、政治、経済、文化、そして社会の各分野において女性たちが先頭に立たなければなりません。
左翼と右翼を統一し無神論的唯物論を克服して、二十一世紀以降の永遠の歴史を先導していく「頭翼思想」、「神主義」こそ、私たち女性連合が堅持しなければならない基本的な価値観です。女性として救援摂理史の主役を担ったリベカやタマル、マリヤのような、苦難と迫害の烈女たちを胸に刻みましょう。命を懸けた冒険と逆境に勝利し、天倫の道理を立てた彼女たちのその強靭な意志を受け継ぎ、私たちの家庭を真の父母、真の夫婦、真の子女の家庭として育てていくことにより、今日のこの罪悪世界を天国世界に変える聖業に、私たちは共に決起しましょう。真の愛の主人公であられる真の父母を中心とした平和の世界に向かって総進軍しましょう!神様の祝福が皆様と皆様の御家庭、そして皆様の国と共にあることを祈りながら、私の話を終わらせていただきます。ありがとうございました。
4.理想世界の主役となる女性I
4.理想世界の主役となる女性I
日付:一九九二年五月十一日
場所:韓国、仁川、仁川室内体育館
行事:「世界平和女性連合」全国二十一カ所市道大会(真のお母様)
尊敬する内外の貴賓の皆様、ならびに「世界平和女性連合」会員の皆様。きょう、このように各界の女性指導者の皆様が満場の盛況を呈してくださる中で、世界平和のための私の所信の一端をお話しできますことを、この上ない光栄と存じます。
きょう、私がお話し申し上げる題目は、「理想世界の主役となる女性」です。今日の時代は、正にイデオロギーの障壁や言語、文化の違い、また人種の葛藤を越え、一つの世界へと突入する重要な転換期を迎えています。私たちは、今やこの地上からあらゆる戦争と抑圧と搾取がなくなり、ただ真の自由と平和と繁栄の未来だけが約束されることを念願しているのです。
これまで、私の夫である文鮮明総裁が主唱してきた「神主義」の理念は、過去の力だけに基づいた男性たちの激しい反対と迫害を克服し、脱冷戦時代の門を開く決定的な役割を果たしました。今後は、和解と協力を指向するこの歴史的な転換の時代に、私は「神主義」を基本とした永遠の平和世界を建設するための大原則を提示するに際し、未来の世界を開拓していくべき女性たちの目標とするために、文総裁が発表した「頭翼思想」を、いま一度皆様にお伝えしたいと思います。
本来神様は、喜びを得るために、愛する相対を造られました。彫刻家は一つの作品を作るために、昼夜の別なく若さを燃やしながら全力を投入しますが、そのような心はいったいどこに由来するのでしょうか。それは、喜びを味わうために愛の対象を創造された神様の心に似たのではないでしょうか。存在世界を見ると鉱物界、植物界、動物界、そして人間世界までも、すべてペアになっていることが分かります。なぜ、すべてがペアで存在しているのか御存じですか。それは互いに作用するためなのです。
鉱物界ではプラスイオンとマイナスイオンが作用します。元素同士でも、互いに近づけたからといってすべてが結合するわけではありません。相対的要因が合わなければ、神様であっても結合させることはできません。それとは逆に、互いに相対的要件が合うときは、神様も結合をやめさせることはできません。次元は低いのですが、このように鉱物界の作用も、愛の創造理想型のモデルになるように造られたのです。
ですから、真の愛の本質を中心とするときには、神様の心情と人間の心情と万物、動物界までも互いに通じるようになっているのです。その境地に入れば、岩とも通じるのです。皆様がそのような境地に入れないことが問題です。深い神秘の境地に入ると森羅万象のすべてが友になるのです。喜悦にあふれた愛の境地に入って自分が笑えば、すべての万物と神様までもが和動するのです。
皆様。愛する夫、愛する妻がいらっしゃるでしょう。どれくらい愛していらっしゃいますか。愛する妻を、一千億ウォンのお金を上げるからと言われて、そのお金と取り替えますか。心から愛する夫を、天地のすべてを上げるからと言われて取り替える妻がいるでしょうか。実は、男性は女性のために生まれ、女性は男性のために生まれたのです。すべてがために生きようとする真の愛のためなのです。男性と女性が陰陽の調和によって愛の理想を成就するために、神様がそのように創造したのです。真の男性と女性を通してこそ、統一された真の愛を見いだすことができるのであり、神様と人間も真の愛を中心として統一が成立するのです。
結婚というものは、男性と女性の絶対価値である真の愛を横的に連結したのちに、神様の縦的絶対価値である真の愛によって占領されるのです。このように絶対者であられる神様は、真の愛を絶対価値の中心として最高の貴い位置に立てたのです。
真の男性と真の女性と神様が真の愛を中心として完全に統一されるところに、私たちの人生観、宇宙観、神観など、あらゆる問題に対する解決の糸口を見いだすことができるのです。神様の真の愛は、投入してはまた投入し、与えてはまた与えて忘れる愛なのです。与えたという記憶が残っている限り、愛は無限に回ることはできません。愛は無限に運動するものなので、与えたことが記憶にとどまってはいけないのです。続けて与え、また与えても、記憶に残っていないがゆえに流れるのです。
それでは、天地と引き換えることのできない価値のある愛を、誰が皆様に与えてくれたのでしょうか。皆様の父母が与えてくれたのです。言い換えれば、根本に入ると神様が与えてくれたということです。神様はこの無限の価値をもつ愛を、父の立場で与えてくださりながらも、それをお忘れになります。その愛を受けた息子、娘たちが天を裏切るようなことがあったとしても、さらに与えようとされるがゆえに、そのような果てしない神様の愛のお陰で、きょう皆様もこの場に参加できるようになったのです。
ですから、真の愛が行く道とは、施しを受けるための道ではなく、ために生き、犠牲となる道なのです。ですから、神様御自身も愛の相対を創造されるときは、神様御自身がために生きる立場に立たれて、御自身が所有しているすべてを一〇〇パーセント投入しては、さらに投入したいと思うのです。このような心をもち得る本然の中心存在が、天地を創造された神様なのです。
ですから、真の愛は、ために生きることにおいても、一〇〇パーセント、一〇〇〇パーセント、すべてを与えて真空状態になるのです。空気でいえば、絶対低気圧が生じると自動的に高気圧の循環運動が起こるのと同じことです。ですから、絶対的にために生きようとするところには無限の力が発動するのです。
親愛なる「世界平和女性連合」の会員の皆様。「女は弱し、されど母は強し」という言葉があります。女性自体はこの上なく弱いのですが、女性が母として愛の主体的立場に立ったり、または妻や娘として愛の中心的役割を果たしたりするときには、女性はこの上なく強くなるのです。なぜならば、女性は母、あるいは妻や娘として愛の主体的立場に立って、一〇〇パーセント相手のために与えたならば、その空白を神様の愛が満たしてくれるからなのです。神様の愛の能力が発動し始めるのです。
だからこそ女性だったとしても、神様に似て燃えるような愛の主体的立場に立つようになれば、その愛の能力は家庭を生かし、国を生かし、世界を生かす驚くべき力として現れるのです。柳寛順のような十六歳(数え)の少女が、国全体に独立運動の波を起こさせたことは、正に国を生かそうとする熱き愛国の衷情が起こした奇跡だったのです。
神様も、このように人間に対し、ために生きて与える愛の主体的な立場に立たれ、与えてはまた与えようとなさる本性がその作用を続けることによって永存できるのです。ですから、真の愛の道には永生の論理が成立するのです。神様にとって真の愛の同伴者として造られた人間が、神様の願いどおりに成熟し、絶対不変である真の愛を神様から相続していたなら、人間世界には、根本的な統一の歴史が展開されるのであって、戦争や血を流すような悲惨な歴史はなかったはずです。
真の愛を中心として心と体が一つになれば、皆様は神様御自身の愛の同伴者となり、永遠の対象になるのです。そればかりでなく、神様の永遠の愛を相続する人になるのです。愛の属性には、相続権があり、同居権があり、また同参(一緒に参加すること)権があります。たとえ愛する夫が大統領で、たとえ妻が小学校すら出ていなかったとしても、愛する夫婦の関係になれば、夫のものは妻のものとなり、昼夜の別なくいつでも同居できることはもちろん同参する権限もあるのです。
愛にはこのように相続権、同居権、同参権という偉大な三大属性があるので、神様の絶対的な愛、不変的な真の愛と一致した立場に立つようになれば、神様のいらっしゃる所に私たちも加担することができ、いつでも同居、同参できる権限をもつようになるのです。
そうなれば、目を閉じなくても神様を見ることができるようになり、涙を流すようになるのです。神様の悲痛な心情を体恤した人は、道を歩いていても立ち止まって痛哭するような体恤の世界があるのです。堕落したこの世の中ですら、母の愛は、もし我が子がよその地で不慮の事故に遭えば、直感で分かるような場合がたくさんあります。寝ていても名前を呼ひ、大声を上げて目覚めるのです。
もし、神様の本質的な真の愛、千年、万年をために生きては、さらにまたために生きようという、そのような真の愛を自分自身の心と体に一〇〇パーセント吸収できる内容をもつようになるとき、心には神様の真の愛の根が生え、神様の感じるすべてのことに通じるようになり、体は自動的にそこに共鳴するようになるのです。心の世界の真の愛を中心として共鳴体になるように創造されたのが体なので、心と体の統一世界を成し遂げるためには、神様の本質的な真の愛を回復しなければならないという課題が残っていることを知らなければなりません。
このような真の愛に共鳴する論理を中心として見ると、私たち人間がそこに一体化して共同一体圏に入れば、「神様の生命が私の生命であり、神様の血統が私の血統であり、神様の所有である被造世界が私の被造世界である」と言うことができるのです。したがって、天下を抱く父母の心をもって、天国に入籍するようになるのです。
それでは、愛が先でしょうか、生命が先でしょうか。それは愛が先なのです。人間の生命は愛によって、愛の理想を中心として宿るものなので、人間の生命の本質は正に愛なのです。ですから、愛を本質として生まれた生命は、ために生きるのが天理であり、また人間は生まれたときから他のために生まれたと言えるのです。「私は自分だけのために生まれた」、「すべてが私だけのために存在しなければならない」ということであれば、決して愛の概念は成立しません。相手のために与え、他のために犠牲になろうとするところから、愛は誘発され始めるのです。家庭のために犠牲になれる人は、家庭の愛を誘発させることができるのです。
他のために犠牲になれば、すべてを失うかのように思えますが、それは全く反対です。むしろ愛の主体となり、すべての主人となるだけではなく、さらに高い次元に飛躍するようになるのです。級友たちのために犠牲になり、奉仕する人は、そのクラスの委員長になるのであり、村のために犠牲になる人は、その村の指導者になるのです。ひいては国のために犠牲になり、奉仕する人は、その国の主人になるのです。
愛というのは、より大きなもののために犠牲になればなるほど、その愛の等級が高まっていくのが原理です。より大きなもののために犠牲になれば、それに吸収されていくのではなく、その大きなものの中心の場に立って新しい次元を迎えるようになるのです。キリスト教がイエス様の復活によって出発できたのも、他のために犠牲になりなさいと教えているからなのです。
イエス様はゲッセマネの園で、「わたしの思いのままにではなく、みこころのままになさって下さい」(マタイ二六・三九)と祈祷され、罪なく死んでいく十字架上においてさえも、自分を槍で刺すローマ兵に対しても、「父よ、彼らをおゆるしください。彼らは何をしているのか、わからずにいるのです」(ルカ二三E/span>三四)と神様に切願したのです。これが正に神様のようにために生き、犠牲となって生きる生涯の標本であり、復活の歴史をつくり出す起源となり、キリスト教の核心的伝統思想にならなければならなかったのです。他のために命までも捧げ犠牲になるとき、さらに高い次元の命を得るようになるのです。
親愛なる女性連合の会員の皆様。私は一九九一年十一月三十日、夫と共に北朝鮮を訪問し、金日成主席や他の多くの指導者たちと会ったことも、考えてみれば命懸けの冒険でした。
皆様もよく御存じのように、文鮮明総裁は、彼ら北朝鮮の指導者たちが最も怨讐視してきた宗教指導者であり、国際勝共連合の指導者だったがゆえに、彼らは私の夫を葬り去ろうと国内外においてあらゆる工作をしてきた時だったのです。そのような所に、ただ神様だけを頼りに北朝鮮に入っていき、「『主体思想』では統一できない。『神主義』でのみ統一は可能である」と主張できたのは、ただただ心から彼らを生かしたい、ために生きたいと思う真の愛の心があったからです。それにまた、祖国統一の門を開くためならば、いかなる犠牲も甘受しようという、殉教者の精神をもっていたからなのです。「生きんとする者は死に、死なんとする者は生きん」という言葉を実践されたのです。
真の愛こそ、地獄までも占領できる土台となるのです。皆様が真の愛を所有するようになれば、すべての悲しみや苦痛も、真の愛の中では喜びに昇華されます。言い換えれば、この個人的な権力、知識、財力などをもって主張するそれ以上の絶対的権限として残したいと思うものが、人間の本性の欲求である真の愛なのです。
このような観点から見ると歴史を通じて、人間を救おうとされる神様の戦略戦術と、これに反対しようとする悪魔の戦略戦術は正反対に行われてきました。神様の戦略戦術は打たれて取り戻してくる作戦であるのに対して、サタンは先に打って奪われていくのです。第一次、第二次、第三次世界大戦を考えてみてください。先に打ったほうが滅んでいきました。しかし、神様は、裏切られ奪われたからといって、その人の命を奪って取り戻してくるわけではありません。神様は宇宙の主人として堂々と現れ、打って取り戻してくる能力をもちながらも、打たれてあげるのです。
父母は犠牲になることによって、不孝者を悔い改めさせる道を行くのです。神様は、天理の公道を立てるために自らサタンを訪ねていき、主人が来たらああしなさい、こうしなさいと教えてくださるのです。
しかし、歴史的に見ると、教えて導こうとして行った主人が、むしろ打たれたのです。しかし、打たれたのちはどうなるか御存じですか。孔子も多くの迫害を受けました。イエス様は、ローマ帝国に、罪人として命を奪われました。みな歴史が過ぎたのちに、聖人の名がつけられたのです。在世中に聖人になった人はどこにいるでしょうか。
このように、彼らは、その当時においては悲惨に死んでいきましたが、歴史の時代を経ながら、少しずつ上がっていくのです。打たれたことへの損害賠償を請求するのに、十年、二十年で終わらせてほしいとは言いません。期間が延びれば延びるほど、世界を完全に占領するようになるのです。数千年の間、耐えに耐えて、損害賠償額をすベて計算してみると銀行に預金したお金に利子がどんどんと付いて、のちにはその銀行まで買い取っても余りあるお金になるのです。
神様は待ちながら訪ねてこられる方です。打たれて取り戻してくる戦略戦術を取られる方なのです。悪のこの世が全面的に迫害して破壊しようとすれば、天運が助けてくれて、すべてを乗り越え跳躍させてくれるということなのです。
神様は私と夫にも、そのような多くの体験をさせてくださいました。迫害を受けるというのは、怨讐の所有権を相続する、また一つの秘法なのです。このようにして、神様から愛される人は、常に天運の保護を受けるのです。殺してしまいたいような怨讐がいても、神様はなぜ罰を与えないのかというと、それでもその人を愛する父母や妻、息子、娘がいることを御存じだからです。神様も涙の谷間を越えてこられたお方であるがゆえに、その怨讐を誰よりも愛する父母や妻、そして子女たちの心情を体恤されるとき、むち打つことができないのです。
そのような神様の心情を本当に感じるようになれば、怨讐を打つことができるでしょうか。それを思うと逆に怨讐を助けてあげなければならないのです。そうしてこそ、天理の大道である愛を中心として、一つに抱こうとするその大道の前に私たちは近づくようになり、そこに天地が振動しながら神様も涙を流すようになるのです。神様も御自身に似たと喜ばれるのです。
このような立場で見つめられる神様であるがゆえに、「怨讐を愛しなさい」という言葉が理解できるのです。そのような力が生まれるところは、知識でもなくお金でもありません。権力でもありません。真の愛のみにあるのです。ですから、皆様は愛する息子、娘、父母のために、南北が敵視するその峠を越え、ために生き、犠牲となる真の愛をもって統一を願わなければなりません。
私たちが願う南北統一は、あくまでも怨讐さえも愛する、ために生き、犠牲となる真の愛の精神によってのみ可能です。父母が子女の面倒を見るように、兄弟同士がいたわり合うように、北朝鮮の同胞の痛みを自分の痛みとして分かち合い、神様の変わることのない真の愛の中で共に会うことができるようにしなければなりません。
真の愛を中心として、神様とアダムとエバが互いに会い定着できる交差点は、九〇度を形成するのです。なぜならば、神様と人間を縦的に連結する真の愛の道は、最短距離である垂直以外になく、完成したアダムとエバを夫婦として連結する真の愛の道は横的で水平なので、正にこの垂直と水平が出会う点は、自動的に九〇度の角度になるのです。そして、この点は絶対的な価値をもった位置として、ただ一つしかない真の愛を結ぶ中心点であり、モデルとなる点なのです。
しかし、アダムとエバが成熟する前に、天使長のゆえにこの角度がねじれてしまったのですが、これが正に堕落なのです。大工が家を建てるとき、水平を先に見るでしょうか、垂直を先に見るでしょうか。水平を先に見るとすれば、それは既に垂直を認めているのです。同じように、女性という言葉も、男性が先にあってこそ出てくる言葉なのです。また男性という言葉も、女性を先有(前提)条件として出てくる言葉です。「上」という言葉は「下」を考え、「右」という言葉は「左」を先に認めて語る言葉なのです。したがって、横的という言葉は、縦的という言葉を前提としなければなりません。
このように先有存在圏を認めるということは、ために存在する相対圏を認めることであり、ここにおいて真の愛は、相対のために生きようとする目的をもって成立するものなのです。
それならば、神様と本然のアダム、エバはどこで出会うのでしょうか。神様の愛と真の父母の愛、神様の生命と真の父母の生命、神様の血統と真の父母の血統が結合する所は、垂直と水平を連結した九〇度の角度以外にありません。この点が真の愛を成立させる公式点なのです。
神様は縦的な真の愛の父母であられ、アダムとエバは横的な真の愛を中心とした父母なので、このような二つの父母の愛と生命と血統を受け継いで生まれた自分の心は縦的な「私」となり、体は横的な「私」となるのであり、この縦的な「私」と横的な「私」が統一体になるとき、人間は永遠な神様の「真の愛の同伴者」となるのです。
神様は真の愛と真の生命と真の血統をもっていらっしゃり、私たちもそこから出てきたので、私たちの中にも真の愛があり、真の生命があり、真の血統がなければならないのです。人間は、神様の真の愛を中心として父子一体の関係をもって生まれたので、神様の心と体が真の愛によって自然に統一されているように、私たち人間の心と体も真の愛によって自然に統一されなければならなかったのです。
ところが、サタンの愛と生命と血統を受け継いだ堕落人間は、サタン側の体と神側の心を分ける一線に立って、絶えず闘っているのです。このように今日、「私」を中心とした愛は、心ではなく体と関係があります。この体が悪魔の舞踏場になってしまったというのです。悪魔の錨綱が掛けられた杭のようになってしまいました。心は天に代わるプラスの位置にあるのですが、体がまた別のプラスになり、心をもてあそんでいるのです。これを是正しなければならない道が、私たちの生涯にわたる義務なのです。これをご存じであられる神様が、修理工場としてつくったのが宗教です。
ですから、宗教は断食や犠牲、奉仕をすることによって、体を心に屈服させる教育をするのです。言い換えれば、体の欲望を弱化させ、心がすることに従えるように、三年から五年以上かけて、習慣性を伝授するためのものが信仰生活なのです。また、絶えず祈祷することを強調します。
神様は縦的な立場にのみいらっしゃるので、心が通じなければ活動ができないお方です。サタンはあらゆる所で活動しています。三六〇度いつでも活動できるので、サタンの活動に負けるようになっているのです。
心は垂直の位置にあるので一つです。垂直は横的基盤ではないので、横的基盤に出ていくことはできません。そのため、心は環境に引っ張られやすいので、垂直の立場において精誠を尽くして祈祷し、三倍、四倍の強い力を心に受け、体を自由に制御し、三年から五年かけてそのような習慣を身につけなければならないのです。この二つの方法以外に修理できる道はありません。
そのような修養を行う宗教の門を通過しなければ、本郷の人間の道を見いだすことはできないのです。哲学の道、知識の道、良心の道だけではできないのです。縦的な心と横的な体が一つにならなければなりません。
ところで、人間の心と体が神様の理想と一つにならないようにした、その堕落の起源は何でしょうか。聖書には、善悪の実を取って食べたからだとあります。それでは、その善悪の実を取って食べたあと、どこを隠しましたか。口を隠しましたか、手を隠しましたか。違います!下半身を隠したのです。ですから、サタンを中心として結婚をしたのです。これが悪の血統を繁殖する起源になったのです。
しかし、考えてみると、人間にとって真の愛と真の生命と真の血統の根源地は、正に愛の器官です。堕落によって、この神聖であるべき愛の器官が、天理を破壊した凶悪な宮殿になってしまいました。悪の本拠地になってしまったのです。ここに偽りの愛、偽りの生命、偽りの血統が植えられてしまったというのです。
十代の未成熟なときに人間始祖アダムとエバが堕落しました。そのようにして悪を植えつけたので、歴史的に人間の世界に悪の血統が広がっていったのです。したがって終末の収穫期になれば、全世界的に青少年たちが、アダムとエバのように愛の倫理を破壊し、退廃的な風潮へと流れていくのです。このような現象を見ながら、サタンの全権時代がこの地上に到来したことを知らなければなりません。そしてこのときこそ、神様が鉄槌を下す審判の日になるのです。
歴史的に見ると神様のみ前に淫乱の都市や淫乱の国は滅びました。ソドムとゴモラが硫黄の火によって焼かれたのも、ローマが滅んだのも、ほかの理由で滅んだのではありません。法度を守れずに淫乱に陥り、減んでいったのです。
アメリカ、ヨーロッパ、日本など、今日の世界の先進諸国を見てください。東西、四方に広がるフリーセックスと淫乱の波を誰が防ぐことができるでしょうか。乱れた愛だけでは物足らず、末梢神経を刺激する享楽主義、麻薬や覚醒剤を求める無頼漢の世界になりつつあるのです。
それはすべて、肉体が死へと引っ張っていく道なのです。決して心の願う道ではありません。心は手を上げて痛哭しているのです。天理大道において人間を本然の始発地である神様の懐へと導いていくべき良心の使命と召命は、すべて失敗してしまったのです。
誰かが現れて、世界人類をこのような堕落の環境から救いの道に導かなければなりません。堕落してサタン側に立った人類は、野生のオリーブの木に例えることができます。その中でも、神様が分立させて探し出した人類は宗教圏ですが、それは神様の所有権の中にある野生のオリーブです。
ですから、神様が自由に主管できるのです。再臨主が来られれば、一遍に切って接ぎ木しやすいように準備してきたのです。そうして、野生のオリーブが真のオリーブとなり、本然の状態に返っていくのです。
ですから、宗教を信じる人も、本来の真の父を探さなければなりません。なぜなら、彼らは本来の真の父の生命の種を受けずに生まれたからです。言い換えれば、本来の真の愛を中心として、神様の血統に連結した真の息子、娘としての一体理想を果たせなかったのです。ですからメシヤが来なければならないのです。
皆様。メシヤとは何か御存じですか。メシヤは、真の父母として来られ、偽りの父母から生まれることによって植えつけられた偽りの根を取り除き、本然の形態を復帰し、サタンを追放し、皆が歓迎する自由解放の天国世界を創建しなければならない、そのような重大な責任をもって来られるお方なのです。
皆様。皆様が神様の愛、神様の生命、神様の血統を、そして真の父母の愛と真の父母の生命と真の父母の血統を受け継いだ息子、娘になれば、神様のように、皆様にも心と体が闘うことのない真の統一の起源が生まれるでしょう。そして、「私」の心と体が統一されたところから、永遠の平和の世界は出発するのです。
尊敬する「世界平和女性連合」の会員の皆様。私たちは、父母の心情を抱き、僕の体の道理を果たしましょう。私たちの汗は地のために、涙は人類のために、血は天のために流しながら、天地創造の大いなる主人でいらっしゃる私たちの父母の恨を解放し、一つの平和世界を建設する十字架を負い、救世の道へと前進しましょう。
私たちの目的地は世界の果てですが、私たちの出発点は、正に自分の心と体が真の愛を中心として一つになるところから始まらなければならないという事実を忘れないでください。そして、自らの家庭が永遠の幸福と真の愛の定着地になるときに初めて、私たちが願う理想の国、理想の世界が結実することを肝に銘じなければなりません。
私たちの「世界平和女性連合」の運動は、遠からず世界万民が参加する「世界平和家庭連合」の運動に昇華、発展し、五色人種(すべての人種)が永生を謳歌しながら、子々孫々がために生きてはさらにために生き、与えんとする真の愛の世界を建設するでしょう。この歴史的な聖業に私たちは決起し、先頭に立つことを誓いましょう。皆様と皆様の御家庭に神様の祝福が共にあることを祈りながら、私のお話を終わります。ありがとうございました。
日付:一九九二年六月十日
場所:韓国、ソウル、リトルE/span>エンジェルス芸術会館
行事:全国四十カ所市郡区大会(真のお母様)
満場の女性会員、同志の皆様。私はきょう、「世界平和女性連合」の総裁の資格をもって皆様の前に出ることができたことを大変うれしく、また光栄に思います。きょうのこの大会を準備してくださったすベての女性会員と後援会員、および日本から来韓された皆様に深く感謝を申し上げます。
私がきょうお話しする題目は「理想世界の主役となる女性」です。皆様、誰かに「この世の中は善の世の中ですか、悪の世の中ですか」と問われたら、皆様は何と答えますか。間違いなく悪の世の中だと答えるでしょう。私たちが生きているこの時代の世の中だけが悪なのではなく、過去、歴史時代のすべての国と世界が悪だったと言わざるを得ません。
ですから、善行よりも罪悪が、平和よりも戦争が、正義よりも不義が、愛よりも憎悪が、統一と和合よりも分裂と葛藤が、より猛威を振るう世の中になっているのです。
人類は、このような罪悪の世界を誰も望んでいません。ですから人類は、いかにすればこの罪悪の世界を清算し、平和と自由と幸福があふれる真の愛の理想世界を創建することができるかということを追求せざるを得ないのです。個人、家庭、氏族、民族、国家、世界のすべての構成員や指導者が一様に望んでいることも、平和と自由と幸福があふれる世界を実現することです。人類の歴史が始まって以来、数千年の間、このような夢と理想に向かって身もだえしてきましたが、いまだに人類が望む理想世界は実現していません。
私はきょう、この問題に対する根本的な原因を皆様に明らかにしようと思います。併せて、私たち人類が何よりも願ってやまない理想世界を実現できる解答が何であるかを提示しようと思います。これは、人間の知識や思考の結果として生まれ出た内容ではありません。既に皆様がすべて御存じのように、私の夫、文鮮明牧師は、一生をかけてこの問題を解決するために献身してきました。私は、そのような夫に仕えて暮らしながら、その教えと神様と人類を愛するために実践躬行する生き方に、あまりに多くの感化と感動を受けました。夫に仕えて暮らしながら、真理に対する深い悟りを得、夫の人格と人生から絶えず感化と感動を受けたならば、それは世の中に広く知らせるべきでしょう。なぜならば、今日のこの世界が犯罪と闘争と退廃が荒れ狂う悪の世界になってしまった根本原因は、ほかならぬ夫と妻の根本的な関係の破綻と不和に起因しているからです。
今日、この地上に人類が暮らしていますが、突き詰めれば、二人の人が暮らしているのです。男性と女性、すなわち夫と妻という二人の人が暮らしているということです。無数の人間が共に暮らしながら、あらゆる関係と問題を起こしていますが、そのすベての問題の核心は、男性と女性、この二人の間の関係と問題なのです。このように見るとき、私たちは、神様が人類の最初の先祖をこの地上に創造されるときにお立てになった、人間の男性と女性の行くべき天道が何だったのかを探らざるを得ません。
聖書の創世記の記録によれば、神様が天地を創造されたのち、最後に人間始祖である男性のアダムと女性のエバを創造され、彼らに三大祝福を下さると同時に、責任分担も下さいました。三大祝福とは、すなわち「生めよ、ふえよ、地に満ちよ、地を従わせよ。また海の魚と、空の鳥と、地に動くすべての生き物とを治めよ」というものでした。そして、彼ら二人の男性と女性に「善悪の実を取って食べてはならない!」という責任を一緒に下さったのです。
これは、神様が人間とこの宇宙を創造された目的が何であるかを教えてくれる内容であると同時に、人生の根本を明らかにした内容でもあるのです。「生めよ」という祝福は、すべての人間は、地上に生まれ、完成した人格者として成長しなければならないことを意味します。完成した人格を備えた男性と女性が夫婦の関係を結び、子女を生んで育てる父母の道を行くようにしたことが、人生の二つ目の祝福です。そして、家庭を率いていく夫と妻、すなわち父親と母親がその道理を果たしながら、この世界をより便利で豊かな福地世界として建設し、地上天国を立てることが神様の創造目的なのです。この創造目的は、人間始祖が「善悪の実を取って食べてはならない」という神様の戒めを守ってこそ成就されるようになっていました。ところが、人間始祖であるアダムとエバは、完成した人間になる前、すなわち未成年の時期に神様の戒めを守ることができず、天使長の誘惑によって堕落し、全人類に悪の血統を受け継がせたのです。
皆様。神様が人間始祖アダムとエバに「取って食べてはならない」とおっしゃった善悪の実とは何でしょうか。それは木の実ではありません。それは正に、人間始祖が将来、夫と妻として結婚するときに実るその愛が未成熟な段階にあるときに、第三の存在によって誘惑されて不倫な性的関係が起きてはならないことを意味しているのです。
実際にエデンの園には、アダムとエバ以外に第三者として天使長がいました。聖書では、エバを誘惑して不倫の罪を犯した天使長についてルーシェルであると明らかにしています。これがまさしく人間始祖の堕落であり、人間世界に罪悪の根を下ろすようにした原罪なのです。したがって人間は、天地の大主宰者であられる父なる神様のみ前に不倫の罪を犯し、人間始祖のときから、不倫の愛で子孫を生む悪の世の中を築いてきました。個人、家庭、氏族、民族、国家、世界へと拡大した人間社会には、いつどこでも、この男性と女性の不倫関係による悪の血統が根を下ろし、それがこの世を地上地獄につくりあげ、犯罪と戦争と恐怖があふれる偽りの世界にしてしまいました。堕落した人間始祖アダムとエバは、人類の永遠の善の先祖として、真の父母の位置を確定しなければならなかったのですが、悪の血統を残した偽りの父母に転落してしまったのです。これが正に全人類が抱えている不幸と悲劇の第一原因なのです。
この世界の全人類が真の父母を失い、偽りの父母の子孫になったこと以上に悲惨で憤慨すべきことがどこにあるでしょうか。人類の父母であられる神様としても、真の人類の始祖を立て、善の人類を生み殖やそうとした創造目的が、人間始祖の不倫の堕落によって全人類を罪悪の血統に転落してしまったその悲しみと苦痛はいかに大きいでしょうか。
疾病に苦しむ人を救うためには、その疾病の原因を探り出して治療しなければならないのと同じように、人間社会がこのような罪悪と不幸の苦痛から解放されるためには、この罪悪と不幸の根本原因を明らかにして治さなければなりません。その根本原因こそが人間始祖の堕落、すなわち原罪です。したがって、原罪という病気の原因を除去しなければ、人間世界から罪悪と不幸の根を抜き取ることはできないのです。どんなに多くの偉人や英雄、博士学士、政治家、哲人が現れて、法律や制度の改善、倫理道義教育などでこの世界を正そうとしても、人間堕落の原因、すなわち原罪を解明しなければ、それは不可能です。どんな薬を使っても効き目がありません。罪悪と不幸の根本の根が生きており、引き続き生えてくるからです。
しかし、宗教では私たちに人間が堕落したという事実を教え、この堕落の内容を明らかにして人間を罪悪から完全に救援しようとされる神様の摂理を直接、間接的に教えてくれています。ですから、すべての宗教は、この罪悪世界を善の世界へと変化させ、救援する最も積極的な処方なのです。
「宗教」という言葉は、すべての教育と教えの中で最高の教えであるという意味です。孔子、釈迦、イエス、ムハンマドのような四大聖人の教えをはじめとした各宗教の創始者たちの教えは、時代と環境を超越して人間の良心と道徳を守り、文化を発展させてきた原動力でした。したがってすベての宗教は、罪悪の世界を清算し、神様と人間が望む理想世界建設のために共に働く存在であり、協力者なのです。その中でも、神様の救援摂理が最も直接的に啓示されている経典が、正にユダヤEspan
lang=JA style='font-family:"MS Mincho";mso-bidi-font-family:"MS Mincho"'>キリスト教の聖書です。
聖書によれば、人類の歴史は、人間始祖アダムとエバが堕落し、偽りの父母となることによって喪失した神様の創造目的を再び回復しようとされる復帰摂理であることを知ることができます。偽りの父母になったアダムとエバに代わり、全人類を生み変えるために、メシヤ、すなわち真の父母が来られなければならないというのが、聖書でいうメシヤ思想の要点です。
アダムは人類の真の父にならなければならず、エバは人類の真の母にならなければならないというのが、神様の創造本然の目的でした。この創造目的を再度原状回復するために、神様はアダムを再創造される摂理をせざるを得ないのです。これがまさしく、イスラエル選民を準備してイエス様を誕生させた摂理の骨子です。
神様は、アダムとエバが堕落してサタンの血統を中心とした人類が生み殖えると、すぐに善と悪の血統を分立する役事を行われました。アダムの家庭で、神様の相対的立場にいる次子アベルと、サタンの相対的立場の長子カインを分立し、カインがアベルに自然屈伏するようにさせることによって、創造本然の秩序を原状回復しようとされたのですが、カインがアベルを殺害することによって、長い間にわたって善悪分立の闘争歴史が展開するようになったのです。
ノア、アブラハム、イサクを経てヤコブの代になり、母リベカの協助により、双子の兄エサウを自然屈伏させることによって、ヤコブはイスラエル選民を立てる決定的役割を果たしました。ヤコブの息子ユダにより、その嫁タマルはペレズとゼラという双子の兄弟を身ごもりました。ペレズは、タマルの腹中でゼラと争い、先に生まれようとするゼラを押しのけ、自分が先に生まれた息子です。善悪闘争である長子と次子の争いは、腹中で弟が兄に勝ち、長子として生まれる腹中復帰を成就させたのです。
腹中復帰によって生まれたペレズの血統を通じて約二千年後に誕生したお方が、メシヤとして来られたイエス様でした。イエス様を身ごもり、生むときには、母マリヤの命を懸けた冒険と精誠がありました。神様の救援摂理は、すなわち復帰摂理なので、サタンになったルーシェルの誘惑によって不倫な性関係を結んで堕落してしまった結果、人類に伝承された罪悪の血統を清算する、そのような復帰摂理を行わざるを得ませんでした。それが正に、カインとアベルからイエス様が誕生されるまでのイスラエル選民の歴史だったのです。
したがってイエス様は、堕落によって偽りの父の立場に落ちたアダムを、善悪分立闘争の復帰路程を経て蕩減復帰した基台の上で、人類の真の父、すなわち第二の善の人類始祖として来られたのです。ですからイエス様は、その相対格であるエバの立場にいる女性を復帰して夫婦となり、子女を生み、万物を主管される位置まで進まなければならないのです。これがまさしくイエス様がメシヤとして来られた目的でした。
アダムとエバを創造され、「生育せよ、繁殖せよ、万物世界を主管せよ」とおっしゃった神様の三大祝福を復帰するために、イエス様がメシヤとして来られたということです。イスラエル選民は、父として来られたお方をメシヤではないと不信し、十字架で処刑してしまいました。
これはどれほど啞然とする親不孝であり、途方もない罪悪でしょうか。十字架で亡くなられたイエス様は、再びこの地上に来ると再臨を約束され、それと同時に「再び来るときは新郎として来るので、地上の人類は新婦の装いをして待たなければならない」という内容を語られました。
ヨハネの黙示録第十九章を見ると、そのイエス様の再臨は、地上に来られ「小羊の婚宴」をされると記録されています。これは正しく、エデンの園のアダムとエバが堕落していない家庭を築くために、真の夫婦と真の父母の位置を復帰するという内容なのです。
きょう、この女性大会に参加してくださった会員ならびに女性同志の皆様。私たちの家庭を破壊しようとするすべての性犯罪と不倫、退廃が蔓延するこの社会を、何をもって、またどのように正すことができるのでしょうか。もし、この性の問題を解決できなければ、人類社会はソドムとゴモラのような滅亡を自ら招いてしまうでしょう。既にこの審判の火は降り始めています。エイズという恐ろしい性病こそ、性道徳の紊乱に対する天の懲罰であり、警告です。
イエス様は、この罪悪の世の終わりの日になれば再臨するとおっしゃいました。再び来られるイエス様は、人類の父として来られ、この世のすべての男性と女性が行くべき真の子女の道、真の夫婦の道、真の父母の道が何であるかを示してくださるはずです。そうしてこそ、人類の原罪によってもたらされた淫乱や退廃問題が根本的に解決されるようになります。これこそ、人類をこの罪悪世界から救援してくれる真の福音にほかなりません。
人類が真の父母、真の夫婦、真の子女の道を喪失することによってもつれてしまった罪悪歴史を清算するその道を教えることが、メシヤ、救世主の使命です。私はきょうこの場を通して、私の夫、文鮮明総裁こそ、一生をかけて、このメシヤ、真の父母の道を開拓してこられた方であることを満天下に宣布いたします。皆様がよく御存じのとおり、私の夫、文鮮明総裁は、これまで悪の世の中の激しい迫害の中でも、神様の創造目的を明らかにし、人間始祖が犯した原罪を究明することによって、人類の未来を開拓してこられた方です。
私の夫、文総裁の教えである「統一原理」によれば、すべての宗教人が待ち望む教主たちの再臨理想、すなわち弥勒仏、真人、新しい孔子の再臨とイエス様の再臨思想は、一人のメシヤ、人類の真の父母の再臨によって実現するものであり、すべての宗教も連合、統一するようになっています。
メシヤ、真の父母は、一部のキリスト教信徒たちが信じているように、二千年前に亡くなられたイエス様御自身が空中で雲に乗って再臨されるのではなく、イエス様の使命を相続した新たなお方がこの地上に誕生されるのです。その方の生まれる国は、我が国大韓民国であり、したがって人類の真の父母となられるメシヤは、驚くベきことに私たちと同じ言葉を使う韓国人として来られるのです。
それでは、メシヤは、いつ再臨されるのでしょうか。「統一原理」によれば、この罪悪世界が終結するときが終末ですが、再臨されるメシヤは終末に来られるようになっています。一言で言うと終末は、第一次世界大戦が終わった一九一八年から二〇〇〇年までの約八十年の期間に該当します。この期間は、人類の真の父母であられる再臨主が韓国の地に誕生し、罪悪と戦争と闘争に満ちたこの世界を、自由と平和のあふれる善の理想世界にしていく、世界史的な転換時代に該当するのです。
ですから、この時代は、個人、家庭、氏族、民族、国家、世界に至るすべての構成員の相互間で善と悪の対立と闘争が展開される大混乱の時代となるのです。人類はこの期間に第一次と第二次の世界大戦を経験し、第二次世界大戦後には、民主と共産の両陣営間の絶え間ない対決と闘争がありました。その間、韓国は四十年の日帝植民地下、八Espan
lang=JA style='font-family:"MS Mincho";mso-bidi-font-family:"MS Mincho"'>一五解放と南北分断に続く六Espan
lang=JA style='font-family:"MS Mincho";mso-bidi-font-family:"MS Mincho"'>二五動乱の惨状を経験し、今日まで世界最後の分断国として残っています。
韓半島の南と北は、人類始祖の堕落によりアベルとカインに分立されて蒔かれた善悪の種が、世界的な実となって現れた結実体です。すなわち、北朝鮮の共産主義は、歴史上に現れたカイン型のすべての人生観と体制の世界的な結実体として、宗教的価値観を否定する無神論共産国家を形成したのであり、それは世界の共産陣営を縮小し、代表したものです。
これとは反対に、韓国は、歴史上に現れたすべてのアベル型の人生観と体制の世界的な結実体として、宗教繁栄国家となり、自由世界を代表する国となっています。すなわち、全世界を善悪で分立し、善侧として分立された韓国が、悪側として分立された北朝鮮と最後の対決の場を形成する全世界の縮小版が韓半島なのです。したがって、韓半島の南北統一こそが、世界平和と統一の鍵になるのです。ですから、韓半島の南北統一は、単純な政治的事件や課業ではありません。これは、神様の救援摂理歴史の最終目的である地上天国の復帰、すなわち共生、共栄、共義の理想世界を実現する関門となる摂理史的歴史性を帯びており、地上世界を経ていった数多くの霊人たちとも関係のある立体的な課業なのです。
したがって、大韓民国の統一は、政治家だけで解決される問題ではありません。ですから、韓半島に絡み合っているこのような天のみ旨をよく知っている私の夫、文鮮明総裁は、皆様がよく御存じのように、一九九一年十二月の初めに、七日間の北朝鮮訪問を決行し、北朝鮮の統治者金日成主席と会い、韓半島の統一問題に関連した天のみ旨である天命を通告しました。
「『主体思想』では南北を統一することはできない。『神主義』と『頭翼思想』である『統一思想』によってこそ南北が平和的に統一され、全世界を主導する統一国家となる」と説破し、彼らの常套句となっている六Espan
lang=JA style='font-family:"MS Mincho";mso-bidi-font-family:"MS Mincho"'>二五北侵説に対しても、六・二五は南侵であると正面から激しく反駁したのです。
私は、夫に従って全世界を歴訪し、各国首班と数多く出会ってきましたが、先回の平壌訪問の時は、本当に悲壮な覚悟と深刻な決意をもたざるを得ませんでした。私たち夫婦は、ちょうど聖書に出てくるヤコブが、彼の命を奪おうとする兄エサウを千辛万苦の苦難と知恵と精誠で感動させ、最終的には彼の心を動かし、お互いが和解したように、この北朝鮮の金日成主席との談判を成功裏に成就させました。
今や南北統一は政治家だけに任せるものではなく、神様が干渉されるものになったのです。私の夫、文総裁は、今も全世界的な基盤を動員して、神様のみ旨どおりに南北統一を成就し、淫乱と退廃のない理想的平和の世界を建設するために、昼夜を分かたず努力しています。
満場の女性同志の皆様。きょう私が語ったメッセージは、私と私の夫に従っている統一教会員だけが信奉する内容ではありません。全世界百六十ヵ国以上の各界指導層の人士と数多くの青年男女がこの教えに従い、自由と平和のあふれる新しい統一の世界を創建するために汗水を流しています。世界各地で、大韓民国が人類の真の父母の来られた国として既にあがめられ始めており、韓国の言葉と文化を習い、礼儀作法を学ぶために我が国を訪ねてくる外国人たちが急速に増えています。
「世界平和女性連合」は、性道徳の退廃、麻薬の拡散、淫乱で紊乱なあらゆる性関係によって私たちの家庭が脅かされているこの現実を救済するために、その根本的な処方をもって、去る四月十日、ソウルEspan
lang=JA style='font-family:"MS Mincho";mso-bidi-font-family:"MS Mincho"'>オリンピックEspan
lang=JA style='font-family:"MS Mincho";mso-bidi-font-family:"MS Mincho"'>メーンスタジアムで世界七十ヵ国以上の代表と十五万人の韓国の女性たちが集まって創設された世界的な女性機構です。
私たちは、男性が女性を抑圧してきた堕落した社会風土とすべての淫乱、退廃により腐っていく人類社会の未来を救うために、これ以上待つことはできません。真の父母、真の夫婦、真の子女の道理を学び、実践するための私たちの行進は、最終的に「世界平和家庭連合」を結成し、五大洋六大州のこの地球星のどこにも不倫と退廃が足を踏み入れることができないようにしなければなりません。そうして、人類がエデンの園で淫乱という原罪を犯して以来、今日まで苦痛を受けてきた悪の血統を清算した新世界を迎える準備を急がなければなりません。
今までは、人類を滅ぼしてきた淫乱と不倫に対して、誰もが手をこまねいているだけでしたが、今やこの問題を完全無欠に解決する希望の新しい真理が、私たちの生きているこの時代に、我が国韓国から出てきました。真の父母様によって明らかにされたこの新しい真理は、南北を統一し、平和の世界を建設する人類の灯火となるでしょう。私たちは、この新しい真理を知り、有史以来私たちを苦しめてきたこの罪悪の世界を終結させ、自由と平和と幸福のあふれる統一の世界を建設する女性勇士となるために総決起しましょう。
真の母の道を行きましょう。真の妻の道を行きましょう。真の娘の道を行きましょう。どうもありがとうございました。
6.世界平和と女性の役割I
6.世界平和と女性の役割I
日付:一九九二年八月二十六日
場所:韓国、ソウル、シェラトンE/span>ウォーカーヒルE/span>ホテル
行事:「世界平和女性連合」世界大会(真のお母様)
世界各国から韓国を訪ねてこられた「世界平和女性連合」の指導者の皆様、そして韓国の各女性団体の指導者の皆様。きょう、このように世界各国の女性指導者および韓国の各界女性指導者たちが会場を埋め尽くす中、世界平和のための私の所信の一端をお話しできますことを、この上なく光栄に思います。
今の時代は、正に理念の障壁や言語、もしくは文化の違い、または人種的葛藤を越えて一つの世界へと侵入する重要な転換期を迎えています。私たち女性が、愛と平和の新しい世界のためにきょうの集会を開催するようになったことは、単なる偶然ではなく、神様の摂理であり、滔々(とうとう)と流れる歴史の必然であり、宿命なのです。
これまでの歴史においては、男性の役割が強調されました。男性中心の世界であり、社会体制でした。しかし、不幸にも、男性たちが主導してきた世界の実情は、一言で言うならば闘争と罪悪の歴史だったと結論づけざるを得ません。ですから、人類はこのような罪悪と闘争の世界で、善と平和があふれる幸福の世界を夢見てきたのではないでしょうか。戦争、革命、闘争、抑圧、支配、葛藤、暴力などが人類歴史の大半を占めており、男性的な力の論理が通用し、男性的なイデオロギーが支配してきたのです。
しかし、今の時代は違います。今日の歴史は平和、和解、慈悲、愛、奉仕、犠牲を要求しています。男性的な力の論理だけでは現実問題を解決できない時代です。これ以上、人類を抑圧するイデオロギーは必要ないのです。より女性的な愛の論理で現実問題を解決し、歴史の方向を正さなければならない時です。二十一世紀をわずか十年後に控え、暴力革命と階級闘争を掲げて人類を無残に蹂躙してきた共産主義が、その結末を告げているのも、これ以上戦争を許してはならないという世界の言論のひたむきな声も、新しい女性時代の開幕を知らせる兆候であり、女性解放の時代、世界女性時代の到来を宣布する世界史的転換ののろしです。
世界各国からお集まりになった女性連合指導者の皆様。私はこの歴史的な場で、儀礼的な挨拶をしようとは思いません。過去と現在、そして未来の意味を歴史に宣布するお話を語ろうと思います。理解と協力を指向する、この歴史的転換時代に、私は「神主義」を基本として、永遠の平和世界の建設のための大原則を提示しようと思います。すなわち、未来世界を開拓する女性たちの表題とするために、「世界平和と女性の役割」という題目で、夫である文鮮明総裁が主唱してきた「頭翼思想」と「神主義」を再び皆様にお伝えしようと思う次第です。
本来神様は、喜びを享受されるために、愛する相対を造られました。彫刻家は一つの傑作を作るために、夜を徹し、精力を消耗しながら全力を投入しますが、そのような心はいったいどこに由来するのでしょうか。喜びを味わうために愛の対象を創造された神様の心に似たのではないでしょうか。存在世界を見ると、鉱物界、植物界、動物界、そして人間世界までも、すべてペアになっていることが分かります。人間世界には男性と女性、動物世界には雄と雌、植物世界には雄しベと雌しベがあります。
また、分子世界には陽イオンと陰イオン、原子世界には陽子と電子があります。一言で言えば、すべての存在世界はペアE/span>システムになっているのです。ペアE/span>システムとは、すべての存在が愛を中心として互いに相対性を帯びて存在することを意味します。互いがために生き、愛することのできる相対がいなければ存在できないということです。なぜペアで存在するのか御存じですか。それは互いに愛を中心とした理想的な作用をするためなのです。世界のどこにも愛を与え合うことのできる相手がいなければ作用できないのであり、作用できなければ、存在と繁殖ができないのです。したがって、それは既に死んだ存在のようなものです。神様が人間を創造されたのは、愛する対象が絶対的に必要だからです。人間世界において、我が子が親の自分よりも立派になることを願う父母の心は、正に神様が人間をお造りになるときに抱かれた真の愛の心情にその根を下ろしています。自分より相字が立派であることを願う心は、本来神様から来た真の愛によるものです。すなわち、神様は、百を投入すれば百だけの存在にしかならないので、百以上を投入するために、忘れて、また投入するのです。しかし、自分よりも大きな対象が現れるようになるので、引き続き忘れては投入し、最後には生命までも投入するのです。ここから真の愛は始まります。
神様の真の愛は、投入してまた投入し、与えてまた与えても忘れる愛です。与えたという記憶が残っている限り、愛は無限に回ることができないのです。愛は無限に運動するものなので、与えたことが記憶にとどまってはいけません。与えてまた与え続けても記憶に残らないので流れるのです。
本来真の愛とは、神様の絶対愛のことをいいます。そして、愛には相続権があり、一体となることによって永生の論理が成立するのであり、真の愛を実践する家庭と社会は、永遠に滅亡せずに発展するのです。神様の相対として造られた人間が、神様のみ言に逆らわず、神様のみ旨のままに成熟して、絶対不変の真の愛を神様から相続していたならば、人間世界には根本的な平和の歴史が展開されるはずだったのであり、戦争のような血を流す悲惨な歴史はなかったはずでした。その真の愛の中で、個人はもちろん、社会や国家間における対立や葛藤までもが完全に超越され、溶かされて、真の平和世界が形成されていたはずでした。
しかし、人間始祖の堕落により、そのような真の愛を私たち人間は完全に相続することはできませんでした。不幸にも人類は、神様の真の愛の相対者として完成できなかったがために、神様の代わりに真の愛の実体として立つべき真の父母の位置を失ってしまったのです。それでは、人間始祖の堕落の起源は何でしょうか。聖書を見ると善悪の実を取って食べたことが原因となっています。ところが、その善悪の実を取って食べてから、どこを隠したでしょうか。本来は口や手を隠すはずですが、下部を隠したのです。それは、サタンを中心として行われた誤った愛を意味します。これが悪の血統を繁殖する起源になったのです。
人間にとって真の愛と真の生命、そして真の血統の根源地は正に愛の器官なのです。しかし、堕落によって、この神聖でなければならなかった愛の器官が、天理を破壊した凶悪な宮殿となってしまいました。悪の本拠地になったのです。ここに、偽りの愛、偽りの生命、偽りの血統が植えられました。十代の成熟していないときに、人間始祖のアダムとエバが堕落したのです。そのように悪を植えたので、歴史的に人間世界に悪の血統が広がっていきました。
ですから、終末である収穫の時が来れば、全世界的に青少年たちがアダムとエバのように愛の倫理を破壊し、退廃的な風潮へと流れるのです。このような現象を見たら、サタンの全権時代が極に達したことを知らなければなりません。そのときこそが、神様が鉄槌を下す審判の日となるのです。歴史的に神様のみ前に淫乱な都市、淫乱な国は必ず滅びていきました。
今日、アメリカ、ヨーロッパ、日本など、世界の先進国を見てみてください。東西、四方に吹き荒れるフリーセックスと淫乱の波を誰が押さえることができるでしょうか。堕落してサタン側になった人類は、野生のオリーブに例えることができます。その中で、幸いにも神様が分立して探し出した人類が宗教圏の野生のオリーブですが、これは神様の所有権の中にある野生のオリーブです。ですから、神様が自由に主管することができるのです。再臨主が来られれば一遍に切って接ぎ木しやすいように準備してきたというのです。そのとき初めて野生のオリーブが真のオリーブとなり、本然の状態へと返っていくのです。
私たち人間は、真の愛を中心として神様の血統と連結された真の息子、娘としての一体理想を成し遂げることができませんでした。ですから、メシヤが来なければなりません。メシヤは真の父母として来られる方です。真の父、真の母として来られ、サタンを追放し、自由解放の天国世界、平和世界を創建しなければならない重大な責任を負って来られる方です。
今や、世界史的勝利の伝統を立てた真の父と歴史的な女性の代表として勝利した世界的女性の代表である真の母に侍り、真の男性像はもちろん、真の母、真の妻、真の娘の理想像を確立しなければなりません。男性たちを正しく導き、アダムとエバを滅ぼした恨を歴史的に解かなければならない使命が私たち女性にあるのです。
尊敬する国内外の各界女性指導者の皆様。今や私たちは、到来した女性時代とともに、夫を抱き、子女を正しく養育する真の愛の模範的な実践運動を全世界的に展開しなければなりません。
そうして、夫と子女たちの積極的な支持を得て、「世界平和家庭連合」へと発展しなければなりません。「世界平和女性連合」の運動は、女性だけのための運動ではありません。まず、夫と子女のために生きる真の愛の運動として、理想的な家庭を結実させなければなりません。
このようにして築かれた理想的な家庭が集まり、理想的な国家、理想的な世界を築くようになるのです。「世界平和女性連合」が「世界平和家庭連合」へと発展しなければならない理由がここにあります。
そして世界平和の具現のために、政治、経済、文化、そして社会の各分野において女性たちが先頭に立たなければなりません。左翼と右翼を統一し、無神論的唯物論を克服して、二十一世紀以降の永遠の歴史を先導していく「頭翼思想」、すなわち「神主義」こそ、私たち女性連合が堅持しなければならない基本的な価値観です。
私たちの家庭を真の父母、真の夫婦、真の子女の家庭として育てていくことにより、真の愛の主人公であられる真の父母を中心とした平和の世界に向かって総進軍しましょう。神様の祝福が皆様と皆様の御家庭、そして皆様の国に共にあることを願いながら、お話を終えさせていただきます。ありがとうございました。
7.理想世界の主役となる女性Ⅲ
7.理想世界の主役となる女性Ⅲ
日付:一九九二年九月二十四日
場所:日本、東京ドーム
行事:「世界平和女性連合」日本大会(真のお母様)
尊敬する内外の貴賓、「アジア平和女性連合」の会員、そして紳士淑女の皆様。このたび開催される「世界平和女性連合」の七大都市講演会を前に控え、きょうはこのように盛況を呈してくださり、心からの感謝を申し上げます。
私は昨年(一九九一年)の九月十七日にも、ここ東京において、「アジア平和女性連合」が主催する全国大会で、迤調講演をさせていただきました。そして、その後一年の間に、日本だけでなく、国際的にも大変な反響を得て、女性連合は目覚ましい発展を遂げることができました。昨年の十一月二十日には、大韓民国のソウルで、「アジア平和女性連合」の第一回大会が、一万五千人以上の韓国女性の代表たちにより、大盛況のうちに開催されました。そして今年の四月十日には、世界七十ヵ国以上から集まった平和を渇望する十五万人を超える女性の代表たちが、ソウルE/span>オリンピックE/span>メーンスタジアムをあふれんばかりに埋め尽くす中で、世界の女性運動史上類類例のない、最大の女性大会が開かれ、「世界平和女性連合」が結成されたのです。その間、この大会がこのように驚くべき成長を遂げるために、献身的な苦労と努力を惜しまれなかった関係者の皆様に、心から称賛を捧げたいと思います。
私はこのような国際大会ののちにも、韓国国内で八十一カ所の主要都市を巡回し、「理想世界の主役となる女性」という主題で講演を続けました。行く先々で、雲霞のように集まった延べ百万人を優に超える韓国の女性たちから熱狂的な歓迎を受け、大変な好評を頂きました。私はこの熱気の中で、私たち女性には、未来の世界平和のために寄与できる無限の可能性と潜在力があることを実感できました。
これらの大会は、二十一世紀までわずか八年を残すこの時において、戦争と暴力、搾取と破壊に染まった、男性を中心とした力本位の時代が過ぎ去り、今や愛と赦し、和合と協力によって人類を導いていくべき女性たちの新しい時代が到来していることを覚醒させる、重要な契機となりました。これらの大会を通じて、私は「女性の本然の役割を自覚し、平和と幸福と自由の礎を据えよう」と力説いたしました。すなわち、神様の真の愛が定着する真の家庭を築くことこそが、真の平和の国、平和の世界を建設する近道であると強調したのです。
去る八月二十五日、大韓民国のソウルE/span>オリンピックE/span>メーンスタジアムで行われた三万組の国際合同祝福結婚式は、理想家庭を通じて世界平和が実現できることを示す、最も実証的な大役事でした。第一回「世界文化体育大典」の行事の一環として行われたこの日の国際合同祝福結婚式は、一言で語れば、地上に世界平和の門を大きく開け放つ歴史的な宣布でした。そして神様の愛を中心に、世界は一つの家庭、人類は一家族であることを万民に誇らしく示す、一つの巨大な愛のパノラマだったのです。この日、私の夫である文鮮明総裁と私は、真の父母として、世界百三十一ヵ国から参加した六万人を超える善男善女たちに、翡翠色の青空のもとで祝福を授けました。
翡翠色の青空と輝く太陽のもとで繰り広げられたこの愛の一大祭典で、彼ら新郎新婦は一斉に、神様の愛を中心として真の家庭と真の平和の世界を成し遂げることを、神様と真の父母と全人類に宣誓しました。この日、神様の真の愛を中心に結ばれた約束は、永遠で、絶対的なものです。決して条件的あるいは制約的なものではありません。なぜならば、限りなく与えても、さらに与えようとする真の愛の中での出会いは、互いが離れようにも離れられない、永遠の関係として残るものだからです。ですから彼らには、今日の社会でよく目にする性道徳の紊乱や離婚のようなことは、考えることすらできなくなるのです。
神様の真の愛を中心として出会う彼らには、国籍や人種、言語、風習などが障害になることはありません。すベての障害を溶かしてしまう神様の真の愛の中で、彼らは共通の真の愛の言語を発見し、共通の真の愛の広場で出会うようになるのです。こうした超国家的、超人種的、超宗教的な次元における出会いは、彼らをして世界のために生き、世界を抱くことのできる、未来の世界人に成長させてくれるのです。彼らが世界の至る所でために生き、犠牲になって生きる真の愛の根を下ろすときに、この地上からは憎悪と闘争の哲学が消え去り、戦争と殺戮の惨劇が終わりを告げるでしょう。ただひたすら永遠に互いのために生き、愛し合う真の理想家庭と平和世界が実現されるでしょう。
既に文鮮明総裁は、去る一九八八年に六千五百組を超える永遠の平和の橋を架けました。日本と韓国の若者たちが、神様の真の愛を中心として共に夫婦となって以来、彼らの家庭は真の血統の関係として、両国の国民と伝統、文化を誰よりも愛し、大切にするようになったのです。少なくとも北東アジアの平和は、彼らによって保障されるようになったと言えるのです。
昔から、家庭を守り、育むことは、私たち女性に与えられた固有の特権であり、使命でした。ところが、今日のこの社会には、私たちの家庭を脅かす根本的な要素があまりにも多くあります。実に今日の世界の問題は、軍事力や経済力を発展させたからといって解決できるものではありません。むしろ外的な成長と開発に比例して、伝統的な価値観の崩壊や社会秩序の混乱など、より多くの内的な問題が増加の一途をたどっているのが実情です。今も地球上では、数千万の人々が飢餓にあえいでいます。しかし、これは食糧問題である以前に、飢えに苦しむ彼らを自分の息子、娘、自分の兄弟、自分の父母として見ることができない、愛が枯渇してしまっているところに、より根本的な問題があるのです。今日の社会は、日ごと犯罪によって蝕まれ、麻薬のために衰えつつあります。人類は、たとえ核戦争の危機を避けることはできたとしても、希望のあすより絶望の暗雲が、未来を一層暗くしているのです。
こうした世界の問題は、決して部分的、表面的な治療だけでは治せない、根本的なものです。もし歴史を背後で摂理してこられた神様を排除したまま、人間だけを中心としてその解決点を模索しようとすれば、その結果は失敗に終わるしかありません。
ですから文鮮明総裁は、「頭翼思想」と称される「神主義」を宣布し、あらゆる苦難を経ながらも、ついに人類が今日の問題を解決できる、勝利の新しい地平線を切り開いたのです。つまり、人類が神様との関係を回復し、神様の真の愛を中心として、本然の理想家庭を取り戻して築いてこそ、平和世界の門が開かれるということなのです。
この「頭翼思想」は、アメリカだけでなく、無神論の共産主義思想によって統制されてきたロシアまでも、既に数万人の若者と知識人たちに神様の実在を確認させ、彼らを真の家庭の理想に目覚めさせています。理想家庭を通して、自分を犠牲にし、他のために生きる真の愛を訓練することによって、人種間の対立や暴力、貧富の葛藤、環境破壊、ひいては国家や民族の利己主義など、今日の諸問題に対し、その解決の糸口を見いだすことができるのです。
文総裁は「神主義」を実現するために、生涯にわたって多方面に努力してきました。統一教会をはじめとして、「科学の統一に関する国際会議」、「世界平和教授アカデミー」、「世界言論人会議」、「世界平和のための頂上会議」、「世界宗教議会」、「世界平和連合」、「世界平和宗教連合」、「世界大学原理研究会」、「世界大学連盟」、そして「国際芸術公演団体」など、すべて等しく神様を中心とした平和世界の建設を、その理想と目標にしています。特に理想家庭を通じた世界平和の実現に心血を注いできた文総裁は、「アジア平和女性連合」と「世界平和女性連合」を創設した主人公でもあるのです。そればかりでなく、これまで築き上げた世界平和のための統一された基盤と努力を連帯的に強化するために、世界各国に「世界平和統一堂」を創設しました。
誰が何と言おうとも、文総裁は、宗教界、思想界、学術界、言論界、教育界、科学技術界、そして文化芸術界など、あらゆる分野において、世界の頂上の基盤をつくり上げました。今やこのあらゆる分野が結束して大行進を始める日には、私たちの願う平和世界が、私たちのすぐ目の前に展開するでしょう。
真の愛とは、本来限りなく与えては、またさらに与えようとするものなので、その前に怨讐という言葉は容認されません。そのため、これまで真の愛を中心とする「神主義」を実践するために、あらゆる無理解と迫害、中傷、謀略、そして数え切れない苦難を経験してきた文総裁ではありますが、その前に怨讐という概念はあり得ないのです。そうして過去の世紀に自由世界の仇敵と見られてきたソ連を訪問し、ゴルバチョフ大統領にも会い、また北朝鮮を訪問し、金日成主席にも会って、神様の真の愛を中心とする平和の原理、「頭翼思想」を訴えたのです。ために生きた上に、さらにために生きようとする真の愛を実践するために、文総裁は地の果てのどこまでも行かれるのです。
敬愛する日本の女性指導者の皆様。今この瞬間にも文総裁は、日本をアジアと世界から最も尊敬される国にならしめるために、先頭に立って道を整えています。また日本の若者たちが正しい道を行くように、昼夜を分かたず教育しています。あの純粋で、健康に活動する若者たちを御覧ください。総裁が築いた世界的な基盤を通じて、既に数多くの日本の若者が世界に出ていき、全世界の人々から限りない愛といたわりと尊敬を受けながら活躍しているのです。
文総裁は、きょうのこの夕べにも、皆様一人一人に、本当に日本を生かす道が何であるのか、勧告したいことがたくさんあるのです。私は、夫がこの国とこの国の国民をどれほど愛しているか、よく知っております。しかし今夜は、その深く大きな愛をすべて伝え切るにはあまりに不足な私だけが、一人でこの壇上に立っています。一部の偏見にとらわれた人々が、何も知らないまま無条件に迫害と反対に熱を上げていますが、文総裁の愛と真意が理解される日が一日も早く来ることを望む次第です。
皆様。日本がアジアに出ていくには、韓国と一つになって出ていってこそ、より多くの友を得て、より多くの基盤をつくることができます。近くて遠い国が、これからは近くて近い国となって、アジアの未来を共に背負って進んでいかなければなりません。日本は何よりも韓国の統一に大きな力を注ぐべきであると思います。過去の日本の韓半島支配が結局、分断という結果を招いてしまったことに対する痛切な心の傷は、統一のための真心のこもった皆様の努力によって、きれいに癒やすことができるのです。そのためにはまず、この国には民団と朝鮮総連という二つの韓国人の機構がありますが、それが一つになるように導き、統一のための基盤を整えなければならないでしょう。この二つの機構は、真の愛を中心とした「頭翼思想」によって一つになることができます。韓国と日本が互いに争えば、互いにもっているものをすべて失ってしまいます。
しかし、二つの国が力を合わせれば、未来のアジアと世界の平和建設の最も偉大な主役となるでしょう。古くから世界の精神文明を主導してきたアジアから、世界を生かす新しい女性運動、新しい家庭運動、新しい平和運動が起こることは、歴史の必然なのです。
これまで私が繰り広げてきた世界女性運動は、男性の権威に対する挑戦や、女性の権利ばかりを強調するフェミニズム運動とは、根本的にその性格を異にしています。今まで西欧社会で発展してきた女性運動は、相克的で衝突的な西洋の闘争精神を反映したフェミニズム運動ですが、私たちの運動は、互いに相応的で相補的な東洋の調和の原理が土台になった、和合の女性運動なのです。男性たちにできないこと、すなわち女性たちだけができることを探し出し、男性たちと相互補完的に協力することによって、真の家庭を建設することをその理想としています。
今日、誰も手のつけようもない最も深刻な社会問題として登場しているのは、家庭崩壊の現象です。人類の生存する基盤が、その根底から揺さぶられているのです。アメリカにおいて家庭の価値や社会道徳の問題が、大統領選挙の最も深刻な争点の一つとなっているのも、このためです。これは単に、アメリカや西ヨーロッパに限った問題ではなく、全人類的な危機なのです。日本や韓国も、その例外ではありません。経済発展と同時に、道徳的な危機を憂慮せざるを得ない段階を迎えています。これを防ぐ道は、摂理史的観点による「神主義」と「頭翼思想」を教えること以外にはありません。
特に青少年に対する道徳教育は、とても切迫した実情にあります。私は、少し前に日本で開かれた「柳寛順烈士精神宣揚大会」が、日本の多くの市民から大きな反響を得たと聞いて驚きました。もちろん東洋のジャンヌE/span>ダルクといわれる柳寛順は、若い青少年たちの愛国心を鼓舞するには最も良い手本であり資料になると思いますが、私をより深く感動させたのは、過去のぎくしゃくした関係を乗り越え、一人の人間に対する新しい相互理解の突破口を開こうという、日本国民の進取的な姿勢とその幅広い包容力でした。
世界の深刻な家庭問題を解決するため、これから特別に、日本の女性の皆様が先頭に立ってくださるようお願いします。それというのも、皆様は、長い歴史を通じて愛と犠牲の精神で皆様の家庭と国を守ってきた、世界で最も立派な女性の伝統をもっているからです。皆様の国が第二次世界大戦の廃墟から立ち上がり、世界一の経済大国にまで発展するにおいて、その隠れた主人公の役割を果たしたのは、正に女性の皆様だったことを、私はよく知っています。
伝統的に守られてきた皆様の犠牲と奉仕の美徳を、今や世界の全人類のために、与え続ける、世界的次元の真の愛へと昇華させなければならないからです。過去の二十世紀を通じて、男性たちが成し遂げられなかった平和世界の建設は、今や私たち女性の手に委ねられています。理想家庭を通じた世界平和の建設は、私たちに与えられた天命なのです。一般的に男性は自分を中心とする生活を営みますが、女性たちは自己を犠牲にする生き方をします。ですからこれからは、自分のために全体を犠牲にするのではなく、全体のために自分を犠牲にする、そのような真の愛が発揮される新しい歴史が出発しなければならないのです。
私たちは、まず「頭翼思想」で武装して立ち上がり、平和世界の主役とならなければなりません。退廃の一途をたどる家庭倫理を、私たちが立て直さなければなりません。脱線の道にさまよう青少年たちを、私たちが正しく導いてあげなければならないのです。今や女性たちが主体的に立って、世界平和に貢献する新しい転換の時代がやって来たのです。誇らしきこの平和の隊列に、皆様すべてが参加し、先頭に立ってくださることを切にお願い申し上げます。
これから開催される全国の巡回講演会のために声援を送ってくださった皆様に、もう一度感謝を申し上げ、皆様と皆様の御家庭に神様の祝福が共にあることをお祈りいたします。ありがとうございました。
日付:一九九三年九月七日
場所::アメリカ、ニューヨーク、国連本部
行事:国連本部招請講演(真のお母様)
尊敬する議長、そして敬愛する来賓と紳士淑女の皆様。きょう、このようにお越しくださり、深い感謝の意を表す次第です。皆様は国際連合の指導者として、世界を、やがて訪れる千年王国へと導くべき責任を担っています。平和で繁栄する未来に対する約束は、きょう、私たちがいかなる行動を取るかにかかっています。
御存じのように、今日の世界は、平和で幸福な世界ではなく、葛藤と絶望に満ちています。私たちは、家庭破壊と社会的道徳の退廃の問題などに直面しているのです。
私たちはこのような問題に対して幾度となく論議しましたが、解決策はいまだに見つかっていません。なぜでしょうか。本当の問題の解決策は、神様から出てこなければならないのであり、表面的な問題だけを扱うのではなく、問題の根本から明らかにしてこそ解決できる問題だからです。その根本を明らかにするために、まず神様の創造目的を理解し、私たちが神様の摂理史で最も重要な転換点に置かれているという事実を悟らなければなりません。
歴史上、このような重要な時点で、神様は私の夫である文鮮明牧師に、全世界の人々に新しい啓示を伝えるようにと指示されました。私は、そのような夫を助けてきたのですが、ここ一年間は十二ヵ国を歴訪しながら、「真の父母と成約時代」という題目で講演をしました。数週間前、アメリカ五十州巡回講演の最後に、ワシントンDCでアメリカの国会議員たちに同じ主題で演説をしました。これから国連総会の代表と来賓の皆様に、この重要なメッセージをお伝えしようと思います。
神様が人類始祖アダムとエバを創造された理想は、彼らが真の愛で完成し、真の父母として真の愛、真の生命、真の血統を備えた善の家庭を完成することでした。そのような善の家庭は、家族全体が神様のみ前に心情的に一つになった基盤の上にのみ現れることができるのです。
神様は、息子と娘としてアダムとエバを創造したとき、彼らが御自身よりも立派になることを願いました。このような話は、伝統的な考え方に反していると言えます。ですが、この点についてしばらく考えてみましょう。私たちが親の立場で我が子の顔を見つめるとき、彼らに無限の愛と希望が共にあることを願います。私たちは、子女が成長して私たちの夢をかなえてくれることを願います。
同様に、神様も、御自身の子女たちに対し限りなく与えたいと思われます。神様は一〇〇パーセント与えただけでは満足されません。御自身がもっておられるものの千倍でも与えたいと思う方が正に神様です。神様の愛は、すべてを完全に与えても、与えた事実さえも忘れてしまわれる愛です。ある人は、自分が与えたものがどれほどになるか計算し、これだけ与えたら十分だと自ら決定してしまいますが、神様は永遠という時間の中で、十分に与えたとは判断されない方なのです。
実のところ、神様が被造世界を創造された目的は、愛の相対を探し立てるためでした。親と子、夫と妻、そしてこの世のすべての万物をペアに造られた目的は、御自身の創造を通して真の愛を実現するところにありました。同じように、父母は子女のために生きるようになっており、子女たちは父母のために生きるようになっています。また、夫は妻のために、妻は夫のために生きなければなりません。被造万物のすべては、このようにために生きなければならず、与えながら生きるように創造されたのです。
もしアダムの家庭で神様の真の愛の理想が成し遂げられていたならば、正にその家庭が天国の始発点になっていたはずでした。そうして、そのような天国家庭が歴史的な発展を経て、氏族、国家、世界へと拡大し、この世界が真の愛の世界、すなわち地上天国となっていたのです。さらには、霊界でも天国が水平に拡大していたでしょう。
もし神様の根本理想が実現していたなら、メシヤはもちろんのこと神様の人類救援摂理も必要ありませんでした。一つの家庭にすぎませんが、アダムの家庭が正に、氏族、国家、世界の中心になったのです。その家庭こそが将来生まれるすべての家庭のモデルになったのです。また神様の理想世界を実現するためのモデルとなるはずでした。
しかし、人間始祖の堕落により、神様の救援摂理が始まらざるを得ませんでした。神様の救援摂理歴史は、旧約時代、新約時代、そして今日の成約時代に至るまで、複雑で苦痛な路程を経ながら、類似した路程を繰り返しながら延長を重ねてきたのです。
神様がアダムの家庭を中心として成し遂げようとされた真の家庭と天国理想は、アダムとエバが神様から離れることによって成し遂げられませんでした。堕落ゆえに、今日の現実世界も、神様の善の理想世界とは程遠い世界となりました。実際、今日の世界は偽りの世界であり、利己的な愛が氾濫しています。これは正にアダムとエバがサタンを中心とした利己的な偽りの愛を土台として、偽りの父母になったからです。彼らは善ではなく、悪を繁殖し、偽りの家庭を形成して、偽りの生命と偽りの血統をすべての家庭にもたらしたのです。こうして、偽りの氏族、偽りの国家、偽りの世界が現れるようになりました。
そのため、神様の救援摂理の目的は、アダムとエバに代わり、一人の男性と一人の女性が神様の真の愛を中心とした真の父母として復帰され、真の家庭を完成することです。そうなれば、その家庭を始発点として、真の氏族、真の国家、神様が本来理想とされた真の世界が実現されるはずでした。言い換えれば、神様の真の愛、真の生命、真の血統が育つことのできる種が創造されなければならないのです。
来賓の皆様。このように罪悪と腐敗に満ちた世界が、どうして善と愛の根源であられる神様から始まったのか不思議に思われたことはありませんか。聖書を詳しく読んでみると、アダムとエバの堕落により、アダムの家庭全体を失う結果がもたらされたことに気づくでしょう。第一に、アダムとエバが堕落によって父母の位置を失い、第二に、カインがアベルを殺害することによって子女の位置を失いました。こうして理想家庭と完成した世界を成し遂げようとされた神様の計画は崩れてしまったのです。
したがって、その本然の家庭を復帰するために、神様は堕落した経路と反対の経路を取り、先にカインとアベルの位置を復帰したのちに、真の母と真の父の位置を復帰する摂理をしなければならないのです。すなわち、真の父母を復帰するための基台として、先に子女のカインとアベルが和解しなければならないということが、復帰歴史を通して現れた神様の変わらない公式となってきたのです。
堕落した人間をカイン側とアベル側に分立する歴史が、ユダヤ教とキリスト教の歴史に繰り返し現れます。堕落によってもたらされた僧しみを取り除こうと、神様は堕落した人間を、サタンを象徴するカイン側と神様を象徴するアベル側とに分けて立てる役事をしてこられたのです。神様は、アベルが先に打たれて犠牲になる作戦をもちいてこられました。その結果として、アベルは自分が犠牲になったその基台の上に、カインを包容し、長子に与えられた祝福まで得るようになるのです。
例を挙げれば、救援の目的について見るとき、最も先を行く宗教は、いつもサタンから最もひどい迫害を受けるようになります。そのような宗教が行く道には、いつも反対がありますが、彼らは罪悪世界を救うために絶え間なく努力しながら犠牲の道を行くのです。同じように、善の人々はいつも先に打たれて犠牲になる道を歩みます。
今日、堕落した世界を見ると、至る所で、カインとアベルが闘争したように、善悪間の闘争を容易に目にすることができます。このような闘争は、一個人の心と体の葛藤から始まります。アべル側に立っている心は、カイン側に立っている体に勝つために身もだえします。個体内のこのような葛藤が、家庭、国家、世界にまで拡大するのです。
その結果、人類は常にアベルのような善の側とカインのような悪の側に分かれ、各階層で闘っているのです。
しかし、神様のみ旨は、片方がもう片方に勝って、負けた側を破壊するのではなく、両方とも復帰されることを願うのです。
このような分立の例として、イエス様が十字架にかけられたときの、アベル側である右の強盗とカイン側である左の強盗を挙げることができます。したがって、神様の救援摂理上の核心的な課題は、真の母と真の父を探し立てるための基台を造成するために、そのように分かれた二つの側を神様の創造理想を中心として一つにすることでした。
紳士淑女の皆様。もし家庭が神様の愛の理想を中心として立っていなければ、家族に対立が生じるようになります。神様の愛を絶対的な中心としなければ、やがてその家庭は壊れてしまうのです。さらには、そのような家庭が集まってできる国も、衰亡の道をたどるようになります。
最初の家庭が不貞で利己的な愛の奴隷となってしまったので、利己心と貪欲が個人、家庭、社会、国家、世界的な次元で、人類歴史を汚し続けてきたのです。正にそのような理由から、神様の復帰歴史は個人の次元から始まります。ところが、サタンもそれを知っているので、人間個々人の次元から集中攻撃をするのです。
終末である今日、利己的な個人主義が普遍的な生活様式になったことは、決して偶然ではありません。人々は日がたつにつれ、周囲からだんだんと疎外感を感じるようになり、自分の属する国家、社会、そして甚だしくは自分の家庭にさえ、さほど責任感をもたないようになっています。離婚率が日に日に増加しているという事実は、夫婦が互いに結婚に対する責任感をほとんど持ち合わせていないという証拠です。父母も子女に対してしかるべき責任をもちません。個人においても人間の尊厳性を失い、自分に対する責任すら取ろうとしません。
アメリカと世界のいくつかの国では、このような現象が一九六〇年代の青年運動とともに現れるようになりました。理想主義的な若者たちは、愛と平和を追求すると言って物質主義を排斥して立ち上がりましたが、その過程で、彼らは物質主義だけでなく人間の道徳性と責任感までも忘れてしまいました。自分たちの追求してきた真の愛を見いだせなくなると、多くの若者たちは自殺、麻薬中毒、フリーセックスに陥ってしまったのです。このような現象の中でも、神様が最も胸を痛めたのがフリーセックスです。フリーセックスこそ、神様のみ旨や家庭の理想とは完全に相反するものです。愛というものは純粋な情緒の刺激から誘発されるものですが、フリーセックスは純潔や真の情緒とは全く関係がありません。
どれほど多くの人が不倫の愛の関係や離婚のために苦痛を受けているでしょうか。一夜のかりそめの愛、そのどこに神様が臨在されるのでしょうか。親から性的暴行を受ける子女たちは、どんなに悪夢でうなされるでしょうか。親のフリーセックスで片親の子女が生まれてもよいのでしょうか。
同性愛、フリーセックス、麻薬、そしてアルコール中毒が横行するところは、真の愛とはかけ離れています。今日サタンは包み隠しもせずに、「酒を飲め。煙草を吸え。麻薬を使え。フリーセックスを楽しめ!」といって扇動しています。一方、神様のみ旨を成就するために働く人たちは、それとは一八〇度異なる人生を生きています。歴史的に自己の犠牲を甘受しながら霊的な価値を追求する道を歩んできた人たちは、異なる人生を生きる人たちから形容し難い反対と迫害を受けてきました。
例を挙げるなら、全世界的な反対をものともせずに統一教会が発展できたのは、ひとえに神様の愛と祝福のゆえでした。戦争で灰と化した韓国の地で無名の教会として出発した統一教会が、三十八年で世界的な宗教にまで成長した事実だけを見ても、神様が絶えず導かれ、お守りくださっていることが分かります。
今も統一教会に反対し、根拠のないうわさを広めながら統一教会の宗教活動を妨げようとする人たちがいます。重ねて申し上げますが、サタンはいつも神様が最も大事にされるものを先に打ちます。しかし、神様のみ旨に逆らう道を行く人たちは、決して繁栄することができません。神様の側に立ち、不当な迫害に耐え抜く人々が天の祝福を取り戻すことのできる権限を獲得するという原理が真理であることを知るようになります。神様の作戦は常に、先に打たれてから取り戻してくるのです。
紳士淑女の皆様。聖書を見るとエバが先に神様の命令に背いてサタンと関係を結んだとあります。堕落によってエバはもちろん、アダムとその息子であるカインとアベルまでも、利己心と偽りの愛を中心としたサタンの血統を受けるようになりました。このようにサタンによって原理軌道を離脱したアダムとエバの子孫になった私たち人類は、誰しもがサタンの血統を受けて生まれているのです。このような理由から、イエス様はヨハネによる福音書第八章四十四節で、「あなたがたは自分の父、すなわち、悪魔から出てきた者であって」といって叱責されたのです。
旧約聖書を見ると、「目には目、歯には歯」という公式に従って救援摂理を展開してきたように説明されています。『原理講論』では、過ちに対する復帰過程について「蕩減を払う」と表現しています。堕落したエバが自らの失敗を復帰するためには、すべての責任を一人で負わなければなりませんでした。エバは自らの堕落行為と反対の経路をたどって再び正し、堕落のすべての段階を、霊的、肉的両面で復帰しなければならなかったのです。エバが次子であるアベルを助け、神様のみ旨に従うように協助しなければならないというのが天のみ旨でした。創世記を見ると分かるように、神様はアベルが捧げた供え物を受けられました。しかし、それがアベルに期待したことのすべてではありませんでした。アベルの愛を通して、カインはアベルのことを神様が選んだ人として認め、彼と一つになることを期待し、エバが彼らを助けて、二人の兄弟が一つになることを願われたのです。
カインとアベルが一つになっていれば、堕落によってもたらされた二つの問題のち、二番目のものは解決されるはずでした。エバを中心としてカインとアベルが一つになったならば、アダムの家庭全体を復帰できる基台を造成していたのです。摂理歴史を通し、堕落したエバの役割を代行し、カイン的人物とアベル的人物を一つにさせるために神様から召された特別な女性たちが、エバと同じ使命を遂行するのを見ることができます。
聖書に出てくるこのような特別な女性の一人がイサクの妻リベカです。ヤコブとエサウの母である、イサクの家庭のリベカは、アダムの家庭におけるエバと同じ立場にいました。
しかし、リベカは、エバとは違って神様の摂理を理解し、次子ヤコブを協助して、長子エサウが受けるべき祝福を次子が代わりに受けるようにしました。長子エサウはヤコブに祝福が降りたことを知って、カインがアベルの命を奪ったように、弟ヤコブの命を奪おうとしました。しかし、リベカの母子協助とヤコブの努力によって、結局この二人の兄弟は暴力を行使することなく抱き合って和解しました。
この和解は、神様の摂理上、重要な勝利となりました。しかし、それは象徴的な血統転換を意味するにすぎなかったのです。実質的な血統復帰は、腹中で行われなければなりませんでした。これが正にタマルに関する逆説的な物語です。リベカのようにタマルもまた、堕落したエバの立場にあったことを理解すると、彼女の血統であるユダ族の中からイエス様がお生まれになったその理由を理解することができます。
皆様も、聖書でタマルが生んだ双子の息子にまつわる物語を読まれたことと思います。彼女は舅であるユダと関係をもち、双子の息子ペレズとゼラを身ごもりました。聖書には、その二人の息子は母の腹中で長子権をかけて闘ったことが記録されています。
タマルが出産するとき、ゼラの手が母のおなかの中から先に出たのですが、産婆がその手首に赤い糸を結ぶとその手は再び母の腹中へと入り、手首に赤い糸を結んでいないペレズが先に生まれました。このようにしてカインとアベルの位置が、生まれる前の母胎で転換されたのです。イスラエル民族がメシヤを迎える選民としての摂理は、正にこの時から始まったのです。
伝統的な道徳観から見れば、リベカとタマルに関する物語は多くの疑問が提起される内容です。それにもかかわらず、なぜ神様が彼女たちに祝福を与えられたのかという問題は、今日まで神学界の謎となっています。実は、神様はイエス様の誕生のために、サタンから神様の血統を取り戻す必要がありました。このように探し立てた純潔で真の愛の血統の基盤の上に、イスラエルの国は成長し始めました。イスラエルという言葉は、勝利を意味します。この二人の女性の勝利によって、血統の復帰がなされたのです。
それからユダの勝利圏は代を重ねながら発展し、氏族、社会、国家基準へと拡大していきました。正にこの血統を受け継いで、二千年後のイスラエルにマリヤが生まれたのです。マリヤには、しかるべき蕩減条件を立てて長子権を復帰することによって、家庭、氏族、国家基準でカイン型とアベル型を一つに結ばなければならない責任がありました。マリヤは他の人たちの目から見れば、彼女の親と、彼女が婚約した男性ヨセフを裏切ったことになりましたが、神様の命令を受けてイエス様を身ごもりました。
その当時は、結婚していない女性が他の男性の子女を身ごもるようになれば、石で打ち殺されるのがならわしとなっていました。しかし、アダムの立場に立っていたヨセフは勇敢に立ち上がり、婚約者マリヤを捨てることなく保護しました。マリヤの信仰とリベカとタマルの貢献で、サタンはマリヤの腹中にいるイエス様に対し、所有権を主張できなかったのです。
ですからイエス様は、神様の完全な直系の血統である真の息子の位置でお生まれになりました。イエス様は堕落した血統を善の血統に転換した後に生まれた、神様の最初の真の息子でした。
正にその理由で、神様のひとり子として生まれたイエス様は、すべての聖人の中の聖人であり、神様の真の血統の先祖となるのです。イエス様の誕生は、国家的次元の旧約時代を終結させ、世界的次元の新約時代を開門する意味があります。マリヤは、堕落したエバを復帰した位置まで進むべき立場で、アベルの位置に立っていたイエス様とカインの位置に立っていたイエス様の従兄である洗礼ヨハネを一つにしなければなりませんでした。この二人が一つになることは、イスラエルの民がイエス様をメシヤとして受け入れるための決定的な鍵だったのです。
洗礼ヨハネは兄の立場でした。多くの人々が彼に付き従い、広く尊敬される位置に立っていました。イエス様が弟子たちに語ったように、洗礼ヨハネの使命は、「来られる主の道をまっすぐにするためにエリヤが先に来る」という旧約聖書の預言を成就することでした。
それでは、神様の摂理を中心として見たときに、いったい洗礼ヨハネは使命を果たしたのでしょうか。ルカによる福音書を見ると、洗礼ヨハネはエリヤの権勢と使命をもって来たとあります。しかし、洗礼ヨハネは自らエリヤであることを否定し、ヨルダン河でイエス様に洗礼を施すときに、天からはっきりとした啓示を受けたにもかかわらず、イエス様がメシヤであることを疑ったのです。また、その当時の人々の目には、洗礼ヨハネは宗教指導者として非常に尊敬される人物である一方、イエス様は貧しい大工の家に生まれた私生児として映ったのです。したがって、洗礼ヨハネの協力なしには当時のユダヤ人たちがイエス様を信じてついていくことは不可能なことでした。しかし、イエス様はたつた一人で、御自身がメシヤであることを宣布していかなければならない困難な道を歩まれたのです。
洗礼ヨハネは、イエス様がイスラエルの宗教指導者となることができるように助けるべきでした。もし、その当時、洗礼ヨハネがその使命を果たしていたならば、アベルの立場にあるユダヤ教とカインの立場にあるイスラエルの国がイエス様を中心として一つとなっていたでしょう。
このように、カイン的存在とアベル的存在が一つとなっていたなら、そのときに「小羊の婚宴」のための基台が造成されたのです。イエス様は人類の真の父となり、新婦は人類の真の母となるはずでした。イエス様の福音は、七年以内、すなわち彼が四十歳になる前に、世界的に急速に伝播され、アジアとローマまでも取り戻すことができたのです。究極的にイエス様は、新婦と共に、個人天国、家庭天国、氏族天国、国家天国を完成することができたはずでした。
しかし、このような栄光の夢は実現しませんでした。宗教人であると自負する人たちがイエス様のみ言を拒み、イエス様を十字架上へと追い込んだのです。イスラエル民族の不信に直面したイエス様は、人類のために霊的救いの道だけでも開くために、命を差し出すことを決心したのです。しかし、イエス様は、霊的救いに加えて肉的救いを行うために再び来なければならないことを御存じでした。
ですから、人間の心はイエス様を通して神様に近づくことができますが、体はいまだに悪の誘惑を受け続けているのです。使徒パウロも、肉身の欲望と心の欲望との葛藤で煩悶しました。キリスト教の多くの偉大な伝道者たちも、このような矛盾ゆえに苦しんできました。ですから、成約時代が開かれて直面している主要な課題は、いかにして霊的救いと肉的救いを受けるかということです。
イエス様が十字架に架かって亡くなられることにより、イエス様と共に処刑された両側の強盗に象徴される左翼と右翼の闘争が始まりました。これは、アダムの堕落によってカインとアベルが分かれたのと同じです。同様に、キリスト教とイスラームが出現し、争いを始めました。このような分立闘争はイエス様が十字架に架かって亡くなられることによって引き起こされたので、神様は再臨のときに、これらカイン側とアベル側を一つにするために役事されるのです。
神様は再臨を準備するために、カインとアベルが世界的次元で一体化した基台が必要でした。この基台は、第二次世界大戦を中心として造成されました。キリスト教圏を代表したイギリス、アメリカ、フランスの連合国はアベル圏です。国粋的軍国主義の影響下の枢軸国だったドイツ、日本、イタリアはカイン圏です。この戦争は、カインとアベルの闘いが世界的次元へと拡大したものです。
連合国が勝利した直後、キリスト教を中心として世界平和を具現するための大々的な努力がありました。イギリスは世界的なエバの位置に、そしてフランスとアメリカはそれぞれカインとアベルの位置に立って、共に再臨主を迎える準備を完了した状態にありました。
しかし、このような準備が整ったにもかかわらず、神様の救援摂理は、その当時に完成されませんでした。神様の代身者が神様のみ言を携えてきましたが、二千年前のイエス様のように、その方はあまりにもひどい迫害とほぼ全世界的と言える誤解を受けるようになりました。イエス様のときに、天から火の車に乗って降りてくるエリヤの再臨をイスラエルの民が待ち望んでいたように、キリスト教信徒たちは、イエス様御自身が雲に乗って天から降りてこられることを期待しながら再臨主を待ち望んでいたのです。
ヨハネの黙示録を見ると、イエス様の再臨について語られたみ言の中に、イエス様が新しい名をもって来るという内容があります(三Espan
lang=JA style='font-family:"MS Mincho";mso-bidi-font-family:"MS Mincho"'>一二)。これは正にエリヤの再臨がそうだったように、イエス様も再臨の時には他の人の姿で来られることを予示したものです。
第二次世界大戦以後、その重要な時期に、神様は私の夫に、韓国のキリスト教徒に新しい真理のみ言を伝えるように指示されました。ところが、韓国のキリスト教の指導者たちは、このみすぼらしい青年が新しいみ言を伝える機会を剥奪しました。イエス様の当時、ユダヤ人たちがイエス様の権限を不信したように、韓国のキリスト教の指導者たちも再臨主が人の姿で地上に生まれるという事実を信じることができなかったのです。
もしもその当時に、キリスト教が私の夫と一つになっていたなら、地上世界はもちろん、天上世界までも天国を成したはずです。新約時代が終わる一九四五年から一九五二年までの七年間に、神様の摂理に従って全世界が一つに統一されていたはずです。
彼ら宗教指導者は、私の夫と一つになることはおろか、夫に付き従う人たちが増えることを嫉みました。私の夫の話を聞くこともせず、盲目的に反対しました。甚だしくはうそまでつきました。彼らは人格を抹殺しようとして、私の夫の教えとは正反対の淫乱の教祖と強欲の中傷を広めたのです。
神様は、キリスト教を育て発展させて、再臨主のための道を整えさせるために、アメリカのような強力なキリスト教国家を立てられました。彼らが悟ろうが悟るまいが、その当時、韓国のキリスト教の牧師たちは全世界のキリスト教を代表する位置に立っていました。第二次世界大戦後、アメリカと世界のキリスト教が私の夫と一つになれなかったので、彼らはそのときから下り坂に差しかかり始め、彼らの道徳的権威も失墜し始めたのです。
第二次世界大戦後、アメリカとキリスト教は、カインとアベルが一つになった勝利的な基台の上に立っていました。再臨主を迎える時が熟していました。しかし、その良い機会は実現せず、全世界が私の夫の活動に反対するようになり、夫は荒野へと追い出されました。どん底まで落とされ、そのときから再び上がってきたのです。
そうして冷戦が始まりました。第二次世界大戦の期間中、二つの側に分かれていたように、世界は再びカイン圏とアベル圏とに分かれました。イエス様の左側にかかった強盗のように、神様を否定する共産主義はカイン側の世界です。右の強盗のように神様の存在を認めるキリスト教民主主義はアベル側の世界です。
再び来られる主は、神様のみ旨に従って、このように敵対関係にある二つの世界を一つにしなければならないのです。ですから、私たちは教会組織を動員し、自由世界を代表する右翼と、共産世界に代表される左翼との対決を終息させるために最善を尽くしました。また、私たちはユダヤ教とキリスト教に代わる位置でムスリムとの和解を促進する役割をしてきました。
過去四十年の冷戦の期間中、夫は、失った四千年のメシヤを迎えるための基台を再造成しようと個人的、家庭的、氏族的、国家的、世界的な障壁を崩すために闘争しました。夫は、四百年や四千年も生きることができないので、この短い四十年の間に全人類の歴史を蕩減しなければならないことを知っていました。
この四十年間で、私の夫はアダムからイエス様の誕生までの四千年の歴史と、これまでの六千年の聖書歴史を蕩減復帰したのです。このような蕩減を払ったのちに、ついに、カイン側の国家とアべル側の国家との冷戦が終わったのです。この課業は、世界の百六十ヵ国が韓国を訪れソウルEspan
lang=JA style='font-family:"MS Mincho";mso-bidi-font-family:"MS Mincho"'>オリンピックが開かれた一九八八年に、統一教会によって完了しました。
過去数十年間、私の夫は言いようのない無理解の中で生きてきました。北朝鮮の共産主義治下で強制労働収容所に連れていかれ、三年間も牢獄生活をするなど、神様の仕事をする中で、これまで六度も無実の罪で牢獄暮らしをしたのです。その上言論は、夫が私利私欲のために若者たちを洗脳する悪魔のような者であるといって罵倒しました。
皆様の中で、文鮮明牧師こそ全世界的に最も多く迫害を受けた宗教指導者だということに異議を唱える方はいらっしゃいますか。私の夫がいかなる苦痛を受けてきたのかを思うと私の胸は張り裂けるように痛みます。しかし、夫はいつも、「神様の摂理を遂行する中で迫害に遭う者に対して、神様は深く理解しておられる」と言い、かえって私を慰労してくれました。夫と私は、旧約時代と新約時代を含む歴史上のすべての失敗を復帰するために、明確な目的をもって蕩減の道を歩んできました。
韓国は旧約時代に例えることができます。一方、アメリカはキリスト教文化が最高に開花した国として、新約時代に例えることができます。最初の二十年間、私の夫は韓国において、イスラエル国家の立場である韓国とユダヤ教の立場である統一教会を中心として、旧約時代の蕩減路程を歩みました。この基台の上に私たちは、一九六〇年に国家的な基盤の上で、家庭的な次元の真の父母の聖婚式を挙行しました。
その後、一九七一年に、夫と私はアメリカに来ました。過去二十年間私たちは、アメリカで新約時代を完成し、成約時代を出発するための蕩減路程を歩みました。その結果、私たちは神様を中心とした真の愛、真の生命、真の血統の根源となる真の父母の家庭を探し立てることができたのです。
神様が私の夫に啓示してくださった原理が、『原理講論』という本として出版されています。摂理史的観点から、人類歴史と聖書の内容を考察するとき、『原理講論』は、数千年間人類が解き得なかった疑問を解いてくれます。特に、『原理講論』の内容を真剣に研究した人たちは、この本こそが、神様が下さった真の贈り物であり、今日、私たちの社会が直面している問題を解決できる唯一の解決策が載っていると強調しています。
また、ほんの少し前まで共産主義を信奉していた国々においても、数多くの旧ソ連時代の政府指導者たちと数千人の若い青年たちが、「神主義」または「頭翼思想」として知られている私たちの教えを研究し、新しい人生を見いだしています。ついに共産主義思想の抑圧から解放された彼らは、自分たちの国家を導くことのできる霊的な真理を渇望しているのです。それ以外にも、若者たちに希望を与え、新しい生命を植えつけてくれる『原理講論』の威力に対する証は、数え切れないほどたくさんあります。
昨年私たちは、韓国で三万組の合同結婚式を挙行したのですが、彼らは、命を懸けて互いのために、そして世界と神様のために生きようと立ち上がった人たちです。今日、多くの家庭では、親でさえ子を正しく導くことができない状態になっています。特に、愛や結婚などのような個人的な問題については言うまでもありません。しかし、夫と私は世界百三十一ヵ国から若者たちを呼び集め、歴史的な儀式を経て、彼らの最も大切な愛の夢を成し遂げてあげたのです。
この出来事こそは、正に現代における偉大な奇跡です。将来人々がこのように貴い家庭の価値を理解するようになる時には、数百万人の人々が、このような祝福結婚を望むようになるでしょう。神様はそのような家庭を通して、サタンが破壊してしまった家庭を復帰されるのです。このように、神様を中心として復帰された家庭が集まって、理想国家と理想世界を構築するようになるのです。
親愛なる皆様。イエス様がメシヤの降臨について語られた内容を見ると、新郎が来るのを待つ新婦の例え話があります。これは復帰されたアダムとエバとして、本来の男性と女性の位置が立てられ、真の男性と女性の平等圏まで行くことを意味します。最初にキリスト教が新郎を迎えることに失敗したので、神様の摂理は一九九二年まで四十年間延長されました。このような復帰歴史上の転換点で、真の母の位置にいる女性が真の父を迎える世界を準備しなければなりません。
そうして、一九九二年の四月、夫と私は「世界平和女性連合」を創設しました。昨年一年間、私は真の母の心情でロシアと中国はもちろん、韓国、イギリス、アメリカ、フランス、日本、ドイツ、イタリアを訪問しました。各国で女性たちを集めて糾合し、「世界平和女性連合」の支部を創設しました。このようなことを中心として、第二次世界大戦と冷戦以来、カインとアベルの関係に分かれていた国々が、真の母を迎えて真の父に侍る基台を造成するために再び一つになったのです。このような基台の上に、夫と私は初の真の父母として世界的な水準に上ることができました。私たち夫婦は、真の父母として成約時代を先導しています。
このような歴史的な転換点に立った私たちは、神様を中心として個人の心と体が統一されなければならないという原理を、世界的な次元で実践しなければならないのです。このような目的を達成するため、私たちは世界平和を具現する二つの組織を創設しました。
「世界平和宗教連合」は心の世界を代表し、神様の愛を基盤として世界の宗教を一つに結ぶ内的使命を帯びている組織です。一方、「世界平和連合」は体の世界を代表し、世界的な政治界、経済界、言論界、学会、科学、芸術分野の指導者たちと共に理想世界を建設する外的な使命を帯びています。
縦的な観点から愛を見るとアダムとエバは、自ら子女の愛、兄弟姉妹の愛、夫婦の愛、父母の愛の四大愛を啓発し、体恤することによって、神様と直接、関係を結んで生きるようになっていました。したがって、アダムとエバは、本来神様の真の愛を中心として、四大心情圏である完成した子女、完成した兄弟姉妹、愛する夫婦、そして完成した父母の心情圏を経なければならなかったのです。そうして、彼らは完成した家庭を築かなければなりませんでした。
アダムとエバは、家族たちの模範となる生活をしなければなりませんでした。子女たちは、親である彼らを理想的な標本として侍って生きなければならなかったのです。子女たちは、親が自分たちを愛するように、互いに愛し合う兄弟姉妹となっていたでしょう。結婚した夫婦としても、その親の愛を手本として、理想的な夫婦間の愛を学んだはずでした。最後には彼らも子女を生むようになり、彼らの親が見せてくれた先例に従って、もつ一つの完全な家庭を完成していたはずです。父母と子女、兄弟と兄弟、そして夫と妻が、縦的、横的両面で一つになった、理想的で破綻のない家庭を完成することによって、私たちは、地上はもちろん、天上までも天国を建設できる基台を造成するようになるのです。そうして、神様を中心とした一組の先祖から生まれた世界のすべての家庭は、アダムとエバと同じ神聖な価値をもつようになるのです。
完成した各家庭では、祖父母は神様と善の先祖を代表し、王と女王の位置に立つようになるでしょう。父母は現在の人類を代表し、王と女王の位置に立つようになります。そして子女は未来の子孫たちを代表する位置で、王子と王女の位置に立つようになるのです。この三代が一つになるとき、過去、現在、未来が共に仲睦まじく暮らすようになるのです。
紳士淑女の皆様。私はきょう、人類初の真の家庭の完成を皆様に宣布することができ、大変光栄に存じます。夫と私は十三人の子女と二十人の孫と共に、神様と人類のために絶対的な信念をもって献身しています。三代が一つの家庭で共に暮らしながら、私たちは家庭的な次元で、聖書に言及されている生命の木の中心の根(祖父母)、中心の幹(父母)、そして中心の芽(子女)を確立しました。皆様も、理想国家と理想世界を創建するための私たちの努力に協力し、それによって、このような善の血統に象徴的に接ぎ木されることを心から願います。また、それは正に成約時代の出発を意味するのです。
紳士淑女の皆様。成約時代が開かれる今の時代は、世界救援摂理を完遂するメシヤ的使命を各家庭が果たさなければならない時です。皆様の家族を復帰した後に、皆様の氏族と国家と世界を救わなければなりません。私たちはこのような使命をもった人を氏族的メシヤと言います。
成約時代においては、母の役割が重要です。母は子女と夫を一つに結び、家族を真の父母と連結しなければなりません。既に私たちは数多くの氏族的メシヤを全世界に派遣しました。遠からず、本然の家庭理想が全世界で実現されるでしょう。世界が成約時代へと突入すれば、私たちは再び神様に侍って生きるようになるでしょう。これを悟った私たちは、心と体、父母と子女、そして夫と妻が一つにならなければなりません。そうして、神様の愛を中心とした理想家庭を完成することができるのです。
そのような家庭が立てられれば、今日、腐敗し病んだ社会の兆候がきれいになくなるのです。神様の子女としての確信をもつことで、これ以上アルコールや麻薬中毒などの誘惑に陥ることはないでしょう。そして、夫婦間の愛の神聖さを知るようになるので、私たちはいかなるたぐいの不信仰や乱れた性生活にも対処する強い道徳観を確立するようになるでしょう。
最後に、私たちは一つになって、戦争、人種差別、世界的飢餓のような問題を根絶するために活動していきます。このような基台の上に、私たちは真の幸福の世界、真の自由の世界、真の平和の世界を具現できるようになるでしょう。そのような世界では、窮乏する人を心から同情し、世界各国は世界の平和と正義を維持するために自然と互いに協力するようになるのです。
今日私たちがボスニアEspan
style='font-family:"MS Mincho";mso-fareast-font-family:"Times New Roman";
mso-bidi-font-family:"MS Mincho"'>ヘルツェゴビナ紛争で見る悲劇的状況が起これば、効果的に物質的支援をし、事態を平和的に解決できるよう、関係諸国に迅速に統一された決定を下すことを断固として促します。そうして、これが人類に対する神様のビジョンであることを理解し、苦痛と葛藤で苦しむ世界の各地に平和と和解が実現するよう、すべての国が神様に侍り一つの共同体として団結しなければなりません。
敬愛する来賓と紳士淑女の皆様。きょうこの場にお集まりになった皆様は、たとえ宗教が異なり、国籍が違ったとしても、深い心情で心の扉を大きく開き、私がお伝えしたメッセージを御理解してくださることを願ってやみません。神様のみ旨に従い、私たちが神様の祝福圏にまで進むことができるよう切に祈ります。皆様と皆様の御家庭と国家に、神様の祝福が共にあることを願います。どうもありがとうございました。
9.二十一世紀と女性の使命
9.二十一世紀と女性の使命
日付:一九九四年十月十二日
場所:韓国、ソウル、リトルE/span>エンジェルス芸術会館
行事:韓E/span>中女性指導者セミナー(真のお母様)
中国からお越しいただいた女性指導者の皆様と国内各界の女性指導者の皆様、そして「世界平和女性連合」の幹部の皆様。きょう、韓国と中国の二国の女性指導者が一堂に会し、平和世界を模索し、また世界女性時代の到来を確認するこの場において、私が激励の言葉をお伝えできますことを光栄に思います。
二十一世紀を数年後に控えた私たちは、激動の二十世紀とともに、また別の新世紀を自らの生涯の中で経験できる特別な立場にある人たちです。これは単に二つの世紀にわたって生きるという意味だけではありません。人類歴史を貫く摂理は二千年を単位として進行するので、二十世紀を締めくくり、二十一世紀を準備することの意義は、実に大きなものなのです。
歴史とは移り変わるものではありますが、今世紀はその変化の幅があまりにも大きく、予測ができないがゆえに、現代の人々は恐れさえも抱くようになるのです。科学技術が高度に発達した未来社会は、果たして人類に幸福ばかりをもたらしてくれるのでしょうか。何年かのちに近づく二十一世紀の人類は、高次元の情報化社会において、いかなる生活様式で暮らすようになるのでしょうか。未来を暗くする人類が直面している数々の問題は、いかに解決されるのでしょうか。倫理と道徳と新しい価値観の確立の問題、犯罪と麻薬、エイズ問題、青少年問題、戦争と飢餓、宗教紛争などは、どのように解決するのでしょうか。このような問題に対する根本的な解決がない限り、二十一世紀にかける人類の夢は決してかなうことはないでしょう。今や、各国の個別的な問題としてではなく、人類の全体的な問題として解かなければなりません。天から啓示された新しい真理によって、問題が解決され、将来が明確に予見されなければならない時なのです。
二十一世紀を目前に控えた女性たちは、これまで女性の真の価値を知らない男性たちから、きちんとした待遇を受けられませんでした。十九世紀の西欧における女性の参政権獲得運動から始まった近世以降の女性運動は、女性解放の旗印のもとに発展してきました。フェミニズム、男女平等、女性労働運動など、主に男性を相手とした女権回復の運動でした。このように女性運動の主流は、女性だけのために男性と対決する形態が大半でした。しかし、私が「世界平和女性連合」を通して展開する運動は、これとは異なるものです。神様の創造理想を中心とした新しい理念基盤の上で推進される、女性だけのためではなく、全体のための女性運動なのです。
男性優越論者は、男性と女性がその生まれながらにしてもつ気質と役割ゆえに、自然と男性が優越した位置に定まったと主張します。言い換えれば、男性と女性は、その気質が生まれたときから異なり、それに従って男性と女性の役割が異なるようになり、それによって男性と女性の身分と位置が上下の地位、すなわち男性優位に定まったという理論です。これまでフェミニストたちは、この理論に過敏な反応で立ち向かってきたと思います。女性は、あらゆる面で男性のまねをし、また男性のような役割を受け持つことによって、男性と対等な地位を確保しようと努力してきました。
それにもかかわらず、完全な男女平等は成し遂げられませんでした。これは問題の本質を知らなかったからです。女性の役割が男性と異なり、その生まれながらにしてもつ気質が男性と区別されたからといって、女性の価値が男性よりも劣り、その地位が低いわけではありません。女性の不幸は、女性が神様からもらい受けた本性と役割がいかに貴いものかを知らないところに由来しているのです。多くの女性たちが、自分のもっているものを忘れたまま、別な一方の男性の気質と役割を女性の標本であるかのように、まねしようというところから問題が引き起こされてきたというのです。
敬愛する女性指導者の皆様。女性は、無形の神様の性相と形状、そして陽と陰の二性のうちの一性を代表する個性真理体です。ですから、女性は、もう片方の神様の一性を代表する男性と競争関係にあるのではありません。また男性の単なる補助者ではなく、男性を全きものにしてあげるべき独立したパートナーなのです。神様は、男性と女性の人間を造られるとき、それぞれを互いの理想的対象体として立て、真の愛によって一つになるようにしました。
真の愛の理想を中心として見ると、女性は男性の完全な愛の対象であり、価値から見て、男性と女性は絶対平等の存在なのです。ここにおいて、男性と女性の気質が異なることは問題になり得ず、かえってそれが愛の刺激を誘発する要因となるのです。本来、真の愛によって一つになった男性と女性は、互いに同じ地位となる同位権をもつようになります。また真の愛によって一つになった男性と女性は、いつどこでも共にする同参権をもちます。さらには、真の愛によって一つになった男性と女性は、互いのものを第二の自分のものとして共有する相続権を得るのです。このように、神様の真の愛の理想のもとに一つになった男性と女性は、同位権と同参権だけではなく、互いのものをもつことによって価値的に完全に平等な存在となるように創造されたのです。
したがって男性と女性は、相手の気質と役割をまねたり、それを羨んで取得したりする必要のある対立関係ではありません。真の愛によって、自分のものを相手に与えることによって、相手側をさらに完成させてあげながら一つになることによって、互いを共有する関係なのです。
女性指導者の皆様。女性は、神様が女性だけにお許しになった貴い本性と愛情をもち、子女を身ごもり養育しながら家庭を指導するという、重要な役割をもっています。女性は、愛の結実を抱き、育てる自己犠牲を通して、一族と人類の代を継いでいきます。外的な母親の労苦も重要ですが、胎教から子女の心性を正しく育て、人格を涵養する母性の役割というものは崇高なものです。
今後人類は、だんだんと世界化と多元化が進む社会の中で暮らさざるを得ません。未来の世界において、女性の崇高な役割は、家庭単位ではもちろんのこと、社会全体が切実に求めるようになるでしょう。つまり、人類の未来全体を宿し、生んで養育することが、歴史的な次元の母親の役割であると言えます。母性の役割がないとするならば、人類の希望と明るい将来はどこに宿るというのでしょうか。未来の主役である善男善女たちはどこから生まれ、誰から基礎教育を受けるのでしょうか。
敬愛する女性代表の皆様。歴史は長い間、男性主導のもとに続いてきました。ほとんどの男性たちは力によって人類を誤った方向に導いたのであり、葛藤と分裂、そして不条理な社会をつくってきました。そのように、歴史の遺産として山積し、清算すべき問題として直面している課題もまた多いのです。人類が二十一世紀を希望の中で迎えるためには、今や女性の役割が絶対的に必要とされるようになったのです。真の父母を中心として天運と共に到来した女性時代を迎え、世界の女性たちは、施しを実践する真の愛運動を生活化し、新しい家庭と新しい社会をつくっていかなければなりません。一つの世界家族として共に暮らすべき二十一世紀に向かう、そのような国際化と世界化の趨勢の前に大きな障害要因となるのは、極端な個人主義と利己主義です。しかし、その道へと突き進む人の心は、真の愛によってのみ克服することができるのです。
真の母と一つになった女性が、愛の感化力によって天道にかなった子女を養育し、母子協助によって夫を全きものにしてあげ、理想家庭を築かなければなりません。これは正に真の父母の真の愛、真の生命、真の血統を受け継ぐ運動なのです。このように立てられた理想家庭を通して理想的な社会、理想的な国家、理想的な世界を創建していかなければなりません。女性指導者の皆様は、この運動の主役となってくださることを願います。
この目標を達成するために、自覚した各国の女性たちの協力と国際的な活動が求められています。各国の指導者たちは世界の共同利益を国益よりも優先しなければならない地球環境の条件と国際関係を切実に感じて実践する時が来るでしょう。
今回の韓中女性指導者たちの集まりと交流が、理想世界を成し遂げるための国際的な女性活動の模範となることを期待します。国境と人種と宗教理念の壁を跳び越え、一つの世界を指向する歴史の進行の前に、両国の女性指導者たちの協力が、アジアの平和はもちろん、世界の平和を成就する転機となることを祈りながら、激励の言葉を終わりにします。
10.世界平和と女性の役割II
10.世界平和と女性の役割II
日付:二〇〇二年四月十日
場所:韓国、ソウル、リトル・エンジェルス芸術会館
行事:「世界平和女性連合」創立10周年記念式(真のお母様)
尊敬する内外の貴賓、各界の女性指導者、そして会員の皆様。きょう私は、「世界平和女性連合」の創立から、これまでの十年間、愛で導いてくださった神様に深い感謝を捧げながら、あふれんばかりの感慨をもってこの場に立ちました。「世界平和女性連合」は、「女性時代の到来」を宣布するとともに、女性平和運動の中枢機関として、私の夫であり、共同創始者である文鮮明総裁によって創立されました。
本連合は決して、この世の一つのありふれた女性団体として出発したのではありません。それは第一に、真の父母理想を中心とした神様の創造理想世界実現のための摂理史的意義をもって創設されたからです。第二に、女権拡張、男女平等、女性労働運動など、主に男性を相手とした外向的で闘争的なフェミニズム運動ではないからです。文総裁の教えによると女性というのは、男性と対決、闘争する存在ではなく、無形の神様の性相と形状、陽性と陰性の二性のうちの一性を代表した個性真理体なのです。
ですから、女性は男性の単なる補助者や保護の対象ではなく、神様の片方の一性を代表した立場で、むしろ男性を全きものにしてあげる独立した人格者です。真の愛の理想を中心として、女性は男性の貴い愛の対象者です。価値から見て、男性と女性は絶対平等な存在なのです。本然の真の愛で一つになった男性と女性は、互いに同じ地位になる同位権をもつようになります。また、いつどこでも共にいる同参権をもちます。
さらには互いのものを第二の自分のものとして共有する相続権を得るようになります。このように神様の真の愛の理想のもとに一つになった男性と女性は、同位権と同参権だけではなく、互いのものを共有することによって、価値的に完全に平等な存在となるように創造されました。ですから、男性と女性は、相手の特性や気質、役割をまねたり、それを羨(うらや)んで奪ったりする必要がある対立と敵対の関係ではありません。真の愛で自分のものを相手に分け与え、相手側をさらに完成させてあげながら、より大きな次元で一つになることによって互いに共有する関係なのです。
女性は、神様が女性だけにお与えになった貴い本性と女性特有の愛情をもち、子女を身ごもり養育しながら家庭を指導するという、重要な役割をもっています。女性は、愛の結実を抱いて育てる自己犠牲を通して、一族の血統を継いでいきます。胎教から子女の心性を正しく育て、人格を涵養する母性の役割というものは崇高なものです。人類は、だんだんと世界化と多元化が進む社会の中で、互いに共に暮らさざるを得ません。未来の文化世界において、女性の崇高な役割は、家庭単位ではもちろんのこと、社会、国家、世界で絶対的なものとして公認されるでしょう。
人類の未来全体を宿し、生んで養育することが、歴史的次元の崇高な母の役割だからです。母性の役割が無視されるならば、人類の希望と将来はどこに宿るというのでしょうか。このような意味で、本連合の世界平和運動は、固有の領域と共に、摂理的意義をもっていることに対して、会員の皆様は誇りをもたなければなりません。そして真の父母様の直接的な指導のもとで、誇らしい活動をしてきたことに感謝しなければなりません。
私は過去十年間、国連本部、そしてアメリカ、日本など多くの国の国会議事堂での講演、数々の国際大会での基調演説など、世界的に数百回の講演をしてきました。少なくは数百人、多くは十万人を超える人々を前に、教育を兼ねた講演をしました。北米大陸、ヨーロッパ、ロシア、中国、アジア、オセアニア、アフリカの奥地に至るまで、五大洋六大州を何度も巡回しながら「女性時代の到来」を宣布し、世界平和と女性の役割について教育してきています。
それとともに、倫理と道徳と新しい価値観の確立問題、青少年の腐敗と家庭破壊、未婚の母の問題、エイズ、麻薬犯罪の問題など、深刻な危機に処した現代文明を診断し、警鐘を鳴らしてきました。今や各国で自覚した女性たちによる救国救世の運動が起きながら、希望的な基盤が造成されつつあります。世界百八十ヵ国以上の会員の皆様の積極的な参加によって、驚くべき実績が成し遂げられたことに対して、この場をお借りして、もう一度、感謝と称賛を捧げます。
皆様。今後十年間、女性平和運動の方向とその中心となる内容は何でしょうか。文総裁は、二〇一二年を神様と人類が願う平和理想世界の結実期として定め、率先して行動しておられます。私たち女性連合にとっても、今後十年間はとても重要な期間です。平和世界は、世界や国において、先に成し遂げられるのではありません。すベての組織の基盤となる家庭において、先に平和が成し遂げられなければなりません。
世界平和の最も核心的な内容は、家庭の平和をいかに成し遂げるかということにかかっています。真の父母と真の夫婦、そして真の子女が神様に侍って平和の家庭を築き、ひいてはこのような家庭が氏族、国家、世界へと拡散するとき、真の世界平和が実現されるのです。家庭の平和のための母親の使命、また妻の役割は絶対的です。
今日のように不倫や退廃が蔓延し、青少年たちの放縦や離婚などによって家庭が崩壊する状況の中で、私たち女性連合が世界的に展開する真の家庭祝福運動と青少年純潔教育は、根本的な平和運動なのです。神様の真の愛による唯一の救国救世の平和運動です。
宇宙の公法と原理に立脚して、家庭を全きものとし、社会を再建しながら、国を正しく立てる仕事に特別な使命感をもって進んでいかなければならないと思います。女性の政治参加、女性の経済参加、教育および文化分野への女性の参加、女性に関する法律制度改善など社会分野への参加、それ以外にも多様なNGO(非政府機構)活動が必要です。
しかし、何よりも優先すべき運動は、正しい価値観の教育に伴う真の家庭運動であることをもう一度強調します。女性たちはまた統一運動の旗手にならなければなりません。本連合の事業にも、南北統一のための様々な活動を明示しておきました。女性は南北統一のために、正しい理念教育と真の愛の実践によって手本を示すことで、先導的役割を果たさなければなりません。戦争や葛藤は、利己的な動機から、領土や財産など、他人の物を奪おうとするときに起こるものです。その反面、平和は、他人のために自分を投入するとき、すなわち真の愛を与えるときにやって来るのです。私たち女性連合が今まで心血を注いで展開してきた「隣人と社会のための奉仕と分かち合いの活動」は、平和運動の貴い礎石となるでしょう。
今年、北朝鮮の同胞、特に子供や女性たちを支援するための「北朝鮮愛一パーセント運動」を展開したことも、本連合の創立精神を高めるものであると思います。各国において国際的に展開するこの真の愛の実践と分かち合い運動は、超国家的、超宗教的、超人種的に葛藤の溝を越え、平和を堅固なものにしつつあります。
これまで文総裁の指示により、日韓の女性三十二万人が姉妹結縁を行うなど、世界各地で、国際間に平和の掛け橋を渡すために、多くの努力をしてきました。この運動は、国際会議や平和運動の実践の一つの儀式として定着しました。
愛する会員の皆様。二十一世紀は、女性が男性と共に堂々と一つの軸を形成し、世界史の主役にならなければなりません。力と技術の世紀ではなく、愛と文化の世紀を創建していく中心において、女性の役割はますます重要になりました。世界平和実現の根幹である真の家庭回復運動を主導的に引っ張っていく会員の皆様となられることを期待します。自覚ある女性は、家庭を守る愛と平和と奉仕の中心です。世界平和も、その出発の起源は、愛と道徳の学校である、健全な家庭の中の母親にあると言えるでしょう。
たとえ世界が満身創痍(そうい)で汚れてしまったとしても、神様の真の愛のビジョンのもとに一体になった女性連合の実践運動によって、必ず浄化できるという確信をもって邁進してくださることを皆様にお願いいたします。神様と霊界の大いなる加護と導きが臨むでしょう。きょうは御多忙中にもかかわらず、この場に参加してくださった内外の貴賓と会員同志の皆様に深い謝意を表しながら、私のお話を終えたいと思います。
日付:二〇一二年三月四日
場所:韓国、大田、コンベンションE/span>センター
行事:天地人真の父母勝利解放完成時代開門継承成就大会(真のお母様)
愛する「世界平和女性連合」の会員の皆様、満場の女性平和指導者の皆様。きょう「世界平和女性連合」創立二十周年を記念して開催される「天地人真の父母勝利解放完成時代開門継承成就大会」に、このように大盛況を博してくださり、まずは神様と文鮮明総裁に深甚なる感謝を申し上げます。それとともに、皆様にも感謝の気持ちをお伝えする次第です。
「世界平和女性連合」は、一九九二年四月に、ソウル蚕室のオリンピックEspan
lang=JA style='font-family:"MS Mincho";mso-bidi-font-family:"MS Mincho"'>メーンスタジアムにおいて、世界七十ヵ国以上の女性代表と十五万人以上の韓国の女性指導者たちが雲霞のように集まる中で、「世界女性時代の到来」を宣布し、女性平和運動の中枢機関として、天意に従い文鮮明総裁と私が創立しました。
本連合は決して、この世のありふれた一つの女性団体として出発したものではありません。それは女権拡張、男女平等、女性労働運動など、主に男性を相手とする外向的、政治的、あるいは闘争的、世俗的な女権回復の運動ではなく、神様の創造理想世界の実現という摂理史的意義をもっているのです。
このような創立の摂理史的意義をもって出発した「世界平和女性連合」は、去る二十年の間、地球村の津々浦々で、真の母性愛に基づいた真の愛の家庭確立運動と女性の地位向上のための多様な支援および教育プログラムを運営しながら、目覚しい発展と成長を遂げました。
私は、女性連合の創設初期より、世界の各大陸や国々での巡回講演を通して、女性連合の世界的な組織と活動基盤を築いてきており、早くから世界百六十ヵ国に派遣した千六百人の日本の女性連合のボランティア会員をはじめとして全世界の会員たちを総動員しました。
文総裁が女性連合創設時のメッセージにおいて、その核心として下さったみ言、すなわち「歴史的な女性代表として勝利した世界的女性代表である真の母に侍り、真なる母、真の妻の理想像を確立し、真の愛の運動によって理想的な家庭を結実させなければならず、世界平和具現のために、政治、経済、文化、社会の各分野において、ために生きる真の愛の模範的な実践運動を全世界的に展開しなければなりません」というみ言に従い、私たちは、世界の津々浦々で人種と宗教、言語と国境の障壁を越え、女性固有の母性愛をもって、多様な奉仕活動と教育プログラムおよび国際的な葛藤解消と和解運動を展開してきたのです。
また一九九三年九月に、ニューヨークの国連本部で開かれた私の特別講演をきっかけに、「世界平和女性連合」は三年にわたる努力の末に、国連経済社会理事会NGO(非政府機構)の最高の地位である「第一領域NGO諮問機関」の地位を獲得しました。
それ以降四年ごとに活動実績の厳正な評価によって、その地位を連続して再承認を受けるという快挙を達成してきたことをう