2.ユニバーサルE/span>バレエE/span>アカデミー開校の祝辞
1.真のプリチャッキ(ルーツ探訪)運動の方向
平和経 第七篇 心情文化世界の創建のために
1.真のプリチャッキ(ルーツ探訪)運動の方向
日付:一九八九年六月二十三日
場所:韓国、ソウル、リトルエンジェルス芸術会館
行事:韓国プリチャッキ連合会文鮮明総裁推戴式
尊敬する会長、内外の貴賓、そして韓国国民を代表する各氏族の宗長と指導者の皆様。きょう、私を「韓国プリチャッキ連合会」の総裁に推戴してくださるこの意義深い式典を、皆様の合心一体の精誠によって準備してくださいましたことを、心から感謝申し上げます。
御存じのとおり、私は、統一教会の創始者として、また世界の碩学たちの集まりである「科学の統一に関する国際会議」、元・現職の国家元首の集まりである「世界平和のための頂上会議」、宗教界の指導者の協議体である「世界宗教議会」、言論界の指導者で構成された「世界言論人会議」など、多くの集まりと団体を設立し、世界的に統一運動を展開する中で、重要な組織から総裁、もしくは名誉会長などに推戴されてきました。しかし、摂理的に見て、きょうのこの式典もまた非常に貴いものであると言えます。この運動を通して、すべての人々が、万有の根であり生命の根源であられる神様を正しく見いだし、さらに神様に正しく侍る契機となることを強く希望しながら、ここに喜んで総裁職をお受けいたしました。
我が民族は、いにしえより氏族意識が強く、先祖と家門の根を尊重してきました。この伝統は、定着生活が求められ、同姓地域を基盤とする農耕社会が長く民族史を形成してきたところに由来するとも言われていますし、近親倫理を核とする儒教の教えが原因となって形成されたとも言われています。しかし、根本の理由は、さらに深いところにあるのです。我が民族は、古代より驚くべき敬天思想をもち、美徳の中でも孝行を根本と考え、重視してきました。それは、天がみ旨を中心として、特別にこの民族を育ててこられたからです。神様はこの民族を、人類の根源であり父母であられる神様に侍る人類の宗孫(宗家の長孫)とならしめるために、祖先をあがめ、父母に対する孝の道を歩む民族として育んでこられました。こうして我が民族は、世界に類例のない敬天忠孝思想と礼節を尊重する精神的求心点をもって、氏族と家門を培ってきたのです。
この場にお集まりの氏族の代表の皆様は、我が国の貴い伝統を守り、後進たちにそれを教育するため、多くの御苦労をなさってきたことと思います。しかし韓国社会は、急速に進行する産業化と都市化の過程を経る中で、温かい共同体意識が薄れ、家庭も様々な面で試練を受け、その位置も変化しつつあります。最近に至っては、私たちの伝統文化と美風良俗が根本から揺らぐ危機に直面しており、こういった不幸は、世代間の葛藤と労使間の対立などによって、ますます加速化しています。
このような現実の中でプリチャッキ連合会は、各々の祖先を訪ね、それに侍る運動であることはもちろん、誰もがみな一つの根をもつ一つの子孫であることを確認させる、挙国的で世界的な運動として発展しなければなりません。氏族単位の族譜を正しい民族譜へと、その次元を高めていかなければならないのです。
民族単位を支える狭い根源意識ではなく、民族全体、人類全体の求心力としての根源意識に昇華させなければなりません。私たちは本来、相手を葬り去って自分たちが生き残ろうという対立関係にあるのではなく、同じ根の養分を受けた運命共同体なのです。したがって私たちの運動は、民族内に限定されてはならず、五色人類の根も結局は一つであることを悟らせ、人類は一つの根を通して和合し、ただ一つの地球星という一隻の船に乗った運命共同体意識で生きていくことを教育しなければならないのです。
科学技術の発達とともに、人類は過去のいかなる時よりも、共に生きる国際協力を必要とするようになりました。全世界的な情報交換と資源の共同開発が切実に要請されているのです。子孫の生存のためには、地球環境と大気が共に大切に保存されなければなりません。現代人は、東西理念の対決、科学兵器の大量生産、国際的なテロや犯罪、退廃的風潮の流行と拡散などによって、世界の運命を予測できずに、不安を感じています。
すべての指導者が心の扉を開き、国際的協力をしながら全体目的のもとに和合し、世界の火急な諸問題を解決していかなければなりません。私たちは過去のいかなる時よりも、人類全体を一つの有機的共同体として理解し、人種間の壁を崩し、文化と文化を調和させ、統一していかなければなりません。それでは、何によって人種間の壁を崩して理想世界を成し遂げることができ、いかにすれば平和に対する様々な障害を根本的に除去できるのでしょうか。氏族会議を見ても、各個人の意見がいかにまちまちであり、一つの家庭内においても和合がいかに難しいでしょうか。どこからであろうと解決の糸口は必ず見つけなければなりません。また、世界の異なった文化と伝統を調和させ、戦争のない人類一家族の幸福な世界を成し遂げる出発点は、果たしてどこにあるのでしょうか。人類が、万有の根本であられる神様に対して、各自の始源であり、根であることを自覚し、天理に従うただ一つの道から根本的な解答を見いださなければなりません。
私が神様と交わりながら天理を探し求めてさまよい、七十年の生涯を通じて修道と実践の路程を歩んできたのも、正にこの根本問題の解決のためでした。人は心で生きるのであって、体で生きるものではないように、外的にこの世界がどんなに繁栄したとしても、神様との根本問題が解決されなければ、突如として人類最後の瞬間が訪れることもあり得るのです。
尊敬する氏族の指導者の皆様。この宇宙は、単に物質を起源とするものではなく、自然発生的に生じたものでもありません。宇宙の第一原因者であられる創造主、神様がいらっしゃるのです。その方は絶対者であり、永遠不変であり、善なる方です。宇宙万象は、神様の基本設計である創造目的によってつくられた被造物なのです。心情の本体であられる神様の創造目的は、喜びを得ることです。喜びは一人では感じることができません。ある主体が喜びを感じるためには、必ずその対象としての実体が必要なのです。喜びの中でも最高の喜びは、主体と対象が愛を交わす時に感じるものです。
人間は、神様が無限に愛することによって永遠に喜びを得ようとして創造された、神様に最も近い対象である子女なのです。このように神様は、人類の祖先として一男一女を造られましたが、聖書では彼らのことをアダム、エバと呼んでいます。絶対的な神様は、その真の愛の対象である一男一女以外に、別の愛の支流をつくることはできません。名前が何であれ、神様の真の愛の対象である人類は、ただ一組の始祖から始まったのです。
私たちの始祖アダムとエバが、神様の愛を完成し、互いに真の愛を交わしながら善の子孫を繁殖していれば、どのような世界になっていたでしょうか。彼らは、創造主、神様を無形の縦的な父母として侍り、愛の夫婦となって、横的な真の父母となる理想家庭を築くようになります。その真の家庭を根源として繁栄した一族、すなわちアダム一族が民族として栄え、彼らが築く国家や世界は、神様の愛と善に満ちた幸福な文化世界にならざるを得ません。このような世界がすなわち天国であり、神様の創造目的であるこの天国は、間違いなく地上に築かれたでしょう。
人類始祖を根とした全人類は、本来、地上天国で生きて、その後、その霊人体が天上天国へ行くようになっていました。このように神様の創造目的は、人類が神様を中心とした大きな家庭を形成し、人類全体が一つの兄弟となり、一つの一族となることでした。神様を中心とした始祖アダムの家庭の善の家法がやがて伝統となり、代々に伝授されながら、一つの根から出た一つの言語、一つの文化、一つの天の主権のみが存在する統一世界となったことでしょう。そこに悪や不正、理念の葛藤、戦争などが想像できるでしょうか。
しかし、今日の現実はどうでしょうか。神様の理想とは正反対の世界になってしまいました。個体の中では、心と体が葛藤し、そのような個人個人が築いた家庭、氏族、民族、そして社会、国家の中でも、矛盾と分裂と闘争が続いています。あらゆる不倫と退廃、非道と暴力、戦争と虐殺、価値観の混乱、文化と伝統との衝突、理念の対決など、この世界は惨状の連続です。
時間の関係で詳細に説明することはできませんが、何かが大きく間違ったこの世界を元の状態に回復するために、天は聖人を立てて天道を明らかにし、宗教を通して人類を教育してこられました。悪の世界において善を立てて実践するということは、たやすいことではありません。義人や烈士たちの犠牲もそのためだったのであり、真の修養の道が、骨を削るような自己犠牲であり、無条件に施す道でなければならないことも、その一例です。
私たちのプリチャッキ運動を通して真の始源を求めていくと、自分の先祖とその先祖の先祖となる人類始祖に行き着くことになります。さかのぼって善の根を探し求める道は、まずあらゆる邪悪と不条理の動機と曲折を解き明かさなければならず、ひいては、神様を知り、人間始祖に対する神様の心情を尋ね求めていってこそ、真の根を見いだしたと言えるでしょう。
木は、外的に見ると季節によって様々な姿をもっていますが、そのすベての変化する要素を順番に除去していくと、残るものは結局、根の根本となる種と生命に帰着するのです。そのように、人類を根源に返らせる真のプリチャッキ運動は、まず、さかのぼって復帰の方向に従い、悪のすべての要素を消化し、えぐり出さなければなりません。そして神様の生命と真の愛に接ぎ木され、純化された神様の息子と娘にならなければなりません。
韓国が根の深い立派な族譜を世界に誇るようになり、また族譜学の根源になったのは、偶然ではありません。本来、韓国は、先進国となり経済的に富み、外的に豊かな国になることだけが、私たちの目標となってはならないのです。神様はこの民族、この地を通して、全人類の幸福の始源をつくり、真の愛の新天新地を築こうとしておられます。私が神様の啓示に基づいて、有史以来、初めて神様の心情と創造目的を明らかにしたことは、我が民族にとって奇跡のような祝福です。私が創造した宗教理念を中心として繰り広げている真の愛の統一運動は、既に東西や文化圏を超越して超国家、超民族的次元で、世界を生かす運動として拡大しました。百三十七ヵ国に燎原の火のように人格革命、道徳革命を起こしながら、拡大しています。
私はこの席で、真の愛の理論を説いているのではありません。世界的な無理解と激しい迫害、宗教的な偏見のもと、死線をさまようような苦難の道を通して、真の愛を世界的に実践した実績をもってお話ししているのです。これは私自らの力だけで成し遂げたことではありません。神様の導きと加護なくしてはできないことでした。神様の真の愛と生命力を動機として成し遂げた結果なのです。
尊敬する氏族の代表の皆様。プリチャッキ運動は、神様を根源とした真の愛の実践運動にならなければなりません。私たちは、真の愛の化身体であるイエス様をはじめとする聖人たちの教えを、生活の中で受け継がなければなりません。私たちは、根源であられる神様を通して互いに接し、愛の関係を広げて、この時代の葛藤を克服し、歴史的な不和の壁を崩し、調和の世界を築く主役とならなければなりません。特に民族の宿願である南北統一も、真の愛によるプリチャッキ運動を活性化させることによって、民族的同質性を強固にしつつ、成就しなければならないと思います。
今の時は、すべての人が謙虚になって根に返り、愛で一つにならなければならない時です。個人の利益のために全体が滅亡することを傍観していてはいけません。世界の情勢は、これ以上ためらう時間を与えてはくれません。神様がこの民族に下さった祝福を、愛の実践によって花咲かせなければならないのです。私たちは、総決起して、万民を私たちの運動に連結し、真の根、真の愛の灯台を通した人類和合の理想を必ずや実現しましょう。
皆様と皆様の御家庭と御氏族に、神様の祝福があることを祈りながら、話を終えたいと思います。ありがとうございました。
平和経 第七篇 心情文化世界の創建のために
2.ユニバーサルバレエアカデミー開校の祝辞
日付:一九九〇年九月六日
場所:アメリカ、ワシントンDC、ユニバーサルバレエアカデミー
行事:ユニバーサルバレエアカデミー開校式
尊敬する貴賓、ならびに紳士淑女の皆様。私たち夫婦がユニバーサルバレエアカデミー(UBA)開校の祝賀式に、このように参加できましたことを誠に喜ばしく思います。この教育事業は、私にとって大きな関心事でした。
皆様。様々な芸術の中で、私は古典バレエに対して特別な愛着をもっています。私の家族の中でも、嫁の一人がブロのバレリーナです。私がバレエを好むのは、そこにシンブルでありながらも深奥な意味が秘められているからです。バレエは神様を賛美する芸術であると思います。私は常々、バレリーナたちが、自らの手足を可能な限り広げ、伸ばし、天におられる神様に触れようとしているように感じてきました。つま先で立ち、天に向かって手を振り、互いを抱き上げて空中へと舞い上がるのです。バレエ芸術は、体全体を使って、人間が神様を慕うその様子を表現しようとします。そのような意味で、私はバレエこそが究極的な芸術美の表現であると思うのです。
一九八九年のある日、偉大な現代芸術家の一人、キーロフの芸術監督オレグヴィノグラードフ氏が私を訪ねてこられました。そして、バレエに対するビジョンについて、彼と語り合いました。その時に私は、この世界的な芸術家が、何としてでも神様から与えられたその天賦の才能を、ソ連のみならず、世界のために発揮したいと切に願っていることを知りました。この出会いによって合意され、UBAを設立する目標が確固たるものとなりました。きょうは、まさしくその夢がかなう日なのです。ヴィノグラードフ氏がこのような使命をもってここに来られることになったのは、神様のみ旨であると思います。また、ヴィノグラードフ氏がこのような使命を帯びてアメリカに来られたことを歓迎し祝う手紙を、私はジョージブッシュ大統領から受け取りました。
紳士淑女の皆様。私はこの時間をお借りして、しばし芸術に対する私の所信を打ち明けたいと思います。根本的に、神様は創造主であられ、人類の父母であられ、同時に宇宙における最初の芸術家であられます。神様の創造された世界の美しさと奥妙さは、いつ見ても、これが正に究極的な美、真、善の芸術的表現であることを私たちに示してくれているではありませんか。
男性と女性は、創造主であられる神様の芸術的創造力による表現の極致であり、その人間は、神様の創造を理解し観賞できる能力をもった唯一の被造物です。さらに人間は、神様に似た芸術家であり、神様と共に、神様のもつ内的真理と美と善を展開し表現しようとする欲望をもっています。究極的に、私たちが神様と共に創造しようとする偉大な芸術作品は、正に人間の生命と愛が調和を形成するところに現れます。人間は、神様の生命と真の愛を体験し、完全な神様の調和的な相対となることによって、人生の偉大な価値的存在となるのです。
創造する過程は、人間に深奥な経験をもたらしてくれます。真の愛と真の芸術は、誠実で美しく、善なるものを栄えさせたいという願いから湧き出てきます。私たちは、天賦の芸術的素質を活かして、真の愛と地上の永遠の平和を創造していかなければなりません。そうすることによって、私たちは崇高な人間としての価値をもつようになるのであり、最善を尽くして愛の具現に貢献し、神様の心情を慰めてさしあげ、新しい芸術世界の創造に貢献しなければなりません。
二十世紀の後半期は、混沌の時期であると言われています。その混沌が、東西はもちろん、各界各層を問わず、人間の生活全体に及んでいます。それは、根本的に突き詰めれば、価値観の混乱なのです。何が正しく何が間違っているかという混沌が起き、何を取って何を捨てるかという混沌が起きているのです。
このような価値観の混沌は、芸術界も例外ではありません。現代の芸術や芸術家のほとんどが、芸術は人類に奉仕する道であり、神様に栄光を捧げることが本来の目的であることを忘却しています。ある芸術家においては、芸術が単に自分の利己的情熱を満足させる道具となってしまっています。快楽的性行真の紊乱や、悪を分別する能力の喪失といったものが現代芸術の風潮となりつつあるのです。
私はこのような内的芸術世界の腐敗を大変残念に思っています。そこで、私はいくつかの芸術団体を新たに創設し、芸術の本然の本質を復帰する陣頭指揮官として立て、それらの団体を通して神様を中心に美、真、善を追求しています。正にこのような理由で、「ユニバーサルバレエ財団」を創設したのです。
私はこのような芸術界の復興における、この至大な使命を遂行するに当たり、ソ連の有能な芸術指導者の皆様と協力できるようになり、大変喜ばしく思います。私たちは、力を合わせて、この重要な共同の目標を達成しましょう。そのような意味で、いま一度ヴィノグラードフ氏御夫妻の使命を大きく評価し、共に来られたロシアの芸術家の皆様に謝意を表します。
私はこの機会に、ソ連政府がきょう、私たちのこの事業のために多大な尽力をしてくださったことに対し、この場をお借りして、ソ連大使に感謝を捧げます。同時に、この事業の成功のために惜しまずに支援をしてくださったアメリカ政府当局にも感謝を捧げる次第です。また、本アカデミーの傑出した諮問委員の皆様にも感謝を捧げます。皆様の貴い諮問により、本機関は芸術界の最高峰を占め、名高い機関に発展していくでしょう。
芸術は世界平和の重要な要の一つです。UBAは単なるバレエ学校ではありません。才能ある学生たちが人種や宗教、国籍、文化の背景の違いを超えて全世界から集まることによって、この学校は一つの地球村家族の実現体となるでしょう。また、本校の開校は、米ソ両国の友好増進に大きく寄与するでしょう。神様の祝福が、皆様と共にあることを祈ります。ありがとうございました。
3.平和世界建設の主役になろう
平和経 第七篇 心情文化世界の創建のために
3.平和世界建設の主役になろう
日付:一九九二年八月二十四日
場所:韓国、ソウル、リトルエンジヱルス芸術会館
行事:第一回「世界文化体育大典」合同祝賀晩餐会
第一回「世界文化体育大典」の議長団、内外の貴賓の皆様、ならびに国内外の参席者の皆様。今夜は、このように「世界文化体育大典」の成功を祈る心で満場の盛況を博すようにしてくださったことに対して、この大典の創設者として深甚なる感謝を申し上げます。私がこの場をお借りしてお伝えする題目は「平和世界建設の主役になろう」です。
皆様も既によく御存じのように、私は、日本が韓半島を占領していた一九三〇年代の半ば、十六歳(数え)の時に天からイエスキリストを通して宗教的召命を受けて以来、今年七十三歳になるまで、一瞬たりとも天のみ旨、すなわち天命を忘れて暮らしたことはありません。
私は日帝植民地下で青少年期と青年期を送り、弱小民族の悲劇と苦痛、その悲しみがいかなるものであるかを骨身にしみて体験した人間です。その上、全人類の親であられる神様の心情とそのみ旨をくむ者として、強大国が弱小国を踏みにじる凄惨な状況と第二次世界大戦による殺戮の現場を目撃しながら感じた、その悲しみと苦痛は筆舌に尽くすことができないものでした。
不幸なことが重なり、韓半島は第二次世界大戦が終わった直後、南北に分断され、六・二五動乱が勃発し、同族が相争い、命を奪い合う戦争に、全世界が左右に分かれて参戦し、闘うという悲劇を経験しました。私は、このような悲劇的な歴史の現場を直接目撃しながら、平和世界を失った神様と人類の苦痛と悲しみを、骨の髄まで体恤せざるを得ませんでした。
創世以来、カインがアベルを殺害する兄弟間の闘争の現場を見守り続けなければならなかった、天のお父様の心情はいかばかりだったでしょうか。有史以来、この地球上で起こったすベての戦争は、本質的に兄弟間の闘争なのです。聖書はこれを、エデンの園から追放されたのちに起こったカインとアベルの殺害事件として教えています。
それでは、なぜこのような兄弟間の闘争が、家庭、氏族、民族、国家、世界の次元で絶え間なく繰り返されてきたのでしょうか。それは正に、カインとアベルの父母であるアダムとエバの犯罪に由来しているのです。
アダムとエバは、神様の創造理想を実現すべき人類の始祖として、すべての男性と女性を代表する立場に立てられた存在でした。彼らが神様の戒めを破ることによって、将来生まれる全人類の始祖である善の真の父母の位置を喪失し、堕落した偽りの父母となった罪悪こそが、人類社会のすべての犯罪と不幸の根本である原罪となったのです。
人間始祖の原罪とは、アダムとエバが神様の戒めを破り、不倫な淫乱の罪を犯すことによって、悪魔と血縁関係を結んで堕落した偽りの父母となり、人類に偽りの愛、偽りの生命、偽りの血統を引き継がせたことです。したがって人類は、再び真の父母に出会い、生まれ変わることによって、この原罪を脱ぐための真理と方法を探し出し、それを実践せずしては、罪悪と闘争にあふれるこの世界から抜け出すことができないのです。
私が天の召命を受けた十六歳(数え)の時から十年間、正にこの問題の解決のために、頼る所のない孤独な身で真理を探究した結果が、今日、「統一原理」、「神主義」、または「頭翼思想」と呼ぶ新しい真理です。
私は、この真理を一九四五年八月十五日、韓国が日帝から解放されたときに、初めてこの地上に発表し始めました。私は、この真理を発表したために、これまで途方もない迫害と非難を甘受しなければならなかったのです。
私が生涯にわたり六度も投獄された事実を思い起こしてみてください。皆様は、その非難と迫害の度合いがどれほどのものだったかを推し量るすべもないでしょう。「統一原理」を発表してから四十七年目になる今年、開催される第一回「世界文化体育大典」は、これまで神様と人類の解放と平和世界の具現のために、独りで種を蒔き育ててきた私のすべての実績を満天下に現し、神様にお捧げする神聖な式典なのです。
私が生涯をかけて尽力してきたすベての内容は、父母なる神様のみ前に世界人類は一つの兄弟姉妹であり、一つの家族であることを確認するものです。人種や民族、国境を超越して、人類は父母であられる神様を中心とした家族なのです。
「統一原理」が提示する私のこの教えを、最も主流となって実践する機関が「世界基督教統一神霊協会」、すなわち統一教会です。今や、地球上に統一教会のない国はありません。
あす、ソウルのオリンピックメーンスタジアムで挙行される三万組の国際合同祝福結婚式は、正に「人類は神様を中心とした大家族である」ことを証する現場となるでしょう。また、私は統一教会を根として、これまで各方面にわたり、神様を中心とした人類大家族が自由と理想と幸福を謳歌する平和世界の建設のために数多くの機構を創設し、広範囲に及ぶ活動を展開してきたのです。
今回の「世界文化体育大典」では、その代表的な機構の活動を一堂に集めて示しており、今後、相互間で一層緊密な関係と協力を固めるために、統一された組織と機構を創設するようになるでしょう。すなわち「科学の統一に関する国際会議」、「世界平和教授アカデミー」、「世界言論人会議」、「世界平和のための頂上会議」、「世界宗教議会」、「世界平和連合」、「世界平和宗教連合」、「世界平和女性連合」、「国際芸術公演団体」および「世界大学生原理研究会」などが国際合同祝福結婚式と前後して、平和世界建設のための私たちの心霊知性啓発と献身を誓う場を設けるでしょう。
私が執り行う統一教会の国際合同祝福結婚式こそ、人類が原罪を清算し、神様の真の愛、真の生命、真の血統を取り戻す復活と重生の祝福なのです。そしてこの祝福結婚式は、人種と民族と国境を超越し、真の人類兄弟大家族の理想を実現する平和の産室になるのです。
今私は、このすベての団体と機構の創設者として、改めてこれらの団体が神様と人間の理想である世界平和を具現するためのものであるという事実を闡明する次第です。
そして、特定の団体や教団、特定の民族や国家の利益のために創設されたのではなく、万有の主人であられる神様と全世界の人類の幸福と平和と自由のために創設されたのです。
したがって、私たちの運動は地球星に住む全人類の家庭を救い、すべての民族と国家を救い、さらにはこの世界を救う、救家庭、救国、救世の運動にならなければなりません。
不倫と退廃の一途をたどる性道徳の紊乱は、私たちの家庭を破壊しています。どの国家も道徳の破壊と犯罪で苦痛を受けており、党派と階層間の対立はもちろん、貧困と無知がいまだに存在しています。世界は国境紛争や宗教間の偏見、人種間や民族間の葛藤が解決される兆しが見えず、国家や民族の利己主義によって世界平和は脅威にさらされ続けています。
また、地球星全体が今、あらゆる環境破壊と汚染問題にさらされ、人類の未来に甚大な危機が到来しています。国境を超越し、超民族的な愛と人類愛を発揮できなければ、人類は共に破滅の道に転落しかねない危機の状況が、私たちのすぐ目の前に来ているのです。
私は、人類が直面しているこの危機を打開する道は、「統一原理」、すなわち「神主義」に立脚した真の愛運動だけだと考え、一つの統一された世界を建設する基盤を築かなければならないことを重ねて強調する次第です。今年の七月の初めに、韓国の五大都市で開催された「世界平和女性連合」指導者大会で、私と私の妻である韓鶴子総裁は、私が人類の真の父母、救世主、再臨主、メシヤであることを宣布しました。
私がなぜ韓国の女性指導者たちの前でこのような驚くべき、かつ恐ろしい発表をすることになったのでしょうか。それは、人類の歴史を罪悪で染めた悪魔サタンに、人類の母である女性エバが堕落させられたからです。そして、神様はサタンを屈服させる第二の完成したアダムとしてメシヤをお送りになり、女性を代表した、完成したエバを探し出す摂理があるからです。
また女性たちは、家庭を守る愛と平和と奉仕の中心です。世界平和も、その出発の起源は健全な家庭の母でなければなりません。メシヤの役目を宣布した私の最も中心となる教えは、神様を中心とする家庭倫理の確立と二世教育の問題です。家庭は、汚されたこの世界を浄化させなければならない聖所なのです。
ですから、私はメシヤとして、妻であり完成したエバの立場である韓鶴子総裁を中心とした女性指導者たちに、このような宣言をせざるを得なかったのです。
そしてこの宣言は、私の教えに従うすべての人々に対して、「共に真の父母の道理を果たしながら、神様を中心にお迎えし、この世界を救援する犠牲と奉仕の道を、私たち夫婦と共に歩んでいこう」という勧告と通報のメッセージだったのです。
内外の貴賓の皆様、そして各国代表の皆様。これから私は、この演説の結論に代えて、私たちのこれらのすべての救世運動を効果的に推進するために、「世界平和統一連合」の機関として「世界平和統一堂」の創設を提唱する次第です。
誤解がないようにするために、「世界平和統一堂」の「堂」の字は、「家」を意味する「堂」であって、「群れ」を意味する「党」ではないことを明らかにしておきたいと思います。言い換えれば、私の言う「世界平和統一堂」は、通常の一国の政権を勝ち取るための政党の機能を意味するのではなく、世界平和のために世界が統一された基盤と努力を増進させる連帯活動を強化する殿堂、すなわち「家」の意味をもっているのです。
男性を「天」と表すなら、女性を「地」と表します。家は女性の生涯の舞台であり、母はすべての家族の愛のための家の中心であり、母を中心とした家庭は国家と世界を結ぶ単位です。「堂」という言葉は、母を中心として地を高める意味があり、「教育する」という意味があります。それでこの「堂」を使ったのです。すなわち、母を中心として「女性を教育する家」という意味になります。
ですから私たちは、世界の平和を具現するために、各国の政治指導者、学者、宗教人、言論人、教育者、芸術文化人、女性指導者、青年指導者たちが、全世界の女性を代表する母たちに、神様を中心とする愛によって心と体が一つになり、家庭を中心とした世界平和のビジョンを提示し、積極的な交流と教育の機会を提供できるように拍車を掛けてくださるよう願います。
今夜、この場に参席してくださった国内外の各界指導者の皆様。私のこのような提議を快く受け入れてくださり、共に同参(一緒に参加すること)してくださるならば、必ずや二十世紀を締めくくるこの八年のうちに、神様が望まれる平和世界は正に私たちによって全人類のものとなるでしょう。今夜、この場に参加した私たちが主役となる二十一世紀の平和世界の扉が開かれるでしょう。
この祝典の期間中、皆様の無事と、今後皆様が行うすべてに神様の祝福と加護が共にあることを祈りながら、以上で私の晩餐の辞を終えさせていただきます。ありがとうございました。
4.心情文化世界の創建のために
平和経 第七篇 心情文化世界の創建のために
4.心情文化世界の創建のために
日付:一九九四年五月一日
場所:韓国、ソウル、オリンピック公園体操競技場
行事:「世界基督教統一神霊協会」創立四十周年記念式
尊敬する内外の貴賓、紳士淑女、そして世界の食口の皆様。私はきょう、協会創立四十周年を迎え、深い感慨を抱いてこの壇上に立ちました。一九五四年、数人の人たちとソウル北鶴洞(プッカクトン)の小さな家に「世界基督教統一神霊協会」の看板を掛けて、公式的な出発をしたのがきのうのことのようですが、四十年もの歳月がたちました。
私がこの協会を創立したのは、ある個人的な目的を達成するためではありませんでした。ただ神様のみ旨を地上に成就するためでした。考えてみれば、迫害も多く、様々な形の受難の道を歩んできました。親も兄弟も親戚も理解できなかった道であり、さらには社会と国家から追われた生々しい記憶もあります。
最も胸が痛むことは、神様が準備されたキリスト教徒たちからの迫害であり、今でも一部では道理に合わない批判をしています。実に多くの障害物を越えてきました。
このすベての苦難の過程において、背後から守り、導いてくださった神様の深い愛に感謝を捧げます。それでは、神様の救世のための聖人の道理とは何でしょうか。神様が聖人を立てられた目的はどこにあるのでしょうか。神様が求められる聖人は、彼が死んだのちに次の歴史の中で賛美される、そのような聖人ではありません。神様は、この悪の世界を救うことのできる聖人、この時代を神様の善のみ旨で消化できる聖人を求めておられるのです。
この地上の罪悪歴史を清奠するために、悲惨な罪悪の中に入ってそれを撃破して整理する聖人、神様が最も心苦しく思われる問題に一人責任をもち、解決しようと堂々とこの世の悪と対決しながら、勝利の行軍をすることのできる聖人を求められるでしょう。したがって、聖人の行く道は平坦ではあり得ず、無理解と迫害が必然的について回るのです。
私は生きてこのみ旨を成し遂げてさしあげると神様に誓い、寝ても覚めてもその思いに没頭しました。千万回誓いながら、決意を固め、監獄のどん底でもこの誓いを立て、残酷な拷問により死境をさまよう時にもこの誓いを立てました。
神様のみ旨は、信じる人だけのものではありません。万民万象が神様のみ旨のもとにあります。神様のみ旨は漠然としたものではありません。太初に神様の中心にあった創造理想、すなわち創造目的が神様のみ旨です。字宙万象と人間は、すべてその創造目的のもとに造られたのです。
永遠で絶対の神様になぜ創造が必要だったのでしょうか。神様にとって絶対に必要なものとは何でしょうか。物質や知識、または権力でしょうか。そのようなものは、神様が望みさえすれば、いつでも作って手に入れることができ、また神様自身が自由に調節することができます。しかし、真の愛だけは神様も思いのままにすることはできないのです。
真の愛は、ただ相対圏を通してのみ見いだすことができるのであって、一人だけでは愛の刺激を感じることができません。これが、神様が相対的な被造世界を必要とした理由です。神様は真の愛の理想ゆえに世界を創造されたのです。
鉱物界、植物界、動物界を観察すると、たとえそのレベルは違うにせよ、愛の理想を中心として相応、和合、授受できるよう、ペア、すなわち主体と対象に創造されていることが分かります。そして、人間は被造世界の代表者であり、中心であり、神様に最も近い愛の相対として造られました。人間は神様の真の愛の対象なので、人がいなければ神様の真の愛の目的は成就されないのです。
このような点で、神様の真の愛の相対である人間の価値がどれほど貴いものかを知ることができます。神様はその創造理想である真の愛を、最高の絶対価値をもつものとしてお立てになりました。絶対的な神様でも、真の愛の前では絶対的に服従したいと思うのです。
そのような原理のもとに造られた人間と万物も、神様のようにその真の愛に絶対服従するようになるのです。より高次元の真の愛に向かって、すべての生命力が一目散に走っていくのです。宇宙万象の存在秩序と価値も、すべてこの原則のもとに決定されます。真の愛を中心とした神様と人間の関係は縦的な親子の関係です。
神様の息子、娘として造られたアダムとエバは、まず神様から父母の愛を受けながら子女の心情を感じて成長していきます。そして、互いに兄弟姉妹の心情を感じながら成長します。その次に、神様の祝福のもとに真の夫婦となり、互いに愛し合いながら夫婦の心情を感じるようになっているのです。それとともに、子女をもち、真の父母となるとき、子女を愛しながら父母の心情を感じ、さらには神様が自分たちを子女として愛される、その父母の心情を経験するようになっています。
このような子女の心情、兄弟姉妹の心情、夫婦の心情、父母の心情を四大心情といいます。人間が完成するためには、神様の真の愛のもとで四大心情を完全に体恤しなければならないのです。この基台が理想的な家庭です。人間に対する神様の創造理想が成就される最小単位が、四大心情圏を完成した家庭です。
真の愛の主人であり、起源であられる神様は、父の立場でこのように人間に絶対不変の真の愛を相続しようとされたのです。真の愛の中では完全な調和と統一が形成されるので、神様の真の愛は、子女である人間に完全に相続されるのです。
それだけではなく、真の愛の属性として、同居権と同参権も自然と生ずるので、人間は神様の子女として同行し、共にいることができるようになっていました。そうして、人間は神様の真の愛に酔って各自が理想と幸福を所有すると同時に、自然にこれを相対と共に子孫たちに伝承するようになるのが創造本然の世界でした。
しかし不幸にも、人間始祖は天使長の偽りの愛によって堕落することにより、結果的に彼らは真の愛による真の夫婦になることができませんでした。彼らは、神様の許諾なしに子女を生んだ偽りの父母、偽りの先祖になったのです。このように人類は、真の先祖、真の父母から生まれることができず、神様が願われない血統をもって生まれるようになったのです。
自然界を見ると、レベルは低くても、すべて愛の秩序のもとに調和していますが、ただ堕落した人間世界だけが愛の秩序を守れずにいます。数限りない罪悪の闘争と苦痛はここに由来しているのです。神様が意図されたこととは反対になった人間世界を、神様は放っておくことはできません。
神様は、堕落した罪悪世界を創造理想の世界、すなわち原状に回復させようという救援摂理をされます。ですから、神様の救援摂理は創造目的を復帰する摂理であり、それはすなわち再創造摂理となるのです。天意に従って復帰摂理の主役を担ってきたのが宗教です。宗教は、神様の真の愛と真の父母思想を中心とした本然の理想的な家庭、さらには理想的な世界を復帰する目的のもとに立てられたのです。
メシヤは真の父母として来られ、偽りの父母から生まれて植えられた偽りの根を引き抜いてしまい、本然の創造理想を復帰する重大な責任をもって来られる方です。この世界が真の愛と真の家庭へと復帰されるためには、まず真の父母の位置が確立されなければなりません。正にこの使命のために神様は私を召命したのです。堕落によって本来のみ旨が成就されなかったので、神様は失ったものを回復するための摂理において宗教を立てられ、メシヤを送られたのです。
神様の不変の目的は、真の愛の理想世界の実現です。宗教の目的は、真の愛と真の家庭が実現化されることです。反対に、このような目的に寄与せずにそれ自体のためだけに存在するならば、その宗教は、神様の名を語ったとしても、神様とは関係がありません。宗教のために神様や世界があるのではありません。
本然の真の愛、真の家庭の世界へと回復しようとされる神様のみ旨のために、宗教は立てられました。そして私が過去四十年間、世界的に展開してきた超宗派的な活動をはじめとする学術、教育、思想、文化、芸術、言論、科学、技術、産業などの事業は、すべてこの目的のために推進しているのです。
私の生涯は、このことのためにすべてを投入して捧げてきました。私は監獄の道と凄絶な迫害の峠を越え、死地を乗り越えながらも、世界の五色人種(すべての人種)に対して、私を生んでくれた親よりも、私の兄弟よりも愛そうという天的な父母の心をもって生きてきました。
真の愛の行く道は、直短距離で通じる道です。真の愛の実践には前提条件や弁明があり得ず、いかなるものも決定的な障害にはなり得ません。ただ自己犠牲によってために生き、与えることで直行する道です。
私の世界的な業績に対し、たくさんの方から称賛を頂き、有り難く思います。実際、外的に現れた今日の結果も重要ですが、その動機と過程は、もっと重要なのです。どの分野の仕事も、整った良い環境と条件の中から簡単に始めたものではありませんでした。
神様のみ旨をこの地上に成し遂げてさしあげようという一念で情熱を燃やし、投入できるものはすべて投入しながら、礎石を据えて出発し、収めた業績です。どんなに悪の勢力が吹き荒れても、大胆に立ち向かい、既に始めた公義の仕事を育成し、守っていくために身もだえしながら、投入しては、また投入してきました。
紳士淑女の皆様。神様がこの時代を経綸するために願われる宗教は、「父母の位置にある宗教」です。父母の心情を抱いて進む宗教を求められるのです。私は、真の父母思想を教育し、各自がその伝統に似た真の父母になりなさいと教えています。まず家庭において真の父母となり、氏族において真の父母となる氏族的メシヤの使命を果たすように指導しています。
真の父母の心情を抱いた信徒、真の父母の心情を実践する宗教となってこそ、葛藤と憎悪の罪悪世界で神様のみ旨を実現させることができるのです。他の宗教や教派を軽蔑し、敵対視する宗教は、世界平和の実現にも、神様の摂理にも有用ではありません。
天運は調和した平和世界を指向します。ところが、現実はどうでしょうか。冷戦時代が終息したにもかかわらず、いまだに克服すべき対決と紛争の素地があまりに多いのです。人種間の紛争、宗教間の葛藤などの根本問題を解決し、人類一兄弟、世界一家の和合時代を成し遂げなければならない課題は、「真の父母主義」を通してこそ解決が可能です。
統一教会の四十年の開拓の基盤の上に、真の父母と成約時代を迎えた私たちは、「真の父母主義」の実践によって、新しい心情文化世界を創建していかなければなりません。神様と人間が、真の愛の父子関係として統一されるとき、その愛の調和の中で、人間は理想と幸福の実体となります。
この真の愛で形成された心情圏は、どんなに小さくても宇宙と連結され、その中で起こる出来事の波紋は、万象と霊界にまで波及するのです。霊界を含む天宙は、すべて同じ神様の真の愛の原理のもとに存在するからです。
神様と人間との間の縦横、前後的真の愛の関係は、人間相互間の理想的真の愛の関係の根本であり、その完成は四大心情圏を体恤した理想家庭においてのみ成し遂げられるのです。心情文化は、このような四大心情を完成した理想家庭の統一圏の中で、平和と幸福と自由と理想の心情を交感し、共同体恤する生活の中で花咲くのです。
このような世界には宗教が必要ありません。特別な信仰儀式が要求されない、生活全体が神様に侍り、真の愛の一体心情圏の中で共に暮らすのです。「生めよ、ふえよ、よろずの物を治めよ」とおっしゃった神様の祝福を成し遂げて暮らす、天国生活そのものです。神様が理想とされた創造目的の完成なのです。
心情文化世界を創建するために、私たちは、真の愛、真の父母思想の教育を通して人格を涵養し、神様の祝福のもとに真の愛の家庭を築く運動を、より一層広げていかなければなりません。生活信仰の鍛錬を通してために生き、投入しては、また投入する真の愛の人格がつくられてこそ、理想的な夫婦、理想的な家庭が形成されるのです。この道こそが極端な利己主義、個人主義、物質主義の惰性から抜け出し、人類に明るい未来を期待できる道です。この道こそが不倫と青少年の堕落、そして家庭破綻を防ぐ道なのです。
国際合同祝福結婚を通した真の愛の家庭運動によってのみ、民族間と人種間の紛争を根本的に解消することができます。宗教の壁を越えて、このような天意に従う真の愛で家庭理想を完成するという奇跡的なことが成し遂げられ、来年行われる三十六万組の国際合同祝福式には、より多くの宗教団体が参加するでしょう。
また、「世界平和女性連合」の活動を通して、真の愛の母の理想像を教育しています。すべての女性たちが、真のお母様の心情をもって子女を正しく養育し、教育してこそ、真の家庭の理想が実現されるのです。今こそ、神様のみ旨に従って自覚した女性たちが、堕落した世界の男性たちを正しく教育する時が到来しました。全世界的にこのような運動が拡大されていくでしょう。
心情文化世界を形成していく過程において、宗教の役割は、実に大きいのです。宗教間の和合と協力なしに、世界平和を成し遂げることはできません。これまでも、このことに全力を尽くしてきましたが、これからも、宗教人たちが宗派間の高い壁を崩し、神様のみ旨を地上に実現するという大きな目的のもとに連合活動をしていくことに率先していきます。「世界平和宗教連合」を積極的に支援し、また『世界経典』を配布、教育することによって、宗教相互問の共同善を悟らせるために努力するつもりです。宗教人たちが実践と協力と模範を通して、神様のみ旨を成し遂げていくために先頭に立つでしょう。
私が創設し運営しているいくつかの機構の活動も、一層活性化させようと思います。実質的で現実的な世界の問題を解決し、神様のみ旨を成就する基盤を築いてきた数多くの組織があります。元現職国家元首たちで構成された「世界平和連合」は、世界の紛争や国家間の葛藤を仲裁し、平和が持続するように努力し続けるでしょう。
「国際勝共連合」と「南北統一運動国民連合」も国家的、または国際的に対峙する思想や理念を、「神主義」と「頭翼思想」によって消化する実践運動を広げていくでしょう。
先端科学技術の発達と情報通信の革命的開発によって、未来の人類の生活様式が想像を超越して変わっていくことが予見されます。また一方では、人間の無限な欲望と利己的開発によってもたらされる全地球星の環境問題と大気圏の管理問題が、人類の存亡に直結しています。次世代の主役たちが、自己中心的な思考と短絡的満足への一途をたどっていくことをそのまま放置するならば、人類の未来はどうなるでしょうか。
実践する真の愛、真の父母主義を中心とした絶対価値が立てられなければなりません。人が四大心情圏によって縦横に連結された不変の愛圏である家庭の上に安定するとき、初めて文明の利器が真の幸福の手段となるのです。
ですから、「国際文化財団」の「科学の統一に関する国際会議」と「世界平和教授アカデミー」の活動を通した良心的碩学たちの献身と教育と実践が、より価値あるものとして要請されます。私が新しい百科事典を編纂する意図も、新世代の正しい教育のための作業です。様々な教育機関を運営し、学術活動を支援しているのも同じ目的です。韓国の鮮文大学とアメリカのブリッジポート大学などを育成し、「世界大学連盟」に発展させる計画も、すべては、到来する心情文化世界の基盤を教育するためのものです。情報化時代を迎え、新聞などの印刷媒体と電波媒体を世界的に支援、育成することによって、正しい言論を通じた大きな次元の社会教育をしています。
神様の心情では、地球上に飢える人がいるということが、どれほど胸痛むことか分かりません。私はこれまで、産業技術を開発し、発展途上国に伝授することにより、技術の平準化を成し遂げようと努力を重ね、今年、「世界平和技術研究所」を設立し、既存の研究所と共に世界技術の標準化に寄与しています。
海洋摂理にも二十年以上の間、投入し続けながら、海洋資源を通した食糧資源対策を立てています。「国際救護親善財団」の活動とアフリカなどの地における農業と軽工業指導活動を通して、多くの成果を上げています。今年、韓国でも二つの総合福祉財団を設立しています。
満場の貴賓の皆様。食口の皆様。私はきょうのお話を終えるに当たり、改めて神様に感謝を捧げたいと思います。神様のみ旨のために生きるという、極めて純粋な動機の一心で生涯を駆けてきた私を見つめながら導いてくださった神様は、私の何千倍もの困難と苦痛を耐え忍んでこられました。ここにすベての栄光を神様にお捧げいたします。
また、四十年の業績がどうして私だけのものでしょうか。多くの苦労をした食口の皆様と後援者の皆様に対し、心から有り難く思っています。神様のみ旨は、本来万人の願いなので、皆様すべてがその代表者となり、また真の父母の代身者となって、み旨を相続する人となり、義であり、善なるみ旨を広く結実させてくれるようお願いします。
そして、神様が願われる本然の心情文化世界が一日も早くこの地に実現されるよう共に努力しましょう。最後に、国内外の貴賓の皆様が、きょうこの場に参席してくださったことを感謝申し上げます。皆様の御家庭と皆様の行われることに神様の祝福が常に共にあることを祈りながら、私のお話を終わらせていただきます。ありがとうございました。
4.心情文化世界の創建のために
平和経 第七篇 心情文化世界の創建のために
4.心情文化世界の創建のために
日付:一九九四年五月一日
場所:韓国、ソウル、オリンピック公園体操競技場
行事:「世界基督教統一神霊協会」創立四十周年記念式
尊敬する内外の貴賓、紳士淑女、そして世界の食口の皆様。私はきょう、協会創立四十周年を迎え、深い感慨を抱いてこの壇上に立ちました。一九五四年、数人の人たちとソウル北鶴洞(プッカクトン)の小さな家に「世界基督教統一神霊協会」の看板を掛けて、公式的な出発をしたのがきのうのことのようですが、四十年もの歳月がたちました。
私がこの協会を創立したのは、ある個人的な目的を達成するためではありませんでした。ただ神様のみ旨を地上に成就するためでした。考えてみれば、迫害も多く、様々な形の受難の道を歩んできました。親も兄弟も親戚も理解できなかった道であり、さらには社会と国家から追われた生々しい記憶もあります。
最も胸が痛むことは、神様が準備されたキリスト教徒たちからの迫害であり、今でも一部では道理に合わない批判をしています。実に多くの障害物を越えてきました。
このすベての苦難の過程において、背後から守り、導いてくださった神様の深い愛に感謝を捧げます。それでは、神様の救世のための聖人の道理とは何でしょうか。神様が聖人を立てられた目的はどこにあるのでしょうか。神様が求められる聖人は、彼が死んだのちに次の歴史の中で賛美される、そのような聖人ではありません。神様は、この悪の世界を救うことのできる聖人、この時代を神様の善のみ旨で消化できる聖人を求めておられるのです。
この地上の罪悪歴史を清奠するために、悲惨な罪悪の中に入ってそれを撃破して整理する聖人、神様が最も心苦しく思われる問題に一人責任をもち、解決しようと堂々とこの世の悪と対決しながら、勝利の行軍をすることのできる聖人を求められるでしょう。したがって、聖人の行く道は平坦ではあり得ず、無理解と迫害が必然的について回るのです。
私は生きてこのみ旨を成し遂げてさしあげると神様に誓い、寝ても覚めてもその思いに没頭しました。千万回誓いながら、決意を固め、監獄のどん底でもこの誓いを立て、残酷な拷問により死境をさまよう時にもこの誓いを立てました。
神様のみ旨は、信じる人だけのものではありません。万民万象が神様のみ旨のもとにあります。神様のみ旨は漠然としたものではありません。太初に神様の中心にあった創造理想、すなわち創造目的が神様のみ旨です。字宙万象と人間は、すべてその創造目的のもとに造られたのです。
永遠で絶対の神様になぜ創造が必要だったのでしょうか。神様にとって絶対に必要なものとは何でしょうか。物質や知識、または権力でしょうか。そのようなものは、神様が望みさえすれば、いつでも作って手に入れることができ、また神様自身が自由に調節することができます。しかし、真の愛だけは神様も思いのままにすることはできないのです。
真の愛は、ただ相対圏を通してのみ見いだすことができるのであって、一人だけでは愛の刺激を感じることができません。これが、神様が相対的な被造世界を必要とした理由です。神様は真の愛の理想ゆえに世界を創造されたのです。
鉱物界、植物界、動物界を観察すると、たとえそのレベルは違うにせよ、愛の理想を中心として相応、和合、授受できるよう、ペア、すなわち主体と対象に創造されていることが分かります。そして、人間は被造世界の代表者であり、中心であり、神様に最も近い愛の相対として造られました。人間は神様の真の愛の対象なので、人がいなければ神様の真の愛の目的は成就されないのです。
このような点で、神様の真の愛の相対である人間の価値がどれほど貴いものかを知ることができます。神様はその創造理想である真の愛を、最高の絶対価値をもつものとしてお立てになりました。絶対的な神様でも、真の愛の前では絶対的に服従したいと思うのです。
そのような原理のもとに造られた人間と万物も、神様のようにその真の愛に絶対服従するようになるのです。より高次元の真の愛に向かって、すべての生命力が一目散に走っていくのです。宇宙万象の存在秩序と価値も、すべてこの原則のもとに決定されます。真の愛を中心とした神様と人間の関係は縦的な親子の関係です。
神様の息子、娘として造られたアダムとエバは、まず神様から父母の愛を受けながら子女の心情を感じて成長していきます。そして、互いに兄弟姉妹の心情を感じながら成長します。その次に、神様の祝福のもとに真の夫婦となり、互いに愛し合いながら夫婦の心情を感じるようになっているのです。それとともに、子女をもち、真の父母となるとき、子女を愛しながら父母の心情を感じ、さらには神様が自分たちを子女として愛される、その父母の心情を経験するようになっています。
このような子女の心情、兄弟姉妹の心情、夫婦の心情、父母の心情を四大心情といいます。人間が完成するためには、神様の真の愛のもとで四大心情を完全に体恤しなければならないのです。この基台が理想的な家庭です。人間に対する神様の創造理想が成就される最小単位が、四大心情圏を完成した家庭です。
真の愛の主人であり、起源であられる神様は、父の立場でこのように人間に絶対不変の真の愛を相続しようとされたのです。真の愛の中では完全な調和と統一が形成されるので、神様の真の愛は、子女である人間に完全に相続されるのです。
それだけではなく、真の愛の属性として、同居権と同参権も自然と生ずるので、人間は神様の子女として同行し、共にいることができるようになっていました。そうして、人間は神様の真の愛に酔って各自が理想と幸福を所有すると同時に、自然にこれを相対と共に子孫たちに伝承するようになるのが創造本然の世界でした。
しかし不幸にも、人間始祖は天使長の偽りの愛によって堕落することにより、結果的に彼らは真の愛による真の夫婦になることができませんでした。彼らは、神様の許諾なしに子女を生んだ偽りの父母、偽りの先祖になったのです。このように人類は、真の先祖、真の父母から生まれることができず、神様が願われない血統をもって生まれるようになったのです。
自然界を見ると、レベルは低くても、すべて愛の秩序のもとに調和していますが、ただ堕落した人間世界だけが愛の秩序を守れずにいます。数限りない罪悪の闘争と苦痛はここに由来しているのです。神様が意図されたこととは反対になった人間世界を、神様は放っておくことはできません。
神様は、堕落した罪悪世界を創造理想の世界、すなわち原状に回復させようという救援摂理をされます。ですから、神様の救援摂理は創造目的を復帰する摂理であり、それはすなわち再創造摂理となるのです。天意に従って復帰摂理の主役を担ってきたのが宗教です。宗教は、神様の真の愛と真の父母思想を中心とした本然の理想的な家庭、さらには理想的な世界を復帰する目的のもとに立てられたのです。
メシヤは真の父母として来られ、偽りの父母から生まれて植えられた偽りの根を引き抜いてしまい、本然の創造理想を復帰する重大な責任をもって来られる方です。この世界が真の愛と真の家庭へと復帰されるためには、まず真の父母の位置が確立されなければなりません。正にこの使命のために神様は私を召命したのです。堕落によって本来のみ旨が成就されなかったので、神様は失ったものを回復するための摂理において宗教を立てられ、メシヤを送られたのです。
神様の不変の目的は、真の愛の理想世界の実現です。宗教の目的は、真の愛と真の家庭が実現化されることです。反対に、このような目的に寄与せずにそれ自体のためだけに存在するならば、その宗教は、神様の名を語ったとしても、神様とは関係がありません。宗教のために神様や世界があるのではありません。
本然の真の愛、真の家庭の世界へと回復しようとされる神様のみ旨のために、宗教は立てられました。そして私が過去四十年間、世界的に展開してきた超宗派的な活動をはじめとする学術、教育、思想、文化、芸術、言論、科学、技術、産業などの事業は、すべてこの目的のために推進しているのです。
私の生涯は、このことのためにすべてを投入して捧げてきました。私は監獄の道と凄絶な迫害の峠を越え、死地を乗り越えながらも、世界の五色人種(すべての人種)に対して、私を生んでくれた親よりも、私の兄弟よりも愛そうという天的な父母の心をもって生きてきました。
真の愛の行く道は、直短距離で通じる道です。真の愛の実践には前提条件や弁明があり得ず、いかなるものも決定的な障害にはなり得ません。ただ自己犠牲によってために生き、与えることで直行する道です。
私の世界的な業績に対し、たくさんの方から称賛を頂き、有り難く思います。実際、外的に現れた今日の結果も重要ですが、その動機と過程は、もっと重要なのです。どの分野の仕事も、整った良い環境と条件の中から簡単に始めたものではありませんでした。
神様のみ旨をこの地上に成し遂げてさしあげようという一念で情熱を燃やし、投入できるものはすべて投入しながら、礎石を据えて出発し、収めた業績です。どんなに悪の勢力が吹き荒れても、大胆に立ち向かい、既に始めた公義の仕事を育成し、守っていくために身もだえしながら、投入しては、また投入してきました。
紳士淑女の皆様。神様がこの時代を経綸するために願われる宗教は、「父母の位置にある宗教」です。父母の心情を抱いて進む宗教を求められるのです。私は、真の父母思想を教育し、各自がその伝統に似た真の父母になりなさいと教えています。まず家庭において真の父母となり、氏族において真の父母となる氏族的メシヤの使命を果たすように指導しています。
真の父母の心情を抱いた信徒、真の父母の心情を実践する宗教となってこそ、葛藤と憎悪の罪悪世界で神様のみ旨を実現させることができるのです。他の宗教や教派を軽蔑し、敵対視する宗教は、世界平和の実現にも、神様の摂理にも有用ではありません。
天運は調和した平和世界を指向します。ところが、現実はどうでしょうか。冷戦時代が終息したにもかかわらず、いまだに克服すべき対決と紛争の素地があまりに多いのです。人種間の紛争、宗教間の葛藤などの根本問題を解決し、人類一兄弟、世界一家の和合時代を成し遂げなければならない課題は、「真の父母主義」を通してこそ解決が可能です。
統一教会の四十年の開拓の基盤の上に、真の父母と成約時代を迎えた私たちは、「真の父母主義」の実践によって、新しい心情文化世界を創建していかなければなりません。神様と人間が、真の愛の父子関係として統一されるとき、その愛の調和の中で、人間は理想と幸福の実体となります。
この真の愛で形成された心情圏は、どんなに小さくても宇宙と連結され、その中で起こる出来事の波紋は、万象と霊界にまで波及するのです。霊界を含む天宙は、すべて同じ神様の真の愛の原理のもとに存在するからです。
神様と人間との間の縦横、前後的真の愛の関係は、人間相互間の理想的真の愛の関係の根本であり、その完成は四大心情圏を体恤した理想家庭においてのみ成し遂げられるのです。心情文化は、このような四大心情を完成した理想家庭の統一圏の中で、平和と幸福と自由と理想の心情を交感し、共同体恤する生活の中で花咲くのです。
このような世界には宗教が必要ありません。特別な信仰儀式が要求されない、生活全体が神様に侍り、真の愛の一体心情圏の中で共に暮らすのです。「生めよ、ふえよ、よろずの物を治めよ」とおっしゃった神様の祝福を成し遂げて暮らす、天国生活そのものです。神様が理想とされた創造目的の完成なのです。
心情文化世界を創建するために、私たちは、真の愛、真の父母思想の教育を通して人格を涵養し、神様の祝福のもとに真の愛の家庭を築く運動を、より一層広げていかなければなりません。生活信仰の鍛錬を通してために生き、投入しては、また投入する真の愛の人格がつくられてこそ、理想的な夫婦、理想的な家庭が形成されるのです。この道こそが極端な利己主義、個人主義、物質主義の惰性から抜け出し、人類に明るい未来を期待できる道です。この道こそが不倫と青少年の堕落、そして家庭破綻を防ぐ道なのです。
国際合同祝福結婚を通した真の愛の家庭運動によってのみ、民族間と人種間の紛争を根本的に解消することができます。宗教の壁を越えて、このような天意に従う真の愛で家庭理想を完成するという奇跡的なことが成し遂げられ、来年行われる三十六万組の国際合同祝福式には、より多くの宗教団体が参加するでしょう。
また、「世界平和女性連合」の活動を通して、真の愛の母の理想像を教育しています。すべての女性たちが、真のお母様の心情をもって子女を正しく養育し、教育してこそ、真の家庭の理想が実現されるのです。今こそ、神様のみ旨に従って自覚した女性たちが、堕落した世界の男性たちを正しく教育する時が到来しました。全世界的にこのような運動が拡大されていくでしょう。
心情文化世界を形成していく過程において、宗教の役割は、実に大きいのです。宗教間の和合と協力なしに、世界平和を成し遂げることはできません。これまでも、このことに全力を尽くしてきましたが、これからも、宗教人たちが宗派間の高い壁を崩し、神様のみ旨を地上に実現するという大きな目的のもとに連合活動をしていくことに率先していきます。「世界平和宗教連合」を積極的に支援し、また『世界経典』を配布、教育することによって、宗教相互問の共同善を悟らせるために努力するつもりです。宗教人たちが実践と協力と模範を通して、神様のみ旨を成し遂げていくために先頭に立つでしょう。
私が創設し運営しているいくつかの機構の活動も、一層活性化させようと思います。実質的で現実的な世界の問題を解決し、神様のみ旨を成就する基盤を築いてきた数多くの組織があります。元現職国家元首たちで構成された「世界平和連合」は、世界の紛争や国家間の葛藤を仲裁し、平和が持続するように努力し続けるでしょう。
「国際勝共連合」と「南北統一運動国民連合」も国家的、または国際的に対峙する思想や理念を、「神主義」と「頭翼思想」によって消化する実践運動を広げていくでしょう。
先端科学技術の発達と情報通信の革命的開発によって、未来の人類の生活様式が想像を超越して変わっていくことが予見されます。また一方では、人間の無限な欲望と利己的開発によってもたらされる全地球星の環境問題と大気圏の管理問題が、人類の存亡に直結しています。次世代の主役たちが、自己中心的な思考と短絡的満足への一途をたどっていくことをそのまま放置するならば、人類の未来はどうなるでしょうか。
実践する真の愛、真の父母主義を中心とした絶対価値が立てられなければなりません。人が四大心情圏によって縦横に連結された不変の愛圏である家庭の上に安定するとき、初めて文明の利器が真の幸福の手段となるのです。
ですから、「国際文化財団」の「科学の統一に関する国際会議」と「世界平和教授アカデミー」の活動を通した良心的碩学たちの献身と教育と実践が、より価値あるものとして要請されます。私が新しい百科事典を編纂する意図も、新世代の正しい教育のための作業です。様々な教育機関を運営し、学術活動を支援しているのも同じ目的です。韓国の鮮文大学とアメリカのブリッジポート大学などを育成し、「世界大学連盟」に発展させる計画も、すべては、到来する心情文化世界の基盤を教育するためのものです。情報化時代を迎え、新聞などの印刷媒体と電波媒体を世界的に支援、育成することによって、正しい言論を通じた大きな次元の社会教育をしています。
神様の心情では、地球上に飢える人がいるということが、どれほど胸痛むことか分かりません。私はこれまで、産業技術を開発し、発展途上国に伝授することにより、技術の平準化を成し遂げようと努力を重ね、今年、「世界平和技術研究所」を設立し、既存の研究所と共に世界技術の標準化に寄与しています。
海洋摂理にも二十年以上の間、投入し続けながら、海洋資源を通した食糧資源対策を立てています。「国際救護親善財団」の活動とアフリカなどの地における農業と軽工業指導活動を通して、多くの成果を上げています。今年、韓国でも二つの総合福祉財団を設立しています。
満場の貴賓の皆様。食口の皆様。私はきょうのお話を終えるに当たり、改めて神様に感謝を捧げたいと思います。神様のみ旨のために生きるという、極めて純粋な動機の一心で生涯を駆けてきた私を見つめながら導いてくださった神様は、私の何千倍もの困難と苦痛を耐え忍んでこられました。ここにすベての栄光を神様にお捧げいたします。
また、四十年の業績がどうして私だけのものでしょうか。多くの苦労をした食口の皆様と後援者の皆様に対し、心から有り難く思っています。神様のみ旨は、本来万人の願いなので、皆様すべてがその代表者となり、また真の父母の代身者となって、み旨を相続する人となり、義であり、善なるみ旨を広く結実させてくれるようお願いします。
そして、神様が願われる本然の心情文化世界が一日も早くこの地に実現されるよう共に努力しましょう。最後に、国内外の貴賓の皆様が、きょうこの場に参席してくださったことを感謝申し上げます。皆様の御家庭と皆様の行われることに神様の祝福が常に共にあることを祈りながら、私のお話を終わらせていただきます。ありがとうございました。
5.正義の旗手になろう
平和経 第七篇 心情文化世界の創建のために
5.正義の旗手になろう
日付:一九九五年八月二十七日:
場所:韓国、ソウル、孝昌運動場
行事:第二回「世界文化体育大典」ハンマダン体育大会
親愛なる内外の貴賓の皆様、そして本大会に参加するために心情の本郷である韓半島を訪ねてこられた全世界の青年、学生の皆様。最初に私はこの場で皆様の若くて純粋な情熱に惜しみない賛辞を送り、歓迎します。本大会は、「世界文化体育大典」の一環として、既存の体育行事とは性格が異なる体育大典です。なぜならば、「世界ハンマダン体育大典」は、世界の若者が力を競い、知性ある人たちが和合の知恵を集めるという人類の本然の姿を希求する心情から出発しているからです。
創造本然の理想世界は、神様の真の愛、真の生命、真の血統を中心として、真の子女、真の兄弟、真の夫婦、真の父母の四大心情圏を完成することによって成し遂げられる世界です。人間始祖は、神様のみ言を不信し、天使長と不倫な血縁関係を結ぶことによって悪の種を受け継ぐようになりました。このような愛の関係によって、人類は、悪の父母と悪の子女を通して、悪の生命と悪の血統の根をもつようになったのです。
このすベての堕落の起源は、正に青少年期に発生しました。青少年期は人生で最も重要な時期です。今日の若者たちは、無分別な価値観の混乱により、人類始祖がそうだったように堕落のふちの中へと落ちています。フリーセックスや利己主義が横行し、道徳と倫理を否定し、父母と子女を否定しながら、家庭を大切に考えません。
今日はこのような地上地獄の時代なので、地上天国をつくるためには、このすべてを、神様の絶対的真の愛の基準を中心として、神様の側に一八〇度転換しなければならないのです。すなわち、悪魔が人類の家庭を破壊したので、神様は人間を救援するために、その反対の経路を通して、真の父母を中心とした真の家庭のモデルを立ててきたのです。
神様は創造本然の立場で、愛と平和の世界を望んでいますが、悪魔は、人類が自分だけのために生きる立場で、憎悪と闘争と罪悪の歴史をつくることを願ってきました。また、天との連帯関係を破壊するために、酒、たばこ、麻薬など、自分の最大の実権を駆使してカイン文化の風潮を全世界に広めてきたのです。終わりの日とは、このようにエデンの園の堕落が全世界的に再現される時です。ですから、メシヤとして再び来られる真の父母は、このような問題の核心を根絶し、これを収拾していかなければならない重大な虫貝任があるのです。私は、人類に入り込んだ罪の根と、堕落の動機と経路を解明したところ、この問題こそが人間社会の倫理的退廃をもたらしていたことが分かりました。このことで闘争の歴史が始まったという事実を、私たちははっきりと認識しなければなりません。
二世の摂理時代である今日は、まず退廃的文化と慣習をきれいに脱ぎ捨て、淫乱と暴力を追放し、神様を中心とする新しい心情文化と真の愛の伝統を安着させなければならない時代です。このために私は生涯をかけて、神様の真の愛と絶対価値を中心に立て、世界の指導者たちを糾合し、組織を育成し、その影響力を世界的に拡大させてきたのです。
神様の真の愛は、投入してはまた投入し、無限に与え、そして、その与えた事実すら忘れてしまう絶対的な愛の基準です。このような神様の真の愛の絶対的基準を、縦的に連結し、横的に拡大していくことで、人類が願う理想世界を尋ね求めていくのです。
神様は、真の愛を中心とした環境圏を造成するために、真の愛の実体である真の父母を中心に、世界的な基盤を造成してきました。世界の碩学たちと共に絶対価値を探求する「科学の統一に関する国際会議」と「世界平和教授アカデミー」、言論の自由と倫理的責任を追求する「世界言論人会議」、各宗教間の和解と一致を模索する「世界平和宗教連合」、世界平和を模索する「世界平和連合」、女性の社会的参与を通した理想社会実現のための「世界平和女性連合」、真の家庭理想を実現してその理想を全世界的に拡大するための「世界平和統一家庭連合」、そして二十一世紀の新しい青年文化運動を主導する「世界平和青年連合」の結成および組織拡大などは、そのような背景から出発したのです。特に、新しい四十年路程が出発する第二回「世界文化体育大典」は、各分野の世界的な基盤が根を下ろす人類和合の大典です。
皆様。きょうのこの大典は、五大洋六大州の多様な文化圏の伝統と価値が根を下ろt統一的新文化創造の地平を開いていく場です。このようなすべてのものの土台となるこの原理運動は、本然の血統と連結された心情文化運動であり、新しい真の愛の実践運動です。世界化された原理運動は、退潮した共産圏を生み変える共生共栄共義主義の「頭翼思想」により、数多くの社会主義の若者の希望の原動力となっています。
特にモスクワ大学をはじめとした独立国家連合(旧ソ連)の七百以上の大学で、原理研究会の理念が、マルクスレーニン主義思想に対する代替理念として広く拡散し、北朝鮮の金日成総合大学を中心とした主要大学でも、原理研究会の「頭翼思想」が新しい理念として検討されていることは周知の事実です。
二十一世紀における人類の未来を導いていく青年、学生の皆様。私は、生涯をかけて、「ために生きよ!天宙主管を願う前に自己主管を完成せよ!」とい、2具の価値観の理念で、今まで世界の若者たちを指導してきました。
皆様は、真の父母、真の師、真の主人の三大主体思想で武装し、真の父母のように、強靭な肉体と健全な精神の調和を成していかなければなりません。原理的に見るとき、完全な人間は、精神と肉身が神様の心情と絶対価値を中心に統一的な関係をもち、正しい役割を果たさなければなりません。
つまり、いくら健全な精神をもっているとしても、健康な肉身をもつことができなければ、完全な人になることはできず、それと反対に、健康な肉身を所有したとしても、精神が正しくなければ、正しい人の役割を果たすことはできません。このような事実を認識し、皆様全員が、心と体の正しい統一を成就していくことができるよう、絶えず精進してくださることを願います。これが今回の体育大典の中心的な目標でもあります。この体育大典を通して、このような心と体の正しい統一を成就していかれることを、皆様にお願いします。そして五大洋六大州の若い青年たちが、国境、人種、宗教の壁を越えて一つになる、新しい画期的な芸術世界を創造するように適進しなければなりません。若者たちの純粋な情熱と努力によって神様の心情を体恤する万世の願いの勝利者となれるよう、不屈の挑戦と努力を惜しまないことを切にお願いする次第です。
皆様は、若者の特権である熱い情熱と聡明な理性、不撓不屈の気力によって、真の家庭の理想を完成するために、最後まで前進していかなければなりません。このような観点から、きょうのこの大会は、新しい二世の摂理時代の青年文化運動創建の広場として、とても意a深い行事であることは間違いありません。
皆様はこの場を通して、近づく二十一世紀の新しい主人公の立場で、復帰摂理の中で生じた、神様の胸痛む恨を解いてさしあげようという決意をしなければなりません。神様は、御自身の恨を解かれるために、若い時代の私を神様の代理使命者として召命され、人類救援摂理の主流圏を形成するように御命令されました。皆様には、このような真の父母の摂理的な責任を歴史の前で蕩減してさしあげるべき責任があります。これが正に青年の時代に真の父母と共に一時代を生きていく若き青年、学生たる皆様の進むべき方向です。どうか皆様の気概と決意で、理想世界実現のための牽引車の役割を果たしてくださるようお願いする次第です。
親愛なる世界の青年、学生の皆様。皆様は真の愛の光明体として暗闇を押しのけ、悪を審判する正義の旗手とならなければなりません。さらには、神様を中心とした四大心情圏と三大王権を復帰した窝の息子、娘として、強く大胆でなければなりません。真の父母の勝利圏を相続した真の子女として、二十一世紀を導いていく新たな青年指導者となるために、健康な心と体の所有者になるよう、真心を尽くしてくださることを願います。
皆様の将来に、神様の無窮な祝福と加護が共にあることを祈りながら、祝辞に代えさせていただきます。ありがとうございました。Eo:p>
6.青年文化として定着すべき純潔運動
平和経 第七篇 心情文化世界の創建のために
6.青年文化として定着すべき純潔運動
日付:一九九七年十一月三十日
場所:アメリカ、ワシントンDC、コンベンションセンター
行事:第三回「世界文化体育大典」ハンマダン体育大会
尊敬するマリオンベリーワシントン市長御夫妻、著名な国内外の貴賓、スポーツ祝祭に参加された「世界大学原理研究会」の会員、そして紳士淑女の皆様。きょう、この朝に世界的な都市、ワシントンDCの中心に位置するコンベンションセンターにおいて、勇ましくはつらつとした世界各国の若者の皆様とお会いでき、とてもうれしく思います。
特にこの場をお借りして、今回「世界文化体育大典」の行事を誘致してくださっただけではなく、この期間に多くの便宜を提供してくださったべリー市長とワシントン市民の皆様に、改めて深く感謝を申しあげます。
全世界が、きょうこの場に雲霞のように集まられた若者である皆様を注視していますので、皆様もまた、皆様を見つめるこの世界に対して責任をもつと誓う場となることを願います。
私は「世界文化体育大典」のビジョンを、一九八八年、ソウルオリンピックが終わった直後に、私の祖国である韓国で公表しました。様々な面から見て、当時のソウルオリンピックは、近代史において一つの大きな転換点でした。東西の冷戦によって一九八〇年のモスクワオリンピックと一九八四年のロサンゼルスオリンピックが、部分的なボィコットの中で開催されて以降、初めてソウルオリンピックを通じて、全世界の国々が一家族として再び集まったのです。
東の共産圏と西の民主世界の若者たちが、ソウルで共に走って一つになるのを目撃しながら、民主世界と共産世界を塞いでいる障壁がすぐに崩れることを、私は予見していました。そして、これから人類がもつべき未来の祝典は、人間の肉体的な技量だけを競うオリンピック競技から、一歩進んで、文化と道徳、精神の高揚を共に目指す全人格の形成に焦点を置かなければならないと思いました。さらに、このような全人類的祝典の核心は、人間の心と体の中心となる真の愛を実現する真の家庭を築く祝福結婚の行事でなければならないと強調してきました。
ですから、「世界文化体育大典」は、全人類の心が共に調和する真の愛の祝典であり、全世界の学術、政治、宗教、言論、芸術など各分野の最高指導者たちが一堂に会して開かれる知性の文化大祭典であり、また健全な肉体を競い合い、世界の人々の団結を図る若さのスポーツの饗宴でもあるのです。
一言で言えば、真の愛を主軸として、人間の精神と肉体の調和と発展を期し、世界の各分野の指導者が知恵を集め、平和世界を設計しながら二十一世紀の新文化創造を模索する場、それが正に「世界文化体育大典」なのです。
「世界文化体育大典」は、韓国で一九九二年と一九九五年に、各々第一回、第二回の大会が挙行されました。そしてきょう、私たちは、世界的な首都であるワシントンDCで、第三回大会の最後の行事を迎えているのです。
人類の未来を担うべき若者の皆様に、きょう私がお願いしたいことは、絶対「性」を強調する純潔運動です。この大会の期間に皆様は、絶対愛と絶対純潔を叫びながらワシントンDCの中心街を行進しました。私は、この行進こそは、今日地球上のどこを探しても見つけられない価値ある一場面であると思います。
既に昨今の世界では、「純潔」という言葉の価値やその重要性に関する論議さえも、陳腐なものとして扱われる環境になっています。純潔な愛の不在は、家庭の破綻を促し、人類の未来を暗くする根本要因になっているのです。
人類が歴史を通して純潔を強調し、これを大切にしてきた理由は、純潔それ自体が生命の尊厳と直結するものだからです。したがって、純潔を尊重する心は、命を貴く思う心と通じるのであり、それは取りも直さず、自らの氏族と全人類を大切に思う心につながるのです。さらには、この純潔の立場は、神様と出会うことのできる心と最も近く通じるのです。
いくらアメリカが強大国といっても、この純潔の問題に関して決して強いとは言えないことは、否定できない現実です。ワシントンDCが世界の首都としての体面を守ろうとするなら、何よりもこの純潔の問題において一番にならなければならないでしょう。ワシントンDCが純潔と真の愛の聖都となる日には、アメリカ全体が、全世界の尊敬と愛を受けるようになるでしょう。
人類始祖アダムとエバをはじめとして、人類の歴史上、大勢の英雄や修行者たちが越えることのできなかった峠が、正に純潔の峠でした。純潔に対しては、家庭はもちろん、学校と教会、そして政府さえも責任をもてないというのが今日の問題点です。
純潔を守る最善の方案として私が教えてきたものが絶対「性」です。これは、神様のもとで結ばれた愛の相対は永遠であり、いかなる条件下においても変わることのない絶対的な愛の関係だという意味です。なぜかというと、二人の配偶者の出会いは、永遠で絶対的な神様の愛を中心として実現されるものだからです。これは男性にのみ強調されるものでもなく、女性にのみ該当するものでもありません。男女共に絶対的に守るべき天倫なのです。
フリーセックスこそは、この地球星から完全に根絶すべき邪悪な風潮です。このフリーセックスと関連した要素は、麻薬、暴力、同性愛、エイズなどのように人類を破滅へと追い込んでいく要因なのです。
このように「世界文化体育大典」の目標が、完全な人格体を育て、真の愛の土台である真の家庭を築くことなので、この大典に参加された皆様にとって、純潔の意味はさらに格別であり重要です。皆様が展開するこの純潔運動が地上に定着するとき、真の家庭運動は最も大きな力を得るのです。
ですから、皆様は、この純潔運動を新しい青年文化として、一日も早く世界中に定着するようにしなければなりません。既に三百六十万家庭、そして三千六百万家庭が、今回の祝福結婚の行事を通して、純潔と絶対「性」を誓いました。皆様はこれから、踊りと歌とスポーツを楽しむ祝祭を終えて、純潔と真の愛のメッセージを、大学街、そして世界の津々浦々に伝えなければなりません。
韓国の諺に「民心はすなわち天心である」という言葉があります。既に三千六百万組に至る家庭が、神様の真の愛を中心とした真の家庭を築くことを誓って立ち上がったとすれば、それは正に神様が共におられるという意味にほかならないのです。
ですから、三億六千万家庭を新たな目標として引き続き推進されるこの真の家庭運動は、正に神様をこの地球星にお迎えする新しい平和運動なのです。したがって、人類が新しい二〇〇〇年代へと進入するための最上の準備は、三億六千万組の祝福結婚行事を成功裏に成し遂げることであると言わざるを得ません。
今回の祝典に参加された皆様は、これから御自身の国にお帰りになり、一層自信をもって純潔運動を活発に展開してくださり、真の家庭の理想がこの地に定着するよう積極的に後援してくださることを願います。
きょう行われる皆様のスポーツ大会が、若さを燃やし、友誼(ゆうぎ)をさらに固める機会となり、本大典の有終の美を飾る行事となることを期待します。皆様と皆様の御家庭と将来に神様の祝福が共にあることを祈ります。ありがとうございました。
7.真の愛は誰もが願う
平和経 第七篇 心情文化世界の創建のために
7.真の愛は誰もが願う
日付:二〇〇〇年二月十三日
場所:韓国、ソウル、リトルエンジェルス芸術会館
行事:第四回「世界文化体育大典」祝賀会
尊敬する内外の貴賓の皆様。公私共にお忙しい中を、「世界文化体育大典」に参席してくださった皆様に、心から感謝を申し上げます。
理想家庭を通じた真の平和世界の具現のために、私が生涯をかけて追求してきた各種の平和運動は、神様のみ旨を地上に成就してさしあげるための一環として、推進されてきました。分裂と葛藤の一世紀が終わり、平和と統一を模索しながら出発した新千年の希望は、漠然と成就するわけではありません。
神様の創造理想を中心として全世界が、「一人の神様のもとの一つの世界」を指向するという具体的な青写真をもって、各界各分野で具体的な実践運動が世界化されなければならないのです。
私は、かつて十六歳(数え)の少年時代に天のみ旨に接して以来、楽園のイエス様をはじめとする歴代の聖人たちと自由に霊通しながら、生涯を通じてあらゆる試練に打ち勝ち、神様のみ旨を成就する一念で、全身全霊を投入してきました。その中で私は、神様のみ旨は、地上と天上に、自由と平和と解放の天国の建設にあることを知りました。本然の神様と人間の関係は、永遠の父母と子女の関係です。堕落とはその断絶を意味し、復帰とは父母と子女の関係を回復することをいいます。
私がこれまで設立した各種の平和団体と国際組織は、「一人の神様のもとの一つの世界」を構想してこられた神様のみ旨成就のためのものです。特に、皆様が参観された国際祝福行事は、堕落によって受け継いだ人種、宗派、国家間の葛藤を根本的に解決するための神様の戦略です。五色人種が一つに調和し、真の夫婦として出会うことにより、「一人の神様のもとの一つの世界」を追求する、聖なる理想が実現するのです。
きょう、私の八十歳の誕生日の祝賀行事と第四回「世界文化体育大典」の歴史的大会を終えながら、皆様と共に考えてみようと思う話の題目は「真の愛は誰もが願う」です。
皆様。人間にとって最も重要で必要なものとは何でしょうか。それはお金や権力、あるいは知識ではありません。生命よりも貴く、空気よりも必要なものは、真の愛です。真の愛が、私たちにとってこれほどまでに貴く、重要なのは何のためでしょうか。
人間が生きていく上で、神様に会うことを願うように、神様も真の人間に会いたいとお思いになります。しかし、神様が人間の中でも男性と女性のどちらか一方に先に会いたいとおっしゃるならば、恐らくもう片方が不平を言うでしょう。
ですから神様は、愛を前に立てざるを得ないのです。愛さえ前に立てれば、男性と女性は一緒に会うことができ、一緒に触ることができ、一緒に分かち合うことができるからです。世の中で最も貴いものがあれば、男性と女性は互いに自分のものにしようと争うのですが、それが愛であるということが分かれば、二人は互いに一つになって、互いのために所有しようとするのです。
このように、愛は、誰もが好むということだけではなく、愛のみが人間の欲望をすべて均等に充足させることができるという原則があるので、神様の救援摂理も可能なのです。
愛とは本来、神様のものです。しかし、いくら神様のものだといっても、神様一人では所有できるものではありません。愛は必ず相対を要求するようになっているのです。男性一人、または女性一人だけでは愛は成立しません。ですから、男性の愛のために女性が、女性の愛のために男性がいるということになります。醜い男性も、醜い女性も、愛の対象が現れることを願うのです。それも、最も高い愛の対象であることを願います。
ですから、宇宙のすべての存在を見れば、みな主体と対象、プラスとマイナスのペアになっています。鉱物界、植物界、動物界、そして人間の世界もすベてペアシステムになっているのです。なぜならば、すべてがこのような相対関係を通じて真の愛を願うからです。
そして、この宇宙の中で絶対に一人では所有できないのが愛ですが、反面、相対が現れることによって、愛で連結されたすベてのものを所有するようになるのです。同じように、子女なしでは、子女を愛することのできる父母の愛は現れず、子女に対する父母の愛の主人にもなれないのです。
ですから神様も、真の愛で愛するために、その相対として宇宙と人間を創造されたのです。このように子女の愛や兄弟の愛、夫婦の愛、そして父母の愛のすべてが、主体と対象が一つになることによって現れるのです。主体と対象が一つになれば、これら二つは分けることができません。もし分けるとするならば、真の愛が破壊されるのです。本来、離婚という概念はあり得ないのです。
男性が愛を感じるからといって、それは自分によるものではありません。女性から始まったものです。また女性が愛を感じるからといって、それもまた自分によるものではなく、相対である男性に由来するものです。すなわち、愛の主人は相対です。ですから、愛を貴く思う以上にその相対を貴く思い、相対の前に感謝して、ために尽くしてあげなければなりません。
これが、祝福を受けた夫婦が永遠に共に暮らすことのできる根本の道理です。このように夫婦が、互いにために生き、尊重し合い、真の愛によって完全に一つになるとき、これを通じて堕落したサタンの血統が根絶されるのです。
真の愛とは、横的な水平関係だけでなく、縦的な垂直関係においても成就されます。真の愛の横的関係が、縦的にだんだんとその次元を高めれば、結局、その頂点に到達するのですが、その場が「真の愛の王」である神様の位置なのです。その位置では、すべてのものが結合し、抱かれ、愛と化し、そして花咲くことができるからです。
ですから、宇宙の中にあるすベての存在は、愛によって和合することを願い、愛の中で生きることを願うという結論になります。愛のために生まれ、愛のために生き、愛のために死ぬということになります。
真の愛は人間のみならず、すべての万物も願います。ですから、万物の霊長である人間は、神様の造られた万物を抱いて愛してあげるべき責任があることを知らなければなりません。万物たちは、このような主人を探しています。このような基準に私たち自身を照らしてみながら、自分を恥ずかしく思わなければなりません。
宇宙いっぱいに満ちたすべての存在は、それぞれの位置で相対と共に存在していますが、結局さらに高い愛の次元に吸収され、上昇するようになるという原則に従うのです。すなわち、鉱物は植物に、植物は動物に、そして結局は人間にすべて吸収されることを願うのです。
ですから、すべての存在は、捕まって食べられたり、吸収されたりして、さらに高い愛の次元に上がり、最後は愛の根源であられる神様の最も近い愛を受ける位置にまで進んでいくようになるのです。このようにすべての存在が究極の目的地とするのは、正に真の愛の本質です。
ダーウィンの「弱肉強食」という言葉は、このような愛の論理によって再解釈されなければなりません。ですから、ありや微生物までも真の愛を願うだけではなく、自分を愛してくれる主人のところに行って死のうとするのです。このような原則から神様の愛の最も高い対象として造られた人間は、すべての万物を食べたり、所有したりできる立場にいるのです。
私たちは、すべてのものを食べ、所有したとしても、これらを造られた神様の真の愛の心をもって食べたり、所有しなければなりません。万物の中で長い形のもの、例えば、うなぎや、魚が好きなみみずのようなものは、大概、薬材として使われるのです。どの段階であれ、すべてが食物連鎖しています。そうでなければ、宇宙は存立することができないのです。
神様の理想は、アダムとエバを種として家庭をつくり、氏族をつくり、国をつくって、膨大な天の国の民をつくろうというものでした。天の国の民は、このような神様の真の愛の伝統に従って繁殖するのです。私の言葉とチャールズダーウィンの理論は正反対ですが、平和の世界は、私の言葉のとおりに成し遂げられるのです。なぜならば、これが創造理想を実現する根本原理だからです。
進化論と創造論の論争が続いてきましたが、「創造」という言葉には、既に「創造主であられる神様がいらっしゃることを認める」という意味が前提にあるのです。神様が主体と対象の授受作用を通じて形づくられた被造世界には、方向性と目的観が前提となっていますが、唯物論に基づいた共産主義の理論には、このような方向性も目的観もありません。神様の創造には真の愛の目的がある反面、共産主義には闘争と破綻があるのみなので、結局すべて消え去ってしまうしかないのです。
すべての万物の中でも最も貴い存在が人間、すなわち男性と女性であり、その中でも最も重要な部分は、鼻や目、手、頭脳ではなく、愛の中心器官である生殖器です。この愛の器官によって、宇宙のすべてが再創造されるのです。
植物も動物も、この生殖器によって繁殖し、拡大していくのです。最も価値があり、一つとなった素晴らしい家庭も、それが一つとなった夫婦から現れるのです。一つとなった夫婦によって理想家庭が始まります。この愛の器官こそ、愛と生命の本宮であり、血統と歴史が連結する絶大な価値をもつ所なのです。
神様が宇宙を造られた根本原理は、雄と雌の概念を通すというものです。この雄と雌が絶対的な愛を願うならば、そのペアが二つであってはいけません。ただ一つ、絶対に一つでなければなりません。永遠に絶対男性と絶対女性でなければならないのです。それで神様は、アダムを二人造ったのではなく、エバを二人造ったのでもありませんでした。ただ一人ずつ造ったのです。
ところが、今日の世の中を見ると義理の父が十人もいるケースを見かけます。いかに偽りで汚れた世の中でしょうか。女性も男性も貞操を守り保護することは、宇宙を保護することと同じことなのです。それは男性と女性の愛の秩序が宇宙の根本だからです。
ですから、これを動物のように濫用してはいけません。愛の主人は神様なのです。その中でも真の愛の「真」は、二つを許すのではなく、ただ一つだけであり、絶対に一つなのです。
「真の愛」とは、誰も語れるものではありません。唯一、神様のみが、本当の真の愛で愛することができ、真の愛の絶対主人になられるのです。ですから、神様の真の生命も、神様の真の血統も、神様の真の良心も、真の愛を必要としています。このように、神様の最も根本的な本質は真の愛なのです。
また、この真の愛と関係を結ぶには、神様と関係がなければなりません。自分の父母がけんかをせずに豊かに暮らしているからといって、真の愛で愛しているとは言えないのです。恋愛する若い未婚の男性と女性が、互いに命を懸けて愛し合っているからといって、それが真の愛であるというわけではありません。神様が介在していないので、真の愛ではないのです。真の愛は必ず神様を中心としなければならないのです。
神様の息子、娘になるには、神様の血統と生命と愛に関係しなければなりません。権力や知識やお金、軍事力だけをもってしては、真の愛の世界では歓迎されません。真の愛は誰もが願うものですが、愛とは、ために尽くすことによって可能であるという原則を知らなければなりません。相手のために奉仕し、犠牲になってあげなければならないのです。「私のために生きよ」という心で人に接すれば、みな逃げていってしまうのです。
このような利己的な個人主義は、サタンの戦略であり、目的であり、道具です。ですから、その結果は地獄にほかなりません。全体のために生きなければなりません。人のために、全体のために犠牲となって奉仕すれば、みなやって来て、私を愛してくれるのです。
子女として造られた人間が、兄弟となり、夫婦となり、そして父母の位置に進む過程ごとに、神様はそのすベての真の愛の主人になるのです。すなわち、人間が育つ過程を見ながら、神様はそのすベての段階の愛の主人として定着されるのです。
したがって、神様をしてすベての愛の主人とならしめた人間こそは、神様よりも貴い存在であると見ることもできるのです。ちょうど自分の愛する人を、自分よりも何千万倍も価値があるものとして貴く思うようにです。
ですから、より貴いもののために、神様は投入しては忘れ、また投入してはお忘れになるのです。一〇〇パーセント投入されたのち、一〇〇パーセントお忘れになるので、続けてさらに投入できるのです。
自分の夫が立派になることを願う妻は、夫のために投入しては忘れ、また投入しては忘れることによって、夫を成功させることができます。投入して忘れることを続ければ、その愛の段階が高まって、究極的には、神様の位置に連結されるのです。そうして神様と共に父子の関係を結んで永生するのです。
誰もが天国に行きたいと思うのですが、「私のために生きよ!」という思いばかりをもっていては天国に行くことができません。真の愛は、神様がお造りになったすべての傑作を抱き、ために生きるところから始まり、全世界の人類と究極的には神様のために生きることによって、天国に至るようにするのです。
一生に三回以上は、生命を懸けて、ために生きようとしなければなりません。人類は、アダムとエバの堕落、イエス様の十字架、そして再臨主の家庭を追い出した迫害のすべての歳月を蕩減しなければなりません。
神様に出会うには、三度死の境地を通過しても、神様に自分のことを分かってもらうことを望むより、神様のためにもっと尽くそうとしなければならないのです。そのような人々が生きる世界がこの地上にあるならば、そこが正に天国です。この道を私が教えており、そのような世の中をつくっているのです。
子女は父母の愛の実ですが、愛の実というのは、愛と生命と血統が合わさって形成されるものであることを知らなければなりません。子女たちは「自分のもの」を主張しますが、「自分のもの」の出発点は父母です。父母は根であり、幹です。父母がいなければ、すべて孤児です。父母につながっている愛の梯子を切ってしまったら、根と幹につながつて生きることはできないのです。
真の愛の起源となられる神様を父母として、私たち人間は、息子、娘の立場に立てられました。また父母は本来、子女のための愛の最高の主人です。父子の関係が縦的な垂直関係であるのに比べ、夫婦関係は横的な水平関係です。
ですから、父子関係と夫婦関係が互いに直角を形成し、ここに前後関係である兄弟関係が合わさることによって、すべての愛の関係が球形を形成するようになるのです。それで、愛によって形成されたすベての存在は球形なのです。宇宙全体が球形になっているのです。このように形成された球形の中心位置ですベての愛が統一され、定着するのですが、その場に神様がいらっしゃるのです。すなわち、神様とその息子、娘である人間の垂直関係を中心として、男性の愛と生命と血統が右に定着するならば、左には女性の愛と生命と血統が定着するのです。
ここに兄弟の愛が前後の方向に定着すれば、そのすベての愛を中心として宇宙全体がバランスを取るようになるのですが、これらが一番の核として出会うところに神様がいらっしゃるのです。これを平面的に横にして見れば、愛の根、生命の根、血統の根、そして良心の根に神様がいらっしゃるのです。
このように神様を中心とした家庭では、縦と横、そして前後の愛が一つになるのですが、このような家庭から氏族になり、民族、国家、世界、そして天宙に至るまで拡大していくのです。その根本的中心は、常にお一人の神様であられるのです。
アダムとエバが堕落していなければ、真の夫婦の愛のモデルが現れていたはずであり、彼らから愛の教育、すなわち愛することを学んでいたはずです。彼らが子女をもてば、誰がその子女を結婚させるのでしょうか。それは父母です。それでは、果たして今日、この社会で父母がどれほど子女たちの結婚に関与しているかを考えてみなければなりません。
統一教会には真の父母がいるので、世界の人々を父母の立場で祝福結婚させてあげています。ここでは、人種の差別を超えるだけでなく、誰でも分け隔てなく一緒に結婚させているのです。
真の父母は、悪の愛、悪の生命、悪の血統を、接ぎ木によって転換し、否定させることによって、アベルの命を奪ったカインを排除せずに、同じ立場で祝福してあげるのです。潮水を見るとき、出ていく水と入ってくる水が出会い、水平になった時のように、歴史的に救援摂理の蕩減復帰が終結する善悪の転換点において、善人と悪人を共に祝福してあげることによって、サタンが完全に追放されるのです。
そしてエデンの園で誤った結婚をしたことが堕落なので、今は真の父母が正しく結婚させることによって、これを再びひっくり返すのです。偽りの父母が犯したことを真の父母が清算することによって、地獄を撤廃し、数百数千億の霊界の先祖たちまでも祝福結婚させ、真の愛を中心とした本然の真の生命と真の血統を取り戻し、真の父子関係を復帰するのです。
こうして、神様の創造理想である八段階の真の愛のモデル的な主人を完成するようになります。すなわち、腹中時代、幼児時代、兄弟時代、思春期時代、約婚時代、夫婦時代、父母時代、真の祖父母時代、真の王と真の王妃の時代を経て、永遠に変わらない真の愛の伝統を立て、父子関係である真の愛のモデルが完成するようになるのです。
真の神様の真の愛と真の生命、そして真の血統は、絶対、唯一、不変、永遠なので、子孫万代の不変な真の愛を中心としたモデルとして相続されるのです。そして真の愛を中心としては、父子一体、夫婦一体、兄弟一体になるのです。
父を愛の主人にしてくれるのは息子であり、夫を愛の主人にしてくれるのは妻であり、兄を愛の主人にしてくれるのは弟です。反対に、子女に父母がいなければ、妻に夫がいなければ、兄に弟がいなければ、それぞれ愛の主人の立場を見いだすことができないのです。
真の愛の主人になるためには、相手を自分よりも高め、相手のために尽くさなければなりません。ですから、個人においては心身一体、家庭では夫婦一体、兄弟一体、そして国家一体を形成し、八段階の理想モデルである愛圏を完成するのです。
そうして父母と子女、夫婦、兄弟姉妹、そして国々がすべてこのような真の愛を中心に八段階モデルの主人になることを願うところが、私たちの理想家庭と国家です。ここから永遠の世界的平準化が始まるので、地上天国が出発するのであり、また天上天国も自動的に築かれるのです。
今、新たに始まった二〇〇〇年代には、世界の至る所で活動している私たち祝福家庭が、天地父母様と一つになり、真の愛を中心とした新しい家庭革命、世界的な道徳革命を主導することによって、すべての地上と天上に永遠の平和と統一と幸福の理想天国を創建することが神様の願いなのです。
皆様がこの神聖な聖業に同参し、神様の真の愛圏を受け継ぐ主人になってくださることを願います。皆様の御家庭に神様の祝福が共にあることをお祈りします。ありがとうございました。
8.「二〇〇〇世界ハンマダン体育大典」開会式の祝辞
平和経 第七篇 心情文化世界の創建のために
8.「二〇〇〇世界ハンマダン体育大典」開会式の祝辞
日付:二〇〇〇年二月十四日
場所:韓国、ソウル、オリンピック公園体操競技場
行事:第四回「世界ハンマダン体育大典」
内外の貴賓の皆様、そして本大会に参席するために異国まで万里の遠い道をいとわず、心情の本郷であり、信仰の祖国である大韓民国を訪ねてきた全世界の青年会員の皆様。本大会は、世界の若者たちが、統一された平和世界の具現という神様の絶対的な願いをこの地上に定着させるために、力と技と美を競い、人類本然の姿を取り戻し、心情文化世界を発展させるための平和の祭典です。
今回、第四回として開催される二〇〇〇年の「世界文化体育大典」は、世界の各分野を代表する著名な学者や宗教指導者、政治家、言論人、青年指導者、女性指導者、学生などが、神様を中心とした地球村の一つの家族の一員として出会う祝典です。本然の理想世界は、神様の真の愛と真の生命と真の血統を受け継いだアダムとエバが、真の子女、真の兄弟、真の夫婦、真の父母の心情圏を完成することによって成し遂げられる世界です。そのような世界において、神様の息子、娘たちが一つの場に集まり、力と技、そして美を競い合う心情文化の祭典の中で、純潔な善男善女が祝福を受け、真実で幸福な家庭を成し遂げていれば、神様はどれほど喜ばれていたでしょうか。
しかし不幸にも、人間の始祖であるアダムとエバは、青少年期に神様のみ旨に背き、天使長との不倫な血縁関係を結んで悪魔の血統を受け継ぎ、人類の歴史は悲惨な罪悪の歴史となったのです。
このすベての堕落の起源は、正しく青少年期に発生したのであり、そのことによって人間は悪魔の奴隷となってしまいました。この事件が、神様の胸にぬぐい難い恨として残されたのです。青少年期は、人生において最も重要な時期です。青少年期に正しい価値観を形成し、純潔な価値観を確立して、真の家庭を通じた健康な社会、希望にあふれた国家と世界をつくっていかなければなりません。
ところが今日、青少年と青年たちは、悪魔の仕業によって利己主義化、個人主義化され、性倫理と性道徳が崩壊し、フリーセックスや性暴力、若年層の未婚の母、堕胎、同性愛、エイズ問題などにより、健全であるべき家庭が破壊され、青少年の犯罪が急増しているのが実状です。また、至る所に淫乱物が氾濫し、売春と援助交際が過激さを極めています。
このことにより今日、全世界の人類は地上地獄で苦痛と不幸を味わいつつ生きているのです。ですから、神様は、人類を救援するために悪の文化を一掃し、地上地獄を解放し、神様の絶対的な真の愛の基準を中心として、このすベてのものを復帰してこられたのです。すなわち、神様は、人間と家庭を破壊している悪魔と対決して人間を救援するために、その反対の経路を通じて、真の父母を中心とした真の家庭のモデルを立ててこられたのです。それで、再び来られるメシヤである真の父母には、堕落文化を根絶して、それを収拾すべき極めて重大な責任があるのです。
私は、人間堕落の根源である罪の根と堕落の経路を究明した結果、それは正に悪魔との不倫の愛であることを知りました。私たちは、人類社会のすべての闘争の歴史がそこから始まったという事実をはっきりと認識しなければなりません。ですから、今日、二世たちが先頭に立って、まず淫乱と退廃の文化と不義を清算し、フリーセックスと暴力を追放して、神様を中心とした新しい心情文化を創建し、真の愛の伝統をこの地上に定着させ、地上天国を建設していかなければなりません。
私は、宗教と文化、思想と理念、人種と言語、信条などで引き裂かれた人類を一つにまとめ、統一された理想世界をつくるために、生涯をかけて血と汗と涙を流してきました。神様の愛と絶対価値を中心として、世界の指導者を糾合して各分野別に団体をつくり、その影響力を世界的に拡大し、神様が望まれる一つの世界に向かって進軍してきました。そのために私は、神様の真の愛を投入しては、また投入しながら、真の愛と真の家庭の実体である真の父母を中心とした世界的な基盤を造成してきたのです。
一九六〇年の三家庭の祝福をはじめとして、数多くの祝福行事を挙行してきました。昨年の一九九九年には、三億六千万組の祝福の基盤の上に、「天地父母天宙統一解放日」を宣布したのです。また、青少年の純潔運動を通じてのサタンの血統根絶とともに、昨日は四億組の祝福式を盛大に執り行うことによって、名実相伴う第四次アダム圏の時代が到来するようになりました。また、「科学の統一に関する国際会議」、「世界平和教授アカデミー」、「世界言論人会議」、「世界平和宗教連合」、「世界平和連合」、「世界平和女性連合」、「世界平和青年連合」、「世界平和学生連合」、「世界平和統一家庭連合」、「世界平和超宗教超国家連合」などを結成して、神様を中心とした善の環境的基盤を拡大してきました。
今回、「二〇〇〇年世界文化体育大典」は、このような神様の総体的基盤が一つの場に集まり、人類大和合と新しい心情文化世界の創建のため、意義深い跳躍の基台を準備するための祭典なのです。このような意義深い行事の一環として開催される第四回「世界ハンマダン体育大典」は、人種や宗教、思想、理念を超越し、五大洋六大州の多様な文化圏の伝統と価値が一つになることができるという信念を再確認させる平和の祭典として、心情的統一文化の地平を開いていく大和合の場なのです。
そして、このような心情的統一文化運動の土台は、原理運動であり、新しい真の愛の実践運動です。世界各国の若者たちに広く知られている原理運動は、没落した共産圏はもちろん、価値観の混沌の中で彷徨する自由民主世界を生かす「共生共栄共義主義」と「頭翼思想」によって創造本然の理想世界を具現しようという若者たちにとって、希望にあふれた原動力となっています。
新千年紀の初めに執り行われる今回の第四回「世界ハンマダン体育大典」は、今までのいかなる時よりも、神様と人類の前に胸いっぱいの期待と希望を抱かせる祝福された大会であるという事実を知らなければなりません。
二十一世紀の未来の世界を導いていく青年、学生の皆様。皆様の生涯の中で最も重要なものは何でしょうか。
それは、真の愛の実現であり、真の愛は独りで成し遂げられるものではなく、相対から来るものです。ですから、相対のために生きてこそ、真の愛を成就することができるのです。人間の価値の中で最も高貴な価値があるとすれば、それは正しくために生きる価値です。皆様は、ために生きる価値観を確立して、未来を準備していく若い青年、学生たちとならなければなりません。
人間は、健全な精神と強靭な肉体が一つとなった関係の中でのみ、創造的、自主的、統一的な活動をすることができます。どんなに精神が健全であっても、肉身が衰弱すれば、自らの理想を開くことができませんし、肉身が健康であっても精神が正しくなければ、正しい人の役割を果たすことができません。このような事実をはっきりと知り、皆様すべてが今回の体育大典を通じて、心と体の正しい統一を成就していくことができるよう、精進を重ねてくださることを願います。
皆様は、熱い情熱と純潔な人生、そして聡明な理性を通して、長い歳月にわたって神様が追求され、人類が念願してきた真の家庭を完成し、真の父母、真の師、真の主人の三大主体思想で武装し、一つの統一された平和世界の建設のために共に進軍しましょう。
今後、皆様は、国境と人種、宗教と文化の障壁を越え、統一文化世界を具現し、私たちの前に残された当面の課題である南北統一と東西文化の格差、そして南北の貧富の格差を平準化して、統一の世界を創建し、神様と人類の念願を果たしていかなければなりません。
皆様の純粋な情熱と不撓不屈の精神で神様の心情を体恤し、万世の願いの勝利者となれるよう、惜しみなく心と体を投入することを懇切にお願いします。これが正しく、新千年を迎え、真の父母と共に一つの時代を生きていく若い青年、学生たちの進むべき方向です。
どうか皆様の気概と決意で、理想世界の実現のために強く大胆であってくださることをお願いいたします。皆様の前途に、神様の無窮の祝福と天運が常に共にあることを願いつつ、祝辞に代えさせていただきます。ありがとうございました。
9.文明間の対話と調和
平和経 第七篇 心情文化世界の創建のために
9.文明間の対話と調和
日付:二〇〇一年一月二十七日
場所:アメリカ、ニューヨーク、国連本部
行事:「二〇〇一世界文化体育大典」国際特別会議
尊敬する議長、世界各国からお越しになった元および現職の国家元首、各国を代表する世界の指導者であられる皆様。皆様は、今大会の主題である「文明間の対話と調和(家庭、普遍的価値、世界平和)」について論議を行うために、各国の様々な活動現場からお集まりになりました。
この主題は、簡単なものではありません。この大会は、超越した平和文化世界を指向するこの時代において、超道徳的責任を実践する、人類の良心の理想的な場と見なければなりません。
私たちは、歴史を通して、多くの文明が興亡盛衰を繰り返してきたことを知っています。様々な文明が、一時は巨大になり栄華を極めたとしても、その後、滅亡し、忘れ去られていきました。
このような文明の衰退は、気候や疾病、あるいは外敵からの侵略、自然災害のような外的な要因によるものもありますが、その多くは内的な腐敗、特に宗教や道徳性が衰退したことによるものです。
現在、私たちは、宗教間の誤解と不調和によって発生した様々な紛争と、そのことによる深刻な危険性の増大に直面しています。もし宗教が、超宗教的な対話や調和を優先し、これを積極的に実践していかないとすれば、文明間の調和と平和は不可能でしょう。
宗教が世界文明の内的な中心だとしても、その根底の軸として家庭があります。皆様がよく御存じのように、人類は、父と母の愛の関係の中で血統の関係を通して生まれ、またそれは、代々受け継がれてきています。
家庭は、個人的な人間性を啓発し育成することにおいては、学校や政府よりも重要な訓練場です。また家庭は、文化や文明を創造、発展、再生産する発源地としての役割を果たしてきました。家庭なくしては、時代を越えて文明を持続させることはできません。
家庭は、愛を学ぶ最初の重要な学校です。また父母と子女の愛、夫婦の愛、兄弟姉妹の愛はすべて、神様の真の愛に基づかなければなりません。もし、家庭が神様の真の愛と直接的に連結されるならば、その家庭は、神様の真の愛の文化を実体として成し遂げるようになります。真の愛と平和の文明は、そこから創建されるのです。真の家庭は、真の男性と真の女性の二人にかかっています。真の家庭の完成は、全人類と世界の問題を解決するモデルとなるのです。
今、私たちが暮らしている国と世界を見ても、悪の戦争史によって綴られてきたという事実を私たちは知っています。また自分自らを探ってみると心と体が闘っています。そうだとすれば、最初にアダムとエバが愛によって夫婦関係を結ぶとき、喜びの関係ではなく相克的な関係において結ばれ、それが闘争の起源となったというのは論理的なことです。聖書の「腰に巻いた」(創世記三七)という言葉は、堕落が淫乱によってもたらされたということです。私たちの体の中で、神様の姦夫となったサタンの血がうごめいているという事実が問題なのです。
本然の人間であれば、心身統一が完成するはずなのですが、サタンの血を受け継ぐことによってプラスとプラスが相克し、そこから闘争が始まったという事実をはっきりと認識しなければなりません。今や時代は終末となり、個人主義の王国時代であり、フリーセックス時代、父母否定時代、夫婦否定時代、子女否定時代であり、同性愛、エイズと麻薬が理想家庭を完全に破壊する地上地獄時代です。神様は、これを天国に転換するためにメシヤを再臨させるのです。メシヤは、真の父母として来られ、心と体の統一、夫婦の統一、子女の統一、家庭の統一、国家の統一、世界の統一を成就していかれるのです。
現在、私たちの体は地獄の基地、良心は天国の基地となっており、二つの世界の分岐点を自体の中に抱えていることを知りませんでした。良心よりも肉身が強くなったのは、堕落するときにサタンと関係を結んだ偽りの愛の力が、良心の力よりも強かったことによるのです。したがって、この点が人生問題における重要な解決点になるのです。
このようなことをよく御存じの神様は、宗教を立て、良心よりも肉身を弱め、救いのための体制を立ててこられたのです。ですから、過去にも宗教が必要だったのであり、現在でも宗教が必要なのです。
それでは、宗教が果たすべき使命とは何でしょうか。体が最も嫌うことを提示し、実践するようにすることです。「断食をせよ」、「奉仕をせよ」、「犠牲となれ」、そして「供え物になれ」というのです。供え物は、血を流して生命を捧げることができなければなりません。
堕落した人間は、偽りの愛の根を中心として偽りのオリーブの木となりました。言い換えれば、私たち人間は、真のオリーブの木となることができなかったのです。これを清算するには、どのようにしなければならないのでしょうか。終末に再臨のメシヤであられる真の父母が来られ、神人愛一体理想を完成し、真の愛、真の生命、真の血統の家庭を成し遂げられるのです。
地上のすべての人間はもちろん、天上の霊人たちもすベてここに接ぎ木され、真の家庭的真のオリーブの木となるための二次祝福結婚を受け、復帰完成するのです。そうして、本然の血族を立て、真の家庭と真の国家を築き、真の地上、天上天国に入っていくことができるのです。
これまで私は、世界平和の実現のために、超宗教、超文化、超人種、超国家的な祝福結婚によって真の家庭を完成することが、とても重要な神様のみ旨であることを教えてきました。そして、この崇高な理想を実現しようと決意し、全世界から同参した数億組の人々に祝福行事を施してきました。理想社会と平和世界の礎となる真の愛の家庭のために、私は生涯を捧げてきました。
偉大な宗教を研究してみれば、そこには文化と人種、宗教と国家間の境界を跳び越える、人類の普遍的な価値がみな含まれています。宗教の教えは、結局、真の愛の実践を通して、絶対者との関係を復元するということです。
言い換えれば、信仰を通して、絶対、唯一、不変、永遠の神様と一つになるとき、人間は神様と父子の関係を回復し、その本然の価値を取り戻すようになるのです。
真の愛によって形成された心情圏は、いくら小さくても天倫に従って宇宙と連結するのです。人は、神様の真の愛の中においてのみ、共生、共栄、共義の理想を実現することができます。それは、霊界を含めた天宙がすべて同一な神様の真の愛の原理のもとに存在するからです。
きょう、私たちは、平和の殿堂として設立された国連において大会を行っています。国連が、その創立精神を実現する真の平和機構としての役割を果たすことができるよう、私たち全員が積極的に支援していかなければなりません。
人類は、超国家的な公益を第一に心配しなければならない時を迎えました。国家の公共機関はもちろんのこと超宗教活動とともに、非政府の民間機構が一つとなって、真の愛と真の家庭実践運動をしなければ、平和世界を成し遂げることはできません。世界の指導者であられる皆様が、他のために生きる真の愛運動と真の家庭運動に積極的に同参し、新しい心情文化の世界を成し遂げてくださるようお願いいたします。
神様の祝福が皆様と皆様の御家庭に常に共にあることを願います。ありがとうございました。
10.天国には誰がどのようにして入るのか
平和経 第七篇 心情文化世界の創建のために
10.天国には誰がどのようにして入るのか
日付:二〇〇一年一月二十九日
場所:アメリカ、ニューヨーク、ヒルトンホテル
行事:「二〇〇一世界文化体育大典」閉会式および真の父母様御聖誕祝賀晩餐会
尊敬する元現職国家元首、高名な宗教指導者の皆様。「二〇〇一世界文化体育大典」に出席してくださった皆様の御苦労を心より慰労いたします。また、私のビジョンと業績を称賛し、今後のさらなる協力を約束してくださり、感謝を申し上げます。
今晩は、そのお礼として、世界の指導者の皆様に、貴い贈り物となるお話をお伝えしようと思います。このお話は、私が若い頃より筆舌に尽くし難い受難の境地において、広大無辺な天上世界を巡り歩いて直接探し出した真理です。誰も避けることのできない死後の世界である霊界の原理と、人々が行くことを心から願う天国の内容のうちその一部を紹介しようと思います。
人間始祖は、堕落によって神様の祝福の中で結婚式を挙げることができませんでした。彼らは神様に背き、成長期間に姦夫であるサタンと不倫の罪を犯して堕落しました。怨讐であるサタンの血統を受けたことが問題です。神様の愛を中心として心と体が一つとなり、夫婦が一つとなり、子女が一つとなって、地上天国生活を経たのちに、天上天国に入るのが創造の原則です。人間は、神様の血統を受けて霊界に直通するようになっていました。
結婚して最初に愛の関係を結ぶ瞬間は、男性完成と女性完成が成就される場です。また天地の中心として地上に定着する愛の王宮がその中で始まるのです。初めて愛の本源地が出発するのです。そして生命がそこから連結します。血統がそこから連結し、それと同時に、そこから国が生まれるようになるのです。地上天国と天上天国は、初愛の扉を開くその場から始まるのです。
男性と女性が愛によって一つになり、息子、娘を生むことは、目に見えない神様の創造の業を目に見える実体となって行うことです。血を混ぜることのできる力は愛です。血を混ぜることのできるその軸がどこにあるのか、どこが発電所なのかというと、男性と女性の凸凹(でこぼこ)が初愛をするところです。
真の愛の発展、真の生命の発展、真の血統の発展、真の家庭とともに地上天国の発展、天上天国の発展の基地が正にそこです。神様の実体対象であるアダムとエバの結婚式は、取りも直さず神様の結婚式となるのです。神様の解放と自由がここから起こり、神様の歌と踊りもその上で繰り広げられるのです。
初愛がどれほど貴重で恐ろしいものであるかを知らなければなりません。初愛が間違えば愛の王宮を失い、生命の王宮、血統の王宮とすべてを失ってしまいます。人間始祖の堕落はそれほど恐ろしいものだったのです。地上天国と天上天国の起源を失ってしまったのです。天地がすべて地獄に変わったのです。生殖器が卑しい言葉になってしまったのも、それが天地を滅ぼした亡国の種となったからです。それで今まで最も悪なるものとして扱われてきました。
本来は男性と女性が結婚して、凸と凹が初愛の関係を結ぶその場から、神様の愛の理想が完成される定着地が生じるのです。男性と女性の愛を中心とした神様の相対的位置として、完成の位置が決定されるのです。
これは宇宙の核です。これが動くと字宙が行ったり来たりするのです。これは愛の本源地なので、愛の本宮であり、生命の本宮であり、血統の本宮であり、人間が望む自由と幸福と平和がここから始まるのです。さらに個人、家庭、氏族、民族がここから連結されるのです。平和の基地もそうであり、地上天国、天上天国のすべてが愛から生じるのです。凸凹の結合によって男性のすべてと女性のすべてが混ざり合うのです。
人生の善の実も悪の実も、みなここで結ばれます。生殖器がどれほど貴く大切なものであるかを知らなければなりません。天道は、男性であろうと女性であろうとその生殖器をいい加減に使えるようになっていません。
アダムとエバは、サタンの偽りの愛によって不倫の罪を犯し、偽りの夫婦、偽りの父母となり、サタンの血統を子孫に相続させる堕落した家庭を築きました。救援摂理はすなわち復帰摂理です。正にこの誤った根本を探して復帰しなければならないのです。神様の真の愛による復帰されたアダム、真の父母を立て、真の生命の接ぎ木をするのです。真の愛によって完成した男性と女性は、神様の祝福のもとで真の家庭を築くようになります。
人は地上で理想的な家庭を築いて暮らしながら、その内なる人である霊人体を完成させ、天上世界に行くようになっています。霊人体が神様の愛の中で永遠に生きる天上天国が、私たちの故郷です。堕落によって霊性が零落したので、霊人体も天上世界も分からないのです。人間は、動物とは違って霊人体があり、必ず行くべき天上の世界があることを知らなければなりません。
家庭は、人間が心情を完成し、愛を施す主人となるための学校であり、訓練所です。したがって、家庭は天国完成の基本単位です。真の愛の主人であられ、大王であられる神様に侍り、愛に酔いしれて暮らす天国は、家庭を単位として入籍するようになっています。
生命をもつすべての存在の最高の理想は、神様の愛の対象となり、神様を占有することです。すべてのものを投入し、神様のように多くのものを投入した人は、より高い所に行きます。個人よりも家庭、家庭よりも氏族、さらに民族、国家、世界、天宙、そして神様のために犠牲になる人が、神様により近い真の愛の相対になるのです。宇宙をつくった神様は、誰よりも宇宙のために生きてこられた代表者であられます。
したがって、その方と会って共に生きようとするならば、真の愛によってために生きる訓練をしなければなりません。神様は知識の大王、権勢の大王、物質の大王ですが、「知識や能力や物質をもってきなさい」とはおっしゃいません。「誰もが真の愛のために生きてから来るようになれば、みな私のもとに来ることができる」とおっしゃりながら、待っておられるのです。
尊敬する世界の指導者の皆様。多くの人々が、「絶対者の神様、全能なる神様、栄光の神様」と、いとも簡単に語ります。しかし、私が道を求めて発見した神様は、そのような立場におられる神様ではありませんでした。
人間始祖の堕落により、神様は愛する子を失った父母となりました。子女が監獄生活をしているのに、栄光を受ける父母がいるでしょうか。神様の心情は限りなく痛みを感じているのです。また堕落によって、人間のためにつくつた宇宙万象までも、すべてサタンの主管圏に渡してしまいました。
真の愛の主人であられる神様は、その愛の対象を失ってしまった瞬間から、限りなく孤独な神様になられました。万物の主宰者としての権能を一度も主張してみたことがありません。不完全な堕落人間たちでさえ、みな自らを誇って生きているのに、神様は創造主の威信を一度も立ててみることができなかったのです。すべての生命の主人であられながら、彼らに自らの尊さを現すことができませんでした。原理の主人であられるので、非原理世界に落ちた結果世界で、どうして自由に運行できるというのでしょうか。あらゆる不信と背反の道を歩んできた人間たちは、無形の真の父母である神様を「いない」と言い、「死んだ」とまで言いながら、無視して生きてきました。神様は長い歴史を、恨を抱いて生きてこられ、非常に長い間、耐えてこられたのです。
アダムとエバが未完成期に堕落し、偽りの父母となって起きたことなので、神様が直接現れて、その権能によって治めることはできないのです。歴史の中でメシヤが第二アダムとして、また第三アダムとして現れ、第一アダムの失敗を蕩減し、真の父母の理想を完成することによって、すべてのものを回復しなければなりません。その時まで、神様は焦燥たる思いで待たなければならないのです。これが、多くの恨をもつ神様の復帰摂理歴史です。
私は真の父母の使命を完遂するために、生涯にわたって努力をしてきました。自分の安楽や地位は問題になるはずもなく、教団が目的でもありませんでした。ただ一つ、神様の願いを果たし、神様の心情に残っている恨を解いてさしあげようと一本道を走ってきました。神様を解怨し、自由にしてさしあげること、神様を万有の主宰者、天宙の大王様として侍ること、このために至誠を尽くしてきました。
このことは、簡単に言葉だけでできることでしょうか。天地でサタンを屈服させ、霊界の地獄を隔てている壁を崩さなければなりません。地上人たちと霊界人たちを、神様を中心とする祝福の道に自由に出てくることができるように整備しなければ、真の愛の神様の心情を自由にしたり解放したりすることができないのです。このすベてのことが、サタンの公認を受けることはもちろん、宇宙の公法に合致しなければなりません。既にサタンが国家基準の主管権を行使している地上では、超国家的な世界的基準の勝利的条件が立てられなければならないのです。
指導者の皆様。喜ばしいことに、私はこのすベての条件を立て、去る一月十三日、韓国において「神様王権即位式」を挙行しました。全体摂理歴史の中で最大の慶事の日でした。
初めて神様が解放された心情で、真の愛の全権、全能の役事(働き)を始めるようになりました。今や天地の人類は、有り難くも、解放された神様に侍ることのできる新時代を迎えました。今からは、神様が生きておられる証が多く現れ、霊界からの超能力的な役事が私たちの周辺でたくさん起きるようになるでしょう。どうか霊界について熱心に研究し、神様を中心とした祝福を受け、真の家庭を築き、ために生きる生活を通して永生の準備をするようお願いします。
今後人々は、有限な人間の能力とは比較にもならない天運の手を感知しようと努力しなければなりません。生きておられる神様のみ前に、実に温柔、謙遜の姿勢で、天の孝子、忠臣、聖人、聖子の道を歩む人が、恵みを受ける人なのです。神様の王権時代を迎えて、神様の主権を輝かせ、超国家的に心情文化世界を創建するために共に働く人となってくださることを願います。神様の祝福が常に共にあることをお祈りします。ありがとうございました。
11.平和の根は真の愛に
平和経 第七篇 心情文化世界の創建のために
11.平和の根は真の愛に
日付:二〇〇二年二月十五日
場所:韓国、ソウル、ヒルトンホテル
行事:「二〇〇二世界文化体育大典」および「世界平和超宗教超国家連合二〇〇二総会」
尊敬する議長、世界各国からいらっしゃった元現職の国家元首、ならびに内外の貴賓の皆様。希望にあふれる新千年紀の二年目の年を迎え、私の愛する祖国、韓国の地で開催される「二〇〇二世界文化体育大典」が、このように満場の盛況を博すようにしてくださったことを、感謝申し上げます。
人類は今、歴史上のいかなる時よりも急速に変化する時を迎え、宗教間の対話、人種間の和解、そして文化間の理解が切実に必要であることを肌で感じています。ですから、今回の「二〇〇二世界文化体育大典」の主題も「新しい平和文化世界に向けて」に決定されたのだと思います。
私はこの大会の創始者として、きょうこの場をお借りして、私が生涯を通して信じ実践しながら教えてきた平和思想の一端を皆様と分かち合うことによって、創始者のメッセージに代えさせていただこうと思います。
内外の貴賓の皆様。私たちが何よりも切実に願い、叫んできた平和のその根本は何であると思いますか。どこで、どのようにすれば平和を獲得できるのでしょうか。また何が人類の平和を妨げている障害物なのでしょうか。極度の個人主義と利己主義が蔓延する今日の混乱した世界において、果たして私たちに平和世界を成就できるという希望はあるのでしょうか。平和の根本を知るためには、神様の創造理想を深く探ってみなければなりません。まず神様と霊界について理解しなければ、平和を実現することはできません。
創造主である神様の真の愛によるみ業が、正に天地創造であり、その世界の主人として創造された人間は、神様の創造理想、すなわち創造本然の世界である地上天国を築いて慕らしたのち、霊界に行っても永遠の平和天国を築いて暮らすようになっているのです。
地上において、平和世界である地上天国を築いて暮らすことができなければ、霊界においても、そのような世界は期待できません。ここで言う天国とは、宇宙万象と人間、そして人間と人間が互いに、ために生き、一つとなって調和統一を成し遂げて生きる所をいいます。
しかし、人間始祖の堕落によって、神様の創造理想は無残に挫折してしまいました。そして、今もその完成をみることができずにいるのです。神様と人間の関係が父子の関係であることさえも分からない無知の状態に転落してしまったのです。
皆様。堕落した世界である今日の現実を直視してください。本来なら、平和と幸福の歌が満ちあふれるべき家庭は、背信と離婚でばらばらになり、父母の温かい愛のもとで未来の夢を抱いて無限に成長していくべき子女たちは、挫折と失望の中で街にさまよい、酒と麻薬の奴隷となり、挙げ句の果てはフリーセックスに心身を投じるという途方もない現実を目撃するようになります。
国民に責任をもち、国運を両肩に背負った為政者たちの姿からは何を見るでしょうか。国家の将来や国民の安寧よりも、自分たちの権力維持に血眼になっている人たちを多く見るようになります。国家と国家の間にも、理解と平和がなければならないところに、不和や葛藤、そして戦争ばかりが荒れ狂っているのが、今日の現実ではありませんか。人類の平和文化が定着する道が塞がれてしまっているのです。
したがって神様は、何としてでも、本来御自身の計画された真の愛と平和の理想を再び探し立てる救援摂理を展開せざるを得ないようになったのです。神様の救援摂理は原状回復の摂理、すなわち復帰摂理なのです。
このような復帰摂理のために、神様は、歴史を通して時代と伝統、そして文化によって各々異なる宗教を立てられ、善の版図を広げてこられたのです。
いち早く人類救援の天命を受けた私は、全生涯を通して名状し難い迫害と苦難の路程に勝利し、ついに二〇〇一年一月十三日「神様王権即位式」を奉献しました。すなわち、人間始祖の堕落以後、数千年間耐えて待ってこられた神様に、心情の解放とともに王権を取り戻してさしあげたのです。
その基盤の上に、今や霊界と肉界が一つになって自由に通じる時代が開かれました。霊界が私たちと共に呼吸しているのです。イエス様の十二弟子はもちろん、四大聖人までも、私が人類の真の父母であり、メシヤであることを証するメッセージを送ってきています。
このように、二つの世界を分けていた壁が完全に撤去されました。今からは、天道に従わなければ生きることができない時代に入りつつあることを、皆様の前で宣言いたします。
今や人類は神様を一代の父として侍り、完成したアダムとエバの立場で二代圏を立てて夫婦になり、子女を繁殖することによって父母となり、三代圏まで完成して暮らす真の家庭を探し立てなければなりません。その道だけが、罪のない、自由と平和と幸福の満ちる世界をつくり、神様の直系の血統を子々孫々、永遠にこの地上に植えつけることができる道だからです。このように、神様を知り、霊界をはっきりと知るようになれば、平和を実現できる道が見えるのです。
皆様。平和の意味は何でしょうか。一言で言うと、平和とは人間関係において主体と対象が互いに一つとなって水平を形成することをいいます。起伏のない平らで、完全な均衡状態のことをいいます。「平」は水平を意味し、「和」は調和と和解、つまりハーモニーを意味します-
このように平和とは独りで成し遂げる「独平」ではありません。独りではいくら努力しても幸福になることができないのと同じです。ですから、上下関係、左右関係、そして前後関係がすべて調和し、どの一方にも偏ることなく、いっぱいに満たされて充満し、円満な状態になってこそ、真の平和がやって来るのです。
縦横と前後左右で完全な立体的軸を立て、互いに絶対相応する調和の世界が平和の世界です。虹の七色を合わせると調和と平和を象徴する白光色となるように、平和は、すべての条件と状況が一カ所に融和し、調和した姿の純粋な白色なのです。
すべての方向が一点で完全に調和すれば、自動的に平面性を超越して立体性を帯び、球形運動を通して永続性をもつようになります。人類の恒久的な平和はこのようにして成就することができるのです。しかし、平和は独りで存在するものではなく、その根を真の愛に置いています。自由と幸福の根が真の愛にあるように、真の平和も真の愛を成し得なければ成就することができないからです。それでは、真の愛とはどのような愛でしょうか。一言で言うと与えても忘れてしまう、条件なしに与える愛です。犠牲的な愛です。
父母が子女を生んで養育しながら与える愛には何の条件もないのと同じように、真の愛は無条件に与える愛です。怨讐までも許して与える愛です。与えてもまた与える愛です。条件なく与えるものなので、与えたというその事実さえも記憶しない愛です。無限に与える愛です。神様が人間を創造される時に与えてくださったものが、正しくこのような愛なのです。
したがって、真の愛の根源は神様です。正にこのような真の愛の土台の上に平和が立てられるとき、その平和は真の平和になるのであり、自由と幸福までも伴うようになるのです。
それでは、私たちが真の平和を実現する姿として備えるべき条件とは何でしょうか。第一に、皆様の心と体の関係について考えてみてください。対象格である肉身は、主体格である心が指向するとおりに一〇〇パーセント従わなければならないのが天理です。
いつ、どこで、いかなる状況に置かれても、私たちの体は、絶対対象の立場で心と完全に一つになって動かなければならないというのが、天が下さった法度です。したがって、このように心と体が完全に一つになった人間こそ、完成人間になるのです。神様が本来願われた人間の姿が、まさしくこのような真の人間でした。
神様を実体の父として侍り、苦楽を共にできる人間が、正にそのような真の人です。しかし、私たちの生活を少し深く調べてみただけでも、私たちは自らの姿がこのような真の人間の姿からどれほどかけ離れているかをすぐに感じることができるのです。
神様の息子、娘と呼ぶにはあまりにも恥ずかしい自分であることを悟るはずです。心は願うのですが、体が従ってくれない時がどれほど多く、良心の呵責を感じながらも、肉身の欲望の奴隷となり、本意でない失敗をした時がどれほど多かったでしょうか。
したがって、いかなることがあっても、私たちは真の愛の実体である心と体が完全に統一された姿とならなければならず、自らを完成段階まで引き上げなければなりません。天と地の前に一点の恥ずかしさや、わずかの影もなく、「天のお父様」と呼び求めることのできる真の人にならなければなりません。そのようにさえなれば、私たちは天の父の真理と愛を発する永遠の発光体の姿となって、地上での生を終えたのち、霊界でも神様の実の子である聖子の姿で永遠に生きるようになるでしょう。
第二に、私たちは、社会や国家といった共同体の一員として、真の愛の実践である、ために生きる生活を通して互いの人権を尊重し、いかなる状況でも他人の人権を蹂躙する愚を犯してはなりません。
世界の五色人種は同等な価値をもって生まれました。人種に関する限り、神様は色盲であると言えます。人種差別や宗教的葛藤、そして国粋主義は、人権蹂躙の原因をもたらします。力で支配する時代は終わりました。二一世紀は共に生きる超人種、超国家、超宗教の時代です。真の愛が治める時代が開かれたのです。
世界の指導者の皆様。イエス様も「人の子がきたのも、仕えられるためではなく、仕えるため」(マルコ一〇四五)と言われました。平和世界を実現する道は、ほかのところにあるのではなく、ために生きる人生の天道を実践するところにあることを明らかにされたのです。平和の根は真の愛にあると言われたのです。したがって、私たちはみな真の愛の根源であり主人であられる神様を信じ、天理に従う正道を歩まなければなりません。そのような人には天運が共にあり、万事が思いどおりにうまくいくでしょう。
どうか、心と体の統一によって人格完成を成就し、ために生きる人生の実践を通して、皆様各自の心の中に平和の基地を定着させるよう願います。私たちが怨讐までも赦し、ために生きる人生を実践するとき、小さくは個人から、大きくは世界まで、平和文化を成就できるようになるのです。それで、昨年、私は「天一国」の開幕を天上天下に宣布しました。天一国とは、二人が一つになって生きる世界のことをいいます。
小さくは個人の心と体が一つになって個人として完成体となることであり、大きくは夫婦が一つとなり、父母と子女が一つとなって、三代を通して家庭を一つにしなければならないことはもちろん、全人類が神様のもとの一つの兄弟姉妹として苦楽を共にできる世界を創建しなければならないということなのです。
このように、神様の創造本然の世界である天一国の安着のために、既に私は一万人以上の平和大使を全世界に派遣し、その拍車を掛けています。
そのような脈絡から、私はまた国連本部において、「世界のすべての国境を撤廃すべきである」と主張したのであり、国連に対し、最終議決機関である超国家、超人種、超宗教的機構を置き、世界的に名声と人望の高い霊的指導者たちが平和世界創建の先頭に立たなければならないと促したのです。
第三に、私たちは真の愛の花が大きく咲き開いた真の家庭を立てなければなりません。家庭を築くには、男性、女性を問わず、独りでは築くことができません。真の愛で完成した男性と女性が夫婦の関係を結び、子女を生んで育てるとき、その家庭は真の家庭となって、自動的に平和が宿り、幸福があふれるのです。
また子女たちは、父母が結んであげる配偶者と出会い、夫婦となる時まで純潔を守り、夫婦となってからは貞節を守り、父母に似た二代目の真の家庭を築くようになるのです。
このように、真の家庭によって連結される真の血統が三代まで連結すれば、神様はその家庭に安着されるようになり、人類が何よりも願ってきた世界である地上天国が成し遂げられるのです。そのような真の家庭の拡大版がまさしく地上天国であり、天上天国なのです。
その世界は共生、共栄、共義、共愛の世界であり、みな共に兄弟姉妹となって、共に生き、共に繁栄し、正義の世界を立てて、互いが互いのために生きて愛し合う平和世界となるでしょう。
このように、家庭は大切なものです。家庭こそ、神様が人間に下さった最も貴い贈り物なのです。それで、人類の平和と幸福の基本単位も家庭であり、地上天国を形成する基本単位も家庭なのです。
いくら個人が完成したとしても、家庭をつくってその真の血統を伝授してあげる子女がいなければ、彼はただ一代で幕を下ろさざるを得ないからです。このような神様の創造目的の見地から見れば、今日、世界の至る所で毒きのこのように生え出る同性愛の風潮は、亡国の種の現象と言わざるを得ません。人類を教え導き、責任をもつべき指導者であられる皆様は、この点を肝に銘じなければならないでしょう。
天が下さった真理を信じ受け入れたならば、何を恐れることがあるでしょうか。天の真の血統を破壊し、人類の平和はもちろん、私たちの生存までも脅かしているフリーセックスと同性愛のような病弊を根絶するために先頭に立たなければなりません。今や、皆様も、葛藤と憎悪の鎖につながれているこの世界に、平和文化を定着させる先駆者の役割を果たしてくださるようお願いいたします。
第四に、私たちは、社会と国家の指導者として、いかなる状況においても公金を略取したり、着服したりする行為を禁じなければなりません。小さくは公的財物や公的資産に手をつけてはならないことはもちろん、大きくは私たちが生きることを可能にし、豊かにしてくれている環境を破壊する行為を根絶しなければなりません。公金を着服して子女に与えることは、毒薬を与えることよりも恐ろしい行為です。
ここで言う環境破壊とは、自然環境の破壊による各種環境汚染と毀損、そして自然の枯渇問題はもちろん、私たちの共同生活を提供してくれる社会環境の破壊も含まれます。神様は人間を創造する前に環境を先に創造されたのであり、私たちが神様のみ旨のとおりに環境をよく治め、環境と共に楽しく暮らすことを願われたのです。
したがって、私たちは、地上の一株の草や、空の一点の雲を見ても、天のみ前に感謝できる真の人となって、各種の公害を退治するために、先導的役割を果たさなければなりません。神様の創造本然の世界を探し立て、その前に謙虚な心をもって生きなければなりません。
自分を生んでくれた父母はもちろん、周囲のすべての人にも感謝する心をもって生きなければなりません。そして、自分が生きているというそれ自体に対しても、常に感謝する心を忘れてはなりません。今回の期間、真摯な討論と研究を通して、人類の平和増進に寄与する皆様に生まれ変わるようお願いいたします。ありがとうございました。
12.世界と国家の真の救援のための道
平和経 第七篇 心情文化世界の創建のために
12.世界と国家の真の救援のための道
日付:二〇〇二年二月十七日
場所:韓国、ソウル、リトルエンジェルス芸術会館
行事:「二〇〇二世界文化体育大典」および「世界平和超宗教超国家連合総会」祝賀晩餐会
尊敬する世界の指導者の皆様。二〇〇二「世界文化体育大典」と「世界平和超宗教超国家連合」総会の代表者の皆様。この数日間、皆様が地球星の重要な問題に対する解決策を模索するための「世界文化体育大典」および国際会議に最善の努力を傾けてくださったことに称賛の意を表します。私はこの行事全体を終える御挨拶を通じて、いくつかのお願いをしようと思います。
きょう、私の誕生日を記念する式典で、いく人かの方々から私の業績に対して称賛のお言葉を頂き、大変有り難く思います。私の成し遂げた目に見える実績に対して驚嘆され、称賛もされました。しかし、その背後にある目に見えない内的な精誠の深さと霊的基盤について、また摂理史的意義についても、より多くの関心をもって研究してくださるようお願いする次第です。
私の生涯は、生まれた時から神様の摂理史を完結することと直結されていました。人間による研究や評価を超越し、天道とともに霊界が公認し、さらに神様が先駆けて立てられた驚くべき条件があったことを明らかにしたいと思います。生と死の境界線を行き来しながら、奔走してきた私の背後に、神様の無限の加護と愛がなかったとしたら、恐らく私は、きょうこの場には立っていなかったでしょう。もう一度、神様に感謝と栄光をお返しいたします。
皆様は世界の指導者であり、平和大使です。皆様が私との関係の中で天道を悟ったならば、それを皆様の影響圏のもとにいる人たちに必ず教育しなければなりません。特に全世界の平和大使たちが、この天道を中心として互いに横的に連携しながら心を合わせて努力すれば、この世界を平和理想世界に変えることができます。
私はきょうも、摂理完成のために焦る心情ゆえに、肉身の年齢を忘れて生きています。一分一秒でも早く罪悪の中にいる人類を救い出し、平和理想世界を成し遂げ、神様を完全に解放してさしあげなければなりません。そのために、私が提唱して推進する運動に積極的に参加し、共に成し遂げていってくださることを、皆様にお願いする次第です。特に、青少年に対する純潔運動と結婚の神聖性と不変の夫婦愛を実践する祝福結婚、真の愛運動の先頭に立ってくださるようお願いします。
人類は神様を一代の父として侍り、完成したアダムとエバの位置において夫婦の関係を結んで、二代圏を形成しなければなりません。彼らが子女をもって父母となることにより、三代圏まで完成して暮らす真の家庭を形成してこそ、神様の莫の愛の理想が完全に定着するようになるのです。
堕落圏でサタンと因縁を結んできた愛とすべての所有権を否定し、純潔、貞節、信義の生活を誓って、神様の真の愛圏に入籍する儀式が祝福結婚です。このように祝福を受けて真の家庭を築くことは、旧約、新約、成約時代を貫く全体摂理史の最も尊い慶事になるのです。
これは超国家、超人種、超宗教和合運動とともに展開される神聖な救世救国運動です。平和大使はもちろん、指導者の皆様が率先して、積極的に指導を行ってください。国ごとに千人、万人の私の代身者が活動することによって、神様が願われる天宙平和統一国の理想を完成してくださることを切にお願いします。
世界の指導者の皆様。私は、神様の召命を受け、これまで真の父母の使命を完遂するために生涯を捧げてきました。私の行く道には、いかなる補助者も指導者もいませんでした。案内書もありませんでした。誰一人として歩んだことのない開拓の道でした。真の父母の勝利は、取りも直さずサタンにとっては破滅を意味するので、サタンの総攻撃を避けていくことはできませんでした。
サタンは霊的な存在なので、直接、霊的に攻撃することもあれば、様々な実体の代理人を立てて攻撃することもあります。空中の権勢を握る偽りの王であるサタンは、時空を超越し、あらゆる権謀術数で攻撃し妨害しました。そのような怨讐に打ち勝つ秘訣はただ一つ、真の愛で与え、自ら犠牲の蕩減条件を立てる道しかないのです。力によるのではなく、真の愛によって怨讐を自然屈伏させることが、神様の原理だからです。
神様を知らず、真理を悟れずに反対する彼らに対して、私は終始一貫してために生きてきました。人知れず迫害者の子女のために愛を投入しました。反対する国や政権を、むしろ助けながら生きてきました。
今や世界が公認し、反対していた者たちも私を尊敬するまでに至ったのです。私たちはここで、天の戦略とサタンの戦略がいかなるものであるかを学ぶことができました。すなわち、天の戦略は先に打たれて得るものであり、サタンの戦略は先に打って失うものなのです。
尊敬する指導者の皆様。私が開会の基調演説で言及したことですが、この地の完全な平和世界は、もう一つの世界である天上世界との調和と協力の中で成就されるという重要な事実をお話ししようと思います。
天上世界、すなわち霊界では多くの霊人が暮らしています。肉身を脱いだ永遠の実体である霊人がすべてそこにいます。皆様の先祖たちがそこで暮らしています。
堕落によって霊性が失われ、霊的五官がまともに機能しなくなった人類は霊界をよく知らずにいます。私は早くから全霊界を巡り、これまでも継続して霊界と通信してきました。今も四大宗教の聖人たちが私を真の父母と証言し、私の指示によってメッセージを送ってきています。
霊界は無限で、永遠の世界なので、現象世界よりもはるかに複雑な世界です。心霊発達の程度により、多くの階層とグループに分かれています。霊人に対する祝福と霊界の調和統一のために、私はこれまで多くの努力をしてきました。地上と同じように、霊界でも真の愛の犠牲的な条件によってのみ、勝利的基盤を築くことができます。これまで多くの祭物的な条件が投入されてきました。サタンと悪霊を制圧するため、血みどろの霊的な闘いも多く、善霊を収拾し教育するために特別恩賜も施しました。特に霊人に対する祝福は革命的な恩賜だといえます。
私はこれまで地獄を解放し、地獄と楽園の境界を撤廃する宣布と条件を立て、また霊界祝福をやっとのことで開門し、天宙解放宣布式、天地父母天宙統一解放圏宣布、霊界解放式など、重要な条件を立て、霊人に対する祝福の恩賜が大きく開かれるようにしました。奇跡のようなことです。
皆様の知らない間に、皆様のすべての先祖が祝福の恵沢圏に入りました。そして、「神様王権即位式」の奉献によって、神様の絶対圏が全霊界に生命の恩恵として及んでおり、天宙平和統一国の理想が全霊人の願いに連結されたことによって、霊人の再臨協助が活発に行われているのです。
世界の指導者の皆様。今や善の霊人の再臨協助によって地上人が導きを受け、真の愛で葛藤を解消するよう指導されるその日が近づいています。指導者の皆様が天道を実践することによって霊界の協力まで受け、人間の本性が願う理想家庭を通した理想世界を実現しなければなりません。その世界は平和文化の世界、すなわち心情文化の世界である天宙平和統一国なのです。
もう一度、「二〇〇二世界文化体育大典」の参加者の方すべてに感謝を捧げます。皆様の御家庭と国と世界に神様の祝福が満ちあふれることをお祈りしながら、御挨拶といたします。ありがとうございました。
13.「神主義」による教育
平和経 第七篇 心情文化世界の創建のために
13.「神主義」による教育
日付:二〇〇二年四月十四日
場所:韓国、忠清南道、牙山、鮮文大学
行事:文鮮明総裁韓鶴子総裁名誉博士学位奉呈式
内外の貴賓、教授、学生、役員と職員の皆様。きょう鮮文大学の本館の奉献式を執り行った意味のあるこの日に、大学院委員会の総意によって、私は名誉神学博士の学位、妻である韓鶴子総裁は名誉人文学博士の学位を取得することになり、神様に感謝を捧げる次第です。
奉献式の場でも言及したように、私の教育機関の設立趣旨は、神様の真の愛の理想の教育と実践にあります。創造主であられる神様の根本属性は、絶対、唯一、不変、永遠、全知、全能など、様々に説明できると思いますが、根本の中の根本の属性は、真の愛です。
愛の理想は、相対と共に、相対を通してのみ成就します。真の愛それ自体の特性ゆえに、神様もために生きるべき愛の相対的存在を必要とするようになるのです。これが、絶対者であり、自存者であられる神様が被造世界を創造された動機です。
すべての被造物は、直接間接的に神様の愛の対象です。その中で人間は神様に最も近い存在であり、すべてを相続できる子女として創造されました。人類にとって神様は無形の真の父母であられます。
人間は宗派や教理によって、神様を様々に表現しますが、根源者の神様は、国境と人種、宗教と言語、そして肌の色と文化を超越し、人類すべてを一つにまとめることのできる真の愛の真の父母であられ、求心点になるのです。
宗教は、自分の宗教が他の宗教よりも優れていると考えるので、最近アメリカで起きた世界貿易センタービルのテロ事件や、パレスチナ紛争で見られるように、宗教戦争の渦に巻き込まれているのを目撃することができます。しかし、すべての宗教は普遍的な真理をもっているだけではなく、その教えは、唯一の神様から、共同の目標を指向しながら設立して出てきたものです。一人であられる神様は、すべての宗教の決着点であり、主人なので、宗教人たちは、互いに異なる点よりも、共通点を見ようと努力しなければなりません。
宗教の中心的価値は、神様の真の愛です。真の愛は、ために生きることであり、個人よりも家庭、家庭よりも氏族、氏族よりも民族、民族よりも国家、国家よりも世界、世界よりも天宙、天宙よりも神様のために生きることをいいます。このとき、神様は最初に戻って、子女である人間のために生きられるのです。これは普遍的な真理です。同様に、宗教は他の宗教を理解し、他の宗教のために与えて進んでいかなければなりません。
私は、宗教を通した平和世界実現のために「世界平和宗教連合」、「世界平和超宗教超国家連合」、「世界非政府機構連合(ワンゴ:WANGO)」などを創設し、全世界の宗教人を一つにまとめる活動を展開してきたのであり、宗教間の対話と和合を図るために、世界宗教の代表的な学者たちが編纂した『世界経典』を刊行しました。信じられないかもしれませんが、統一教会自体の予算よりも、超教派超宗派活動により多くを投入してきています。
また神様は、すべての知識体系と真理の根源であり、出発点となります。鮮文大学は世俗的な物質的価値を教える以前に、神様を愛する姿勢を教えなければなりません。すべての学問と価値観、そして真理の源泉が神様であるという事実を理解し、そのような姿勢で教え、学ばなければなりません。
また建学理念である「愛天思想」とは、神様を中心とした正しい価値観を立て、それを生活の中で実践することを意味します。唯物論と無神論、そして世俗的な価値観と快楽主義が乱舞する現代社会は、実に価値観が混同し、破壊された社会であると言わざるを得ません。愛天理念は、価値観が崩壊した現代社会において、その代案として提示された神様中心の価値観、すなわち「神主義」をいうのです。
一九九一年の末、私と私の妻が金日成主席の招請で北朝鮮を訪問した時のことです。その何年か前でも、世界的な宗教指導者であり勝共運動の第一人者である私を消し去ろうと、ソ連のKGB(国家保安委員会)や共産テロ団が暗躍したことがあったので、思想的に統制された北朝鮮の地に入るということは、命を懸けた冒険でした。
しかし金日成主席との出会いは、統一問題を解決するためには避けられないことであり、神様の摂理歴史において必然的にぶつかっていかなければならない摂理的要請であることを知っていたので、私は神様だけを頼りに北の地に入っていったのです。北朝鮮に入ったのも、何か共同投資や事業をするためではなく、神様の願いである南北統一のために、人類の真の父母として北朝鮮の住民を誰よりも愛する憐憫の心情を抱いて、堂々と入城したのです。
そして、北朝鮮の最高指導者に、「『主体思想』では統一できない。南北が共に生きることのできる『神主義』で統一しよう」と提議したのです。当時、私に随行していた人たちは、「わあ、これで、生きて帰れない!」と思ったと後日、話してくれました。既に一年前、ソ連を訪問して、ゴルバチョフ大統領に会った時も、危険を顧みず、神様のみ旨を宣布したことがあります。
私にとっては、生死が問題ではなく、天命と天意を守って従うことが重要だったのです。私の語る「神主義」は、してもしなくてもいい、そのような思弁的なものではありません。厳然として生きて役事される神様を無視したまま、無神論や唯物論、主体思想を主張しながら、偽りの思想を宣伝することは、天道に背くことであり、歴史の前に流れていくことなのです。ただ天道と正義と真(まこと)だけが歴史の前に残るのです。そのような意味で、神様の真の愛を中心とした「神主義」だけが、統一の基礎になることができるというのです。
私が主導した「科学の統一に関する国際会議」もそうです。世界で我こそはというノーベル賞受賞者などの碩学たちを、文総裁が押したり引いたりしながら、「ああしなさい、こうしなさい」と言えるでしょうか。大会を一度開くたびに途方もない予算がかかる国際大会を、なぜ毎年行ったのでしょうか。
二十世紀に入り、驚くべき速度で発展した科学文明は、人類に豊かな生活を享受できるようにしてくれましたが、一方では自然と環境の破壊、大量殺傷武器の開発、大気オゾン層の破壊など、暗い影を落としたのも事実です。科学技術を利己的な動機で使用するとき、科学技術は人類を破滅させるかもしれない凶器に急変するのです。
科学的理性を固く信じた人類は、二度にわたる世界大戦を経ながら、人間の野蛮性に対して驚愕するようになり、科学的理性に対する信頼が落ちるようになりました。また現代産業社会において、人間は物質文明の奴隷となってしまいました。これらすベての現象は、科学の誤用から来る結果なのです。科学は、科学者たちが好んで使う言葉のような「価値中立的な学問」なのではありません。科学こそは、人類のために正しく使われなければならない「価値指向的な学問」なのです。
私は、毎回開催される「科学の統一に関する国際会議」の主題を「絶対価値の探求」と関連させて設定しました。私が提案した絶対価値というのは、「神主義」に立脚した神様の真の愛を意味します。宇宙万物を創造された神様は、科学者の中の科学者であり、芸術家の中の芸術家であられます。科学者が、神様の創造された宇宙万物に対する知識を一部知っているからといって、驕慢になったり、自己満足に陥ったりするならば、それは正しい道理ではありません。
したがって科学者の目標は、物理学や化学、あるいは生物学など、関連分野の研究だけに終わってはいけません。諸学問の分野別特性も重要ですが、学問の研究が相互協力、相互補完されなければならず、その研究の成果が善の目的に活用されなければならないのです。
科学が科学だけのための盲目的なものとなるとき、誤ってしまう可能性があるからです。したがって、科学者たちの学問的な成果が、他の学問との関連性においても扱われるべきであり、さらには全体社会に対する有用性と目的性の可否とも関連しなければなりません。そのような側面から見るとき、「科学の統一に関する国際会議」は、最上の権威を備えた国際会議であり、人類社会に大きな足跡を残したと自負します。
今後の世界文明を主導する思想は、現代文明から失われた、生きておられる神様を再発見し、神様を中心とした絶対価値を基盤にした思想でなければならないのです。西欧文明は人間の理性を過度に強調した結果、人本主義思想に染まり、神様を見失ってしまいました。唯物論の哲学は、神様を追放し、神様からの解放を装いながら、物質至上主義に陥ってしまいました。
しかし、神様を離れた自由は真の自由ではありません。何よりもまず大学教育から、神様を中心とした新しい価値観を教育することが急がれる時です。また、現象世界を越えた本体世界、すなわち理想的な霊的世界が存在することを知らなければなりません。肉的五官では感知されませんが、厳然と存在する実体世界です。
私は、その世界と数多く交わりをもち、体験的真理を語っているのです。神様と霊界を正しく知るべき、もう一分野の学問研究が残っています。二十一世紀は霊界と霊的現象がだんだんと可視的、体恤的に私たちに迫ってきています。
すべての学問と教育は、究極的に主体となられる神様に依存して関連性を結ぶことが、真の大学教育の要諦であると思います。神様を中心とした絶対的価値体系を樹立することは、世界文明を主導する大学がもつべき一次的な条件です。
教育は、単純に知識と機能を伝達する行為になってはいけません。少なくとも道徳性と倫理、および良心を啓発する教育がその主軸を形成しなければなりません。したがって真の教育とは、機能的な知識人や利己主義者を量産するのではなく、人格の完成と道徳性を実現するときに、その意味をもつようになります。
ぜひとも鮮文大学が「神主義」に立脚した教育思想を実践して、この国と人類文明に大きく寄与する大学として発展していくことを祈ります。ありがとうございました。
14.「鮮文ピースカップ」創設の意義
平和経 第七篇 心情文化世界の創建のために
14.「鮮文ピースカップ」創設の意義
日付:二〇〇二年六月十二日
場所:韓国、ソウル、リトルエンジェルス芸術会館
行事:「鮮文ピースカップ」創設大会晩餐会
尊敬する内外の貴賓、ならびに紳士淑女の皆様。きょうのこの場で、皆様と貴い時間を共に過ごすことができ、心からうれしく思います。特に今回、韓国と日本において開かれている第十七回ワールドカップ大会に参席され、そのお忙しい中でも、本大会に参加してくださった指導者の皆様に、重ねて心からの感謝をお捧げいたします。
きょう六月十二日は、ワールドカップが開幕して十三日目です。サッカーの熱気が全地球村を熱くしています。連日、異変と波乱、歓喜と挫折が交差する葛藤のドラマが演出される中で、人種や理念、国境を超越し、感動と友情の祝典が繰り広げられています。
きょう、私たちがこの場に集まって深く考えてみることは、スポーツを通じた人類平和実現の道を模索しようということです。今まで私は、聖書の記録のように、「平和をつくり出す人たちは幸いである。彼らは神の子と呼ばれる」(マタイ五九)というみ言の実践と天意に従い、宗教と学術、言論、文化、芸術、スポーツなど、各分野において、八十年以上の生涯をただ一つの道、神様に侍り、神様のみ旨と理想である自由と幸福、そして平和の世界を実現するために、あらゆる精誠を尽くして生きてきました。
皆様もよくご存じのように、和平や平和という問題は、今まで長い歴史の期間を通して、全世界がすべての手段や方法を動員し、あらゆる努力を注いできましたが、ある一つの国家の政治力や経済力、軍事力だけでは、完全に解決できるものではありませんでした。
問題は、最も近い家庭から氏族、民族、国家、そして世界を越えて天宙までも含めて通用する根本的な真理、すなわち平和の思想がなければならないのです。
真の理想、真の愛、真の生命、真の血統、真の平和の世界は、神様の創造理想であると同時に、人間の希望です。それでは、理想であれ、幸福であれ、愛であれ、平和であれ、その起源は、どこにあるのでしょうか。それは、ただ一つ、相対のために奉仕し、犠牲になって、ために生きるところにあります。そこに根本真理があるのです。
宇宙は、神様のように互いに、ために生きて存在することを根本秩序として存在しています。神様は、知恵の王であられ、全能のお方です。ですから、すべての存在世界において、真の愛と真の幸福と真の平和を成し遂げるためには、その世界で主体と対象が互いに、ために生きては、またために生きる、そのように存在するようになっているのです。
すべての存在は、二重目的をもつ連体です。存在の中心には、より大きな全体のために生きようとする性相的な目的と、自体を保護し、自体を存続させようとする形状的な目的があります。
例えば、陽子と電子の作用によって原子が存在し、その原子である陽イオンと陰イオンが分子を形成し、その分子でできた栄養素が植物を育てます。その植物が繁殖して動物の餌になります。動物と植物の問においても、酸素と炭酸ガスを交換します。蜂と花は互いに共存します。天体を見ても、太陽と惑星が互いに授受作用をして、一定の距離を維持しながら公転と自転によって運行されています。
このように、すべての存在は、互いに、ために存在しているという宇宙の根本真理があることを、私はいち早く悟りました。この原則が適用される場、言い換えれば、父子の関係にこれが適用されるならば、真の父母がそこに存在するようになり、真の息子、娘がそこに存在するようになるのです。
ために存在するのが、宇宙の根本原則です。この原則の上に立ってこそ、すべての幸福と平和と理想と真の愛が完成するのです。
互いにために生きなければならないという公式的な原則を拡大し、国家と民族を超越して互いにために生きる世界を成し遂げるならば、その世界が正に私たち人間が願うユートピア的真の愛の世界であり、真の理想の世界、真の平和の世界、真の幸福の世界だということは間違いありません。「ために存在する」というこの原則を掲げていくならば、どこにも通じない所がないのです。
もし皆様が霊界に行くことになったとしても、ために生きる真の愛を実践したならば、神様は、天地の中心存在としていらっしゃるので、そのお方から千年、万年福を受けて暮らすようになり、それ以上の幸福はないことを知ることができます。
ために生き続ける存在は中心存在となり、中心存在となることによって、完全に統一的な環境や平和の世界をここで造成できるという事実を、私たちは知らなければなりません。いくら数多くの宗教があり、数多くの教典があったとしても、その核心の教えは、「ために存在せよ」というこの一言に帰着するのです。
真の宗教、愛の宗教、理想的な宗教、幸福の宗教、平和に導く宗教はどのような宗教でしょうか。個人のために生き、家庭のために生き、氏族のために生き、民族のために生き、国家のために生き、世界のために生き、天地のために生き、神様のために生きて、先に犠牲になろうという宗教が真の宗教であり、理想的宗教であり、万民を平和の場に導き、幸福の場に導く宗教であるという結論も、皆様は知ることができるでしょう。
平和は、相対的な概念から生まれる言葉です。幸福もそうです。一人では幸福になることはできません。このように考えると、私が一つになろうとするところから幸福が生まれるのであり、平和や、私たちのあらゆる理想的な要件も、私が一つになろうとするところから関係が結ばれ、出発がなされるのです。
人の力だけでは、人間世界において平和の紐帯を結ぶことができません。なぜかというと堕落した人間は、それぞれ自分だけがうまくいくことを考えます。互いに利用しようと考えるのです。自分の利益を追求し、自分を中心として良いものを結びつけようとします。
ここに来られた皆様はそうではないですか。指導クラスの人士だとしても、自分を中心として主導権の争奪戦を行い、自分の利益のために闘って大騒ぎしています。今までのこの世の中では、これが私たちの生活の本質的な基礎になっているのです。自分だけのために生きる世の中では、闘いに終わりはなく、継続されるのです。
ここで、私たちの体の構造を見てみましょう。この目は、自分のために生きようとして生じたのでしょうか。相対のために生じたのです。口は自分のために生じたのでしょうか。相対のために生じたのです。この耳は自分のために生じたのでしょうか。相対世界の音を聞くために生じたのです。
鼻は自分のために生じたのでしょうか。手は自分のために生じたのではありません。さらには、男性と女性の生殖器官自体も、自分のためではなく、夫のものは妻のために、妻のものは夫のために生じたのです。平和は、そこから、すなわち、ために生きようとするところから生まれるのです。母親の体は、母親だけのためのものではなく、夫と子女のために存在するようになっています。
一つの平和な世界、ために生きる世界をつくるために、私は妻と共に、全生涯を通して様々な方面に努力を注いでいます。その中でいくつか代表的な例を挙げるならば、人種と宗教、国境、言語の障壁を超越し、未来世界の基盤を固める超宗教、超国家、超NGO(非政府機構)、超与野党教育活動をしてきました。また「世界平和統一家庭連合」では、真の家庭運動と純潔運動を展開してきました。学術分野においては、アメリカのブリッジポート大学と韓国の鮮文大学を中心に平和思想の教育と実践運動に尽力しています。
さらに、言論分野においては、既にアメリカの「ワシントンタイムズ」とUPI通信社をはじめとして、韓国と日本では「世界日報」、そして南米、北米のすべての国々をカバーする言論機関をつくり、やがて世界百八十五ヵ国に拡大され、世界が一つになって協力する上で、大きく寄与することになるでしょう。
きょうは、サッカー人たちの大会です。今、この韓国では、かつてないサッカーの熱気が高潮し、全世界の人々が一つの祝祭の雰囲気に巻き込まれています。しかし、究極的にスポーツの世界が行かなければならない正道は、オリンピックやワールドカップを通して、世界の人々を和合と平和の道へと案内することです。
時には、過熱した競技がお金や権力と結びつき、純粋なスポーツ精神が薄れつつあるのではないかと、非常に危惧されています。選手の報酬が法外な価格であることや、独占資本家たちの横暴のようなことがないか、よく見守っていかなければなりません。
私は、スポーツを通じた世界平和実現のために、韓国でいち早く一和プロサッカーチームと鮮文大学サッカー・チームを結成し、韓国サッカーの発展に大きく寄与してきたのであり、ブラジルでもセネプロサッカー・チームとソロカバプロサッカーチームを運営しています。私がこのようにサッカーチームを運営するのは、単純なビジネスの次元を越えて、大学連盟の青少年たちにスポーツマンシップを教育し、スポーツを通して世界平和に寄与することが、その優先的な目的であると言うことができます。
御存じのように、サッカーは、もともとイギリスで始まりました。貴族の子弟ばかりが通うイギリスのイートンスクールで、指導者としての資格を備えるには、知識だけではなく体力も必要とされる中、体力増進を目的に初めてサッカーが考案されたのですが、今では貴族だけの遊技にとどまらず、チームワークを重要視するその魅力ゆえに、すんなりと大衆スポーツとして定着し、飛躍的に発展するようになりました。
特にサッカー競技は、個人の技術がいくら優れていても、チーム全体が支えてくれなければ、勝利は難しくなります。ボールは、丸くてあちこちに転がりますが、同時に正直なのです。ボールは、選手が蹴る所にだけ飛んでいきます。
サッカーには、正直性とチームワークを重要視する合目的的共同体の原理が隠されているのです。サッカーは、既得権層の分配式の利害打算的な計算もなく、ゴールを決めるのに順番が決まっているわけでもありません。サッカーは、大国や小国、強い国や弱い国に関係なく、公平に競技をすることによって、すべてに喜びと幸福をもたらします。サッカーには、チームプレーから生まれる躍動的な共同体的ハーモニーがあるのです。
サッカーをはじめとして、すべてのスポーツと遊技文化は、人類歴史と共に長い間一緒に発展してきました。スポーツは本来、丈夫な体と安全な社会を維持するために創造されたのであり、今日、数十億の人々の生活を楽しませ豊かにしながら、全世界の隅々に拡散しています。このような万民のスポーツを通して、万民の平和に寄与できる方法を、様々な側面から模索しなければなりません。
世界は、再び新千年紀のスタートを迎えました。情報と技術の画期的な発展を通して、「地球村は一家族」という概念が現実化しつつあります。しかし、一方では、道徳的危機を迎えるようになり、精神的価値の崩壊の脅威に直面していることも事実です。今日の享楽主義と青少年たちの自己中心的な価値観を克服するために、互いに健全なスポーツ精神特有の建設的な代案を提示しなければなりません。
スポーツは、公正な競争の法則が支配します。闘争と競争とは、その概念が異なり、次元が違います。闘争は、腕力や武力、または物理的な力で相手の存在を否定し、抹殺しようとする、残忍で殺伐とした動物たちの弱肉強食の法則です。
スポーツの競争は違います。競技では、ルールを定め、その規定に従って優劣を決め、相手を認める紳士の精神があります。スポーツ競技とは、多くの人が見守る中で、選手たちの正々堂々とした態度と公明正大な精神をもって、各自自分の技術と才能と力を競い合うのです。互いに約束した法と規則を守りながら、審判の公正な判定を受けるのです。
ゲームで最も重要なことは、フェアプレーです。順法と準則です。反則は、減点となり、退場となり、権限が剥奪され、選手は処罰を受けます。運動選手は、個人と国の勝利と栄光のために、すべての力とすべての精誠と勇気を尽くして全力投球します。
勝利した選手には、常緑樹の月桂冠を与え、栄光の金メダルを掛けてあげ、花束を与えながら、万雷の拍手喝采で祝い、国旗を掲揚し、国歌を歌ってあげるのです。そのような儀式は、感激の極致であり、栄光の絶頂であり、私たち全員の祝宴なのです。
またスポーツの世界には、競争で敗れた選手たちも、自分の残念な思いを抑えて、勝利者の労苦に心からの拍手を送る美徳があります。スポーツは、美しい友情の香りがあり、同志愛があります。選手は、スポーツマンシッブを守るときに美しいのであり、絶え間ない努力によって血と汗を流さなければならず、名技と神技の境地に到達しなければなりません。公正と秩序と礼節の徳を修錬しなければなりません。
スポーツは、現代社会に多大な貢献をしました。人間の心身を健康にし、競技の技術によって喜びと感動を与えました。特にスポーツは、宗教のドグマや政治的なイデオロギーを跳び越えることができ、誰もが一つになることができ、さらには、全世界の人々の心を一つに結ぶ和合と平和の饗宴です。
冷戦時代が終息はしましたが、世界は、依然として苦痛の束縛から逃れることができずにいます。アメリカにおける九一一事件で示されるように、民族紛争と宗教的葛藤によって世界が争っており、地球の環境は、破壊の一途をたどっています。
未来に責任をもつべき青年は、世間に対して冷ややかになりつつあり、一部は、物質主義と享楽主義に心酔したり、そうでなければ、麻薬に溺れて非行に没頭したりすることもあります。
このような諸般の問題の解決法案は、先ほど申し上げたように、正しい真理、すなわち、互いに「ために生きよう」という理想的真理の基盤の上に、正しいスポーツ精神を接ぎ木させ、その精神を神様のように実践し、和合と平和と統一の世界を創建しなければならないのです。
ですから、私は、今回、平和世界の創建を願いながら、「鮮文ピースカップ(SUN-MOON PEACE CUP)」を創設したのです。「鮮文ピースカップ」は、太陽(sun)と月(moon)のカップ、天地父母のカップ、平和のカップです。純粋、純潔を象徴する光で永遠に輝かなければなりません。
「鮮文ピースカップ」は、神様を抜きにして、単に興行性のある競技ばかりをあおり、スターを誕生させるなど、そのような既存のカップとは区別されなければなりません。神様をはっきりと知り、霊界の実相について詳しく知り、平和の正道をわきまえて進んでいかなければならないのです。
「鮮文ピースカップ」は、神様が理想とされた創造本然の世界を成し遂げるための宗教と科学、政治と経済、女性、青年、体育など、各界各分野の努力を一ヵ所に集め、人類が一つの大家族となることを念願する祝祭の場となるでしょう。
特に、人種、国家、民族、宗教、理念の壁を越え、神様の真の愛を中心とする真の平和の理想に向かって出発する始発点になるという点において、実に重要であると主張できるのです。
「鮮文ピースカップ」は、人類の健全な精神世界はもちろん、霊性の啓発と共に人類共同体の内外的和合と調和を実現する祝祭の場であり、神様の創造理想を中心に、平和と自由と幸福の世界を開いていく一つの心、一つの家族、一つの心情の大同の場となるでしょう。
最後に、ここにお集まりになった皆様は、「鮮文ピースカップ」を発展させる上で主役となり、大きく寄与してくださることを約束した「ペレ財団」、そしてFIFA(国際サッカー連盟)と共に、すべての協助と指導を惜しまれないことを重ねてお願いいたします。
皆様と皆様の御家庭に神様の愛と祝福が満ちあふれることをお祈りいたします。ありがとうございました。
15.宗教間に恒久的な和合を成し遂げよう
平和経 第七篇 心情文化世界の創建のために
15.宗教間に恒久的な和合を成し遂げよう
日付:二〇〇三年七月十日
場所:韓国、忠清南道、天安、柳寛順体育館
行事:「二〇〇三世界文化体育大典」
尊敬する元現職の国家元首、高名な宗教界の指導者、世界各国からいらっしゃった各界指導者、各教団を代表する青年代表、紳士淑女の皆様。ここ大韓民国において開催される「二〇〇三世界文化体育大典」に参加されましたことを心から歓迎いたします。韓半島は、私の祖国であると同時に、神様が復帰摂理を終結させる所でもあります。
私は、少年時代から驚くべき霊的体験によって神様を知り、イエス様をはじめとする聖人たちと交流してきました。そして、深い境地における霊的体恤を通して、神様のみ旨と心情を悟り、天道と、人生の本然の道を究明したのです。
人の命というのは、地上において肉身が死んだからといって終わるわけではありません。天上世界、すなわち霊界では、聖人や賢人たちはもちろん、私たちの先祖が、肉身とは異なる、人格体である霊人体として生きています。神様が創造された根源の世界、すなわち無限で永遠の世界と比較するとき、私たちの肉身が生きるこの自然界は、ごく小さな一部分にすぎません。
そして霊界は、永遠の世界であると同時に、この現実世界の主体となる根源であり、本質の世界です。私は、堕落によって断絶した地上世界と霊界との間に、原理的な交流を回復させることに多くの精誠を尽くしました。それは、地上と天上にふさわしい条件を立てなければ不可能な、実に難しい課題でした。
現在、私は、霊通者を立て、霊界に指示するメッセージを送り、またそれに対する回答とともに、霊界での実相に関する報告を送ってくることもあります。さらに驚くべき事実は、霊界において五大宗教の代表たちが一堂に会し、神様が人類の父母であられることを宣布すると同時に、私に対して、人類の救世主、メシヤ、再臨主、真の父母であると宣布し、また「統一原理」が人類救援のための平和のメッセージであり、天宙平和統一は、真の愛を中心として超宗教、超国家、超人種の「愛によるために生きる人生」を通して完成することを宣布しました。さらには、真の父母に侍り、神様の国と世界平和のために、和合、統一、精進することを決意しました。これが二〇〇一年末に霊界で起きたことです。
根源であり、主体である霊界において起きたことは、その反応が地上においても起きるようになっています。地上に多くの霊的役事が起きるようになり、同じ決意をするという出来事がだんだんと増えていくのです。「世界文化体育大典」は、人間の考えだけで始まった行事ではなく、神様のみ旨を動機とし、霊界が全面的に協力、支援する中で進行する、愛のチャンピオンを神様に捧げる祝祭なのです。
今回参加された皆様の善の先祖と教団指導者が、霊界から皆様に声援を送っていることを記憶してくださるようお願いします。宗教の重要な使命の一つは、人々に霊界に関する正しい内容を教育することです。人間が神様と霊界について、はっきりと理解するならば、確信と希望の中で責任を果たしながら完全なものとなるでしょう。
現在に至って、多くの国々が、自国の安全は自国だけに限られた問題ではないという事実に気づくようになりました。戦争やテロ、核兵器の脅威などの国際情勢と無縁な国は一国もありません。
また、世界の指導者たちは、世界平和のための基盤として、宗教間の調和と協力が必要であるということに共感しており、九一一事件以降は特にそうです。過去半世紀の間、私が粘り強く警告してきた宗教間の葛藤と戦争の致命的な危険さを、人々は今、正に深刻に感じているのです。
宗教間の和解と協力は、世界平和のための前提条件です。今回の文化体育大典の主要な行事は、この宗教間の和合を恒久的に成し遂げようとする行事です。指導者、特に宗教界の指導者は、人の血統の重要性を理解し、正しく教えなければならないと思います。
神様が人類始祖として最初の男性と最初の女性を創造された意図は、彼らがそれぞれ真の愛によって完成し、夫婦として完全な相対理想を成し遂げることによって、神様を中心とする家庭を築き、善の血統を受け継ぐ子孫を神様の民として繁殖することにあります。
人類始祖は、神様の祝福を受けた最初の家庭を完成することができませんでした。彼らは、サタンの偽りの愛の因縁によって堕落し、エデンの園から追放されてしまいました。結果的には、神様の真の愛とは無関係な家庭を築いてしまったのです。人類始祖は、神様の善の息子、娘、善の夫婦、善の父母になることができませんでした。したがって人類は、偽りの父母、偽りの先祖から出発し、偽りの血統によって罪悪の子孫を繁殖してしまったのです。
そして人類始祖は、子孫に神様の真の愛、真の生命、真の血統を相続させることができませんでした。ですから、偽りの先祖の子孫である人類は、真の愛によって神様が願われる真の家庭を再び回復しなければならない宿命のもとに置かれてしまいました。もちろん真の愛、真の生命、真の血統は、共に重要なものですが、その中でも、一生涯の期間を越えて代を受け継いでいく真の血統が、より貴いのです。
超宗教的にお集まりになった青年学生代表の皆様。新しい心情文化世界を指向するこの祝典の主役が正に皆様です。皆様は、実に貴いものをもっています。
若さ、情熱、純粋、義俠心、勇気など、神様の本性に最も近い性禀を備えているので、神様は、皆様と共にいることを願われます。皆様がその開かれた心で、排他、反目、葛藤などの壁を越え、宗教和合のしっかりとした根を下ろさなければなりません。
そして、私の生涯を通して実践し、教育してきたことの一つが壁を崩すことです。私たちは、人種と宗教と国家の境界を越えて、共に調和して暮らさなければなりません。
私たちは、神様を中心とした「世界一家庭の家族」です。スローガンや飾り言葉としてではなく、実際にそのように暮らさなければなりません。神様は、青年や大学生たちに最も大きな期待をかけていらっしゃいます。私たちは、ある特定の人種、言語、宗教、国家、文化に属しているという意識を超えなければなりません。
私はきょう、皆様に実に貴い教えを伝えようと思います。人々、特に若者たちは、愛の器官に対する価値を正しく理解し、これを大切にしまっておかなければなりません。愛の器官は、愛と生命と血統の中心であり、根源です。
そして、愛の完全な結実も、新しい生命の懐妊も、愛の器官を通してこそ可能なのです。愛の器官を通さなければ、父母の血統が次の世代へとつながりません。このような理由によって、愛の器官は、人体の中で最も大切な部位になるのです。
不幸にも、現代社会は、あまりに多くの状況において、この貴い愛の器官を間違って使っています。社会的、文化的環境、特に映画、音楽、言論、インターネットなどを通して、愛の器官を間違って使うように、誤った方向に向かっているのが世界的な趨勢です。若者たちは、いとも簡単にフリーセックスの波にのみ込まれ、家庭は崩壊していきます。この現実は、悲惨なことです。宗教界の指導者たちをはじめとする志のある指導者たちは、正しい意見を大きな声で叫ばなければなりません。
いかなる場合においても、家庭の貴さが取り戻され、男女の愛の関係が正しい倫理基準の上に立てられなければなりません。真の父母様を通じた真の愛の祝福結婚行事と若者の純潔運動が、超国家超宗教的に普遍化されなければならない理由がここにあるのです。七月十三日に行われる超宗教超国家的祝福結婚行事の貴重な意義も、この点から見いだすことができるのです。
私は、これまで超国家的、超人種的、超文化的、超宗教的祝福結婚を奨励してきました。また、過去に怨讐関係にあった国民同士の祝福結婚を奨励しています。特に韓国と日本、アメリカの黒人と白人、キリスト教とイスラーム、イスラエルとパレスチナとの間においてです。もしもこのことが普遍化されるならば、平和世界に向かう道がどれほど短縮されるでしょうか。
すべての人が、このように怨讐を愛することを実践することによって、私たちの指導力を満天下に示しながら、心の障壁を崩し、愛で奉仕する、神様の平和大使とならなければなりません。
尊敬する世界の指導者の皆様。私たちは、今まで代表的な平和機構は国連であると言ってきました。しかし、国連はこれまで、加盟国が五十一ヵ国から百九十一ヵ国に増え、また五十八年という歴史が物語るように、内外の環境と条件が大きく変わりました。
国連が成し遂げた業績も大きいのですが、今は内外に多くの試練を迎えています。安全保障理事会を中心とする特権の問題、強大国と小国との公平性の問題、強制制裁圏の問題、予算の問題など、多くの制限と困難があります。
特に国連がその活動において、宗教と霊性の重要性を見過ごすことによって、心のない体のような運命の道を自ら招くことになりました。多元化した世界において、国連が頭のない体となって、地球星の諸問題に能動的に対処できなくなり、世界の問題を分析して対応する際には、公正性を失い、一方にばかり偏ってきたということができます。国連がこのままいくとすれば、本来の創設目標は、決して達成することができなくなり、発展どころか、存廃の危機を迎えるようになるでしょう。
私は、三十年前から国連が世界平和のための機構になることを心から願い、心配してきたのであり、ここ四年間は、機会があるたびに国連の刷新を主張してきました。国連の刷新に関する私の持論は、国連内に超宗教議会を上位機関として設置しようというものです。
幸いに、フィリピン政府が私の提案に基づいた国連刷新案を、今年の九月に開かれる第五十八回国連総会において、アメリカなど数々の国の支援を受けて提案する予定です。多くの国家が協力し合い、国連が本当に平和実現の躍動的な機構となるよう、皆様が支援してくださるものと確信しています。
霊界においても、既に五大聖人たちをはじめとした指導者たちが協力することを決意しています。国連内に設置される超宗教議会の代表たちは、宗教の創始者たちが成し遂げようとした高貴な理想を、真の愛の手本となる人格と知恵でもって実践しなければなりません。
そのためには、宗教自体が利他的な実践の道にしっかりと立っていなければなりません。もしそれができないとするならば、超宗教議会は、何の価値もなくなります。今世界は、教派主義、狂信主義的宗教、自教団利己主義を超えて、真の愛を実践する宗教指導者を必要としています。
今回の期間に進められる超宗教祝福結婚行事、超宗教青年平和体育大典、国際平和会議、世界原理研究会総会、平和のための奉仕活動など、文化祝典における行事は、すべて世界平和のためのものです。私は、教育部門と芸術分野にも世界的な基盤を築いてきました。また、今月十五日に開幕する、世界の有名なクラブのサッカー対抗戦である鮮文ピースキング・カップ大会も、すべて心情文化平和世界のための一連の活動です。
今から私たちは、数日間、霊界とこの世界が注視する中で、私たちの平和のビジョンと決意、そして指導力を万邦に示すでしょう。万民の心の中に感動と共感を呼び起こし、希望のメッセージとして植えつけられることを期待します。
最後に、神様の祝福が皆様と皆様の御家庭、そして全世界に満ちあふれることをお祈りいたします。
16.真の理想家庭の絶対価値観は真の愛の主人を定める
平和経 第七篇 心情文化世界の創建のために
16.真の理想家庭の絶対価値観は真の愛の主人を定める
日付:二〇〇四年七月二十三日
場所:韓国、忠清南道、天安、柳寛順体育館
行事:「二〇〇四世界文化体育大典」
世界百二十ヵ国からいらっしゃった高名な内外の貴賓、宗教界、学界、政界、市民団体など各界の指導者、「超宗教平和スポーツ・フェステイバル」に参加する青年、国際祝福結婚式の参加者、世界からお集まりになった青年、大学生、そして紳士淑女の皆様。
一九八八年に私が創設した「世界文化体育大典」は、その核心的主題と目標が、心情文化世界の創建にあります。全人類が神様と真の愛を中心に調和と統一を実現し、共生共栄共義の世界を具現するためのものです。
したがって、世界文化体育大典の行事は、人間のつくった障壁を崩し、超国家、超人種、超宗教的な和合一体を指向する文化祝典なのです。今年の「世界文化体育大典」は、摂理史的に「先天時代」に終止符を打ち、「後天時代」が開かれるこの時点において開催されるという点で、より一層大きな意義があります。
この場をお借りして、私はきょう「真の理想家庭の絶対価値観は真の愛の主人を定める」という題目で、今日、天が人類に下さった真理の一端を紹介しようと思います。
皆様。神様が人間を創造された目的とは何でしょうか。全知全能であり、遍在される神様も、独りで存在することを望まれなかったがゆえに、まずは天宙を人間のための環境として創造され、その上に神様の真の愛で創造されたのが人間です。
神様は、その対象である人間が、神様御自身よりも立派で大きな存在となることを願われたので、人間を御自身の子女として造られたのです。世の中でも父母は、子女が自分よりも成功し立派になることを願うでしょう。これは、すべて神様が祝福として下さった父母の愛なのです。
子女として造られた人間が成長して完成し、神様から祝福結婚を受け、真の子女を繁殖し、真の永遠の理想天国を成し遂げて生きる姿を見て、喜びを感じようとしたのが神様の創造目的でした。愛の主人となる道は、まず相対のために自分を徹底的に犠牲にして投入する、そのような真の愛の実践を通して開かれるようになります。神様は人間を創造されるときも、まず御自身が絶対信仰、絶対愛、絶対服従の基準を立てて、一〇〇パーセント投入されたのです。相対圏を絶対価値圏として立てるのです。
愛の主人は、独りでなるものではありません。必ず対象を通して成立するものなのです。この絶対的価値圏の愛の原理の前では、神様も同じなのです。子女がいなければ、父母は永遠に愛の主人になれないように、神様御自身が絶対愛の主人の位置に立つためには、その相対圏である人間を、絶対愛の価値圏に立てなければならなかったのです。絶対主体と絶対対象の価値観が生まれて、初めて完成するのです。
宇宙の秩序を見れば、大きいからといって、小さいものを無条件に犠牲を強いて、摂取するようにはなっていません。ヘレニズムに基づいた弱肉強食による適者生存の理論は、根本的に間違っています。ために存在し、真の愛で投入して忘れる絶対服従の対象として、主体的愛の主人として完成させようという絶対価値観を、彼らは見落としているのです。真の愛を排除すれば、闘争概念だけが残るのです。
しかし、神様の「創造原理」は、闘争を通した生存と発展ではありません。主体と対象の関係の中で相互に授受作用をしながら、絶対価値観に基づいて調和統一を追求するのです。「小」が「大」のために犠牲になるとしても、それを闘争と見てはいけません。相互発展のための投入と見なければならないのです。個人は家庭のため、家庭は国家のため、そして国家は世界のために譲歩し、犠牲を甘受することが、どうして闘争と言えるでしょうか。
このように、絶対的価値圏とは、まず相対を真の愛の主人格として立ててあげる真の愛を完成させるためのものです。したがって、私たちの生活の中で、利己的で個人主義的な思考や行為は、徹底的にその根を抜かなければなりません。これは堕落性の根と同じもので、すべての悪の原因を提供しています。個人的次元の利己主義の行動や集団個人主義的行為も同様です。それは真の愛の絶対価値観の精神とは正反対の道です。他のために犠牲となって与えるのではなく、自分のために他を犧牲にし、自分の利益だけを追求する破廉恥な行為です。堕落によって引き起こされた人間の心と体の闘いの中で、巧みに掘り下げて、サタンが人類に植えつけた毒きのこです。自分の栄達と慰めのため、見た目が美しいからといって、一度食べたら中毒に陥り、一生、努力しても抜け出すのが難しい悪の罠です。
「前」と「後」のことを考えてみてください。「前」という言葉を語るそれ自体が、既に「後」を前提条件として認めているのであり、「上」という言葉も「下」を先に認めてこそ成立する言葉であり、「左」は「右」を前提とする言葉です。同じ論理で、「男性」という言葉も「女性」という存在が先にあってこそ成立するものです。すなわち、男性は女性のために生まれたのであり、女性は男性のために生まれたと言うことができます。男性がいなければ、女性は必要ありません。同じように女性がいなければ、男性は存在価値がないのです。
結局、自分のために生まれたものは一つもないということです。すべての存在物は、相対のために存在し作用するのです。相対的関係によって理想郷に向かうように創造されたという意味です。人間の五官について考えてみてください。皆様の目は自分の目そのものを見るためにできていますか。目、鼻、耳、口、手、これらすベては相手のために生じました。そうであれば、この五官を総動員し、生命を維持して活動を続けるようにする力は何でしょうか。真の愛の価値観を完成させようとする力です。私たちの五官は、真の愛を実践するために必要なものとして生じた道具にすぎません。
このように、自分のためにできたものは一つもないのです。相対のために与え、愛で犠牲となり、服従で愛の主人を完成させる生き方こそが、神様の創造理想にかなった生き方なのです。相対のために創造されたのですから、当然のこととして、相対のために生きてあげなければならないのは天理なのです。そこから真の愛の絶対価値が創出されるのです。
皆様。天国と地獄がどこで分かれるのか御存じでしょうか。空中でしょうか、教会でしょうか、国家でしょうか。違います。正に皆様の生殖器が、天国と地獄を分ける境界線になっているのです。これが人類歴史上、天地を覆す最大の悲劇をもたらしたのです。
目の見えない盲人のように方向を失ったまま、生殖器をいい加減に使うようになれば地獄行きであり、反対にこれを神様の絶対愛の価値基準に合わせて使うようになれば、天国に行きます。誰がこの事実を否定できるでしょうか。疑わしければ、私が天理として発表した『原理講論』を熟読され、それでも疑いが解けなければ、天にすがって祈祷してみてください。必ずその答えを得るでしょう。
レバレンドムーンの教えを受け、今や世界の若者たちがフリーセックスを撤廃し、絶対「性」、すなわち絶対愛を主唱する純潔運動が燎原の火のごとく広がっています。フリーセックスが、自分の欲望とサタンを中心とした偽りの愛である反面、絶対愛は神様を中心とする真の愛なのです。多くの文学作品とマスコミが、歴史的にフリーセックスを刺激し、そそのかしてきた傾向がありました。しかし、今からは政治家、財界人、文化人、言論人、宗教家、哲学者など、すべての分野の指導者が声をそろえて先頭に立ち、人類の「亡国病」であるフリーセックスを追い出さなければなりません。
世界平和のための礎石を据えることも、真の愛の絶対価値観を創出するアダムの家庭であり、世界平和への道を破壊するのもアダムの家庭です。ですから、先祖であるアダムの家庭が重要であることを、肝に銘じなければなりません。
私が「世界基督教統一神霊協会」の看板を降ろし、「世界平和統一家庭連合」の看板を掲げたのも、既に時が来たからなのです。地獄となってしまったこの世界を、果たしていかなる方法で変えられるでしょうか。真の愛を中心とした和合統一の実践こそが、唯一の絶対価値観を見いだせる道です。真の愛の主人である神様の属性は、永遠、不変、唯一、絶対的な基準に立っているので、私たちもこれに見習って生きなければならないのです。
皆様。家庭はなぜ良いのでしょうか。それは父母の愛を中心として、本然の自由活動の基地になっているからです。見た目はいくらみすぼらしくとも、輝く真の愛の核をもつ心情で結ばれた人間で構成される本然の家庭となるとき、そこにおいて人間はもちろん、神様までもが真の自由を感じられるのです。愛が欠如した自由は、真の自由ではありません。私たちがある家に客として行ったときに不自由さを感じるのは、まだその家と深い愛の関係を結ぶことができていないからです。すなわち、愛の関係が四方性を備えることができずにいるので、ぎこちなく不自由なのです。
それでは、本然の家庭で最高、最上の価値は何でしょうか。それは本然の父母です。本然の父母は、なぜ素晴らしいのでしょうか。永遠の愛の主体だからです。愛を中心として一生の関係を結ぶことができる最も近い場所にいらっしゃる方が、正に本然の父母なのです。私たちが生まれて最初に、喜びを交わし合う相手が本然の父母です。したがって、本然の父母は、私たちの喜びの主体であり、また対象でもあるのです。
私たちが喜ぶとき、最初に喜んでくださり、私たちが悲しいときも、誰よりも先に悲しみの涙を流す方が本然の父母です。ですから、父母のない子女を孤児と呼び、孤児はかわいそうな人として扱われるのです。次に、愛する夫と妻が本然の家庭で最も尊い価値的存在となるのです。
夫と妻は条件的な愛ではなく、無条件的な本然の愛を交わす夫婦でなければなりません。たとえ初めから、天が与えた絶対的で永遠な次元の愛の関係で始まった愛ではなかったとしても、夫婦という絶対的次元の関係を土台とした相対関係で結ばれた本然の愛になれば、その愛こそが家庭に幸福と喜びを抱かせてくれる根幹となるのです。しかし、このような理想的な本然の夫婦関係が、夫婦関係それ自体だけで終わってしまったら、絶対的価値を内包した永遠な幸福と喜びにはなり得ません。夫婦の前には、必ず本然の子女がいなければならないということです。夫婦二人だけで子女を生まず、幸福に暮らそうとしてみてください。そうすれば人類は二代を越える前に滅亡してしまうでしょう。本然の子女から返ってくる愛を受けて暮らすことができてこそ、真の夫婦が本然の父母の位置まで上がるようになるのです。
その次に貴く重要なものが、本然の父母のための子女の愛です。絶望ではなく、あすの希望として芽生える理想的な環境を慕いながら、明るく肯定的な姿勢で、子女が本然の父母のために犠牲となり、愛することができたとすれば、その愛は、家庭の幸福のための、純粋で真実な価値としての本然の愛となるのです。
このように本然の家庭で三代圏を形成し、本然の父母の、子女のための犠牲的な本然の愛と本然の夫婦間の真の愛、そして本然の子女による、本然の父母のための真の愛が完璧に備わった本然の家庭があるとするならば、その本然の家庭は、人間世界で最も理想的な真の家庭となるのです。
世の中では、どのような人を幸福な人と言うでしょうか。幸福の基準をどこに置いているのかということです。外的に、人のもち得ない能力や権勢をもっているからといって、幸福な人と言えるでしょうか。誰もが羨むほどお金をたくさんもっていることが幸福でしょうか。世界的な碩学となり、万人が羨む地位に昇ったからといって幸福なのでしょうか。絶対にそうではありません。いかなる外的な条件も、人間の幸福を永遠に保障してはくれないのです。幸福を見つける条件にはなるかもしれませんが、幸福それ自体にはなり得ないということです。
結局、愛する本然の父母がいて、真の愛で結ばれた本然の夫婦がいて、父母に孝行する本然の子女がいるとき、その家庭から真の幸福は始まるのです。
国内外の貴賓の皆様。今や人類は、この韓半島を中心に展開する真の愛の大革命を目撃するようになるでしょう。数千年間、サタンの偽りの愛の中であえいでいた人類が、今や真の家庭の絶対価値観を確立し、定着させ、この地上からあらゆる偽りの価値観を一掃し、喜びの鬨の声を耳にすることになるでしょう。手の平も、二つを打ち合わせてこそ音が出るのです。天は既に真の父母であるレバレンドムーンの勝利的基盤の上に、「後天時代」の門を開きました。私たちの責任は今、絶対的主体である天のみ前に絶対的相対となり、天地開闢の新時代を開いていかなければならないのです。
霊界と地上界が一つに統一され、地上と天上に、神様が天地創造の時から理想とされた平和王国である天一国が創建される歴史的な時代です。全世界の知性ある人たちが総決起して、神様を人類の縦的な軸として迎え、横的な真の父母の使命をもって、八十年以上の生涯を犠牲と奉仕で貫いてきたレバレンドムーンの教えを受け、真の人間、真の夫婦、真の父母、真の家庭、真の世界を探し立てなければならない時が来ました。
この歴史的な天の課業を完遂するために、皆様、一緒に同参してくださるようお願いします。皆様の絶対価値観を中心とした理想家庭に、神様の祝福が共にあることをお祈りします。ありがとうございました。
17.真の心情革命と真の解放、釈放時代開門
平和経 第七篇 心情文化世界の創建のために
17.真の心情革命と真の解放、釈放時代開門
日付:二〇〇四年七月二十六日
場所:韓国、ソウル、リトルエンジェルス芸術会館
行事:「二〇〇四世界文化体育大典」祝賀晩餐会
尊敬する元現職の国家の首班と内外の貴賓の皆様。「二〇〇四世界文化体育大典」によって成し遂げた実績と勝利を感謝するその感謝の心をみな一つに合わせて、神様に栄光を捧げましょう。
今日の世界は、前後左右、東西南北、どこを見ても、混沌と絶望の中から抜け出すことができずにいます。方向感覚を喪失した人間の姿が、不憫であるどころか、悲惨な姿としてあらわになりつつあります。誰一人として万人が共感する解答を提示することができず、六十億の人類を乗せた地球号は座礁寸前に来ています。しかし、聖書には、「自分の命を救おうとするものは、それを失い、それを失うものは、保つのである」(ルカ一七・三三)とあります。
私が「二〇〇四世界文化体育大典」の開会式で言及したように、人類のための平和世界の創建は、単に人間の努力だけでは不可能な課業です。そこには天運が必ず共になければなりません。もうあすになれば、皆様は再び別れていきます。
私が今晩、皆様に差し上げようと思う贈り物は、神様のみ言を収めた天運の贈り物です。これは、新千年紀である後天時代を開くとともに、天が人類に与えてくださる大きな恵みであり警告です。このみ言をつかんで死なんとする者は、必ず天が新しい生命を下さり、無視する者は、自然淘汰されるでしょう。注意して耳を傾けてくださり、天がこの特別な時に皆様を召命されたことをお忘れにならないようお願いいたします。
皆様。この時代は、人類歴史や摂理史的な次元から見るとき、実に途方もない意味をもっています。先天時代を締めくくり、後天時代を開いてくださった天は、一日を千年のような思いで、忙しく摂理を成し遂げていらっしゃいます。このような天の心情を悟り、きょう、皆様の立っている位置が摂理的にいかなる位置なのかをはっきりと知らなければならないという意味で、「真の心情革命と真の解放、釈放時代開門」と題してお話ししようと思います。
皆様。神様は、私たち堕落した人間にとって、師の中の師であり、父母の中の父母であり、王の中の王の位置にいらっしゃいます。その理由として、神様は、全知全能であられ、遍在していらっしゃり、真の愛の根であると同時に、絶対性、唯一性、不変性、永遠性をその厲性としてもっていらっしゃるからです。
今日の堕落人間の願いは、神様の真の息子に出会うことです。神様の息子には、個人的な息子、家庭的な息子、氏族的な息子、民族的な息子、そして国家的な息子がいます。それらをすべて取り戻さなければならないのですが、そうしようとすれば、人類はどれほど多くの苦労の路程を経なければならないでしょうか。
ですから、天は、国家的基準に立っている息子圏を代表したメシヤを送られるのです。このメシヤを探し出す日が、正にメシヤ降臨の日なのです。神様の個人、家庭、氏族、民族、国家的な息子まで、すべてを探し出す立場に立つからです。堕落の後裔である私たちは、サタンの讒訴圏を抜け出た神様の息子に出会わなければならず、その次には、神様が愛することのできる父母を中心として形成された家庭を取り戻さなければなりません。
その基台の上に立ってこそ、私たちは神様の愛を探し出すことができるのであり、究極的には、神様と直接出会うことができるのです。このように、神様の愛を中心として愛の関係を結ぶことができるのは、ただ完成したアダム、すなわち真の父だけです。しかし、父一人だけでは父母になることはできません。真の相対を探さなければならないのです。その相対は、真の女性でなければなりません。絶対的基準の女性でなければなりません。世界的基準で女性を代表しているのが新婦格であるキリスト教です。なぜなら、キリスト教の中心思想は再臨主、メシヤを迎える新婦の思想だからです。
しかし、真の父母は、ただ一人の男性と、ただ一人の女性によって成立するのです。男性も絶対的に一人であり、女性も絶対的に一人です。二人ということはあり得ません。このように、唯一の男性と唯一の女性が出会って真の父母となるのです。真の父母は、神様の創造理想を中心とした真の理想的夫婦です。ですから真の父母は、個人から世界、天宙までの統一的中心となり、個人、家庭、氏族、民族、国家、世界的なすべての次元で接ぎ木できるのです。
レバレンドムーンは、今まで、生涯にわたってこのことを準備してきました。人類が復帰を目標と定めて神様に向かって進んでいくに当たって、必然的な条件が何かというと父母の門を通過しなければならないということです。なぜなら、真の父母の門を通過しなければ、心情を連結させることができないからです。
今日の世界は、心情的に、民族と民族が通じず、宗教と宗教が通じず、家庭と家庭が互いに通じない世界になってしまいました。このように、前後左右が完全に塞がつている垣根を壊し、互いに通じるようにするためには、まず神様の心情と関係を結ばせてあげなければなりません。果たして、誰がそのような使命を果たすことができるのでしょうか。天の真の仲保者として来られる真の父母様以外にはいないという結論が出るのです。したがって、失ってしまった真の父母を探し出すことは、神様の願いであることはもちろん、人類の夢だったのです。
皆様。人類始祖アダムとエバは、神様が本当に願う真の人類の先祖、すなわち人類の真の父母にならなければなりませんでした。その真の父母の血族として、私たち人類は生まれなければならなかったのです。このように、歴史の出発から始まるべきだった人類の真の父母、その真の父母は、神様の栄光の実体として、また人類の前には永遠の勝利の実体として現れなければなりませんでした。アダムとエバの失敗は、正にここにあったのです。
これが、今までの悲しい歴史を綴ってきた怨恨の土台になったことを、私たちはよく知っています。堕落によって人類は、天の法度から離れ、自らの実体を失ってしまい、神様の心情を蹂躙した邪悪な群れとなってしまいました。
したがって人間は、神様のみ言により、再び自らの実体を取り戻し、真の心情の世界を取り戻す復帰の路程をたどってきているのです。堕落により、万物よりも劣る立場に落ち、神様と自由に向き合うことができない悲しい立場に落ちるようになったのです。このような人間は、自分で自分を回復できないので、神様は、人間を悟らせながら再創造の役事をしてこられたのです。
僕の僕の位置から僕の位置を経て、養子と庶子の位置を経て、直系の息子の位置を経たのち、真の夫婦の位置まで進んで、最終的には、勝利的な主管権を備えて真の父母の位置まで復帰してこられたのです。六千年の摂理史の背後には、このような途方もない秘密が隠されていたという事実を、皆様ははっきりと知らなければなりません。
神様が御覧になるとき、この世は堕落した世の中なので、孝子も、愛国者も、聖人、聖子もいませんでした。かわいそうな人類を救おうとしても、堕落圏以下ではどうすることもできません。なぜならば、堕落とは無関係の神様であられるからです。ですから、神様は、堕落していないアダムとエバ以上の立場、すなわち完成した、後のアダムとして来られるメシヤが、神様の家庭を築き、真の父母になるその日だけを待ち続けてこられたのです。
そのような家庭の上に、初めて真の孝子が現れるのです。そのような家庭を基台として立てられた国家基盤の上に、真の愛国者も現れるのです。その基盤が世界的に広がれば真の聖人、そして天宙的次元では聖子が輩出されるのです。そのような真の家庭の基盤の上に、初めて天の代身者が現れ、相続者が生まれるのです。
本来、「父子」という言葉は、本然の父と息子、娘を意味します。そのような父子が築いた家庭が集まって国を建設します。万民は、平和の世界を願っています。しかし、その平和の世界は、今日の先進国が追求しているそのような世俗的な方法や、そのような次元の文化を通して築かれるのではありません。真の父母を通して伝えられる真の愛の文化を中心としなければ方法はありません。
たとえ、来られるその方が、いくらむしろをかぶり、ぼろのふろしきを背負い、色あせた服を着て、千尋万尋の穴から出てきて疲れきった姿で現れたとしても、堕落人間には選択の余地がありません。その真の父母を通して、神様の心情に接ぎ木されなければならないのです。
そうだとすれば、どの程度、心情的に接ぎ木されなければならないのでしょうか。父の骨髄に入り、その父と一緒に生きたという条件を立ててから、再び母の腹中を通して生まれなければなりません。生まれてからも、真の父母に絶対的基準で侍って生きなければなりません。
しかし、それで終わるわけではありません。周囲の親戚とも関係を結び、さらには氏族的次元で関係を結ばなければならず、民族、国家、世界、天宙、そして最終的には神様とも心情的に関係を結んだという条件を立てなければなりません。そのようにしてこそ、神様は、「お前は私の息子である!」とおっしゃるのであって、自分自身の事情と利益だけを中心として関係を結んだ人は、神様とは何の関係もないのです。
皆様。「真の父母」という言葉は、神様の創造が始まる以前から神様の心の世界にあった言葉です。神様の創造によって関係を結んだすべての理想は、真の父母を中心とする真の愛の理想を表題として出発したので、「真の父母」という言葉は、創造以前から神様が願われた希望の言葉だったことを知らなければなりません。
真の父母を探し立てるまで、神様の摂理路程において数えきれないほどの多くの人々が犠牲になってきたという事実も、皆様は知らなければなりません。神様は、摂理の路程において、その時々に適切な宗教を立てて摂理してこられました。したがって、宗教の中には、天使級の宗教、カイン的な宗教、アベル的な宗教、養子的な宗教、庶子的な宗教、養父母的な宗教、真の母格の宗教、そして真の父格の宗教があります。
キリスト教の歴史を見れば、アベル格の新教とカイン格の旧教が、神様の摂理全体のみ旨に合わせ、世界の各地域における様々な文化圏を中心として人類救援のために努力してきたすベての宗教圏を統合し、一つの国、一つの世界、すなわち一つの平和世界を建設しなければなりませんでした。あらゆる宗教の中の主流宗教がキリスト教だったからです。
皆様。見えない針の先が神様だとすれば、見える針の先は私たち人類の先祖です。ですから、神様は縦的な真の父母です。そのような神様が、霊界で子女を生産できればどれほどよいでしょうか。しかし、霊界では生産することは不可能なのです。
したがって、神様は、アダムとエバを横的な人類の真の父母の位置に立て、彼らを、天国の民を輩出する生産工場にされたのです。垂直は、一つの焦点しかないので、体積を必要とする生産を行うことはできません。生産に必要な体積は、垂直と水平が出会って、面積が形成されるときに初めて生じるのです。
赤ん坊は、神様が生むのではありません。真の父母を通して生むのです。ですから、神様は人類の縦的な真の父母であり、その縦的な真の父母に対して、真の愛を中心として九〇度に合わせ、横的な真の愛をもったレバレンドムーンが、正に人類の横的な真の父母の位置に立っているのです。
真の父母の立場は、人類が何よりも探し求め、待ち望んできた救世主、メシヤ、再臨主の立場を総体的に代弁する立場であり、あらゆる宗教の目的の教えの上に立っているのです。縦的真の父母と横的真の父母を探し出して、その方に侍り、真の愛の子女を生産するようになれば、ほかに何の言葉が必要でしょうか。「真の父母」という言葉の中には、救世主、メシヤ、再臨主という言葉がすべて含まれているのです。
ですから、霊界の五大宗教の代表やすべての聖人、賢人、さらには歴史上最も邪悪なサタンとみなされているスターリンやヒトラーのような者たちも、「レバレンドムーンは人類の救世主、メシヤ、再臨主、真の父母である」と宣布し、「その方の教えを実践することに生命を捧げます」と決意する決意文を続々と送ってきているのです。
生命の創造には、二つの父母の愛が絶対的に必要です。一つの父母は、創造主であられる天の父、すなわち縦的な無形の真の父母であられ、もう一つの父母は、その無形の真の父母が御自身の創造理想を実現するために、実体をもって地上に顕現した横的な真の父母です。ですから、神様は、心的な真の父母の位置にいらっしゃり、横的な真の父母は、体的な位置にいらっしゃるのです。
たとえ堕落の後裔に転落してしまったとしても、私たち人間は、このような姿に似て、縦横の愛を自由に展開して楽しむために、二重構造になっているのです。縦的な「私自身」は私たちの心です。今日まで、人々は心について正確に知ることができずに苦悩してきました。仏教においても、儒教においても、自分たちなりに心の正体について定義しようと努力してきました。しかし、心の根である神様の正体を正確に把握しない限り、心を知るというのは不可能なことです。
レバレンドムーンの教えは、心の正体を手に取るようにはっきりと説明しています。神様の創造理想によって縦的な真の愛を軸とし、横的な真の愛を中心として人間の心が定着するのであり、前後を連結する神様の真の愛が増し加わって、球形的で立体的な理想が実現するのです。
そのような基台の上でこそ、東西南北のどの方向を通しても力の消耗がなく、またいつ作動しても喜びだけがあるのです。そこには、嫌なものや悪いものが入り込む隙間がありません。全く衝突がないのです。縦的な私と横的な私が、神様の真の愛を中心として一つになるのです。
皆様の心が今も葛藤と衝突の中で闘っているのは、真の愛がとどまることのできる縦と横の交差点が、堕落によって九〇度を形成することができずにいるからです。一言で言えば、神様の真の愛がなければ、絶対に心と体の完全統一を成し遂げることはできないのです。
皆様の所有権の問題を見ても、すべてのものは人類のものであり、堕落によるサタンの讒訴圏を抜け出た本然の所有決定のための土台、すなわち神様の真の愛を中心として一つになった心と体の一体圏を確保しなければなりません。天が絶対的基準で所有権を主張できる位置にまで行くことができてこそ、皆様も天から再び所有権をもつことを許されるのです。
言い換えれば、皆様の全所有権を完全に天に捧げ、天の認定を受けてこそ、地上の真の父母様を通して天的な所有権として再び返してもらうようになるという意味です。このような天道があるがゆえに、先生は、一度手にしたものは、いかなる困難があっても手離そうとはしないのです。真の父母様が捨てるという手続きを経なくてはならないからです。
皆様は、ただの一個人ではありません。自分は世界全体を代表する中心だという確信を抱いて生きれば、そのようになることもできるのです。実際、気がつくと誰もがそのような考えを抱いて生きています。息子、娘は父母を代表し、父母はその家族を代表しています。同じ論理により、今、皆様は、世界的次元で勝利したレバレンドムーンの確固たる基盤の上に立っているので、必ずレバレンドムーンの身代わりとする立場で心情を相続しなければなりません。
皆様が労働と努力をするのは創造です。一生の間、仕事ばかりして生きたとしても疲れを感じることなく、ただただ楽しく、神様の真の愛の世界を感じることができ、そして神様を慰労してさしあげることができる、そのような道を訪ねていくのが愛の一生なのです。自分は、神様が創造したものをもって趣味とし、楽しく天の記念品をつくって暮らしてから死のうという考えと態度で一生を送ってみてください。東西南北、前後左右、どこにも遮るものはありません。
ですから、先生は一生の間自然を愛し、自然を訪ねて友として生きてきたのです。地球上の海という海、五大洋と六大州で訪ねていかなかった所がなく、川という川、山という山はすべて訪ねていきながら生きるのです。皆様も、先生のように、神様の愛をもって自然を訪ねていって友とし、主人と出会うことができずに嘆息圏に置かれている自然を解放してあげようという心を抱いて生きなければなりません。
そのような意味で、統一運動には「山水苑」運動が必要なのです。都市の退廃した文化のとりこになり、個人中心の利己主義的生活の奴隸となって環境を破壊し、各種の公害の中で苦しみながら、子女たちの情緒的発展を妨げる愚かな生の枠組みから一刻も早く脱出することが、知恵深い人生となるのです。
不幸にも、人間始祖アダムとエバの堕落により、神様が創造とともに理想とされた真の家庭は実現しませんでした。エデンの園において、エバは、天使長に誘惑され、アダムは、エバの誘惑に打ち勝つことができず、利己的な偽りの愛をこの世の中に植えてしまいました。このように、人類の罪と不幸は、人間始祖アダムとエバがサタンを動機として結んだ不倫の愛の結果に由来しているのです。ですから、神様の復帰摂理は、まず人間の心と体を引き裂いた葛藤の壁を除去し、真の家庭を復帰し、真の愛と善の世界を世界的版図に拡大していく歴史を展Ifaしてきました。
早くからこのような天の真理と秘密を見抜いた私は、今まで半世紀以上にわたり、キリスト教徒、さらにはすベての宗教家と全人類に集中的に説いてきたのです。数十、数否に分かれている宗教界やキリスト教はもちろんのこと、全人類にはこの真理以外に統一できる道は全くないのです。
神様の恨とは何でしょうか。民を抱いて泣き、地に対して泣いたことはありましたが、神様の願われる勝利した息子を抱いて、喜びと感激の涙を流したことはなかったのです。それが神様の恨です。すなわち、天から、「お前は勝利した息子である」と認められる人がいなかったことが、人類歴史を通じて神様の恨として残されてきたのです。言い換えれば、失ってしまった息子、娘を復帰するために、気が遠くなるほど長い歴史の裏街道をさまよってこられた神様にしがみつき、声を上げて泣いたことのある人は一人もいなかったのです。
私たち人類は今や、新しい後天時代を迎え、真の愛を中心として神様を完成させてさしあげなければなりません。それは、神様御自身に未完成な部分が残っているという意味ではなく、完全な主体であられる神様の対象として創造された私たち人間が、完全な対象、すなわち絶対価値をもった真の対象にならなければならないということです。
既にその位置に立っていらっしゃる真の父母様に似て、神様が、絶対的位置で絶対相対を確保し、解放される真の理想家庭の愛の主人になることが私たちの貴任です。主体的神様を中心として、先生がそのマイナスとなって完全統一を成し遂げたように、皆様も、真の父母を中心として、実体的にプラスとマイナスとなれば、神様と一つになった位置に思いどおりに入っていくことができるのです。したがって、皆様は、皆様の肉身の父母に所属した息子、娘ではなく、まず神様の息子、娘であることを刚明して立ち上がらなければなりません。たとえ、今はまだ、皆様自身が神様の息子、娘と叫ぶには不足な点があったとしても、真の父母から祝福され、真の父母の息子、娘になったという条件的基準においてでも、自信をもって進んでいかなければなりません。
誤った根をもって生まれましたが、その根を切ってしまい、幹も切ってしまって、真の父母様の真の血統に接ぎ木され、新しい芽を育て上げるのです。それが、皆様が神様を解放してさしあげる近道です。
皆様がいくら忠真の家庭になったとしても、国家がなくなれば何の役にも立ちません。いくら忠臣であっても、国がなければ歴史に定着できる基盤がなくなるからです。ですから、家庭を通して国を復帰しなければならず、国を通して世界を復帰しなければならず、世界を通しては天宙を復帰できなければなりません。そのような位置を確保したとき、皆様と皆様の家庭は、天宙の主人と同じ価値をもつようになるのです。
皆様。私たちは、後天時代を開くとともに、新しい真の天の文化と伝統を立てています。その例として、私は、天の命に従い、去る四月十八日に「安侍日」を制定して宣布し、既に十一回を過ごしています。去る七月十六日は、第一回「安侍日」を迎えた四月二十七日から満八十日目になる日でした。再出発数である八数が、帰一数であり完成数である十数と共に八十数を形成しています。この日は、真の父母様の年齢が八十歳になった時に結実し、宣布しなければならなかった天の勝利と後天時代の新しい出発を、五年延期して完結し、宣布するという、そのような深い摂理的意味が秘められている日です。
天一国主人である皆様は、この摂理的な行事に参席して神様の心情を相続し、新しい袋に入る新しいぶどう酒として再び醸造されるためにここに来ました。昼夜を分かたず、八十年以上の生涯をいちずに邁進してきた真の父母様の摂理の現場を直接目撃し、平和王国創建の先頭に立つ働き手となるために、ここまで遠い道のりを駆けつけてきたのです。先天時代の古い習慣に執着することなく、心と体のすべてを天のみ前に捧げ、真の天一国を皆様の家庭から探し立てなければならないという天命を受けるために来られたのです。天命とは、背くことのできない天の命令です。死ぬ前に、自らを生きた供え物としてでも天の前に捧げ、責任を完遂しなければならない絶対命令なのです。
皆様。今や人類は、歴史上、あとにも先にもない真の解放、釈放の時である後天時代を迎えました。太初にアダムとエバの失敗によって偽りと罪悪の血に染まった堕落のエデンの園を果敢に脱出し、天の召命に対して悲壮な覚悟で立ち上がらなければならない時が来ました。イスラエル民族の出エジプトの歴史を皆様もよく御存じだと思います。二十一世紀の出エジプトの歴史は、今、皆様を中心として展開しています。イスラエル民族がそう
だったように、皆様は、汚れた醜悪な今日の現実世界に対するすべての未練を振り払うべき時が来たのです。
人類の真の父母という天命を受けた私は、天一国四年の今年になって、天の摂理を勝利と栄光で完結するために悲壮な覚悟で走っています。去る三月二十三日、アメリカの国会の上院ビルにおいて、私は、アメリカの国会議員はもちろん、世界の著名な宗教指導者が席を共にした中で、「世界平和の王」に推戴され、即位式を行いました。六十億の人類のための世界平和は、真の父母を軸として、すべての宗教と思想が真の愛の圏内で和合統一されてこそ可能であるという厳粛な天の命令に従い、私は、そのみ旨を成就するために、さらに多くの心血を注いでいます。
「安侍日」が制定、宣布された今、神様は、七日に一度巡ってくる日曜日だけを聖日とするのではなく、失ったすベての七日間はもちろん、八日目を「安侍日」と定めて慶祝され、御自身の創造された霊界は言うまでもなく、地上界の万人と万象から喜びと敬愛と栄光を受けられる天の真の父母様となられたのです。これからは霊界も総動員され、地上界を協助することのできる道が大きく開かれました。
去る五月五日の第二回「安侍日」には、歴史的な「双合十勝日」を制定し、宣布することにより、天の摂理が、帰一数であり完成数である十数を迎える、すなわち摂理の完結を見る十勝圏の世界を開門しました。後天時代の脈をつないでいく双合十勝圏の完成は、宣布し、記念式を行ったからといって決して自動的に成就されるものではありません。双合十勝圏は、真の心情圏の完成を意味します。神様と心情一体圏の立場まで入っていき、「お前は私の息子であり、私の娘である!」という天の印を受ける立場にまで進んでいかなければならないという意味です。
そして、第四回「安侍日」である去る五月二十一日には、「真の愛の和合統一は真の理想家庭の絶対価値観」を宣布するに至りました。真の愛の実践が皆様の日常生活となるとき、個人や家庭、国家、世界までも和合統一が成就されるのであり、真の理想家庭の絶対価値も正にそこから創出されるのです。
神様の人間創造を探ってみると、絶対的主体の立場に立っていらっしゃる神様も、御自身の絶対相対になってほしいという天命によって人間を創造されたのです。しかし、人間は、堕落により、その天命に最後まで従うことができませんでした。そうして、絶対価値は夢にも見ることができず、相対的価値観にばかりすがってきた人生を生きる人類となったのです。
しかし、今は、真の父母の八十余年という生涯の生の姿がいきいきと皆様を導いています。真の愛の生の姿とは果たしてどのような生なのかということを、はっきりと示してくれています。与えてはまた与え、赦してはまた赦してあげる真の父母様の怨讐に対する愛の標本的生涯の前で、誰が弁明できるというのでしょうか。ただ絶対信仰、絶対愛、絶対服従の道だけが、皆様の宿命的人生になることをはっきりと悟らなければなりません。
蕩減革命、良心革命、心情革命の三大革命を皆様の日常生活の中で実践して完遂し、真の解放と釈放の時代を開門する、天の特攻隊となることを覚悟して立ち上がる人は、両手を挙げて天のみ前にその決意を誓いましょう。
今からお帰りになったら、どうかレバレンドムーンが今晩、皆様に差し上げたこの貴い天運の贈り物を大切に使ってくださるようお願いいたします。これは、子々孫々、皆様の家庭における永遠の伝統となり、宝物となるでしょう。神様の祝福とともに、気をつけてお帰りください。ありがとうございました。
18.神様は真の父母、真の師、真の王
平和経 第七篇 心情文化世界の創建のために
18.神様は真の父母、真の師、真の王
日付:二〇〇五年四月二十七日
場所:韓国、全羅南道、麗水、清海ガーデン
行事:根本先祖(平和の王)侍衛教育大会
尊敬する世界の平和大使、NGO(非政府機構)代表、蒙古斑同族連合の指導者、内外の貴賓、ならびに愛する世界の祝福家庭の皆様。このように美しくのどかな春の日に、山高く水麗しいこの大韓民国の麗水と順天の地において、貴い皆様にお会いすることができ、実に胸がいっぱいの思いです。
皆様も御存じだと思いますが、私の八十有余年の生涯は、名状し難い迫害と苦難の道でした。いち早く、十六歳(数え)という若き年齢で天の召命を受け、天命に従って出発し、歩んできた過去七十年間は、サタンとの闘いで生死の岐路を行き来する茨の路程でした。
天地万物を創造され主人であられる神様を知り、私たち人間の真の父母であられる神様を知るすべのなかった人類は、偽りと桎梏(しっこく)の沼から抜け出すことができないまま、長きにわたり漂流してきました。人間の始祖として創造されたアダムとエバの堕落によって、人間は父母を失った天涯孤独な孤児の立場に転落してしまったからです。偽りの父母サタンの術策のもとで、子々孫々へと代を引き継いでいき、偽りの血統と様々な虚像の中で生きてきた数千年の歳月が、当然の現実として固まってしまった今日の世界を私たちは直視しています。
偽りのオリーブの木として数千年を生きてきた人類は、どれが偽りのオリーブの木で、どれが真のオリーブの木なのか識別する能力さえも喪失してしまったのであり、とうとう地球星は、汚れたサタンの血統の後裔である六十億の偽りのオリーブの木によって、ことごとく覆われた地獄圏になってしまったのです。ここにたった一本の天の真のオリーブの木として印を押されて出発した道が、私の過去七十年の生涯でした。
事実、二千年前、イエス様も真のオリーブの木の使命を賦与されて地上に顕現されました。しかし、イエス様の生涯は、皆様もよく御存じのように、天がその時代にイエス様を特別に選んで送られたそのみ旨を正しく悟ることができなかったユダヤ教の不信と、権力闘争ばかりに目がくらんでいたイスラエルの失敗によって、真のオリーブの木の祝福の実を一つも実らせることができないまま、生涯を終えてしまったのです。
したがって、イエス様の死後、天は再び二千年の長い歳月の間、真のオリーブの木を植え、安全に育てて花を咲かせ、実を実らせることのできる基盤を築いてこられたのです。
六十億を超える偽りのオリーブの木が全地球星を覆っていると言いましたが、このままでは、数千、数万年待っても、偽りのオリーブの木は偽りのオリーブの木のままであり、突然変異を起こして真のオリーブの木に変わるという奇跡は現れません。根本的に根が異なるからです。サタンの偽りのオリーブの木の血統が、誰もが願うからといって天の真の血統に変わるわけではありません。そこには、必ず天から真の血統の根とその内容をもってこられる真のオリーブの木が必要なのです。
偽りのオリーブの木は、根元から完全に切ってしまわなければなりません。枝一本でも残せば、真のオリーブの木に生まれ変われる資格を喪失します。言い換えれば、偽りのオリーブの木の痕跡が全くない白紙の状態であってこそ、真のオリーブの木の芽を受けて接ぎ木できるということです。このようにして、真のオリーブの木の実を収穫できるようになるのです。
したがって、選択の余地もなく偽りのオリーブの木として生きてきた全人類の立場は、火を見るよりも明らかです。何よりもまず、皆様は真の根を探し出さなければなりません。そうだとすれば、その根はどこから探し出すことができるのでしょうか。今日、想像を絶するほどの速度で発展を繰り返している現代科学を通してでしょうか。あるいは、数千年の伝統を誇りながら発展してきたすベての哲学書を読みあさってでしょうか。それでもなければ、今日、万人が認める、世界四大宗教の教理を精通することによってでしょうか。結論から申し上げれば、真の根は、超科学、超哲学、超宗教、超天宙的次元でこそ探し出すことができるのです。
天の真のオリーブの木として来られる方は、皆様を生み直してくれる真の父母として来られる方でなければなりません。生命は、必ず父母を通して受けるのが天理だからです。
真の父母は、この地に天の真の愛、真の生命、真の血統の根を持って顕現されます。サタンの偽りの愛を根として生まれた人類を無慈悲に根元から切ってしまい、真の愛の芽を植えつけてあげる使命を果たすために来られる方が、正に真の父母であられます。
このように、私たち人類が探し出すべき真のオリーブの木の根は、神様の真の愛の根であり、その根は、真の父母からであってこそ可能なのです。したがって、プリチャッキ(ルーツ探訪)連合運動は、「平和の王」である真の父母を通して接ぎ木されることによって神様を訪ねていく、超世界的で超天宙的な真の愛の摂理の革命なのです。
皆様。神様の真の愛の根を、どのようにしたら偽りのオリーブの木である堕落人間に接ぎ木できるのでしょうか。偽りのオリーブの木だからといって、根まで完全に抜いてしまえば死んでしまいます。死んだ木には接ぎ木することができません。問題は、真の種か、偽りの種かにかかっているのです。
堕落の後裔である皆様の体には、誰でも例外なくサタンの偽りの血が蠢動しています。したがって、皆様が命を懸けて成就すべき一世一代の目的は、天の真の種をもって来られる真の父母から祝福結婚を受け、真の根である真の愛、真の生命、真の血統を受け継ぐことです。これが正に真の人間を探し求めてきた救援摂理歴史の目的です。すなわち、サタンの偽りの血を完全に除去し、天の真の血統を受け継ぎ、天の真の子女として生まれ変わるようにする人間再創造の運動です。
このように、真の血統を受け継ぎ、真のオリーブの木としての人生を出発するようになる人たちは、真の根の家庭を定着させる義務があります。二度とその家庭にサタンの偽りの根が足を伸ばすことができないよう、真の父母を中心軸として、人類の長子格である「蒙古斑単一同族圏」を、新しい種の地上統一血族圏として立てなければなりません。祝福結婚を通して伝授された真の血統を保全し、皆様の家庭で祖父母、父母、子女の三代の連帯圏を形成することによって、神様の創造性を継承していかなければなりません。
そして、サタン世界と因縁を結んで蓄積したすべての所有権を天に献納し、天から新しい所有権を相続しなければなりません。真の根の真髄である神様の心情圏を相続し、歴史的に生じたカインアベル間の恨を解放、釈放させるための真の愛の実践が、皆様の生活の伝統にならなければなりません。
尊敬する貴賓の皆様。今、皆様は、悲壮な覚悟で新しい出発をするべき時が来ました。天運がこの国、この民族に臨んでいます。皆様が優れており、大韓民国が特別だからではありません。天がお立てになった人類の真の父母が、韓民族を中心として真の血統を伝授してあげる摂理を始めたからです。
永遠に偽りのオリーブの木としてしか生きられなかった私たちに、根本的な真の根を下さった神様と真の父母様に、私たちは真心から限りない感謝と拍手を捧げなければなりません。
今から皆様は、先天時代の偽りのオリーブの木的な惰性と虚栄の殼を脱ぎ捨て、後天時代の真のオリーブの木的な真の愛の生活、すなわちために生きる生活を実践躬行する天の精兵とならなければなりません。その道が正に永遠に途切れることのない真の父母の根、真の師の根、真の王の根を皆様の家庭に定着させる道なのです。
皆様。遠からず国家単位で天一国に入籍する時が来るでしょう。宗教単位で看板を外し、天一国の隊列に合流する時が来ています。数千数万の世界的氏族たちが、蒙古斑単一同族圏に合併する現象が起きています。
霊界の大勢の皆様の善の先祖たちが、皆様を通して真のオリーブの木に接ぎ木されることを望み、焦る思いで待っています。偽りのオリブの木として霊界に入った皆様の先祖たちは、地上界でいくら善の人生を生きて霊界に行った人でも、浮草のように根を下ろすことができないまま遊離し、彷徨しています。祝福を受けた皆様の家庭がなければ、永遠に根を下ろすことのできない立場が皆様の先祖たちであるという意味です。したがって皆様は、御自分の家庭で真の血統、すなわち真の愛の根を守る天の目となり、皆様の先祖たちが信じ、頼り、渡っていくことのできる橋にならなければなりません。
真の父母様を通して受けた祝福結婚が、このように貴重で、途方もなく貴いものであることを知らなければなりません。現在の皆様の一族の永生はもちろん、皆様の先祖と子孫の永生にも関わっている無限な価値の祝福なのです。
皆様。私は、今年、二〇〇五年を出発しながら、超宗教超国家的な次元で、「天宙統一平和の王」として推戴されて即位し、その事実を天上天下に宣布しました。今から世界は、天の主導によって急激に変化していくでしょう。新天新地を創建していく天地開闢の鬨の声が、霊肉界の至る所で響き渡っています。
きょうこの摂理的な地である麗水と順天において、私たちは、解放と釈放の新しい歴史の出発を、喉が張り裂けんばかりに叫ばなければなりません。あの烽火山(ポンファサン)の頂上に永遠に消えない真の愛ののろしを揚げなければなりません。あの広大無辺な太平洋の海の上に祝福家庭の橋を架け、超宗教、超国家、超人種、超世界的次元の天一国を創建する主人となり、先頭に立つ大将のような人にならなければなりません。
最後に、きよう特別に私が皆様に差し上げる贈り物があります。霊界に行っている四大宗教の代表者たちと世界的に知られた王、大統領、言論人、学者たちの代表が送ってきた、感激的で切迫した証言のメッセージを収録した本を差し上げます。きょう私がお伝えした主題講演のお話とともに、この本は、皆様が生涯の必読書とし、皆様の永生を準備する教材としてくださることを願います。神様の祝福が皆様すべてに共にあることをお祈りいたします。ありがとうございました。
19.摂理的観点から見た三大主体思想
平和経 第七篇 心情文化世界の創建のために
19.摂理的観点から見た三大主体思想
日付:二〇〇七年七月四日
場所:韓国、忠清南道、天安、柳寛順体育館
行事:「二〇〇七世界文化体育大典」
尊敬する国内外からいらっしゃった貴賓の皆様、ならびに各種大会に出場される選手団の皆様。人類の真なる平和の祭典として、その位置を確かなものとする「二〇〇七世界文化体育大典」に参席してくださり、心から感謝を申し上げます。「天宙平和神文明開闢時代の到来」という旗を高々と掲げて出発する今回の大典は、世界六十五億の人類を神様のもとの一家族にするための、和合と平和の新しいパラダイムを創出する大会となるでしょう。
皆様。今日の世界を観察してみてください。世界のどこで、本当に人類の将来を案じ、超宗教、超国家的次元で、人類の和合と平和のために「殺身成仁(サルシンソンイン)」(自己の命をなげうって仁道のために尽くすこと)する指導者を探し出すことができるでしょうか。人類は今、父母を失った孤児や、師を見ても分からない不良児、主人を失った僕といった、そのような境遇となって、目は開いていても一寸先も見ることのできない人に転落しています。
世界には今、約二百の国家がありますが、国家間の関係を見ても、各国が互いに自国の利益にのみ目がくらみ、直接、間接的に熾烈な戦争を継続しているではないですか。人類の福祉と平和のための崇高な志を立てて出帆した国連もまた、今やその限界点にぶつかり、戦争、飢餓、疾病などの世界的危機に直面しても、万策尽き袖手(しゅうしゅ)傍観に明け暮れる、有名無実の機構になりつつあるではないですか。
人間は、自らを「万物の霊長」という位置に立て、歴史をつくり出してきました。恐るべき殺戮戦と天災地変を経てきましたが、人類は今も生存し、繁殖を繰り返しながら、漠然とではありますが、より明るく幸福な世界を追求しているのです。それでは、なぜ人類は、いまだに罪悪と疾病の泥沼から抜け出すことができずにいるのでしょうか。
皆様。人類が直面するこのような悲劇的な現実を打開し、神様のもとに太平聖代の人類一家族をつくる摂理的召命を完遂するために、私は、去る二〇〇六年六月十三日、「天正宮博物館奉献式および天宙平和の王戴冠式」を期して、天一国の市民であれば、誰もが知って実践躬行しなければならない天道的次元の基本義務と使命を宣布しました。
それとともに、きょうは、「摂理的観点から見た三大主体思想」に関する内容のお話をお伝えしようと思います。人類の未来を導いてくれる重要な教えとして天が下さった祝福です。どうか心の扉を開いてこのお話を受け入れ、皆様の永生のために準備してくださることを願います。
皆様。人間には、太初に創造されるとき、神様から賦与された基本的な三大主体思想があることを知らなければなりません。その第一は、真の父母にならなければならないという思想です。神様は、人間を御自身の子女として創造されました。
したがって人間は、神様から受け継いだ原理結果主管圏(成長期間)を経て、自ら人格完成し、真の子女の位置を確保して真の夫婦になり、子女を繁殖させることによって、真の父母の位置にまで行くようになっていたのです。創造とともに賦与された真の愛を実践躬行し、人間完成を成し遂げなければならないという意味です。
しかし、今日の世界は、人倫と道徳が手のほどこしようもなく崩れていっています。父母と子女間の天倫が地に落ち、夫婦間の貞節は既に旧世代の産物として捨てられ、兄弟間の友愛も、今や利己的個人主義の沼に埋もれ、見いだすこともできない世の中になりつつあります。したがって、人間は、何よりもまず真の愛に基づく真の家庭を築かなければなりません。真の父母を中心として三代圏を形成し、真の愛で一つになって生きる家庭を完成しなければならないという意味です。
第二は、真の師にならなければならないという思想です。たとえサタンの影響圏から抜け出せずにいる今日の世界であっても、人間は一生を送りながら、どんな形態であれ、教える人と学ぶ人との関係の中で生きていくようになっています。まずは家庭において、父母を通して学ぶようになります。師の中の最初で最高の師は、皆様の父母です。真の師の位置で、真の子女を育てなければならない最初の責任が父母にあるということです。
このように、真の父母から真であり善の家庭教育を受けて成長した子女は、自動的に学校教育に連結されます。学校教育は、一段階発展した制度圏内での教育です。しかし、学校という枠の中でも、師は、真の父母の心情をもち、すべての学生を真の子女として育て教育する責任があります。横的な学問教育も、縦的な人性教育に基づいて展開しなければならないという意味です。したがって、師はまず、真の父母の心情を所有した師にならなければなりません。
第三は、真の主人にならなければならないという思想です。本来、万有の真の主人は、宇宙を創造された神様であられます。そして、神様の創造は、絶対信仰、絶対愛、絶対服従の基準で達成された完全投入の結実です。ここから私たちは、真の主人になる知恵を学ぶことができます。真の愛を絶対基準で投入する秘訣のことです。このように、真の主人になる前提条件も、真の父母の心情を所有することです。
ところで、この三大主体思想は、相互絶対不可分の有機的関係をもっています。真の父母、真の師、真の主人の三つすべてが主体的位置に立つこともでき、対象的位置に立つこともできるからです。言い換えれば、真の父母の位置だけを確保しても、そこには真の師と真の主人の位置が生じ、真の師の位置に行けば、そこには真の父母と真の主人が共にあり、真の主人の位置だけを確保しても、真の父母と真の師に会うようになるという意味です。
人間は本来、神様の完全な三大主体思想を相続して生まれてきたからです。皆様が、このような三大主体思想を完成した人格者になろうとすれば、神様のようにならなければなりません。神様のような心をもたなければならず、神様が万有を愛されるのと同じような絶対的基準で人間を愛し、万物を愛することができる神人愛一体の境地まで行かなければならないということです。そのような境地には、真の父母、真の師、真の主人がすべて同じ場所で出会うのです。
世の中は、様々な組織体とそれに関係するものとの調和の中で運行されています。複雑で多様なこの世で、真の主人にならなければならないという思想は、人間と人間の関係はもちろん、人間と万物の関係にも適用される思想です。問題は、どのような人間に対して、「真の主人である」と言うことができるのかということです。より他のために配慮して献身、奉仕するために生きる人生、すなわち真の愛の人生を実践躬行する人が真の主人になるのです。真の愛をもって万物を愛し、保護、育成する人が、万物に対しても真の主人になるのです。
このように、真の主人になるのは、その地位や位置によってではなく、その人の人格と愛にかかっているのです。父母の心情ですベての社員たちを愛し配慮する社長は、その会社の真の主人になるのであり、父母が子女を育て大切にするように、国民を愛し、国民と苦楽を共にできる大統領であってこそ、その国の真の主人になるのです。
皆様。神様の創造は、実に神秘的で奥妙さにあふれています。人間を、御自身の子女として創造され、万物の霊長としてお立てになった神様は、人間に良心という、最高、最善の贈り物を下さいました。人間が地上界で一生を航海するのに必要な羅針盤として与えてくださったものが、良心という特別な贈り物です。
よく人生百年と言います。しかし、人間は誰彼を問わず、生まれてから死ぬ瞬間まで、良心の作用圏から抜け出すことはできません。そして、良心の作用の中で、最高、最上の機能が正に、真の父母、真の師、真の主人の機能です。言い換えれば、良心は、私たちが生まれたときから真の父母、真の師、真の主人の位置で私たちの人生を指導し教育する、神様の代身者なのです。私たちの一挙手一投足を、一時も逃すことなく導き、監視する責任をもつのが良心の機能です。
ですから、良心は、私たちのすべての言行はもちろん、考えまでも父母よりも先に知り、師より先に知り、神様よりも先に知るのです。神様が、人間の人生を指導し監視する本源的な機能を良心に伝授してくださったからです。
水晶のように清く透明でなければならない人間の良心に、堕落性の垢がつき、今まで各種の罪悪と疾病の中で本来の機能を発揮し切れずにいるのです。したがって、サタン主管圏のこの邪悪な世界から一日でも早く解放され釈放されたいと泣き叫んでいる良心の声を聞ける皆様にならなければなりません。
しかし、堕落した人間の力では、良心の機能を本然の位置に戻せる道はありません。天との縦的な関係が垂直を形成することができずにいるからです。六十五億の人類すべてが、自分なりの角度をつくり、それが正統であり最高のものであると錯覚して生きているのです。絶対的基準を形成し、測定できる最短距離の垂直の角度が出てくるまでは、誰一人として救われる道を探し出すことができないのです。
愛する世界の指導者の皆様。歴史上、いまだかつてなかった位置で、人類をサタンの束縛から救い、天国へと導いてくれる鍵をもって来られる方が、正に今、皆様の目の前に立っているレバレンドムーンです。本人が願ったとしても、決して探し出せる位置ではありません。天が印を与え、人類の救世主、メシヤ、再臨主、真の父母として立てた位置です。サタンの影響圏外にある絶対的な解放、釈放の位置です。
六十五億の人類を、九〇度の垂直の道に再び連結させてくれる真の父母、真の師、真の主人の道、すなわち良心を主人として侍って生きる真理の人生を、直接実践して見せてくださる方が、正にレバレンド・ムーンなのです。三千億を超える、絶対善霊になった霊界の人類も、この事実を異口同音に証しています。イエス様をはじめとする四大聖人はもちろん、共産主義者を含むすべての思想家や哲学者までも、この驚くべき現実を前に感謝の涙を流しています。霊界に行っている彼らまでも、真の父母の祝福の恩賜を通さなければ、救われる道がないからです。
皆様。今や人類は、真の父母であられるレバレンドムーンの教えを受け入れ、交叉祝福結婚を通して、「神様のもとの人類一家族」の天命を果たすべき時を迎えました。人種、文化、宗教、国家を超越して、人類を一つにし、戦争と葛藤のない創造理想世界、すなわち地上、天上天国を創建できる道は、全人類が神様のもとで一つの家族になること以外にあるでしょうか。皆様の知らない間に、真の父母様は、既に人類はもちろん、神様までも解放、釈放する後天開闢の時代を宣布し、世界の至る所で革命の炎をともしています。真の父母、真の師、真の主人にならなければならない真理の革命です。
皆様。「二〇〇七世界文化体育大典」の基本精神も、人類を一つの家族にする聖業の完成にあります。宗教家、文化人、体育分野に携わる人など、すべての人たちが一つとなって、「天宙平和神文明開闢時代」を花咲かせる使命が、皆様にあることを忘れないでください。特に、すべての宗教家が、この神聖な真の愛の革命の隊列の先鋒隊にならなければならないことを、肝に銘じてくださるようにお願いします。レバレンドムーンは、既にすベての準備を完了しました。
この地球星を神様の願われる理想天国にするため、五大洋六大州を連結し、巡回して疾走できる「世界平和超高速道路」建設の一環として、べーリング海峡にトンネルを通す、世界最大のプロジェクトを進めています。
世界平和具現の崇高な志を抱いて出発した国連が、有名無実な機構に転落した現実を無視することができず、私は国連の刷新を推進しています。それと並行して、「新しいぶどう酒は新しい皮袋に入れるべきである」という次元で、私は、人類を「天宙平和神文明開闢時代」へと導く新しい「平和国連」、すなわちアベル国連(天宙平和連合)を創設し、世界百二十ヵ国以上の国々から支持を受けています。
皆様は今や、真の父母を信じて従いさえすればよいのです。良心の羅針盤に従い、真の父母、真の師、真の主人の位置を確保し、永生を保障する真の愛の人生を実践躬行してください。皆様の壮途に天運が共にあり、皆様の、祝福を受けた善の先祖たちも、皆様の活動に積極的に協力するでしょう。勇気をもって前進的発展を促進化してください。皆様すべてが、三大主体思想による太平聖代平和王国時代の到来に、億万歳を叫ぶことができる真の家庭理想を完成されることをお祈りいたします。ありがとうございました。
20.自叙伝五万部普及勝利慶祝大会
平和経 第七篇 心情文化世界の創建のために
20.自叙伝五万部普及勝利慶祝大会
日付:二〇一一年三月五日
場所:アメリカ、ラスベガス、シーザーズパレスホテル
行事:真のお父様の自叙伝五万部普及勝利慶祝大会
尊敬する世界各国の指導者、ならびに内外の貴賓の皆様。お忙しい日程にもかかわらず、この地域で、私の自叙伝の五万部普及勝利を記念する本大会に御出席され、このように満場の盛況を博すようにしてくださった皆様を、私と私の家庭全員の名で歓迎し、心から感謝の御挨拶を申し上げます。
貴賓の皆様。今日、私たちが身を置いて生きているこの世界は、歴史上のいかなる時よりも多くの問題を抱え、苦しんでいます。世界の人口六十五億のうち、九億を超える人たちが、今この時間にも飢えで苦しんでいます。その中で、六秒ごとに一人の子女が栄養失調で命を失っているのです。国連は、二〇一五年までに飢餓人口を半分に減らすと宣布しましたが、地球温暖化により穀物生産量が減っていき、逆に二〇二〇年には世界の飢餓人口が二倍に増加すると専門家たちは予測しています。
深刻な飢餓問題を解決する代案はどこにあるのでしょうか。地球星の七五パーセントを占めている海洋圏こそ新しい資源の宝庫です。海は、各種の公害や資源の枯渇により死につつある地球星を神様の名によって回生させ、人類の明るい未来を約束してくれる新しい原材料の宝庫なのです。このことをお忘れにならないように願います。
私は、飢餓に苦しむ人類を解放するため、既に一九六〇年代からこれまで五十年以上の間、海洋産業に投入し、海洋技術を開発してきました。一九八〇年から、沈まないといわれるグッドゴー船舶を建造し、アメリカはもちろん世界的に普及し、海洋産業の基地を構築してきました。
一九九〇年代には、ブラジルとウルグアイを中心に南米の海洋産業に投入するなど、全世界五十二ヵ国に世界的な海洋ネットワークを造成しました。このような祖国の基盤の上に、二〇〇〇年代に入ると大韓民国南海岸の代表港湾都市である麗水と、太平洋の中央に位置し南北太平洋の中心であるハワイ、アラスカのコディアク、そしてラスベガスのフーバーダムを結び、「環太平洋圏」の海洋産業のハブとして発展させてきました。
大韓民国の麗水は、私が築いた基盤を中心に、二〇一二年世界海洋エキスポ都市として選定され、今その準備に拍車がかかっています。
特に、去る二月十七日、世界の指導者たちが参席する中、私が生涯を通して研究し創案した、不可能だと言われてきた石膏モールド工法を紹介し、各種の新技術を開発、適用して世界で最初に製作された「天艇号」の進水式を行いました。
そして、最近では、ここフーバーダムのミード湖の清浄水資源とグランドキャニオン、ブライスキャニオン、ザイオンキャニオン、セドナなど、周辺の秀麗な名勝地を開発して環太平洋圏に含め、神様の祖国である韓国とアメリカのラスベガスを中心として、神様が承諾される宗教圏の恩賜を通して、世界最大、最高の観光レジヤ一団地である神様の理想的な基地を造成し、新天地を建設する計画を進めています。
天が人類に祝福として承諾された自然環境を、原状のまま保全して育み、子孫万代にわたって感謝しながら楽しむことができる地上楽園をつくろうというのです。
皆様。私は一生を通して、神様の真の愛を実践するために生きる人生の道を教え、世界人類の福祉と平和のための努力を、海洋産業だけではなく、多方面において持続的に展開してきました。
去る二〇一〇年には、このような世界平和運動の成果を集大成する「天地人真の父母定着実体み言宣布天宙大会」をアメリカのニューヨークとラスベガス、そして韓国で立て続けに開催しました。今年、私の年齢は九十二歳の高齢ですが、人類平和のための努力を止めることなく、先頭に立って走っています。
また去年の三月には、アレクサンダーヘイグ将軍の逝去を契機に、生前に永生の道を準備する昇華式の意義を世界の人々すべてに教えてきました。
ここに参席された皆様は、私の自叙伝『平和を愛する世界人として』を研究しながら、様々な考えをおもちになったことと思います。この自叙伝は、二〇〇九年の初めに韓国で出版されて以来、これまでベストセラーとして全国民から愛されており、今は英語、フランス語、スペイン語、中国語、日本語など、世界の四十三ヵ国の言語に翻訳され、世界で広く普及されています。
私は生まれながらにして神様の印を受け、個人としての人生は夢にも見ることができないまま、このように波瀾万丈の九十二年の歳月を走ってきました。上では神様を解放し、下では人類を罪悪のサタン主管下から救援して、天上と天下に唯一なる神様を中心とする平和解放の世界を創建しようと「寤寐不忘(オメブルマン)」(寝ても覚めても忘れられない意)、「死生決断」の姿勢で五大洋六大州を隣の家のように行き来しながら、はや九十有余年の生涯を生きてきました。
もう隠退して安らかな余生を楽しむべき年齢ですが、天のみ旨を実現するために、昼夜を分かたず一本道を歩んできた私は、今もなお、すべきことがたくさんあるのです。様々な犯罪と飢餓、そして疾病に苦しむ人類をこのまま放置して天の国に旅立つことはできません。
私が世界の人類に遺言書として伝授している八大教材教本と私の自叙伝を中心とする汎世界的な教育を大々的に展開し、真の家庭の理想を定着させるのです。人類の真の父母である私たち夫婦の責任が正にここにあります。
貴賓の皆様。私の自叙伝は、平凡な一人の人間の人生を記録したものではありません。神様のみ旨を成就していく真の父母様の緊迫した人生の日々が赤裸々に描かれている、真の父母様の告白書であり、日記帳であり、人類救援のためにサタンとの闘いにおいて、血みどろの闘いを展開してきた戦勝記録なのです。
霊界と肉界を行き来しながら、地球星の軸をつかんで格闘してきた真の父母の汗の滴が結実しているのです。汗は地のために、涙は人類のために、血は天のために流そうという覚悟で、数限りなく生死の峠を行き来しながら歩んできた、真の愛と真の家庭の標本であり、座標です。
きょう、皆様は、どうぞ心の扉を開いて、私の自叙伝を精読してください。人類救援の孤独な道を歩んでいる私の手をつかみ、皆様と皆様の家庭の永生はもちろん、かわいそうな人類の永遠の生命を神様のみ前に取り戻してさしあげましょう。
皆様。私たちすベての究極的目標は、神様を生活の中心にお迎えして生きる「神の国」と、「神の義」を探し立てることです。イエス様が強調された「神の国」とはどのような国でしょうか。それは、祖父母、父母、子女の三代が調和して、互いに信じ、尊敬し、頼り合って、愛で一つになって暮らす真の本然の理想家庭と同じ実相である平和理想王国を意味するのです。すなわち、人類が今までユートピアとして願ってきた神様主権の国が、正に「神の国」なのです。そのような伝統と法度を最もよく教えてきた国が韓国です。五千年の歴史を通して継承してきた、三代圏が一つの家族として共に暮らしていく韓国的伝統の大家族主義制度は、人類の行くべき家庭倫理の座標を示したものです。ですから、いち早く天は韓国を天一国の中心国家として準備してきたのです。
また、人類が一つの家族になり、お互いに心の壁を崩し、天宙的次元で国家間の国境までも除去しようという共生共栄共義社会の実現運動も、このように真の父母を中心とした真の血統が連結した一族の一つの家庭から始まります。したがって、私たちが真の家庭を探し立てることは、この地において神様を中心とする天宙平和王国の創建を早める摂理的召命なのです。
今日、私たちが生きているこの時代は、歴史的な一大転換期です。歴史を変え、霊界と地上界を一つにして、神様が太初から願ってこられた理想天国をこの地上に創建しなければならない天宙的大革命期です。これ以上、延期したり延長したりする時間はありません。
天は既に二〇一三年一月十三日を「基元節」として宣布しました。実体的天一国の始発であり、起源となる日が正にその日なのです。二年しか残っていません。
したがって、人類は今、天の命令に謙虚な姿勢で従順に従わなければならない時です。平和の王であられる神様の実体として地上界で摂理を経綸していらっしゃる真の父母様の導きに従い、平和世界の定着を完成、完結、完了すべき宿命的な時間が、きょうの私たちの前に近づいてきたのです。
貴賓の皆様。このような深刻で貴い時代を迎え、皆様の人生にも、今や革命的で天宙的な変化が訪れるべきでしょう。そのような意味で、これまでの二年間、全世界の人類に宣布し、教育してきた「天地人真の父母定着実体み言宣布天宙大会」の結論部分を要約し、天のメッセージとしてお伝えしようと思います。
第一に、まず家庭の中で神様を中心にお迎えし、父母と子女が完全に一つになる教育を毎日実践しなければなりません。家庭において父母と子女が、真の父母様が下さった教材教本と真の父母様の自叙伝などを共に訓読して一つになる家庭教育を、徹底して行いなさいということです。
第二に、父母と子女が神様を中心に絶対父母と絶対子女の基準を立て、絶対家庭を立てなさいということです。天は既に重生と復活の昇華権の恩賜を家庭単位まで許諾されました。神様のもとで父母と子女が完全一体になれば、その恩賜を受けることができるので、絶対家庭を立てなさいというのです。
第三に、真の父母様の御在世時に、神様と真の父母様を中心とする勝利圏の太平聖代を開かなければなりません。真の父母様の血と汗がにじむ苦難の恩賜により、人類は既に蕩減復帰時代圏を抜け出しました。今から私たちは、真の父母様の御在世時に、家庭、氏族、民族、国家、世界まで、地獄圏を解放させなければならない責任があることを忘れてはいけません。
第四に、神様が直接主管される平和時代への進入が二年しか残っていない切迫した時点だということを忘れてはいけません。「人類一家族」のビジョンを中心として、あらゆる家庭で八代までの氏族が、苦楽を共にしながら共に暮らすべき真の愛の天宙安息圏の時代に入ったという事実を肝に銘じてくださるようにお願いします。万人が平等となり、万国が兄弟国となる「神様のもとの人類一家族」の世界が皆様の目の前で展開しています。
ここアメリカ西部の主要地域であるフーバーダム―ラスベガス、グランドキャニオンと東欧圏のロシア、アジアのキリスト教文化圏地域、アラスカのコディアク地域を中心として推進している私の開発計画も、遠からず大きく世に知られることになるでしょう。「神様のもとの一つの家族」の理想を成し遂げるために、大きな一助となり得るでしょう。
皆様は人類のためのこの遠大なプロジェクトに参与し、共に祈り、共に汗を流す働き手となられることを願います。自叙伝で明らかにされている私の精神と皆様が一つになれば、これまで「シンシテイ(sin city:罪悪の都市)」と呼ばれてきたここラスベガスが、神様を迎えてアベル国連の基盤を定着させる世界的な代表都市として、今後神様の真の愛が支配する「シャイニングシテイ(shining city
style='font-family: "MS Mincho";mso-fareast-font-family:"Times
New Roman";mso-bidi-font-family: "MS Mincho"'>輝く都市)」、さらには「サンシテイ(sun city:太陽の都市)」となることを信じて疑いません。
貴賓の皆様。このような歴史の大転換の終着点において、希望の価値を神様のみ前に奉献しましょう。皆様と皆様の御家庭、そして皆様の国家の上に天の祝福が共にあることを真の父母様の名によってお祈りします。ありがとうございました。