平和メッセージ1
神様の理想世界と平和理想世界王国T
(このメッセージは、2006年3月に開催された、韓国の平和大使および各分野の指導者大会の時に、文鮮明・韓鶴子ご夫妻が講演されたメッセージです)
天宙的理想郷を目指し、地球星の各地で、世界平和の具現を成し遂げようと、並々ならぬ御苦労をしていらっしゃる世界の指導者の皆様!
御多忙中にもかかわらず、「天宙平和連合」をモデル国際連合へ、そして、天一国を全世界の国々が力を合わせ、「平和理想世界王国」へと創建するための「天宙平和統一家庭堂」を、世界的次元に拡大、格上げさせ、「天一国平和統一堂」へと生まれ変わらせる本大会に御出席されるため、数千、数万里を駆けつけてくださった皆様に、心から感謝を申し上げます。
皆様! 二十一世紀に入った今日の人類は、実に歴史的な大転換期に置かれています。永遠の世界平和を定着させることができるのか、あるいは、二十世紀まで反復してきた暗鬱な戦争と対決の歴史を再び繰り返すのかを、決定せざるを得ない時点に来ています。皆様も御存じのように、私は、二十世紀に入って本格化した植民地争奪戦と、第一次、第二次世界大戦、韓半島での六・二五動乱、東西冷戦など、絶えず繰り返されてきた戦争と反目の時代を通し、生涯の全過程を神様の平和理想世界王国具現のために捧げてきました。その過程において私は、第二次世界大戦が終わって創設された国際連合(以下、UN)が、永遠の世界平和を実現するため、神様のみ旨を受け入れることができる平和の機構となるよう懇切に祈ってきました。
しかし、一九四五年に創設されたUNに、世界平和のために貢献した素晴らしい業績がないわけではありませんが、創設六十周年を超えた今日の姿は、その本来の目的を遂行するに当たって、深刻な困難に直面していることを、自他共に認めています。
加盟国が二百カ国に迫っていますが、自国の権益ばかりを代弁し、主張するUN代表部の役割は、今、世界紛争の解決と世界平和の具現に当たって、創設当時からの限界を露呈しています。したがって、私はきょう、昨年(二〇〇五年)九月十二日、アメリカのニューヨークで出帆したのち、世界百二十カ国を巡回しながら宣布した「天宙平和連合」の創設メッセージを、再び天と地の前に宣布しようと思います。「神様の理想家庭と平和理想世界王国」と題するメッセージです。
神様の永遠の創造理想である平和理想世界の実現のために、カイン格である既存のUNの更新とともに、新しい次元で平和理想世界王国の機能を発揮できる天宙的次元のアベル格のUNの姿が、正に「天宙平和連合」です。この創設メッセージこそ、全人類が深く肝に銘じ、後天時代を生きていく座右の銘として率先して実行するように、天が下さった特別な祝福であり警告です。
神様の理想家庭
尊敬する世界の指導者の皆様、神様が人間を創造した究極的な目的はどこにあると思われますか。それは真の愛を中心とした理想家庭の完成を通して喜びを感じることでした。では、理想家庭とはどのような姿でしょうか。神様が創造された最初の人間は、男性格を代表したモデルとしてのアダムと女性格を代表したモデルとしてのエバでした。彼らが真の愛の見本となる人格者、主人になる道とはどのような道だったのでしょうか。一言で言えば、神様を父として侍って生きていける、父母と子女の関係を確保するモデル平和理想家庭でした。神様と一つの家族を成し、永遠に喜びを感じて生きる道である、という意味です。
皆さんも、祈祷を通して神秘的な境地に入り、この宇宙の中心は何なのかと尋ねてみてください。「父子関係」という答えを聞くようになるでしょう。父母と子女間の関係以上に、重要で貴いものはないということです。これが、この宇宙を創造された神様と人間の根本的関係であるからです。
そうであるならば、父子の関係がもっている特性とは何でしょうか。真の愛と真の生命と真の血統の関係です。真の父母の真の愛が前提とならなければ、私たちの真の生命が存在することはできません。すなわち、神様の前に人間は、絶対的な真の愛の相対として創造されたということです。そこは、正に神様が父となり、人間は息子、娘となる軸が立てられる所なのです。
もし、それよりもっと高く貴い所があれば、人間の欲望は、またそれを追求することでしょう。しかし、そのような所はありません。全知全能であられる神様が、最高のものは御自身のために隠しておいて、御自身の子女であり、愛の絶対相対者であるアダムとエバには、二番目に良い所に立てて創造したということは、想像することもできません。
私たちの永遠の真の父母であられる神様は、一〇〇パーセント御自身のすべてを投入して人間を創造され、同位権、同参権、同居権、相続権を付与されました。神様のすべての属性を下さったのです。
神様がいかに絶対者だとしても、独りでは幸福になることができません。「うれしい」という言葉や「幸福だ」という言葉は、独りでは成立しない言葉です。必ず相対的関係を備えた所に成立するのです。一生を声楽家として生きてきた人でも、もし無人島に捨てられ、独りで喉が張り裂けるほど歌を歌ったとしても、幸福でしょうか。
自存される神様も、喜び、幸福であるためには、必ず授け受けできる愛の相対が必要なのです。
とすると、絶対者であられる神様に喜びをお返しすべき相対者としての人間は、どのような姿でなければならないのでしょうか。神様が「息子よ、娘よ」と呼ぶことができ、御自身と同格の位置に立て、共に創造の偉業を完成することができ、天地万物をすべて相続させられる子女は、どのような姿でなければならないのでしょうか。
神様が、創造の理想的出発点をどこに置かれたのか、お分かりでしょうか。「相対のために存在する」という原則に自らの理想的出発点を置かれたのです。言い換えると、神様が願われた相対のために真の愛を実践することが、神様の創造のみ業を出発した核心だったのです。
したがって、神様の子女である人間の責任は、何よりもまず神様に似ることです。孝子、忠臣、聖人、聖子の家庭の道理を果たす真の愛の化身になりなさいということです。神様の深い心情の内的事情を知って、アダムとエバの堕落以来、数千、数万年、苦痛の中で生きてこられた神様の恨を解いてさしあげなければならないのです。
全能の神様が、それほどまでに苦痛の場から抜け出せず、歴史の背後で受難の道に甘んじて耐えてこられたのは、神様が愚かで能力がないからではありません。
堕落によって失ってしまったアダムとエバの本然の位置、すなわち完成した「後のアダム」の顕現を待たなければならない、復帰摂理にまつわる、言うに言えない事情があったからです。いかに全権をもった神様でも、自ら永遠の基準の上に立てた天理原則を無視することはできなかったのです。
血統の重要性
ところで、アダムとエバの堕落以来、長い歴史を通して神様の胸に最も痛む恨として残されてきたものが何であるか、御存じでしょうか。それは、天の血統を失ってしまい、兄弟圏と所有権まで失ってしまった事件です。
生命より貴く、愛よりも重要なものが血統です。生命と愛が合わさって創造されるものが血統です。これらのうち、生命がなくても、愛がなくても血統は創造されません。愛、生命、血統のうち、その実りが血統なのです。
神様の血統の中には、真の愛の種が入っていて、真の生命の体が生きています。したがって、この血統と連結されれば、神様が理想とされた理想人間、すなわち人格完成も可能であり、理想家庭も生まれるのであり、さらには神様の祖国、理想国家も出現するのです。
平和理想世界王国は、このように創建されるのです。血統の重要性は、いくら強調してもしすぎることはないということを、皆さんも肝に銘じなければなりません。
血統がなければ、生命はもちろん、愛も離れてしまいます。血統が残ってこそ、愛した自分の伝統が残され、血統が存続してこそ、父母の息遣いが継続していくのです。言い換えれば、父母に愛の実、生命の実、血統の実、そしてすべての喜びの実を提供する最初で最後の必要十分条件は、真なる血統であることを、はっきりと知らなければなりません。
ところが、生命とも取り替えられない、この血統を失ってしまいました。真の生命と真の愛の実を結べなかったのです。地球星に広がっている六十億の人類が、天とは何の関係もない、サタンの実に転落してしまったのです。
神様が蒔いた種が大豊作になり、秋に収穫しようとしたその園が、エデンの園でした。アダムとエバ、二人の息子、娘を育てて真の愛を花咲かせ、真の生命を花咲かせ、真の血統を花咲かせた所で、永遠の愛、永遠の生命、永遠の血統の主人と家庭、そして神様の平和理想世界王国を収穫しようとしたのが、神様の人間創造の理想だったのです。
真の父母を探し求めてきた天の苦痛
しかし、その場に現れたのは、偽りの愛、偽りの生命、偽りの血統でした。神様の愛と生命と血統が愛の怨讐である姦夫、サタンの所有権のもとに落ちてしまったのです。天地が真っ暗な地獄に変わってしまい、神様までも姿を隠される、そのような凄絶な世界になってしまった事実を、人間は今まで知らずに生きてきました。
怨讐の血統が生命線であるかのように錯覚し、そこに命を懸けて生きている群像こそが、今日の堕落の末裔となった人類の悲しい姿なのです。それで、この世界を地上地獄と呼ぶのです。このような悲惨な姿を見つめられる神様は、どれほど胸が痛かったことでしょうか。本来、神様は、エデンの園にアダムとエバを創造されたのち、彼らを御自身の祝福のもとで結婚させ、天の所有権までも完全に伝授してあげようとされたのです。宇宙万象の所有権を、アダムとエバに相続してあげようとされたという意味です。
しかし、堕落によって、これらすべてがサタンの手に落ちてしまったのです。愛する子女に相続してあげるために、一生の間、汗を流して集めた財産を、一晩のうちに、強盗にそっくりそのまま奪われてしまった父母の立場になってしまったというのです。
このように、サタンに血統圏を奪われ、子女を失ってしまい、すべての国と世界の所有権まで渡してしまった神様の、悲しく無念な心情を知る者がいませんでした。したがって、血統圏と所有権を再び取り戻す道は、サタンを自然屈伏させる道しかありません。サタンを自然屈伏させる秘法とは何でしょうか。怨讐を自分の子女よりもっと愛する真の愛の力によってのみ、初めて可能となるのです。
しかし、人類の真の父と真の母を喜んで迎え、楽しむことができる一日を送り、一月を送り、一年、十年、あるいは一生を送ることができる、そのような時間をもたれた神様であったのかというのです。一年はおろか、たった一時間でも、そのような人に出会うことができなかった神様の苦痛を、誰が慰労してあげられたでしょうか。
数千、数万年を経ながらも、なぜ神様と人間の間には、到底縮めることのできない距離が生じ、父母と子女の関係も結べない悲惨な関係になったのかを知る者がいなかったのです。
アダム家庭で始まったカインとアベルの闘争歴史は、人類歴史をそのまま戦争と葛藤の歴史にしてしまいました。小さくは人間個々人の心と体の葛藤から、大きくは国家と国家が、さらには全世界が物本主義と神本主義に分かれ、対立、闘争をしてきました。
極度の利己的個人主義は、きょうも私たちの生活を脅かしています。人類の希望であり、未来を約束された若者たちを、フリーセックスと麻薬の奴隷に転落させています。物質万能主義に陥った先進国は、自国の利益にばかり目がくらみ、一日に数万人ずつ飢えて死んでいくかわいそうな生命から顔を背けています。
誰が、この数千年にわたるカインとアベルの歴史的な葛藤を解いてくれるのでしょうか。世界平和を掲げて出発したUNに、それができると思われますか。
UNは、過去六十年をかけて努力してきましたが、いまだに世界平和は、はるか彼方です。体と心のカイン・アベル関係も解決できない人間の努力だけでは、不可能なことです。今こそ、天命に従って出発したアベル的平和理想世界王国の創建が必要な時です。
神様は、このような悲劇をすべてきれいに清算してくれる一人の人を、待ちに待ってきましたが、この地上にふさわしい相手と国家も現れませんでした。もし、そのような人が、ある国に現れて真の父母の位置にさえ立つことができていたならば、神様は、夢にも現れ、ヘリコプターで太陽を運び、月を移してでも、空中で喜びの稲妻を走らせ、歓喜の雷を轟かせたかったことでしょう。
このような意味で、人類歴史上初めて、失ってしまったアダムの位置を捜し立て、真の愛の主人の位置を確保し、神様から人類の真の父母としての印を押されて顕現したレバレンド・ムーンが、今日、皆さんと同時代圏に生き、同じ空気を呼吸しているということは、正に奇跡の中の奇跡にほかなりません。
祝福結婚を通じた血統復帰
堕落の末裔となった人類を救う、横的真の父母の位置で勝利しました。その基台の上に、二〇〇一年一月十三日には、復帰摂理に責任をもってこられた縦的真の父母、すなわち神様を解放・釈放する「神様王権即位式」を奉献しました。これは人類のための歴史上、最高、最大の祝福であり、絶対、唯一、不変、永遠の勝利であることを知らなければなりません。ついに神様の心と体が完全解放・釈放を受けるようになった摂理史的絶対勝利だったのです。
したがって人類は今、これほど執拗に苦しめられてきたサタンの偽りの血統を果敢に断ち切り、真の父母様の真の血統の根に接ぎ木されなければなりません。これ以上、野生のオリーブの木として人生を終える愚を犯してはならないというのです。野生のオリーブの木では、千年を生きても、野生のオリーブの種しか生産できないという悪循環が続くからです。では、どうしたら私たちは、野生のオリーブの木の立場から抜け出す道を探すことができるのでしょうか。
天の真の血統をもってこられた真の父母様を通して祝福結婚を受けることが、正に真のオリーブの木に接ぎ木される恩賜です。血統を変えなければ、種を変えることはできないからです。祝福は、重生、復活、永生の三段階の祝福を経るようになっています。
ところで、真の父母様から祝福結婚を受けて理想家庭を築き、罪のない純粋な真の種を受ける最善の道は、交叉結婚です。人種、文化、国境、宗教の壁を飛び越え、神様のもとに人類一家族をつくる大役事です。神様の目には、皮膚の色の違いはありません。神様の目には、国境が存在しません。神様の目には、宗教と文化の壁が見えません。これらすべてが、数万年の間、人類の偽りの父母として君臨してきた悪魔、サタンのまやかしにほかなりません。
最も呪わしく、夢にも見たくない怨讐の家庭と、祝福結婚を通して一つの家族になったと考えてみてください。恨みの思いに凝り固まっていた父母たちの血統は消え去り、新しい強力な真の愛の血統が創造されるのです。
両家の子女たちが夫婦となり、互いに愛し合い、幸福な家庭を築いて暮らすことを呪う父母がどこにいるでしょうか。いくら憎い怨讐の娘であったとしても、自分の息子の愛を受ける嫁となり、水晶のように清らかで澄んだ真の天の孫と孫娘を抱かせてくれるとしたら、喜びの笑顔を見せないおじいさん、おばあさんがどこにいるでしょうか。
白人と黒人が、東洋と西洋が、ユダヤ教とイスラーム(イスラム教)が、さらには五色人種が一つの家族になって暮らせる道は、交叉結婚の道をおいて、ほかに方法があるでしょうか。共に暮らす生活の典型は家庭です。父母と子女は愛と尊敬で、夫婦は相互信頼と愛を基盤として、兄弟姉妹間は互いに信じて助け合い、一つになって暮らす家庭の姿が、正にモデル家庭なのです。私たちが命を懸けてでも、真の父母様から祝福結婚を受け、天の伝統である理想家庭を探し立てなければならない根本理由が、ここにあるのです。
真の愛の人生とは
真の愛の本体であられる神様に似る最善の道が、真の愛の実践を通して真の愛の人格者になり、真の愛の主人になる道だと言いました。その道こそが、私たちも真の父母になれる道だと言いました。
そうであるならば、真の愛の人生とは、どのような人生でしょうか。真の愛は、公益性をもつ無形の秩序や、平和や、幸福の根源です。真の愛の本質は、受けようという愛ではなく、人のために、全体のために先に与え、ために生きようという愛です。与えても、与えたということすら記憶せず、絶えず与える愛です。喜んで与える愛です。母親が赤ちゃんを胸に抱いてお乳を飲ませる、喜びと愛の心情です。子供が父母に孝行して喜びを感じる、そのような犠牲的愛です。神様の人類創造がそうであったように、何ら見返りを期待せず、条件も付けずに与える、絶対、唯一、不変、永遠なる愛の創造です。
真の愛は、宇宙の源泉であり、宇宙の中心、宇宙の主人を生み出してくれる愛です。真の愛は、神様の根であり、意志と力の象徴でもあります。したがって、真の愛で結ばれると、永遠に一緒にいても、ただうれしく、宇宙はもちろん、神様までも引っ張れば付いてくる愛です。
堕落の末裔である人間がつくった国境の壁、人種の壁、さらには宗教の壁までも、永遠に終わらせる力が、真の愛の価値です。
神様の真の愛の主流属性は、絶対、唯一、不変、永遠なものなので、誰でもこの真の愛を率先して実践すれば、神様と同居して共に楽しむことができ、同参権までも享受できるようになるのです。このように、天国に入るのに絶対に必要な条件が、正に「ために生きる人生」、すなわち真の愛の人生なのです。
尊敬する指導者の皆様。皆様は、今や祝福結婚と結実の時代を迎えています。神様の創造理想である地上天国、すなわち平和王国が皆様の目の前で創建されつつあります。
真の父母として、八十年以上の生涯を、血と汗と涙でつづられた一本道、天の道だけを歩んできた私の人生が、今では六十億人類のための勝利的結実を収めているのです。霊界でも、四大聖人はもちろん、数千、数万の聖賢たちと皆様の善の先祖たちが地上界に降りてきています。皆様の一挙手一投足を見守り、天道に背く者を罰して、多くの人の戒めとされることでしょう。
世界百八十カ国以上で、天のみ旨と伝統を相続した数千、数万の平和大使たちが、真の愛と真の家庭の価値を叫び、昼夜の別なく走っています。この地に平和理想世界王国を創建しようと総進撃しています。
世界の火薬庫と言われる中東でも、レバレンド・ムーンの平和思想に励まされ、ユダヤ教、キリスト教、イスラーム(イスラム教)が、新しい次元の平和的対話を行っています。東西間の冷戦に終止符を打つ決定的役割を果たしたのも、レバレンド・ムーンの「統一思想」でした。私の祖国、韓半島統一のための実質的背後作業も今、レバレンド・ムーンの主導のもとで急速に進行しています。
しかし、私は決してここで満足することはできません。天命を受けて出発した私の生涯です。天から印を受け、人類の真の父母として顕現した私の天との約束は、必ず成し遂げなければなりません。
この地球星に毒きのこのように君臨してきたあらゆる国境と壁を完全に撤廃し、万人が共に手を取って暮らせる平和理想世界王国を創建しなければなりません。
平和大使は天の密使
尊敬する平和大使の皆様、皆様は、きょう私がお伝えする神様のメッセージを通して、多くのことを学び、悟ったことと思います。ところが、いまだに方向感覚を喪失したまま漂流している人類は、今こそ、天に代わる皆様の助けを必要としています。今や皆様は、新たな覚悟と決意で天命に従って立ち上がる天の密使とならなければなりません。そのような次元でもう一度、きょうのメッセージを要約しながら、私たちの使命を胸深く刻んでおこうと思います。
神様の子女として創造されたアダムとエバが、堕落によって失ってしまったものが何であると言ったでしょうか。
第一に、神様が下さった血統圏を喪失してしまいました。血統は、父母が子女だけに与え得る特権中の特権です。しかし、堕落によって彼らは、サタンの偽りの血統を受けて、サタンの子女に転落してしまいました。
したがって、今日の全人類は誰彼を問わず、例外なく、サタンの血統を引き継いで生きている堕落の末裔であるという事実を、はっきりと悟らなければならないでしょう。神様は、御自身全体を一〇〇パーセント投入して絶対信仰、絶対愛、絶対服従の基準でアダムとエバを創造され、彼らの愛と生命の種として血統を下さったのです。
したがって、今、皆様の位置は違っています。真の父母様が許諾された聖酒式を通して血統転換をし、再祝福を受け、真の家庭を探し立てられる道が大きく開かれました。
第二には、人類の最初の家庭であるアダムの家庭で、兄のカインが弟のアベルを殺すことによって兄弟圏を失ってしまいました。天が下さった家庭での本然の秩序であり、祝福である兄と弟の間の愛と和合の人生が、妬みと恨みの怨讐関係に落ちてしまったのです。
したがって人類は今、レバレンド・ムーンが主導してきた世界的次元の交叉結婚を通して血統復帰を完成し、より天の側であるアベルが主体格である兄の位置、すなわち本然の秩序を確立しなければならないのです。
皆様、このようなサタンの秘密を暴いたレバレンド・ムーンの人生は、言葉では表すことのできない迫害と苦難、すなわち恨の生涯とならざるを得ませんでした。しかし、今では万難に打ち勝ち、勝利して、天の権勢が現れる「後天時代」を宣布しました。
その基盤の上に、世界人口の七八パーセントを超える宗教圏と国家圏を糾合し、新しい世界的次元のアベル圏を立てつつあります。併せて、新しい世界的次元のカイン圏を確立するために、全世界の人口の七四パーセントを占めている蒙古斑同族圏を糾合しつつあります。
したがって、今や超世界的次元で、この二つのアベル圏とカイン圏が一つになり、アベル王国の立場で出帆した「天宙平和連合」と一体にならなければなりません。そして、この地に平和理想世界王国を創建するために、超宗教超国家的な次元で、すべての国境と垣根を撤廃しなければなりません。そうして、全人類が本然の創造理想世界に入ることができ、アダムとエバの堕落によって失ってしまった本然の所有権までも捜し立てるべき宿命的責任があるという事実を、いま一度、皆様に想起していただきたいのです。
天の側の新しいアベル圏が天宙的次元でカイン圏を消化し、本然の創造理想的権限である天の全権をもって新天新地、すなわち地上・天上天国創建に向けて新たな出発をすべき時であることを肝に銘じてくださるようお願いいたします。
人類平和のためのプロジェクト
世界の指導者の皆様、私は、きょうこの貴い神様の摂理歴史的完成の場をお借りして、もう一度、神様と人類の摂理的最後の目的である平和天国創建のために、そして神様の祖国と本郷の創設のために、実に摂理的で革命的なプロジェクトを宣布しようと思います。
歴史的に、サタンによって東と西、南と北に分けられ、地理的には、北アメリカ大陸とロシア大陸を分けるベーリング海峡に、橋を架け、海底トンネルを通そうというのです。
そうして、アフリカの喜望峰からチリのサンティアゴまで、イギリスのロンドンからアメリカのニューヨークまで、自動車で全世界を巡回、疾走できる「世界超高速道路」を連結する「ワールド・ピース・キング・ブリッジトンネル」を完成し、世界を一日生活圏にしようというのです。
これ以上の分断と分裂は容認できないというのが天の警告です。全世界を一日生活圏で結び、サタンがつくった人種、文化、宗教、国家の壁を崩し、神様が何よりも願ってこられた平和理想世界王国を、この地球星に創建しようというのです。
アメリカとロシアが一つになり、ヨーロッパ大陸、中国、インド、日本、ブラジルなど、世界のすべての国家、そしてすべての宗教が一つになり、共に力を合わせ、この歴史的なプロジェクトを成功させなければなりません。この事業の成功こそ、人類にとって、これ以上戦争と分断が必要ない平和理想世界王国を創建するのに、決定的役割をすることでしょう。
皆様、このような途方もないプロジェクトをどうしたら完成できるのかと、疑問をもつ人もいるでしょう。しかし、神様のみ旨がある所には、必ず道があります。
二十一世紀の現代科学技術は、今、ベーリング海峡にトンネルを通す程度のことは問題にならない水準にまで発展しています。工事費用も問題になりません。世界が戦争という名のもとに費やしているお金がいくらでしょうか。人類は今、歴史と後代の前に、実に恐るべき罪を犯していることを自覚すべき時です。
一つの例を挙げましょう。アメリカが過去三年の間、イラク戦争につぎ込んだ戦費がどのくらいになるか御存じですか。約二十兆円(二千億ドル)に迫っています。
それだけ予算があれば、ベーリング海峡プロジェクトを完成しても余るお金です。なぜ私たちが、互いに殺し合う戦争に、このように途方もないお金をつぎ込む愚かな蛮行を続けなければならないのでしょうか。聖書のイザヤ書第二章四節の教えのように、今や、「銃や刀を溶かして、すきとくわを作る」時です。
人類はもうこれ以上、戦争のための戦争に子女たちの命を犠牲にし、天文学的なお金を費やす悪業を繰り返してはなりません。世界のすべての国家の力を総動員し、大宇宙の主人である神様が願われる平和理想世界王国創建に、総邁進すべき時が来たのです。
皆様、人類は今、レバレンド・ムーンの教えである「真の愛、真の生命、真の血統の平和思想」を受け入れなくては生きていけない、窮地に立っています。皆様の善の先祖たちが総動員され、後天時代の天的な権勢が押し寄せてくれば、いくら強大に見える国家や民族でも、天地の運勢に順応するほかなくなることでしょう。
私たちの使命
今や選択は皆様のものです。無知には完成があり得ません。きょう、皆様に伝えるこのメッセージは、天がこの時代に下す警告であり祝福なのです。天運に従って発展し、勝利していくレバレンド・ムーンと歩調を合わせ、この地に真の家庭、真の社会、真の国家、真の平和理想世界王国を創建する主役になりますか。それとも、サタンが喜ぶ旧態依然たる宗教の壁、文化の壁、民族の壁、人種の壁の虜となり、余生をうめきと後悔の中で終えるのでしょうか。天は、この邪悪な世界をひっくり返し、この地に新天新地(新しい文化と理想王国)を創建する勇将たちを呼び集めています。
今、皆様と共に誕生した「天宙平和連合」は、神様の勝利であり、真の父母様の血と汗と涙の結実であり、皆様の希望であり願いです。カイン的な既存のUNの前に天一国を代表するアベル的王国の使命を果たすようになるでしょう。神様の創造理想世界実践郷を成し遂げるべき使命が、正に皆様に下された天命であることを肝に銘じてくださるように願います。
世界平和軍の名で出発したUN軍の役割を、もう一度考えてみてください。韓国動乱とベトナム戦争でも、その使命を果たすことができず、途中下車してしまったのではないでしょうか。したがって、私は、世界百二十カ国を巡回し、「天宙平和連合」の創設メッセージを宣布する中、昨年(二〇〇五年)の十月二十日、ウクライナにおいて人類の福祉と未来のための「平和王国警察」と「平和王国軍」の創設を、全世界の前に宣布しました。
この二つの組織は、今から新世界の秩序と平和を守る警備隊の責任を果たすようになるでしょう。いまだに、先天時代の残骸である分裂と利己主義の落とし穴から抜け出すことができず、慌てふためく人類に、真の個人、真の家庭、真の国家、真の世界と天宙を創建する、後天時代の真の愛を教育する先鋒隊にするのです。
皆様も、今から新しい時代に新しい甲冑を着て、天のために、そして人類万代のために全力投球する、賢明で勇猛な天宙的平和王国軍となってくださるよう願います。ぜひとも、きょう私が伝えた天の警告を胸深く刻まれ、真の父母様を通して受ける祝福結婚こそ、天の血統を取り戻す唯一の道であり、神様がこれほどまでに願ってこられた解放圏と釈放圏を確保し、神様の理想家庭と平和理想世界王国を永遠にこの地に定着させ得る道である、ということを肝に銘じてください。
それとともに、「天宙平和連合」の発展と成功のために、神様の理想家庭と理想国家と平和王国を創建することに、真の父母と共に最善を尽くす皆様となられることを願います。
億兆蒼生の平和の王、神様を真の父母として侍って暮らす真の王子、王女になってください。真の孝子、忠臣、聖人、聖子の家庭の道理を果たし、太平聖代の平和王国を創建しましょう。神様の祝福が皆様の家庭と国家の上に満ちあふれんことを願います。ありがとうございました。